「くらえ“赤紙”!!」
船に飛び乗った瞬間、パピエルの指示のもとさっきの爆発する紙が襲ってくる。
何度も同じ手をくらうか!!
即座に手に振動を溜め
「ヌン!!」
ドン!!
振動の波を発生させ、紙を爆発させるか、進路をそらせる。
<ドドドドドドドン!!>
衝撃波に当たった紙が一斉に爆発し、それによって立ち上った煙が消えると、そこには青筋を立てたパピエルがこちらを睨んできた。
「エドワード・ニューゲート!!地震人間か、なかなか面倒だな」
パピエルが手を頭上に上げると、パピエルの周囲を飛び回っていた紙がつられるように頭上に集まってくる。
いったい何をするつもりだ!?
「俺もいることを忘れるな!!」
ロジャーが攻撃される前にパピエルを殴ろうとするが
「“黒紙”」
「うお!?」
急にパピエルの体から出てきた黒い紙に体を拘束された。
「アホンダラア!!」
まだパピエルとの距離は十分に開いているので急いで回収に向かうが
「“折神”」
その一歩手前でパピエルが動いた。バピエルの身体から剥がれ落ちた紙が、パタパタとひとりでに折られていき…最終的には折り鶴の群れが出来ていた。
「“紅鶴”!!」
<ドンドンドン!!>
轟音を立てて鶴がこちらに突っ込んでくる!!
「クソッタレめ!!」
俺は何かあると踏んでいたので、再度手に溜めていた振動を放つ。
順調に鶴の数を減らしていくように見えたが、途中で鶴の群れが方向を変え、振動を避けながらこちらに襲い掛かってくる。
「グッ!!」
何発かモロに爆発が当たってしまった。
「オラオラ、まだまだいくぞ!!」
容赦なくパピエルが赤い折り鶴を使って攻撃してくる。
薙刀をふるい、時には振動を使い大多数の鶴を撃ち落とすが、それでもいくつか撃ちもらし、それが俺の懐に入り、そこで爆発する。
「ヌウ…!!」
思わず膝をつくと、
「今だ!!こいつらを捕縛しろ!!」
海兵がやってきた。
少しマズイか!!
何とか立ち上がろうとしながらそう思っていると、
「余計なことしてんじゃねえよ雑魚共がぁ!!」
<ドン!!>
「ギャアアアアアアアアアアアアアアアア!!」
俺たちを捕縛しようとした海兵が爆発した!!
「ちゅ、中将!?」
「ふざけるな雑魚共!!元はテメエ等がしっかりと俺の作戦を実行してなければこんなことにはならなかったんだよ!!それをテメエ等…。どこまでも使えないゴミクズが!!何もできないくせに手柄だけ横取りしてんじゃねえぞ!!」
「中将!!我々はそんなことは!!」
「言い訳は聞きたくねぇ!!何なら今すぐ全員今ブッ殺してやってもいいんだぞ!?どうせ、海賊どものせいにするしな!!テメエ等何か俺にとっちゃいてもいなくてもどうでもいい!!変わりはいくらでもいるんだ!!それがこの俺に口答えすじゃねえ!!」
<ブチッ>
それが聞こえたのは俺の頭からだったのか、それともロジャーからだったか
「ふざけんじゃねえぞぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
ロジャーが自分の拘束を突き破り、天に向かって吠えた。
<ゴウッ!!>
その瞬間ロジャーの体から風が吹いた気がした。
「うっ」
「あ」
周りにいた海兵たちがバタバタと気絶していく。まるで、肉食の動物を目の前にした草食動物、いや蛇ににらまれた還るの究極系、といったところか…
確か今の感覚前にもあった。
沸点を超えた頭のどこか冷静な部分でそう考えていた
「クッ、何という事だ!!噂に聞きし覇王色の覇気!!」
「一応聞いておこう。こいつらは“仲間”じゃねえのか?」
「ハア?仲間?そんなわけないだろ!!こいつは俺の正義を実行するための手駒だ!!“仲間”というのは俺と共通の正義を持ってそれを実行せんとする者たちのことだ。こいつらは違う!!」
「だが、同僚だろ?」
「ふざけるな!!こんな弱くて、海賊にビビッいるようなうやつらが“仲間”なわけあるか!!」
「「…」」
お前の話はよくわかった。
そしておれたちの結論も出た
「「ぶっ殺す!!」」
<ドガガガガガガガガガガガ!!>
「うおおおおおおおおおおお!?」
俺?
絶賛逃亡中だってばよ!!
「ハハハハ!!海賊め!!お前らはそうやって機関銃から逃げ惑ってるほうがお似合いだ!!」
「うるせー!!いつかお前ブッタ斬ってやるから覚えてろ!!」
「野蛮な!!だから海賊は嫌いなのだ!!お前ら、打つ量をもっと増やせ!!」
「「「ハッ!!」」」
「え?ちょっとまってこれ以上はラメェ!!」
チクショー!!この弾幕じゃ一方からしか防げない“烈風エマージェーシー”でも無理だ!!かといって“暴風ウォークダウン”は隙がでかすぎる!!
で、なんでこうもグンジョー君が逃げ回っているのかというとさっきレイリーに
「お前陽動、俺ら雑魚潰し。」
と言われからなのである。
ちなみに、
「拒否権は?」
「「「「ナシ」」」」
だそうです。せめて発言する権利は欲しかったよい。じゃあオラちょっくら逝ってくるわー…。
「で、こうなっちゃったわけですかー!!イヤー!!」
「撃てー!!」
機関銃の猛攻を“必死に”逃げながらチラリと白ひげとロジャーが向かった船を見る。
さっきから大きな爆発音やグラグラの実の振動がこちらにまで響いてきていた。
おそらく、あちらもこちらと似たような状況になっているのだろう。
「少し心配だな…」
「隙あり!!」
一番近くにある銃口がこちらにむく!!
「死ね“辻斬<ガン>・・ギャア!!」
「人にすぐ死ねと言ってはいけないよ、海兵君。」
「レイリー遅いわ!!死ね!!」
「…“辻斬り”、今の私の話を聞いていたかね?」
悲しそうな顔をしたって関係ないね!!
「副船長!!掃除終わりました。」
「よし、よくやった。後はあそこにいる中将1人だけだ。」
いつのまにか機関銃の撃ち手を掃討し終わったのか、船員の皆さんが集まってくる。
「な、何?」
余裕ぶっこいていたクインテッド中将がさすがに焦った顔になる。
プギャーいい気味!!
「さてと、どうする?やる?」
さんざん囮をやらされたので言外に「オメエやれ」と言っておく。
「…」
レイリーが冷や汗かいている。
「わかった私がやろう」
レイリーが剣をスラリと抜いてクインテッドに歩いていく。
「近づくな海賊!!」
クインテッドも剣を抜くな明らかに逃げ腰である。
「ク、クソ!!これもどれもあいつのせいだせっかく少将にしてやったのに!!あのクズのマツめ!!」
(・・・あ?)
「そうだ!!全てはあいつのせいなのだ!!私が手塩にかけて育ててやったのに全く使えない男だ!!手駒にしては使えると思っていたのだが、期待ハズレもいいところだ!!あいつもわれらの同志にはふさわしくなかったようだ!!」
「…おい」
「覇気の扱い方も教えてやったのにあの雑魚は海賊なんぞに負けやがって!!馬鹿が!!逆に早く倒されてくれてありがたい程だ!!これで私も別の手駒を育てられる!!」
「おい」
「そうだ、その前に貴様らを手土産にまずは大将になって」
「おい!!」
「!?」
最近俺の沸点は異様に低いような気がする。
でも、あいつと一度戦った者として今の暴言を見逃せるだろうか?俺には無理だ。
「テメエ今・・・・・」
最初から、最初から気に食わなかった。
何か気取ってるし、すかしてるし、エラソーだし、ムカツクやつだし…。
だが
あいつは、
「マツはなぁ、強かったよ。もしかしたら俺よりも強かったかもしれない。」
あいつは強かった
確かに“覇気”に頼っているところおあったけど、誰よりも強くなろうとしていた。強くなりたいと願っていた。
「だからよォ…」
手合わせしてみてわかった。あいつの力は毎日の鍛錬で芽生えた力だ。だからあいつは強かった。
「テメエ如きの口だけのやつが馬鹿にすんじゃねえよ!!!!」
<ゴウ!!>