ONE PIECE ~青天の大嵐~   作:じんの字

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やかましいわ!!

 

「ハァハァ何とか逃げきったか?ガハッ、しばらく運動してなかったから体に毒だぜぇ…」

 

 

怒れる女鬼人達から何とか逃げ切った俺は、藪の中に隠れながら息を整えていた。

 

かっこ良く海軍に捕まってみたものの、最終的に辿り着いたのが、女々島。

 

例えるなら、最高に気が立ってる状態のオオカミの群れに生まれたての子羊を突き落とすようなものだ。

 

もはや、己の運命を呪うしかあるまいに。

 

ま、恥ずかしながら俺にも夢はあったさ。

 

昔(といっても大まかにしか覚えてないが)は、特に何の感情も浮かばなかったけど、二十歳超えのグンジョーさんとしては、ヒャッホー!!水着水着!!なんて俺得だぜ!!的な感じでいたんだが、(その時のエドワードの目は、かわいそうなモノを見ている目だった。解せぬ。)見ると聞くとじゃ大違いだった・・・。

 

あれは、眼福とか言ってる場合じゃない。眼福の“が”の字をいう前に幸福の世界に旅立ってる。

 

というか、ルフィ!!あんた、よくあの中で生き残ったな!!今はあんたが生まれる何年も前だけど、グンジョーさんあんたに敬意を称するわ!!

 

 

フゥ…

 

 

さて、ここで色々整理をしよう。今、俺がすべきことは3つ。1つ、この島からの脱出、2つ、エドワードとの再会、3つ、虎丸の奪還。

 

最優先すべきは島からの脱出だな。このままこの国にいれば確実にぶっ殺される!!

 

というか、ルフィの場合色々あってやっと信頼を得るまでに至ったのだが、俺にはあそこまでする勇気はない。

 

グンジョーさんはチキンなのだ。笑いたくば笑うがいい!!

 

で、虎丸は出来れば取り返したいが…まぁ、難しいだろう。最悪、他の剣を使えばいい。

 

最後に白ヒゲたまだが、あいつは基本後回しで。あいつのことだ、野垂れ死ぬことはないはずだからいつでも会えるだろう。でもなー、あいつ寂しがりさんだからなー、どうしよかっなー。しょうがない、基本3D2Yでいこう!!

 

まぁ、その分、戦闘面での問題は山積みだ。剣技をさらに極めるだけでなく、

 

 

「覇気の習得だよなぁ…」

 

 

次の時代が求めているのは、学歴でも何でもない。

 

 

 

時代の最先端は覇気だ!!

 

 

 

実際、前の事件で、俺はガープ、センゴク、コングの覇気使えますヨ組に完膚なきまでフルボッコにされたのはいい例だ。

 

俺の武器は刀や、体の早さ。凄まじいスピードで敵を撹乱し、斬る。しかし、それだけではこの先の海を渡って行くことは難しいだろう。

 

例として、斬撃打撃が効かない自然系の能力者や、覇気を使いこなす強敵が出てくる。俺の攻撃が予測されるどころか、無効化されてしまう可能性もあるのだ。

 

そうなったら今のグンジョーさんには勝ち目ねぇよヤベェよ!!というわけである。うむ、我ながらなんと単純な理由。

 

というわけで、必ず覇気が必須なのだ。

 

というか、俺は忘れてはいない!!あのガープとかガープとかガープとかのどうよ?俺覇気使えるの羨ましいべ?って感じのドヤ顏を!!

 

クソウ、クソウ!!俺だって俺だって覇気を習得してやる〜!!というのが、ほとんどの理由なのだが、今は割愛しよう。

 

しかし、覇気を学ぶためには練習が必要なわけで、

 

練習するには、まずこの島から脱出しなげればいけないわけで。

 

 

「さて!!というわけでね、目の前に立ちふさがる壁をロッククライミングでもいたしましょうかなとグンジョーは「ねぇ、あなた」おひょー!?」

 

 

ババッ、と後ろを振り向くとそこにいたのは黒髪の幼女!!平らな胸を張り、ドヤ顏を浮かべながら俺を見上げている!!

 

ヤベェ!!服は露出が多いのに何も感じねぇ!!

 

というか、しまったー!!追っ手が後ろにいるのに全然気付かなかった!!

 

よし、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

攫うか

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「っ!?ムッ!!」〈ドゴッ〉

 

「ソボロッ!?」

 

「今何か変なこと考えてたでしょう…」

 

「イエ、メッソウモ、ゴザイマセヌ」

 

腹部を強打されて喘ぐ男と、それを見下ろす幼女の光景がそこにはあった。というか、俺だった。

 

 

「ゴッ、ガッ、ギッ」

 

ちょ、ちょっと待て!!重たっ!?今の攻撃子供が放ったものとは思えないんですが、グンジョーさんが可笑しいだけ!?

 

「フゥ、まあいいわ。あなたいい人みたいだし、こんかいだけはみのがしてあげる。でも、つぎは」

 

スゥ…、と振り上げた幼女の足は、再度俺の腹部をロックオン。

 

別世界のお父さん、お母さん。そして、今も頑張ってらっしゃるであろうレッドさん。

 

俺は今までの敵で、目の前の幼女が1番怖いです!!

 

「で、あなただれ?あ、うそついたらまあ、けるよ。」

 

「や、やめれ!!その振り上げた足を元に戻して!!グンジョーさんのライフはゼロよ!!」

 

何とか怒れる幼女を納めつつ、何とか痛みから回復して自己紹介を始める。

 

「えーと、名前はグンジョー。一応海賊…かな?」

 

「何でぎもんけいなの?ふーん…、まぁいいわ。こうていもかいぞくよ。いまはいないんだけど…」

 

知ってる、とは言えなかった。ん、というか、あれれ?

 

「皇帝いないの?」

 

「あっ!?」

 

目に見えてうろたえる幼女。あまり突っ込まない方がいいのかもしれないけど、俺的にそんな反応されると逆に気になるじゃないか!!

 

「で、先代がどうしたの?」

 

「いっていいのかな?まぁいいか。」

 

で、聞いた話によると

 

この国は、遠征による略奪をよく行っているらしいのだが(知ってる)数年前、先代の皇帝が、遠征先で、とある海賊の男に恋をしてしまい、『恋はハリケーンなのじゃ!!』とかでそのままついていってしまったらそうな。

 

そんなことがあったので、国は大混乱。紆余曲折あって、平穏な暮らしに戻ったらしいのだが、この国の人々は未だに、男=たぶらかし天然ジゴロの、覇気も使えねーのにいきがってるクサレ雑魚野郎、という方程式が成り立ってしまっているらしい。

 

「なるほど…。で、俺が男とわかるなり、ブッ殺そうとしたと」

 

「うん」

 

「な、なんて迷惑な」

 

…というか、男として言わせてもらおう。そんな男はぁ、ほんの一握りしかいねーんだよ!!(血涙)

 

 

「あー、なら俺早く逃げなきゃしじゃね?」

 

「そうだね、わたしは“けんぶんしょく”のはきがうまれつきつよくいからわかるの。ぐうぜんでこのしまにきちゃったんだよね?」

 

おお、やはり天使はここにいた。

 

いや、待てよ?・・・キュピーン!!

 

そうだ!!ここは女々島じゃないか!!見聞色の覇気が分かる人がいるなら、その人に俺がこの島に流れ着いてしまった事をわかってもらえば万事解決なんじゃ!?

 

ほんで、外に出してもらうついでに、覇気を教えてもらえば完璧じゃん!!やった、俺天才!!

 

「あ、それはむりだとおもう。おねえちゃんたち、おとこをみえればつかまえるか、ころしちゃえっていわれてるから」

 

「あっ、そうですか」

 

「そうだな、特に目の前で人目もはばからずに騒げばすぐに見つかるのは必然だな?」

 

えっ、と声の方向に顔を向けるとそこには、完全武装の女々島護国の兵士達軍団がいらっしゃいました。

 

 

「」

 

 

ギリリ!!と引き絞られる弓弓弓弓。

 

あれ、どうしよう。皆さんの水着コスが完全武装の鎧に見えるよ。

 

心なしか全員の後ろに般若が見える。いや、芸人ではなく。少なくとも、今はズグダンズンブングンゲームをする空気ではない。

 

 

「さて男。大人しく一我々と緒にきてもらおうか?」

 

 

先頭には口元を微笑ませつつも目が笑っていないさっきのお姉さんが。

フッ、OKOK。さてと、この状況での俺の選択肢を確認してみようか。

 

 

ライフガードッッ!!

 

 

1、大人しく処刑を待つ

 

 

2、何とか抵抗を試みて、矢(覇気つき)で射殺

 

 

3、レ・ミゼラブル

 

 

アカン!!暗い未来しか見えん!!どうする?どうすればいい!?そう、とりあえず俺のする事は!!

 

「すいませんでした。」

 

見事なジャンピング土下座だった。

 

目の前の女性陣がポカンとしているのが分かる。なるほど、惚れ惚れするほどの素晴らしいジャンピング土下座だったらしいな!!伊達に土下座を訓練してきたわけじゃないぜ!!

 

ククク!!そして、これも全て俺の計算通りよ!!男といえども、素直に謝る人間に

 

「捕えろ」

 

「いやー!?」

 

ダメでした。通じませんでした。

 

思わず逃亡するが、

 

「ヘブゥ!?」

 

何かが俺の足に絡まった!?

 

慌てて足元を見ると、そこには愛らしい白蛇がシュルシュルと俺の体を拘束していた!!というか、身動きの取れなくなっているぞ!!いや、何これマジで動かねぇぞ!?

 

クッソ!!これが覇気の力ってことか!?

 

「さてと、男よ。この島に侵入してタダで済むと思うなよ?せめて、闘技場で華々しく散りなさい」

 

ワイルド美人のワイルドスマイルですね?分かります。

 

というか、その前にだれでもいい!俺を助けてくでー!!

 


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