ONE PIECE ~青天の大嵐~   作:じんの字

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骨が贈る鎮魂歌

 

「覇気“手合い”三蓮スクランブル!!そらそらそらっ!!」

 

「ハッ!!」

 

ガキィン!!と高い音を立てて俺の放った斬撃が中佐のトンファーにぶつかり四散する。

 

「どうした剣士、この程度か!!」

 

「ケッ、そんなわけねぇだろボケ!!」

 

相手の実力を推し量る。ふぅむ、中々の強さといったところだろうか。

だが、考えてみるとそんなおかしい話ではない。中佐ってことなら准将、または少将そして大佐のすぐ下になる。未来の海軍の戦力を担う一端として、ある程度の強さを求められるのは当然の話だろう。

 

「ぬぅむ!!」

 

「おわっと!?」

 

ヒョイ、とよけるとそこにトンファーの一撃が振り下ろされる。ボゴン!!と激しい音と共に地面がひび割れクレーター状に陥没した。

 

「覇気“手合い~~~”旋風スクランブル!!」

 

俺が飛ぶ斬撃を飛ばしても、高速で回転させたトンファーでことごとく防がれてしまう。雑魚海兵程度なら簡単に消し飛ばせる一撃を防ぐとはなかなかだな。どうやらあの中佐自身も覇気も使えるようだが、それ以上にあのトンファーに使われている素材の強度自体がかなり高いみたいだ。

 

「無駄だ!!我が相棒“カシノキ”は、新世界の鉄の森に生える大樹モンキーオーウッドの根幹、すなわち最も固い部分を使用したものだ。人体にはもちろん、普通の刀も木端微塵!!」

 

成程、文字通り相棒ってわけね。棒だけに。…ゴホン、それは置いといて、このままだと少々厄介だな。さぁて、どうやってこの状況を打破すべきだろうか。このまま素手のままで戦うってのも結構ジリ貧だろう。

武装色で硬化させて打ち合おうかとも思ったが、向こうも覇気を使う手前、もともと剣士である俺には素手での喧嘩はキツすぎる。というか、手がカチ割れるだろう。

 

「でも、逃げてばっかりじゃ何も始まらないよなッ!!」

 

「むっ!?」

 

地面を蹴って中佐に高速で接近。拳ではなく、右腕の肘を集中的に黒化させて全力で振り下ろす!!

 

「即席攻撃、名付けて“肘鉄(アイロンハンマー)”!!」

 

中佐が×字にガードしたトンファーと肘がぶつかると、ビリビリという振動と共にかなりの威力が腕部を伝って身体全体を揺さぶる。

 

「うおっ、やべぇ!!」

 

中佐がもう一方のトンファーを横薙ぎに構えるのを見て、慌てて黒化させていた脚の進行方向をズラそうとするが、瞬きした後にはトンファーが高速で振われる。

 

ヒョイヒョイと振り下ろされるトンファーの猛攻をよけきると、俺はトントンとバック回転を披露しながらで中佐から距離を取る。

トンファー使いの敵は初めてではないが、それでも前に戦った連中よりも技術の完成度が遥かに高いうえに、こちらは刀がないと来た。

 

「チッ、やりづれえなぁ…あん?」

 

ふと人の気配を感じて後ろに軽く視線を送ると、コートを羽織っていない下っ端海兵達が、中佐と俺を囲むように円を描いている姿が見えた。

一瞬俺に睨まれた海兵は一瞬ビクリと肩を強張らせるが、すぐさま銃を構え直す。

 

「へェ、良く鍛えられてんじゃん。優秀な上司がいると、部下が優秀になるって事かい?」

 

その割に銃を構える手がプルプル震えていることをあえて無視してそんな風に茶化すと、中佐はここからでも分かるぐらい鼻の穴を広げてフンと荒く鼻息をついた。

 

「海賊に褒められてもうれしくないが、我が隊の海兵達はこれしきの事で狼狽えはしない!!だが敢えて言っておこう。我が海兵の練度は世界一ィィィィ!!」

 

メチャメチャ喜んでんじゃないですか!!あれか、あんた実は中佐じゃなくて少佐だろ!!もしくは、大佐でも可だ!!

 

「…ふむ、余興はこれくらいにしておくか。貴様の実力はだいたいわかった。ここから本気を出してもかまないだろう」

 

「ありゃ、やっぱりそうだった?」

 

そう言って中佐は高速でカシノキを回転させ始める。先ほどとはまるで別次元のような速さだ。あそこに遠心力とか加わったら…。

 

「あれはさすがに痛いだろうなぁ…」

 

「痛い?フン、我が本気の一撃は大型の海賊船を木端微塵にする。“痛い”などと感じさせる前に肉塊に変えてくれるわ!!」

 

そう言った中佐は、カシノキの片方をブン投げてきた!?アブね!!

 

「いよっと!!」

 

何とか身体を右に逸らしてトンファーを交わす。見切った!!そう思って中佐の方を向くと、そこはすでに無人。

 

「チッ!!」

 

―――ッ!!

一瞬の隙を突かれた。

まるで隕石が落ちたのかのような衝撃を後頭部で感じつつ、俺は覇気で身体を硬化させた。次の瞬間、人間の身体を容易に破壊する暴力的な(ハンマー)が俺の身体に食い込んできた。

 

「“ウッドハンマー”!!」

 

「ぐがっ!!」

 

ミシミシと言う音と共に身体が内側から吹き飛んでしまうような感覚が襲い掛かる。

 

「―――グガァァァァァァァ!!んなろ!!」

 

衝撃で体がズリズリと後退させるが、下っ腹に力を入れて一撃を耐えきる。しかし、結構なダメージが身体に入ってしまった。

膝に手を付き、荒い呼吸を吐く俺に対して、中佐は冷めた目でこちらを見おろしている。しかも、いつの間にか拾ったのかもう片方のトンファーももってやがる。ちゃっかりさんめ。

 

「…ふぅむ、必殺の一撃を受け立っているか…。余程鍛えているようだが、何発も連続でくらえばどうなるかな?」

 

その言葉に、苦笑いを浮かべながら額の汗を拭った。

確かにこのまま一方的に殴られ続けたのなら流石に俺でも耐えきれる自信がない。さて、どうしたものか。電伝虫で連絡しといたから、そろそろあいつもこちらに到着してもいいはず何だけどなぁ…。

 

「貴様に絶望を植え付けるつもりはないが…。もし、味方を待っているのであれば期待しないほうがよいぞ?このヒューマンオークションの周り及び、この諸島はすでに海軍によって包囲されている。さらに、海軍本部三大将の方々にも事情はすでに通達済みだ!!」

 

あ、そっか。天竜人に手を上げたら大将が軍艦を率いてやってくるんだっけ。マズイなすっかり忘れたよ。

 

「“水皇”ハイドラ大将、“炎君”カリュウ大将、そして“雷帝”コング大将!!そして、今すぐにでもどなたかがこの島にいらっしゃるだろう!!いかに貴様が強き力を持つ者でも、私に苦戦しているようでは大将殿たちの前では塵も同然!!大人しく、私に倒されれば、楽に死ねるぞ?」

 

「楽に…死ねる、だと?…冗談!!こちとら、こんなところで死ぬ気はさらさらないんでね」

 

俺の言葉に中佐は眉をひそめる。海軍本部大将と言えば、海軍の正義の要。その武力は、海賊の誰しもが恐れる存在だ。しかし、大人しく降伏するでも命乞いする事でもない、あくまで希望を捨てない俺の姿を奇妙に思ったらしい。

そう思いたくば思っておけ。こっちは隠し玉がいくつも残っているんだ。

 

「それにあんたこういったな。“無駄な時間稼ぎ”だと?あんた、確かに実力はありそうだがそう言う所の着眼点はまだまだだなってない。俺がいたずらに時間稼ぎをしてるように見えたんだったら…残念だが、それは間違いだぜ?」

 

「何…?」

 

状況的に俺は遥かに不利。しかし、それでも余裕を失くさない俺の態度に、中佐は勿論の事、銃器を構えていた海兵もが身構えた。

 

「…ふぅむ。つまり、貴様は今までこの状況を打開してくれるだけの力を持っている仲間が来るまでの時間稼ぎをしていた、というわけか?そう考えると…ほう、言葉通り無駄な時間稼ぎではなかった、というわけか。しかし、果たして思惑通りにいくかな?」

 

鼻の穴を広げて、フンと息を吐き出す中佐だったが、俺はチニィとニヤけさせた。

 

「50点」

 

「…何?」

 

訳が分からないよ、と言う中佐に俺は再び事実を告げてやる。

 

「こう言ったのさ。50点ってな。半分正解けど、半分不正解。つまりはギリ赤点ってわけさ」

 

「何を言っているのだ!!この期に及んで訳の分からない負け惜しみを言うな。貴様はすでにチェックメイト。いわば終わりだ。敗者の負け惜しみほど醜いものは無いぞ!!」

 

「違うね。俺はそんな事を言ったつもりは全くないぜ。事実、ホラ聞こえてこないかい?」

 

「何?」

 

俺の真剣な瞳に、中佐の表情が徐々に歪んでいく。“こいつは何を言っているんだ…”そう思っていることが手に取るように分かる。

しかし、何で分からないかなぁ。勝負に集中しすぎてんのか?俺にはハッキリ聞こえるんだけどなぁ…。

 

「あんたが今まで語ってくれた事実、十分俺にとっては脅威だ。けどよォ…俺はそれでも絶望する気はないぜ?」

 

すでに痛みは治まっていた。五体は満足に動く。俺は中佐に向かってゆっくりと歩き出した。

 

「人ってのは不便な生き物でな。生きてりゃいつかは天に召されちまう。波乱万丈、海あり山あり谷あり…ってなもんで人生は、どれだけキャリアを生きたんじゃなくて、どんな奴に会ったか、どんな経験をしたかで幸せか不幸か決まるってよ」

 

俺がニンマリと微笑んだまま一歩ずつ歩を進めるたびに、中佐は逆に後退していく。

 

「いろんな奴に出会ったんだよ。変な奴もいたし、その中でも味方になる奴もいた、逆に敵になった奴もいたな」

 

いつも陽気に笑う人たち、利己主義な海賊達、正義を振りかざすバカな海兵、そして未来の大海賊達

 

「今までやりたいこともできなかった分、俺は今生きている人生に満足しているんだ」

 

まだ見ぬ景色がある、話したい奴らがいる、会いたい友がいる

 

「どうしたんだい中佐?さっきまでの威勢はどこにいった。これなら、お前の背後でプルプルと震えている海兵諸君の方がまだまだ頼もしいぜ?」

 

「…クッ!!」

 

得体のしれないものへの恐怖、と言った所であろうか?中佐の目には、俺がまるで異次元の生命体の様に映っているのかもしれない。ま、実際そうなのだが…。

 

「今までの話をひっくるめて…俺は今死んでも後悔は死ねェ。だけど、まだ死ぬわけにはいかねェ。絶望何てしてる暇はねぇ!!例え、それがいばら道でも、その先に一筋の光が見えたのなら、俺は、いや俺達(・・)はまだまだ進んでいく!!なぁ、そうだろ!?」

 

 

 

 

 

 

 

「ヨホホホホ~~~♪ハイ、その通りですよ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

戦場とは相応しくない呑気な声と共に、一陣の黒い風が辺りを吹き抜けた。

 

―――ッ!?

 

不意に後方から響いた声に中佐が慌てて振り返った中佐は自らの目を疑った。

何という事だ。包囲網を築いていたはずの海兵達が力なく地面に倒れ伏していたのだ。

 

「いったい何が起こった!?」

 

衝撃

 

どうしてこんなことになった?敵はどうやってここまで来た?いつ背後を盗られた如何にして海軍の包囲網を突破した?そもそも、敵はいつ攻撃したんだ?

謎、謎、次から次へと新たな疑問が中佐の脳内を圧迫し、冷静な部分を塗りつくしていく。

 

“鼻唄三丁”

 

ふと中佐の耳にそんな声が聞こえた。

そう、先程と同じあまりにもバカらしくて、普段なら聞き逃してしまうような…そんな“声”。だが、まるで意志を持つように、その声はすぅ、と中佐の耳に吸い込まれた。

 

「そんな馬鹿な…」

 

そのままの体勢で中佐はゆっくりと振り返る。

 

奇妙ななりを持つ長身の男だった。

やや煤けた礼服を着こみ、歩みを進める度に履いた靴がコツンと甲高い音を立てる。何より目を引くのが頭の上に乗っているモジャモジャとしたアフロ(・・・)

 

男は、杖を、いや杖に仕込まれた剣をゆっくりと掲げ鞘に戻していく。

 

瞬間、中佐は悟った。

 

体温、呼吸、臭い、動き、風が当たる音、水が打ち付ける音、大地を踏みしめる音…。全ての育む存在達は、誰しも少なからず“気配”を持っている。目の前の男にも、もちろん気配は存在するだろう。しかし、五感及び、第六感では感知できないほど気配がか細い存在がある。

 

そう、それは、死体だ。

 

すでに魂が抜けきった彼等育まざる者は、気配すら失せる。例え気配を感じたとしても、それは恐怖を勘違いしたものだろう。

 

しかし、中佐はこう考えた。

 

“すでに、目の前の男はすでに死んでおり、その死体が理不尽な理由で勝手に動いている”

 

そう納得してしまう程、男の気配は無に等しかったのだ。

 

「黄泉からのメロディー。死者を黄泉へと誘う鎮魂歌(レクイエム)…」

 

 

―――ヨホホホ~♪ヨ~ホホ~ホホ~…

 

「お聞きになりましたか?」

 

“矢筈斬り”

 

「まぁ、私ガイコツだから耳はないんですけどー!!ヨホホホホ!!」

 

再びの衝撃と共に中佐の腹部に裂傷が刻まれる。

徐々に薄れゆく意識の中、見上げた男の顔は…何故かガイコツのような形をしていた。

 

 

 

 

「ヨホホホホ~~~!!これはこれはグンジョーさんお~つかれさまで~す!!緊急事態につき、咄嗟に動いてしまいましたが、よろしかったですか?」

 

「いやいい。グッジョブだブルック。でも、少し遅かったな。途中で何かあったか?」

 

「ああ、ハイ。言われた通りドヘムさんと会えたのですが、いきなり驚かれまして。“お前みたいな人間がいるか!!”何て、私傷ついて心に傷が…あ、私死んでるから心臓ありませんでした!!」

 

「知らねえよそんな事!!そもそも、心臓と心は別物だろ!!」

 

「あ、そうでした!!ヨホホホホ~~~」

 

…うん、言い訳をさせてくれ。まだ状況を把握できてないジェントルメンとレィディースがいるかもしれないが、これはありのままの事実だ。

 

“鼻唄”のブルック

 

彼の名前だ。

そう、麦わらの一味の音楽家として働くことになるであろう男、正にその人、人?うんいいやその人である。

どうしてこんなことになったか?有体に言えば、“スカウト”してきました。…ま、そんな話は後日談ってことで。

 

「ちなみに、女性に向かってパンツ見せてくださいとか何とか言って無駄に道草を食っていたとかはないよな?」

 

「ヨホホホホ~~~。最近の女性は中々どうしてナイスバデーな方が多いですね~~」

 

「やっぱやりやがったな!!このエロ骸骨!!」

 

「おやおや、これは手厳しィーーーーー!!

 

ため息を吐きつつ、俺はヨホヨホと笑うブルックに手を差し出した。

 

「分かった分かった。とりあえずドヘムから預かった俺の武器返してくれ?素手じゃハッキリ言ってキツイんだわ」

 

先程電伝虫で指示を出したのだが、ブルックには俺の武器をドヘムから受け取っておくように頼んでおいたのだ。

こんな成りをしているので、上陸→「パンツ見せてください」→「ヤダ変態」→海軍来る→「あれは辻斬りだ、生きてたのかー。コングさんこっちです」→海兵大将中将come、と言う流れは目に見えていたので、あえて待っててもらっていたのだが…くそぅ作戦失敗だ!!

 

「あ!!ハイハイそうでしたね。いや~、グンジョーさんはいつもこんな重い武器を振ってるんですね。私もここまで持ってくるのに骨が折れそうでしたよ。本当に折れたら困るんですけど!!」

 

「分かったからさっさとくれよ!!」

 

(無駄に)長身のブルックから武器を受け取り、愛刀“虎丸”ともう一本の長槍を抜き放った。

 

「ああ、落ち着く…。やっぱり剣士は剣を持ってナンボだわ」

 

「長年使った武器は肌になじみますからねぇ。あ、私もう肌ありませんでした!!」

 

「…見りゃわかるわ、一々言いなさんな!!」

 

四六時中明るい彼が近くにいると、滅茶苦茶に疲れるという事がネックだ…。まぁ、暗い気分の時に近くにいてもらえると凄く助かるのだが。

 

「ンガぁぁぁぁぁあああああああ!!」

 

武器の握りを確かめていると、ブルックに仕留められた中佐が気合の掛け声とともに起き上がった。

 

「海軍はぁぁぁ…ま、負ケン!!この世に、悪が栄えたためしはナシ!!ただ世界平わォのためにィィィィ!!」

 

「いやはや、気骨のある方ですねぇ~」

 

眼は血走って脚は小鹿の様にブルブルと震えているが、トンファーを支えにして立ち上がる。その姿を見てブルックが感心したように呟いた。

 

「確かにな。海軍の将校何てもんは、結局は俺らと同じ根っこを持っているってわけだ」

 

おぼつかない足取りながらも口から一筋の血をふき、一歩つつ前進し、両手のトンファーを回転させる。

 

「もはや私の事などはどうでもィィィ、貴様の逮捕は後の方々に任せるぅぅ。貴様は、こおでわだじが倒ズぅぅ!!」

 

「へぇ、自己犠牲の精神っての?」

 

虎丸を地面に突き刺し、残った槍を両手で構えた。

 

「我が名刀、虎丸に続く我が新武器。お見せしましょう。変化の鬼、その名も“蛇牙(だが)”!!」

 

動かない俺を標的にして中佐は振ったトンファーをX字に振り下ろした。

 

「“トンファ~~~~クラッジュ”!!」

 

武器がゆっくりと迫っている姿を確認しながら、蛇牙を突き出した。

蛇牙の握り手にある出っ張りを押しこむことで、蛇牙の内部から、仕組みが起動する振動が伝わってくる。

ガコン、と言う音と共に蛇牙の柄が伸びた(・・・)

 

「ぬおおおおおおおおお!?」

 

蛇腹剣をご存じだろうか。攻撃の瞬間、刀身が伸びて広範囲を攻撃できるというふれこみを持つあの武器だ。現実世界では伸びる部分をどういう素材で作るつもりだ、剣を引き戻す時どうするんだ、等々不平不満が溢れ出いるがお忘れだろうかここはONE PIECEだぞ?

 

「槍の先端及び胴体は世界一固いウーツ鉱でできているッ!!スイッチ一つ押し込むことで、内部の機構が作動ゥゥゥ!!伸縮自在のフォーミン鉱石製の鉄線が伸びながら相手に向かって一直線!!さらに、仕掛けはそれだけじゃない!!さらに、再度スイッチを押しこむことによってッ、今度は形状記憶鉄鋼フィクス合金により、限界まで引き延ばされたフォーミン鉱石製の鉄線が引き戻されるゥゥゥゥ!!フォーミン鉱石とフィクス合金の合体が最も難しかったが…最終的にッ!!投擲武器としても使えつつ、鞭のようにしなる機能を持っている!!可変も可能のという全く新しい武器が完成したッ!!」

 

ONE PIECEの技術力は漫画界一ィィィィィ!!

 

出来んことはないィィィィィ!!

 

「な、何ィィィィ!?」

 

中佐が攻撃を中止してトンファー2つを盾にしようとするが、如何せんその程度では相手が悪すぎた。

凄まじい爆発力により、まさに爆進した槍は、トンファーを粉々にすると、中佐の生身に斬撃の波が突き刺さった。

 

「ぬおおおおおお、ぐほっ!!」

 

標的を捕え続けてもなお、槍は彼を逃すつもりはないらしい。そのままの勢いで中佐を宙にうかせ、周りでへばっていた海兵の頭上を飛越そのままヤルキマンマングローブの幹へとブチこんだ!!

「YEAAAAAA!!」

 

ミシッ、ミシッ、という嫌な音を立てて少しづつ、少将が幹の中に埋没していく。

 

「蛇牙リターン!!」

 

もう十分と判断した俺は、スイッチを再度押すことによって、蛇牙が元の槍へと戻した。流石にやりすぎたか、中佐は白目をむいたまま身体の半分がスッポリと埋まってしまっている。

 

「ま、こんなところか。尖端は潰してあるから死にはしないだろう。しかし、対人戦としては予想以上のデータだ…しかも鉄線の具合からして、まだ伸びるな…」

 

思わず感心する俺に対して新武器蛇牙が、まるでドヤるように太陽を浴びて煌めいた。

 

「ヨホホホホ、どうやら海兵側も事態を察知して撤退するようですよ。ひとまず安全と言う所ですかねぇ」

 

「おう、そうか」

 

ブルックの見つめる(もう眼はないが)方向へと眼を蛇牙から切り替えると、奴隷たちと戦闘を繰り広げていた海兵達がまるで波が引くかのように撤退していく姿が見えた。

 

「奴らはこんくらいじゃ諦めん。おそれく、何か対策を練ってくるはずだろう。こっちもうかうかしてられんな。ブルック俺達も早く行動に移すぞ」

 

「ハイ。シャクヤクさんにもすでに連絡済です。あ、そういえばもう聞いてくださいグンジョーさん!!私めがお聞きしたところ、今日のシャクヤクさんのパンツは何と(自主規制)」

 

「聞いたのか!?お前それを聞いちゃったのか!?お前一回お馬さんに蹴り飛ばされてこい、この好色ガイコツ!!」

 

「ヨホホホホ、これはこれはテキビシィーーー!!」

 

記憶に違いがなければ、俺はボケキャラだったはずなのだが。最近、ラクーンとか骨のせいでツッコミ側になってきちゃった気がする。何だかなあ。

 

 




皆さんお久しぶりです。とりあえず、原作改変反対派の皆さんごめんなさい。ヨホホホホ~~~!!

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