最近忙しかったから、他の小説も全く更新できない…。
「レッドさん。」
「何だ。」
今は皿洗いしてるレッドさんの後ろたたずんでいます。別に奇襲するわけではないよ?格上に奇襲をするもんじゃない。
経験者は語る。
なぁに、ちょっとO☆HA☆NA☆SHIしようと思ってね。
「お願いがありまふ。」
「言ってみろ。」
何てクールなんだレッドさん!!そこに痺れるあこがれ!!…ないか。
フッ、でも俺には分かっている!!その洗い物をしている右手から繰り出される伝家の宝刀ツッコミビンタ!!俺がはっちゃけた瞬間にそれが襲ってくるぅぅぅぅぅぅぅ!!
未来はすでに見えている!!さらに、今日の俺は中々冴えてるんでね!!いつもどおりにはいかない!!いくぜ!!
ズバッ ザシュ!!
「レッドさん!!グンジョー君が海に出るんで許してくだひゃい!!」
ジャンピングドゲザァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!
我が故郷ジパングに伝わりしDOGEZA!!さらにそこにジャンプを加えるという画期的だが伝統的な要素を取り入れた斬新of斬新なお願いだぜ!!
さあどうだレッドさん!!かくなるうえは強制的にO☆HA「いいぞ。」・・・・?
「え?」
なんてったこの人。
ミーノエアイアーデースカ?
「お前がみたいなクソ従業員がどうしようと俺にゃ関係ねえよ。好きにすりゃいいさ。バーカ」
ブぅわかぁぁぁぁぁぁぁぁ!!
いやいや、軽く予想外なんすけど。ぽっきり、いやてっきりふざけんなこのドアホウが!!で、ツッコミビンタが襲ってくるものかと私は思ったのですが。何でツッコミガこないの!?ボケとツッコミの関係があって成り立つもんでしょうよ!ここツッコミどころでしょうよ!!さあ早く俺にト○さんもビックリの欧米か的なツッコミをぉオイぉぉぉぉぉぉ!!
「ほらいつまでこんなところに座ってるんだ。さっさと荷物まとめて出てけぇ!!」
腕力で外にポイポポポポポーイされる俺。
俺は出てくなら出てくでちゃんと挨拶してきたかったんだが。何この態度。仮にも10数年の付き合いの俺に対して何て仕打ちだよ!?
クソ従業員て。従業員の前にクソがつくて!!
「ブルワぁぁぁぁぁーカ!!おいぼれジジイ!!ボケがいなくてツッコミ病で死んじまいなヒィィイィィィィ!?」
必死になってよけると、俺の元いた位置にザクザクとフォークやらナイフ、挙句の果てには包丁が突き刺さった。
何というクレイジーなヤローだ!!まさか、人殺しの真似までするとは!!
「死ねぇぇぇぇぇぇぇ!!本格的にくたばっちまえ!!」
俺はプンスカ怒りながら港のほうへ走っていった。
俺はこの後、旅に行くつもりだ。
よくレッド氏、いやあれもうジジイでいいや。
ジジイの店によく常連として来てくれてる商船の船長に一言言って用心棒として他の島まで運んでもらうようにしてもらった。
その際に発した言葉は、ほんの一言だけだ。
うちの近所に住んでいるジェファニーちゃん(18)に入れ込んでいることを、お宅の商船に乗っている奥さんにバラしますよ…と。
そしたら協力してくれる気と言ってくれた。それも、最大級の謝罪方法で。全く、渡る世間に鬼ばかりでないんだねぇ。俺涙出ちゃいそう。
港に着いた俺は船に腰をおろした。ったくあのジジイ今度会ったらただじゃおかねえ。
「おーい、グンジョークン。そろそろ出航する準備を整えておいてくれよ?」
「ハ~イ、分かりました。ありがとうございます」
「アハハハ、元気でよろしい。…で、ジェファニーちゃんの事は…」
「はい(今は)言いませんよ!!」
「マ~イダ~リ~ン?そろそろ行きますわよ~?」
「ッ!!ハハハ、ハニー!!今行くから待っていてね!!…ハァ」
商船長さんは何故か溜息を吐きながら自分の奥さん(現在)のもとへと向かっていった。何があったんだろうか。俺は難しいことは分からない。
「やれやれ…」
小腹もすいたことだし、ちょっと休憩するか。
そう思って、愛用のズタ袋の中で俺は袋の中で触り覚えのない不意に何かあたったのを感じた。
「何だ?」
興味を持ったので一応引っ張り出してみる。
袋の口に引っかかりつつも取り出すと、それは他でもない刀だった。
鞘は効率を重視して作られたなんちゃって品ではなく、一から作られている。暗闇の中でも、街灯のランプに照らされたそれは、まさに一級品の品だ。手持ちの柄は、黒で織られ、まるで使用者の手に吸い付くかのようだ。
安物とはいえ、色々な刀を見てきた俺には分かる。これはとてもいい剣だ。
だが、俺にはこんなもの買った記憶がない。
どこから盗った?いや、こんな高級品を盗ったんならとっくに売りさばいている。
はて、ではこの刀は一体何なのだろう?
そう思って刀を眺めていると、鞘に括り付けられてあるヒモに手紙が括りつけられていた。
無地?
潮風に揺れるソレをひっくり返してみると、端の方に申し訳程度に字が書かれていた。
『グンジョーへ』
これはレッドさんの字?
『この刀は業物の一工 ”虎丸”
この前、この街に来てた海賊からすってやった。
たぶん今のテメエに最適な一本だろう。俺が持ってたって何の意味もないからな。
思えば十年。長いようで、短かった。
最初は何だこのみみっちい坊主は、とか思っていたが、次第に店の事も、ついでに荒事も頼めるようになった。
俺の身体が老いていく一方で、お前は次第に実力を高めていく。
だから、こんな日が来ることは昔から分かっていた。
若者は、いつか自分の実力を試したくなる時が来るものさ。俺もそうだった。昔、退屈な生活に耐えられなくなって、故郷の島を飛び出したまま、すぐに海賊家業だ。
色々な無茶もやったし、いろんな奴と戦った。同業者の海賊はもちろん、西の海にあるとある国の剣士と闘い、とある島に住む部族の戦士、挙句の果てには海軍の、それも精鋭たちとも何度も戦った。
まぁ、今のテメエの実力じゃ、ある程度の奴には負けはしねぇよ。
だがな、いつかはそれも終わりがやってくる。
闘争よりも逃走の道を選び、戦闘よりも安全を求める。
まぁ、老いって奴さ。気にすることはない。それも、人生ってやつの醍醐味の一つだ。
だがな、人生ってのは老いるまでに何をやるかでその人生に彩りを加えられていくんだ。
ま、気楽にやんなよ。
若い奴にはまだまだ時間がある。その溢れた時間をどのように使うかはお前の自由だ。
説教臭くなっちまったな。ま、せいぜい頑張んな。
ニュース・クーでお前の記事が載るのを楽しみにしてんぜ。
では、またさらばだ。
”息子よ。”
』
最後の文章はクシャクシャになっていた。
手紙を畳んでポケットにしまい、鞘から“虎丸”を抜いた。
手に取ってみると、改めて感じる。これは、スゴイ刀だ。オーラみてえのを感じる。成程、こいつは業物の名を関するだけはあるな。
すると、港の別の場所が騒がしくなってきた。
「…全く、感動の別れってヤツが分からないのかねぇ」
帽子を押さえながらその方向を見ると、海賊達が暴れていた。
「オラ、かかってこいやゴラァァァァ!!」
「日頃の恨みとかいつかボコボコにされた恨みも含めて、いっぺんにはらしてやるぜェェェェェェェ!!」
よく見ると、酒場で暴れていた海賊達だ。
「グンジョー君なんとかしてくれぇぇぇぇぇぇ!!」
「分かりました!!」
鞘を左手で持って背に構え、左手を腰の柄に手を添える。
・・・この景色に俺は誓おう。
「旋風」
これから俺は強くなります。今度はもっと強くなってこの街に戻ってきます。
「スクランブル!!」
だから、また会おう。
俺は虎丸を低く構え、一気に海賊達に斬りつけた。