1-2
私は高町なのはを、家に迄送った。
遅れた理由の一つとして、体育で弾数の高い跳び箱を飛んでいるとき引っかかって高いところから落ちたと言った。
そしてお店をやっている事を聴いて、営業妨害にならないよう背負って送り届けた旨を伝えた。
副担任とはいえ、限界を見極められなかった愚鈍な者として、真摯に伝えた。
「今後、こういうことはないようにお願いします」
「なのはも女の子なんです。お願いします」
「わかりました。今後、このようなことにならない様、努めます」
礼をして帰った。
あ、荷物、高町に渡したままだ。
あぁ、どうしよう……。
仕方ない。もう一回作るか。
私は徹夜して再度同じ作業を行った。
ただ、寝る時間は最終就寝時間の一時間後に寝入った。
遅刻しちゃ意味がないからね。
さて……私は一つ決めたことがあるんだよ。
それは高町なのはのような、非現実的な現状を抱えている幼少の子が居ないか探す事だ。
理由として心身の健全化等、変にストレスを抱えて死亡するかもしれない。
ならばそうなる前に、私や人間心理学を専攻している先生が介入して、物事の解決ややると決めた彼等を最大限に応援できるような仕組みを作る。
これくらいしてやらなければ、彼等の未来がその不特定多数の理不尽に踏み躙られる。
先生がいる理由は、生徒達に生きる術を教えることも含まれる。
だからいつでも頼る事が出来、その人生の模範としてあるべき者が主任になるべきである。
今の所私はそんな人物を、小学校教員で見たことがない。
たぶんきっと数か月すれば、先生方の性格もわかってくるだろう。
しかし生徒主体で動くので、勉学の現場や他の教員との接点がなくなりやすい。
非常に強かでフットワークの軽い人物が求められる。
う、うわぁ。非常に面倒な人材だ。
こんな人材いるのか?
いやこんな高望みの前に、私が模範となる人物にならねばなるまい。
今でも悲しんでいる子が居るはずだ。
思い立ったが吉日故、行動するべし!
というわけで、今朝保健室へダッシュした。
「おはよう「おはようございます、飯島先生!」あ、うん」
私は全力全開で動き、途中の先生方全てに挨拶して現場へ行く。
この学校の中央部分に位置するのは、どこからでもけが人が平等に足を運びやすくするためだとか、そんな理由に作られた保健室は……でかかった。
この学校はそれぞれ小学校等と分かれているが、500M以内に幼稚園・中学校・高校・大学が存在する学園特区なのだ。
だからお互いがお互いを、相互利用できるようになっている。
おかげで何かあれば、全ての学校と情報等を共有し万が一の事態に対応できるようになっている。
私はそんな学校で、一番影響を受けている場所に来ているようなものだ。
「宮本先生いらっしゃいますか?」
「はい。何の御用ですか?」
「実は……」
私は学校主体で学校が認知・感知できていない事件に巻き込まれている生徒を、精神的に肉体的に補助すべきという持論を展開した。
でも先生は実証や実態がわからない場合無闇に手を出すと、学校全体がリスクを背負い関係のない者まで被害を受ける可能性があることを指摘される。
だが私はそれを待っていたんだよ。
こんな得体のしれない非現実的な事を云っても、信用されないのは当然の摂理だ。
たとえ話としたら、”幽霊が実体化して生徒を襲っているので学校全てが協力して、幽霊退治してください”と同じだ。
この幽霊は一か所に来る生徒を襲っているのを確認した先生が、学校全体で今後あり得るかもしれない事を自分の知識と常識を咥え勝手にアレンジした妄想で、理事会などに提出する。
しかし理事会は、その幽霊が本当に悪なのか、大規模なのか、他の場所や他者に危害を複数与えているか等の根拠ある実証を欲しがる。
なにせ理事会という最高責任者共は、利権を失い学校を導けなくなることを非常に恐れているからだ。
そんな無茶なことで変に警戒態勢にして、更に目的外の所でいじめや障害が発生すればただで置けなくなってしまう。
ひいては学園の存亡の危機に陥ってしまうんだ。
そこで私はこう引き出した。
実証できる人物はいるので、その人物だけの専用顧問にしてくださいと。
保健の先生は色んな生徒や先生の噂や愚痴が集まるところ。
ならば不思議な事象も耳に入っているだろう。
私はその”風の噂”を頼りに、彼女にお願いした。
きっと上へのゆすれるネタもあるはずだ。
「私の容姿を見て、それを思いついたのですか?」
「如何に美人だろうと、責任を求められれば自己保身に動きます。そんなものです」
「……わかりました。非現実的現象専用顧問として、上に言っておきます。
またカウンセラーとして、私もその子に働き掛けさせていただきます」
「ありがとうございます」
私は丸椅子から立ち上がり、出入り口へ歩く。
一度身体ごと振り返り一礼。
踵を返して出入り口を開いて、外へ出ていく。
私は外に出たら直ぐに職員室へ向かう。
そろそと朝礼がある頃合いだろうからな。
「先生!」
む、こんな時間に生徒か?勉強熱心な……。
「一之瀬先生!」
「高町じゃないか、どうしたって、あ……」
高町は私が忘れて行った手提げかばんを、胸に抱えて走ってきた。
「これ。忘れてましたよ」
「ありがとう、良い子だ」
「えへへ」
私は同じ目線になるように屈んで、彼女の頭を撫でる。
無邪気な頃が一番かわいらしく、自己を育てる一番の時期だ。
だからこそ私は、彼女の今の状況が気に入らない。
身体、如いては心にひどく深い傷を負えば、彼女のような努力する人物をこの国は失ってしまう。
それはなによりも耐えがたい事だ。
「どうしたんですか?」
「いんや、なんでもないよ」
私は俯いていたようだ。
だが顔を上げ、悟られない様表情を繕う。
「そうだ、高町」
「なんですか?」
「放課後17時頃、ユーノを直接連れて昨日の公園に来てくれないか。
通達すべきことがある」
「はい、わかりました!」
私はそれだけを伝え、いったん別れた。
それと先生職員一同の朝礼に遅れた私は、こっぴどく叱られた。
遅刻したわけじゃない事を、保険の先生に擁護されたので言及は避けられた。
さてと……プリント用意しよ。
私が担当するのは、理科の授業だ。
計算式じゃなくて実験系ばかりだから、比較的覚え教えやすい分野だ。
しかし私は昨日の事で、自分を守り間違えれば自分を殺す様な毒を以って毒を制する授業にしようと思った。
「今日は石灰水と二酸化炭素について、実験しようと思いましたがやめました」
「「「え~!」」何でですか!?」
ブーイングが来る。
当然だ。何せ私は実体験を体験し、それを追求するスタイルが主だからだ。
「今日から、危険物第一種取り扱いの技能を持つ私と共に、戦闘機を作り上げようと思います」
「せんせー、戦闘機って何ですか?」
「今日皆さんに配ったカラープリンタがあるね。そこにある飛行機が戦闘機です。
これの縮尺を小さくした奴を作り上げ、戦闘を行ってもらいます。
私の授業の最終は、私が受け持つクラスで戦略と戦術が勝利を左右する”戦争”をやってもらいます」
私は他のクラスも受け持ちしている。
理由は実体験型授業が、このクラスを中心に伝播していったからだ。
其れと共に私の敬語を使用した、教える者教えられる者の境界を確かにした授業形態が人気になったから。
理由の一つは日常会話に、私が受け持つ子供達が謙譲語・尊敬語を積極的に使用することで、
他者との関係に緩衝材として君臨しているという報告があった。
また通常会話型で、先生と生徒の距離を短くするという形態が今まであった。
しかしそれだと先生が先生である必要性がなく、子供が大人を嘗めるようになるという悪影響が報告されている。
私が自然に行っていたことを生徒もまねることによって、良い循環になったというのが本筋だ。
決して私が意図的に行い、生徒に強要したわけじゃない。
「生徒の諸君。これより、戦争です。血で血を洗い、肉で山河を埋める醜い喧嘩をしましょう」
私が最初に教えるのは、機械系をパズルとして組み立てる作業。
これは私の父親の力と私の給料にモノを言わせて、三菱重工に作ってもらったものだ。
おかげで旧世代の戦闘機を手作業で作り、人に怪我をさせられる兵器が作れる。
しかし最初から戦闘機ではなく、プロペラ機にする。
理由は空力エネルギーに関しての説明と慣性との関係性を伝えるためだ。
過度なハイGターンをすると機器に不調がでたり、失速・ストールして墜落するかもしれない等の説明をする。
これ等の専門用語を聴くとハイになる生徒がいる。
彼等には戦闘機を操ってもらう。
銃弾はペイント弾。実験や検証には、汚れてもいい服を用意してもらってそれで授業をやってもらっている。
またこれらパズルを改造して、チューンする者もいるが自由にしている。
研究は人生と命をかけたもの。平和とはそれらの準備期間で、戦争はそのお披露目会。
秘蔵にするなんて勿体無い。
そんな戦闘機の他にも作ってもらっているのが、戦車や戦艦だ。
戦闘区域は既に発注しているので、一か月以内に返事は来るだろう。
とにかく彼等には計算方法や改造方法等を伝え、それ専用の武器や武具・道具を渡している。
怪我をする子もいるが、興奮さめ止まぬ子が多いので研究と試用運転をしていた子だろうな。
私は情熱を持たせたい。
死ぬかもしれない、そんな瞬間があるがそれと同じような感覚を味わわせ、さらなる感性の強化を行ってもらいたい。
そういえば文系等、苦手な子もいる。
その子らには、戦闘地形データを渡して戦術や戦略・戦闘機等の整備を行わせた。
またペイント弾の生成等。
色々戦争の準備を行わせた。
またスパイという間諜を遣わせたりして、情報流出等国家間の妨害工作もありにした。
これにより輝く子も増えた。
地上管制や指揮するもの、鼓舞するもの、監視する者……。
私は彼等の為に、質や量共に最強にする手段を行う。
それは私が副担任をしているクラスだ。
此処にはZ.O.Eを配備したり、ミサイル等を配備した。
更にベルケの格言を、彼らに教授した。
本当に何故こんなことをしたのか。
それは規定路線で決められたものより、自分の知的好奇心を満たし自分に合った職を見つけコミュニケーション能力を向上させ、仲間と協力するという姿勢を作り出す為だ。
そして本懐を告げる理由は、戦争とはなんなのかということ。
皆に戦争の楽しさと悲しさ等、本質を感じてもらいたいのだよ。
本質は知るモノではない。感じるものである。
理由は本質そのものが曖昧で、個々人の感性に捕らわれた中での自己完結の一つだからだ
「楽しんでるか?」
「おうよ!先生、いや実務顧問殿!」
私はこの授業のみ、ある程度の溜口を許している。
理由はつけあがりや慢心を防ぐため、そして良い事悪い事を要約し端的に述べられるため。
一々謙譲語等をつけて気にする必要などない。
技術は奪い学び利用し使うのが、戦争勝利への一歩だ。
さて、私は特別に4時間も時間を取らせてくれた、その先生方にお礼を述べに行こう。
新たな授業方針として、最初の革命だ。
この有意義な行動方針は、さぞ皆さんにとっては痛快で自尊心を傷つけられた事だろう。
いやぁ、愉快愉快。
……
説明責任を果たした今、最後の班を見回るだけになった。
私はノックして入る。
「調子はどうかね。空軍戦略指揮官殿」
「あ、一之瀬実務顧問殿!」
「げ、実務顧問が来た」
「まだ戦術決まってねぇぞ!」
ここは私が副担任をしているクラスに貸し出している多目的室だ。
ここでは私が教授し航空力学に基づいた、航空軍事学を展開させた。
おかげでニュートン力学・解剖学・生物学・人間心理学等を容易く理解できる生徒のみが、この場所に残りテストという名の戦争に備えシミュレーションを行っている。
また抗力に関して開発顧問(生徒)に教えたり、一定のスパイに教えることで技術開発を急がせている。
基本的にレシプロの零戦から始まり、今現在受け持ちのクラスの中には震電やジェット戦闘機を作っているところもある。
技術工はそれ専門の人を、工場から拝借している。
無茶苦茶やったが、後悔はしていない。
授業は12時30分に終了する。
此処からは給食や片付けが待っている。
時間外での開発は、教室でのみ可能。
更に間諜もその間活動可能にしている。
ただし相手の教室に入り込み、武器等の破壊工作や奪取は窃盗罪として処分することを説明しておいた。
15才未満?知らんな。
「授業は毎週水曜日の1~4時限を使用する。
その時は皆や技術者との意見交換を行い、開発するように。
最初のαテストは、三週間後だ。
各自努力奮起せよ」
「「「は!!」」」
運動場に皆を集結させて、檀上の上で号令をかけた。
この後すぐに放送室へ駆けこむ。
放送室には放送委員が在中し昼食中に紹介とか色々するんだが、今回は数十秒のみ使わせてもらえるようになっている。
私はすぐにモールス信号を録音したテープを流してもらう。
その内容は、”空戦戦術 勉強 15:30 一時間 高校音楽ホール”というものだ。
モールス信号に関しての勉強は、スパイに伝播させている。
これを聞いた者で、モールス信号の魅力に気づき勉強したものは皆こぞって来るだろう。
なんせ同じ学園特区生徒であれば、他の学校への進入は許されている。
故にやる気がある者は、確実に来る。
「ありがとうございます、皆さん」
私はそのまま立ち去り、自身が受け持つ教室へ戻った。
この学園はもともと弁当を持ってくる私立だったようだ。
でも昨年から、給食制度の復活と県立の学園特区へ編入するようになった。
理由の一つはやはり、食事から成る身体の成長だ。
もしも親があまり料理せず、炭水化物ばかりとらせていたら?
ここで解決したいのは、特殊な脂肪酸摂取やビタミン系の摂取だ。
解決には学費の上昇の代わり、安定した安全な食事だ。
調理栄養技師らによる研究の粋が、これら給食にあると言われている。
これらの革新のおかげで、生徒の転校が増えた代わりに健康で健全な生徒が入学するようになった。
「やはりおいしい」
「先生、昼休みに理事長からお呼び出しが」
「解りました、稗田先生」
……
私は理事長に呼ばれた。
内容は非現実的現象専用顧問と理科の授業内容についてだ。
非現実的現象専用顧問の方は、保険の先生と協力して行う事を伝えた。
目的としては非現実的な魔法や幽霊に関して、精神や肉体へ被害を訴えた子へカウンセリングと実質的な解消を目指す
解決機関として動く事を示す。
もしこれを度外視すれば、おかしな話が尾ひれ付きで世間に浸透するため、この学園特区の信頼性の低下が招かれることになる。
私は上記の事をゆすれるネタと共に提供した。
「脅しかね?」
「違います。相互理解を深める為の道具でしかありません。
あなたたちはその地位に恋々とし、特別な席にしがみついててください。
動くのは現場の私だけで十分です。ですのでふんぞり返るのは結構ですが、私達に迷惑はかけないように」
「上司は我々だが?」
「仕方ない。特高に連絡「すまない、悪かった」解ればいいんです」
次は理科の授業内容だ。
これは生徒の自発的行動やリーダーシップ・それぞれ日常では培えなかった才能を見いだし、
未来への糧にしてもらうためのもの。
生物は基本的に命にかかわる事案に巻き込まれると、とたんに自己防衛機能が働く。
これを利用することで、平和で何事もない世界に色を付けられることを主目的にしている。
戦争はただの手段でしかない。その先の未来が目的である。
先ほどの御願いもあって、普通に認可される。
私は比較的真っ黒な部屋で8名の理事長に次ぐ人物から、圧迫面接をされている。
だがぬるい。
これくらい生徒の天真爛漫な活動に比べれば、比較にもならんわ!
「以上でよろしいですか?」
「うむ。足労をかけた」
……
私の日常は基本的に無茶苦茶な事をやりながら、生徒の可能性を他者による圧力を無視し伸ばす方針を取っている。
更に理科の授業では、自衛隊で習うようなことも惜しまず教え、知的好奇心をみたしている。
だがそれでも普通に向かない子供達にはそれぞれ勉強を教えたり、他の時間が空いている先生が成績に関係しない
簡易な勉学を行わせている。
ただ基本的にこのような格差勉強はさせたくない。
だから合わない子には、究極としてレーン作業をさせている。
それはいいか。
さて、空戦戦術の授業を行おうか。
この空戦戦術は航空専門用語を伝えながら、状況に応じての使い分けを行わせている。
さらに映像投射器を使用して、状況説明からの使用可能な戦術技能を伝える。
戦闘機の高度はノズルを上下に移動させず、スロットルでの加速・減速で調整する。
速度の増減はノズル角度を一定にすることで決定する。
上げると迎え角が大きくなり、速力が低下する。
しかしその逆は『アンロード加速』となり、抗力が低減し速力が増加する。
クルビット・インメルマンターン・スプリット・パワーダイブ等の航空機動。
位置エネルギー・空力エネルギー・運動エネルギー・重力・抗力等の授業外専門知識。
アンブッシュや釣り雲伏せ・ドラッグ機動。
地上部隊との連携や編隊を組むという事を伝える。
また私だけでなく、この道のプロからも色々体験談ややってみてほしい事等を伝えられる。
この後は質問をやって今回の授業は終わりだ。
16時に終わった。
丁度いい感じかな。
この後は16時30分までに、その航空自衛隊に携わったことがあるそのプロに対して感謝の言葉等を告げた。
次の講義は陸上について話そうかな。