暁達が部屋で日記帳を覗き見ている一方ーー
「んぅ……司令官、さん……あっ♡」
「あはは、本当に電はこれに弱いな」
提督と電は提督の自室でフウフカッコカリの営み……
「むぅ、司令官さんだってマッサージされると変な声出すの知ってるんですよ?」
「似た者同士ってやつだな」
……中である。
今宵は交代でマッサージをしている。決してホニャララなことではない。
もう一度言おう。
「そろそろ消灯時間だな……」
「司令官さんに弄ばれ続けた時間でした〜」
「人聞きの悪いことを言わないでくれ。それにそれを言うなら、電だって私を散々弄んだことになるだろう?」
「えへへ……司令官さんを弄んじゃったのです♡」
提督のツッコミにどこか嬉しそうな顔をする電。
そんな電のおでこを提督は軽く人差し指で突いて攻撃すると、電は「やめてほしいのですぅ♪」と楽しげにその攻撃から逃げた。
そして最後に二人はおやすみのキスをし、提督は電を廊下の角を曲がるまで見送るのだった。
寮まで送っていってもいいが、そこまで行くとついつい寮室まで行ってしまい、自室に帰ろうとすると今度は電が提督の自室まで送るという永遠ループになるからここまでにしているのだ。
提督は電の姿が見えなくなってからも、少しの間その角を眺めてから自室に戻った。
駆逐艦寮、暁型姉妹部屋ーー
「次はシンコンカッコカリ旅行の日記ね♪」
「確か陸軍が所有してる旅館に行ったのよね?」
雷の言葉に暁がそう訊ねると、透かさず響が「そうだよ」と返す。
「あきつ丸さんの旦那さんからお祝いで宿泊券を貰ったんだってさ。日記にそう書いてある」
そう言って響は記述を指差すと、二人は『あ、ホントだ』と声を揃える。
「お仕事の関係で一泊二日だけど、旅館で司令官と二人っきりの旅行か〜……羨ましい〜」
「姉さん、それはみんなが思うことさ。言葉にすると虚しいだけだよ」
「ほらほらぁ、そんな話してないで続き読みましょ♪」
そうして続きを読もうとしたその時、
「ただいまなのです〜♪」
電がご帰還なされた。
これには暁も雷も一瞬だけム○クの代表作『叫び』みたいな顔をしたが、
「帰ってきて早々悪いんだけどさ、電ーー」
透かさず響が行動に出る。
「ーー司令官に渡そうと思ってた伊良湖さん特製の焼きプリンがあるんだ。良かったら電から渡してきてくれないか?」
「え、電が、ですか?」
「うん。たまには電だって司令官ともう少し夜更かししたくなる日だってあるだろう? その口実にするといい」
すると電はぱぁっと表情を輝かせ、響に一回抱きついてお礼を述べたあとで焼きプリンの箱を持ってまた提督の元へと引き換えした。
その時の響の顔には『計画通り』と書いてあったという。
「あれ、みんなで食べようって買ったのに……」
「まあまあ、暁姉。電に怒られずにやり過ごせたんだからいいじゃない」
「そうさ、それに焼きプリンはまた買えばいい。それよりも今はこっちが大切さ♪」
こうして気を取り直し、悪い姉達は再び電の日記帳を読むこととなった。
『司令官さんと二人きりで
シンコンカッコカリ旅行に行ったのです////』
ーー
ーーーー
ーーーーーー
旅館、一三〇〇過ぎーー
「周りも軍関係者やそのご家族といった感じだな」
「そ、そうですね……ちょっと緊張するのです////」
受付を済ませ、部屋に着いた二人は浴衣に着替えてお茶を飲みつつ、そんな雑談をしていた。
電はシンコンということで大分緊張している。初っ端、旅館の女中さんから『奥様、お荷物はわたくし共が』と言われたせいも大きいだろう。
「はは、もっとリラックスしたらどうだ? せっかくの旅行なのだからな」
「司令官さんはいつも余裕があってずるいのですぅ////」
電はそう言ってふくれっ面で提督を睨むも、提督にはそれも愛らしく見えて逆に微笑まれてしまう。
「私は電を私の奥さんだと分かってもらえたのが嬉しかった」
一頻り笑ったあとで、優しい表情を見せて放った提督の
「そうですね……えへへ♡////」
「まぁ、旅行の目的はシンコンカッコカリ旅行と向こうも知っているから、言ったのかもしれんがな」
「もぉ、司令官さん!!////」
珍しく茶目っ気を見せる提督に電はムキーッと声を荒げたが、怒ろうという気は何処かに行っていた。
電は最初、旅行に否定的だった。
何故なら自分(駆逐艦)とケッコンカッコカリをしたと他人が知れば、大概の者は提督を□リコンと思うのではないか……と思ったから。
電は好きな人をそのように思われるのが嫌だった。
しかし提督はそんな電に豪快に笑ってこう言ったーー
『他人がどう思うが構わん。電は私の最愛の人なのだからな』
ーーと。
その言葉に電は改めて思った。
この人はこういう人だった。
他人の目なんて気にせず、ただ真っ直ぐ前を向く……そんな人だったと。
「そう言えば、家族風呂というのがこの部屋にはあったな……」
「はい……あります、ね……////」
「あ〜、その、なんだ……電が良ければ、これから一緒にどうだ?////」
提督の誘いに電はボンッと顔を真っ赤にする。対する提督も流石に頬を赤く染め、自然と窓の方へ視線を逸らす。
「じゃ、じゃあ……////」
「……////」
「し、司令官さんの背中……流してあげるのです♡」
えへへ……と照れたようにはにかんだ電の上目遣いは提督の胸に多大なるダメージを与え、これにはあの提督も暫くフリーズしてしまったそうな……。
家族風呂、湯船、一四〇〇過ぎーー
洗いっこ(健全)を済ませ、共に湯船に浸かるフウフ。
二人の目の前には窓から温泉街や山脈が見え、何とも素晴らしい景色が広がっている。
「上がったら温泉街でも散策するか。みんなへのお土産も買わないといけないしな」
「そうですね……暁お姉ちゃん達にも電から何かあげたいです♪」
肩を寄せ合い、そんなことを話す二人はもう夫婦にしか見えない。
あれだけ二人して顔を赤くしていたのに、今は二人共平常運転で電は提督の肩に頭を預けている。
すると突然、電が嬉しそうに笑い声をもらした。
その笑い声に提督が首を傾げると、電は「ごめんなさい」と謝ってから言葉を続ける。
「こうしてると、司令官さんと一緒くらいの目線になれて嬉しいなって……そう感じたら自然とにやけちゃったのです♡」
狙って言っているのか……と提督はまた胸を射抜かれたが、これが電という娘なのだ。
「司令官さんとの幸せな思い出がまた一つ出来ちゃいました♡」
「…………私も同じ気持ちだよ////」
提督はそう返すのがやっとだった。あんなにも幸せな表情で可愛いことを言われたら、男しては昂ってしまうものである。
すると電が「司令官さん♡」と呼びながら、提督の腕をクイクイっと引っ張った。
「どうした、いなzーー」
「っ♡」
提督が電の方を向いた途端、提督の唇に柔らかい感触が伝わった。
「んっ……ちゅ〜っ♡」
電が提督に口づけていた。それも互いの舌を絡ませる、大人の口づけ。
突然のことに提督もはじめは驚いたが、ちゃんと電を受け入れ、優しく応えている。
「……っ……ちゅっ、んむぅ♡」
「っ……ん……」
互いの舌と舌が絡み、体も自然と抱き合い、温泉の熱さのせいで身も心も一つになったかのような……そんな感覚となる。
電が体に巻いていたバスタオルも、提督が腰に巻いていた手ぬぐいも、いつの間にか湯船の端へと流されていた。
「んはぁ……司令官さん♡」
「っはぁ……電……////」
やっと二人の唇が離れると、二人は肩で息をし、二人の唾液が糸を引いている。
「……また電から口づけをされてしまった////」
「こんな電は嫌いですか?♡」
「そうではない……ただ男してはやはり、好きな人には自分からと……そういうことを思ってしまってね////」
照れくさそうにしながらそう語る提督に、電の胸はキュ〜ンと高鳴った。
そして、
「じゃあ、次は司令官さんからしてください♡」
満面の笑みで誘った。
それからも二人はのぼせるギリギリまでちゅっちゅに夢中となり、風呂から上がると、空は夕焼け色になり始めていたそうな……。
温泉街、一九〇〇過ぎーー
夕飯を済ませ、昼間とは雰囲気が変わった温泉街を電は提督の左腕に抱きつきながら見て回っていた。
テキ屋で遊んだり、様々なお土産屋を巡ったり、買い食いをして食べ歩きをしたり……本当に幸せな思い出を作った。
因みにお土産は量が量なのでお店で宅配サービスをしてもらった。
「いやぁ、遊んだな〜。こんなにも遊んだのは久しぶりだ」
まだ開いていた茶屋の店先にある腰掛けに座ると、提督は満足そうにそう言って夜空を見上げる。
「ふふふ、司令官さん、大きな子どもみたいでした♡」
「みんなには内緒だぞ?」
「口が滑らなければ言わないのです♡」
電の言葉に提督は「おいおい」と苦笑いをこぼす。
それに対し電は、そもそも言うつもりはないのです……と思いながらクスクスと笑った。
「あとは旅館に戻るだけか?」
「はい、見たいところは見て回れましたし、お土産も買えました♡ 時間も時間ですからね♡」
「時間がこうも早く過ぎるというのは不思議だな……それだけ電との時間が濃密だったんだろうな」
「もぉ、司令官さんったら♡」
冷たい緑茶をすすり、今日という日の思い出にひたる二人。
すると提督達の前を一組のカップルが仲良く通り過ぎる。
「なぁ、今夜はいいだろ?」
「も〜、いいに決まってるでしょ?♡ 訊かないでよ♡」
「今夜は寝かさねぇからな♪」
「きゃ〜、ダーリンってば野獣〜♡」
そんなトークをしながらバカッポーは歩いていった。
そのカップルの会話のせいか、電は提督もそうしたいのかと思い、顔を赤くして急にソワソワしだす。
電としては提督とそうなるのは嫌ではない……しかし当然のことながらそんな経験もない上、そんなことをしていいのかすら定かではない。
電はどうしようかと、提督の顔色をうかがうと提督はいつも通りに優しく笑っていた。
「あのような人々の幸せな日常を我々は守っているのだな」
「え……あ、はい、そう……ですね////」
「そう思うと、より一層頑張らねばと……そう思うよ」
提督がそう意気込むと電は先程までなんて想像をしていたんだと思った……それと同時に提督らしいと感じ、いつもの自分に戻れた。
「っと、すまん。つい、仕事のことを」
「ふふふっ、気にしてません♡ 寧ろ司令官さんらしいから好きです♡」
「っ……また電はそうやって……////」
私の心を揺さぶる……と言いかけて、提督はその言葉を飲み込んだ。
「司令官さん、可愛いのです♡」
「電の方がずっと可愛い……////」
「えへへ、嬉しいのです♡」
(旅館に戻って、もし司令官さんとそんなことになっても、何も怖がる必要ないのです)
(だってーー)
「も、もう戻ろう……寝る前に歩き回った汗も流さなくてはいけないしな////」
「電は、そのあとにまた汗を掻いてもいいのです♡」
「こ、こら!////」
(相手は大好きな
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ーーーー
ーー
『その後は……えへへへへへへ♡
(*^v^*)』
「うわぁ……////」
「妹に先を越された……!?」
日記を読み終えると、響は提督と電が近代化改修(意味深)したのかと驚き、雷はその甘さにほっぺたを紅潮させる。
「電は司令官とお風呂も入って、ちゅうもして、それでいて一緒のお布団で眠ったみたいで……ズルいわ」
ただ
「暁姉、流石にそれは……」
「いいんだよ、雷。それが暁姉さんのいいところさ」
二人の反応に暁は小首を傾げ、どういう意味なのか訊こうとしたが、
「んじゃ、電が戻って来る前に日記を片そう。また明日のお楽しみってことで」
響に話を逸らされて聞けず仕舞いだった。
日記帳を片した直後にまた電が戻ってくると、三人(特に響と雷の二人)は平静を装って電を出迎えたそうなーー。
ちょっちえっちぃ表現がありしたが、ご了承を。
その夜、電ちゃんと提督さんがどうなったかはご想像にお任せします♪
したとは書いてませんがしてないとも書いてませんので!←
とにかく『なんだこいつら、末永く爆発しろ!』って思ってもらえたら幸いです!
読んで頂き本当にありがとうございました!