個性『桃球』   作:猫好き

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大人数での会話って難しい。何人か絶対空気になってる気がする。

ちなみにこの世界では星のカービィ以外のゲームはあります。何故かカービィシリーズだけがありません。


八月道場にお泊まり⑤

次に出てきたのは僕の知らない男だった。

 

「あれは物間よ。個性は『コピー』よ。八月さんにとっては最悪の個性なんじゃないかしら?」

 

「『コピー』か。それならワンチャン八月に対抗できるかもしれないな。」

 

確かにそうかもしれないが…

 

「でも、そんなに上手くいきますの?」

 

「どういう事だい?」

 

「八月さんも言っていたではありませんか。『ここまで個性を完成させるのに何年もかかっているし、練習の間にも新たな個性が出来る事もある』と…」

 

八百万さんの言う通り個性の制御というものは難しい。特に戦闘系個性は僕のように一歩間違えれば体に害を及ぼす個性もある。

 

「それもそうだな。俺もいきなり空飛べるようになっても制御できねぇよな。」

 

物間君もコピーを発動しているのか分からないけど、まるで動かなかった。

 

「あちゃー。あんた達の言う通り『コピー』発動してないみたいだね。」

 

物間君は諦めたのか全身を鉄のようにして八月さんに突っ込む。八月さんはすでに個性を発動させていた。あの姿は…初めて見るかな?

 

しかし今回はかっちゃんの時のように何かをするという事はなかった。そして物間君とぶつかる寸前までに八月さんが2つに分かれてまた元に戻った。

 

何を言っているのか分からないと思うが見ている自分だって目を疑う光景だった。

 

物間君は殴る対象かいなくなり大きな隙を晒していた。しかし八月さんは、いつの間にか手に持っていた杖で1回叩くだけで追撃する事は無かった。

 

「物間が『コピー』してんのは鉄晢の個性やね。にしても八月はんの個性は種類豊富やな。」

 

「桃ちゃん何で追撃しないんだろう?絶好のチャンスでしょう?」

 

「おそらく相手がわざと隙を晒していると思ったんじゃないかな?相手が『コピー』だと分かっていても、見た目だけで見ると痛い目にあう事もあるだろうし、わざと追撃しない事で怒らせようとしているのかも?」

 

「確かにそれもあるだろうな。」

 

「八月の動きを見てみろよ。ギリギリでかわしているぜ!」

 

「ありゃ物間駄目だな。緩急もねぇしフェイントすらねえ。」

 

物間君はただ単に一直線に八月さんを殴ろうとしているようだけど、それで攻略出来るほど八月さんは甘くはない事はかっちゃんとの対決で分かっていた。

 

物間君が『コピー』出来るのはあくまで個性だけで、その個性を応用した戦い方を知らないみたいだ。これじゃあプロヒーローを目指すには弱い。

 

物間君との決着も終わりを告げようとしていた。物間君がコピーを別のものに変えたからだ。手から電気が出ている所を見ると上鳴君の個性をコピーしたらしい。

 

「俺の個性か…ある意味では当たりだけどよ。八月には効かないだろうな…」

 

「俺もそう思うよ。しかし、どう対処するのか見ものだ。」

 

物間君の放電に対して八月さんはどのように攻略するかと思えば、タイミングを合わせたかのように飛んだだけだった。

 

「嘘だろう…あんな避け方ありかよ!」

 

その後物間君もかっちゃんと同じように泡に包まれどこかへと消えていった。亀裂から見える風景がかっちゃんの時とは別の場所ということだけは分かった。

 

「じゃあ僕はそろそろ修行に行ってくるよ。」

 

「いきなりどうした緑谷。最後まで見ていかないのかよ!」

 

「そうだよデク君。」

 

「まあ待て緑谷君も事情があるのだろう?」

 

確かに八月さんの戦い方を研究するのも悪くはないのだが、僕は心の中にある思いをみんなに伝える事にした。

 

「確かに最後まで見ていたいけど、僕は八月さんに勝ちたい。今は駄目かもしれないけど、いつか八月さんを超えて1番になる為に修行をしようと思う。」

 

「緑谷男らしいぜ。」

 

切島君がサムズアップで僕を励ましてくれた。

 

「でもよ。1番になりたいと思ってる奴はお前だけじゃないぜ?」

 

「ああ。俺達もそこを目指す為にここに来たからな。」

 

「行ってらっしゃいデク君。ここで強くなろうぜ。」

 

皆に励まされ涙が出そうになった。そういえばこうやって励まされた事なんてほとんど無かった。無個性だと判明してからは励まされても、その奥で笑っているような感情が見え隠れしていて、素直に喜べなかった。

 

しかし今は違う。心からの励ましに雄英に入って良かったと本気で思った。

 

「ちなみにどこにいくの?」

 

「僕は正統派格闘ヒーロー『ケン』のケン道場かな…現在プロヒーローの中で唯一の無個性ヒーローで、オールマイトも学んだ事もあるって聞いたからね。」

 

正統派格闘ヒーロー『ケン』。19世紀終わりに発売された『ストリートファイター』の主人公としてでた『ケン』をこの時代に蘇らせた人で、()()()で戦う新生の星である。

 

現在その『ケン』に弟子入りをしているアマチュアヒーロー(プロヒーロー試験前のヒーロー)も多くいる。勿論その多くが同じ無個性である事は言うまでもない。

 

「そうか。ではまた後で会おう。」

 

「よっしゃあ!俺も続き気になるけど、俺も行ってくるぜ!」

 

「いってら〜鉄晢。」

 

「ちょっと態度悪くない?一佳」

 

「おう、頑張れ鉄×4」

 

「テメェはちゃんと名前で呼べや!」

 

皆の即席漫才に笑いながら僕は『ケン道場』に向かった。

 

後で聞いた話だけど、あの後八月さんは残りの3人にも勝ったらしい。とは言っても轟君は対決せずに轟君と同じ個性になった八月さんに1つの技を教えてもらい、内藤君は途中でどこかへ行ってしまったらしい。

 

なんでも内藤君はお兄さんを探す為にヒーローになることを決意したらしい。その情報を教えてもらい八月さんのお父さんの所に試合の途中にも関わらず行ってしまったらしい。

 

いい情報を聞けるといいのだけど…




次回遂に闇が動き出す。そして何故に包まれた八月桃の過去が分かるぞ!

そしてヴィランに新たに加わった謎の2人についても明らかになるぞ!

次回まで期待せずに待っててね。
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