個性『桃球』 作:猫好き
更にオールマイトが父に挫折を経験したことがメディアに報じられ、今では150名を超える大規模ヒーロー道場になっている。
主人公もオールマイトと戦い勝利を収めている。
昼休み私は緑谷君と切島君、飯田君、麗日ちゃんと一緒に学食に来ていた。あれから緑谷君は言いつけ通り個性を常時発動させるようとしているらしい。
でもまだまだ気を緩めると元に戻るし、発動すれはする程体力が削られるみたいで、常に発動するにはまだまだ時間がかかるみたいだ。
「へぇ。飯田君のお兄さんインゲニウムなんだ。」
「そう!規律を重んじ、悪を絶対許さず、人々に優しい…俺の憧れのヒーローなんだ。」
現在この5人で自分の個性とか、身内の話をしている。インゲニウムね…彼も立派なヒーローとして活躍しているようで何よりだ。
勿論『八月道場』の卒業生で、飯田君同様に正義感が強く、真面目な性格だったな。成る程兄弟だったわけか…
「八月さんは?」
「そうね。個性については分かってないの。役所の方にも『個性○○』としか出してないからね。でも、やれる事は多いから気にしてないね。実家は『八月道場』って言えば分かるかしら?」
「え!『八月道場』ってあの?」
「その『八月道場』で合っていると思うよ。」
「マジかよ。あのオールマイトが挫折を経験した所が実家とかすげえよ。」
かなり驚いているようだけど、飯田君のお兄さんもプロヒーローだし、聞いた話だと轟君はNo.2ヒーローの息子らしいから驚く事でも無いと思うけどな。
「だからアドバイスも的確だったんだ。八月さんに言われた事もう少し頑張ってみるよ。」
「お!緑谷。八月からアドバイス貰ったのかよ。なあなあ。俺にはアドバイスないのか?」
「あ、私も私も!」
「そうだな。俺にも出来れば教えてくれないだろうか?」
別に教えてあげてもいいのだけど…ちらっと時計を見るとそろそろ教室に戻らないといけない時間になっていた。
「そろそろ教室に戻らないと授業に遅れてしまうから、また今度ね。」
「自分の改良点が気になるが、遅れる訳にはいかないな。」
食堂を出て教室に戻ると丁度チャイムが鳴るところだった。結構ギリギリだったな。さて、次は『ヒーロー基礎学』か…確かこの授業は…
「私が〜〜普通にドアからやって来た!」
先生初体験のオールマイトか…色々と大丈夫かな?
「今日はこれ『屋内戦闘訓練』だ。ヴィランは外で活動する事が多いが、より悪質な活動は中で行われている事が多い。それに合わせてこれ!」
教室の一角の壁が動き出し、その中から番号の書かれたアタッシュケースが出てきた。
「入学前に個性を元に送ってきた君だけのコスチューム。これに着替えて演習室Bに集合だ!」
さて、私のアタッシュケースは…ちゃんとあるね。私が頼んだのはこのワンピースの替えの物と、大量の金平糖てある。
え?その服以外着れないのじゃないのかって?逆に考えてみれば分かるだろうけど、その服しか着れないならその服を作ればいいのだと…
サポート科には昔からお世話になっている為、サイズも服の方も要望通りだ。金平糖は個性を使いすぎた時の体力回復アイテム。
甘いものならなんでもいいけど、手軽にすぐ食べられる金平糖は重要なアイテムだ。その中の1つを口に入れて、袋の中から10個ほど手に乗せ両手で包み込む。
もう1度手を開く頃には金平糖は無くなっているが、個性を作り溜め込む時と同じで再度出すことができる。準備らしい準備をしていないが、金平糖の袋を閉じ演習室Bに向かう事にした。
………
『屋内戦闘訓練』のルールは2体2に分かれ、片方がヴィランとして核に見立てたハリボテを屋内のどこかに隠しもち、ヒーロー側が時間内に核を確保したらヒーロー側の勝ち。逆に時間一杯守り抜けばヴィラン側の勝ち。というルールらしい。
…あの、オールマイトこのクラス21人いるのですが…
「八月君には最後に皆へのアドバイスを頼みたい。任せたよ。」
どうやら私はクラスから省かれてしまっているみたいだ。21人いるから絶対1人は余るのは目に見えているけど、不公正を無くす為にこういうルールにしたのか?
「先生!何故八月さんを特別扱いなんですか?私達と同じ生徒ですよね?」
「オールマイト。いくら私が『八月道場』の次期当主だとしても、あまり特別扱いはいけないと思いますが?」
「「『八月道場』の次期当主!!」」
驚かれるのは予想していたけど、切島君達まで驚いているの?一応実家が『八月道場』って事は言ったと思うのだけど…
あ〜次期当主とはまだ言ってなかったか、でもそれくらい考えられそうだけど…
「あの八月道場の次期当主ですの?オールマイトを負かしたと言われている。」
「まじかよ!八月どうなんだよ!」
「オールマイトが手も足も出なかったって聞いたぜ。」
「な、なんと!八月殿は既にそれほどの力を持っていたとは!」
クラスメイトが色々憶測で話が進んでいるけど、そんなことで時間を割くわけにはいかないだろう。
「アドバイスをすればいいんですね。私なりの改良点を言うのでしたら良いですが…」
「ははは!心配することは無いぞ八月君。君はいつものようにアドバイスをすれば良いのさ。それを実施するかどうかは彼らの判断さ。」
結局私は『八月道場』でやっていることをここでもやる事になってしまった。プロヒーローでも伸びしろが大きいことが多い。
この時期からこの伸びしろを教え、成長すれば更に強いヒーローになる事が出来るかもしれない。
そう思いモニターを見ながら改良点を探す。途中でまだ個性を全体的に使えない緑谷君が両腕をボロボロにしたり、(私が綺麗に治した)轟君がビル丸ごと凍らすものだから、モニタールームも冷えたり、(しょうがないので炎の個性を使い室内温度を上げた)力加減を間違えたらしい内藤君がビルを切ってしまったり(通行の邪魔にならないよう撤去)色々プロヒーローとは違った所で苦労した。
「これにて『屋内戦闘訓練』は終わりだ。最後は八月君に頼むとしよう。生徒同士での交流を邪魔するわけにもいかないので先に失礼するよ。この後はフリータイムさ。存分に交流を楽しみたまえ!」
そう言ってオールマイトは速やかにその場を立ち去った。おそらく活動終了時間がもう近かったのだろう。
「おっしゃあ!頼むぜ八月!」
「チッ。おい!とっとと教えやがれ変身女!」
爆豪君は無視しよう。幼馴染の緑谷君に負けたのがそんなにも悔しいのだろうか?それにしても変身女ね…それが的を得ているのがなんとも言えない。
「そうだね。これだけは先に皆に言っておくね。君達はまだまだ強くなれる。」
さあ始めようか。私の生徒魔改造授業を…
次回八月 桃による生徒魔改造の話になります。もしかしたら2〜3話になるかもしれませんがゆっくり待っててね。