ポケットモンスター紫   作:鯖風味鯵

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 初めまして。鯖風味 鯵(さばふうみ あじ)です。閲覧感謝です。
 ぶっちゃけ完結させる自信ないですが、それでもよければご覧ください。


技1

 

 ポケットモンスター。縮めて、ポケモン。

 

 

 

 知ってるよな? ポケモン。まあ、誰しも聞いたことくらいあるだろ。

 なに、知らないって? アレよアレ。代表的なのは黄色い電気鼠で「ぴっぴかちゅー」とか鳴くやつ。

 アニメもゲームも大人気。ポケモンの種類は数百以上。ゲットしてバトルしてコレクションしたりする超有名シリーズだ。

 俺も、何年か前まではなあ。シリーズもだいたい揃えてたし『厳選』なんていう面倒な作業もやってたっけ。努力値だとか個体値だとかね。いや~必死だったよバトルに勝つために。もうやめてるけどな。

 

 そう、やめたんだけどな。なのに気づいたらポケモンになっちまった。

 

 

 

 ざけんなよポケモンになっちまってた。

 

 

 

 いやほんとマジふざけんな。アタマオカシイって罵倒されようが何だろうが何度でも言ってやるよふざっけんなよ気づいたらポケモンになってました。くそったれ。

 

  

 意味わからん。なんでポケモン? 唐突すぎる。

 

 

 厄介なことに記憶もない。体型に合わせて脳みそまでちっちゃくなったのか。

 いや記憶っつってもあるにはあるんだよ。ポケモンってゲームを遊んでたとか、友人とのポケモンバトルではしゃいでたとかっていう、そんな記憶。

 なのに自分のことは思い出せん。家族の顔もだ。もちろん、友人も。そいつの顔面にメガトンパンチをぶちかましたっていう記憶はあるのにな。…なんで殴ったのかって? 改造ポケモンを使ってきやがったからだ。  

 

 

 あー困った。どうすんだこれから。

 

 

 現在、俺はでかい木の根元に身を寄せてぼけっとしている。周りには草…ポケモン風に言うなら「くさむら」が茂りまくってる。草だらけで視界悪すぎ。

 空を見上げる。夕暮れだ。鳥の群れが飛んでいる。あの鳥、ポッポじゃね? わお。

 

 

 てか、ポッポて。雀じゃねえよなあれどうみても。そうか、ポッポかぁ。

 

 

 

 嫌な情報だぜおい。てっきり俺は、自分自身がポケモンに変化して、現代地球のどっかで途方に暮れているんだなっていう現況把握をしてたってのによ。ポッポの群れときやがったか。

 

 

 じゃあ何か。

 

 

 俺はポケモンになっちまった挙句、ポケモンの世界に迷い込んでしまったと。

 

 

 ははは、ないって。

 

 

 あ。あかん。頭いたい。ちょっと寝る。

 

 

 

 

 

 よし、納得した。

 

 目が覚めた。深夜だろうか。虫の鳴き声以外聞こえない。

 

 いろいろ夢の中で考えていたが、もう俺は考える事を放棄していた。

 

 気づいたらポケモン。自分以外にもポケモンがいる。記憶は曖昧。こうなった原因も過程も何にも分らんという分らん尽くし。

 このまま一人(一匹)でうんうん考えていても、そもそも考察する材料がなさすぎてまったく進展しない。せいぜい俺が腐っていくだけだ。心身共に。

 

 だから、ひとまずは保留。保留な。

 

 原因と過程。こいつらは後回し。今は生きることに集中してみようや。

 別に過去の自分がどうでもいいとか、自棄になってるとかじゃねえぞ。うじうじぐずぐずするのは嫌なのだ。時間の無駄だと思う。ポケモンの厳選作業だって同じだしな。初代ポケモンの、トキワシティで通せんぼしてたおっちゃんだってこう言ってたじゃないか。「たいむいずまねー ときは かねなり か」ってね。

 

 おっしゃ。そうと決まったら動くかね。

 




主人公はポジティブ

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