ぼつぼつ更新していこうかと思います。こんな奴が投稿してるような物語でよければ、どうか見てやってください。
カビゴンはいなかった。別にいいんだけどさ、やっぱ見てみたかったよな。
シオンタウンへの道のりは長い。急ぐ旅でもないのでポケモン世界をゆっくり観光がてらって感じでもいいのだが、道中の12番道路には特に気を引く名所なんぞ無いと思われる。ので、さっさと進んでしまおうや。釣りの名所ならそこら中にあるけどなっ。
いやね、だらだら進んでもよかったんだよ俺的には。あのイガグリ頭の小僧がちょっかいかけてこなかったらな。野郎が追いかけてきたらウザいので、進行速度をあげようってこった。
ううむ。今思うと、あの小僧はポケモン主人公のライバルキャラに当たる人物だったのかもな。ピジョンとかイーブイとか、それらしい要素が盛り盛りだったじゃないか。すかした言動とかそれっぽかったじゃん。
グリーンなのかシゲルなのかは解らんが、サントアンヌ号の船長室前で「ぼんじゅーる!」とか言って気取ってる絵が簡単に想像できる。「テレポート」しか使えないケーシィを繰り出したりとかしてくるのかね。いやそれは金玉橋前だったかな?
どうでもいいか。
とりあえず急ぐべし。12番道路から北上すればいいだけの単調な道のりだが、それ故にショートカットは難しい。ここは自前の脚力とタフさで走りまくってみるか。
と、思ったが。ちょい待ち。
12番道路は海に面している。海沿いに進んでりゃ、寄り道する事なくシオンに着けるだろう。じゃあ、あれだ。特訓も兼ねて泳いで行ってもいいんじゃね?
水泳は全身を使う運動だからいいトレーニングになる。人間のアスリートだけじゃなく、競走馬だってプールで調整したりするらしいしな。
というか後の事を考えると泳げるかどうかの確認だけでもするべきだと思う。(なんでか知らんが)進化できない俺だが、ゆくゆくはニドキングになるのが目標の一つでもあるのだ。キングは「なみのり」が使えるわけだし、ってことはつまり水が苦手でも泳げはするって事なんじゃなかろうかと。
まあゲームの設定と現実の差異に絶望するだけかもしれんがな。冷静に考えたら、キングは地面タイプだから水に触れるのもヤバそうだ。アニメじゃ水を怖がらないサイドンとかもいたし、なんとかなると思うのだがってか何とかなってくれおねがいよ。
あ~、でもそうか。急がなきゃいけないんだよ今は。んな実験してる時間がなぁ。
そもそも、ニドランの姿で泳げたから何? 進化したら体型変わっちゃうじゃん。俺、四足歩行から二足歩行になるんだよ? 体の動かし方に違いが生まれるのは明白なのだ。
残念だが水泳は諦めるか。当初の予定通り陸路を走っていこう。
なぁんて言っちゃったりしたんだけど、現在海を高速移動中なんだなこれが。
困った時のポケモン様よ。水面から頭だけ出してるメノクラゲがいたもんだから、タクシー役になってもらったのだ。いやいや流石は水タイプ、ギュンギュン飛ばしてくれるぜっ。大波小波もなんのその、『波乗りジョニー』の鼻歌をBGMに、優雅で刺激的な海の旅ってもんだ。背中にしがみ付いてるだけで目的地に着くのだから楽なもんである。
にしてもこの世界のポケモン優しすぎ。一応、お礼はするって言ったけどさ、こんな簡単に協力してもらってよかったのかな。
お? 同じ毒タイプの誼みだろって? 嬉しいこと言ってくれるじゃないの。お前は良いクラゲだ、間違いない。
話してみると、所属していた群れから逃げ出したメノクラゲなのだという事が解った。
こいつの群れはボスのドククラゲがジャイアニズムしてる恐怖政治なのだという。乱暴なボスだが、バトルは強いし長生きもしてて無駄に頭がキレるらしいので誰も逆らえないのだとか。それが嫌になって抜け出したって? 苦労してるねえ。
で、海岸近くで無気力に漂っていたら俺に声をかけられた、と。送り届けるついでに自分も新天地に住処を探しに行こうって腹か。なるほど考えてやがるな。
まあいろいろ苦労する事も多いだろうが、お前さんも頑張んなさいよほどほどにね。
旅ってのはいいもんだぜ? やる事成す事ぜ~んぶ自分の責任になるが、それさえクリアすれば夢と冒険のポケットモンスターの世界が待っているのだ。
って偉そうな台詞をほざいちゃったけど、たぶんこのメノクラゲの方がポケモンとしては先輩だよな。
ままま、細かい事は気にしない! 旅は道連れ、短い付き合いになるだろうが仲良く行こうや。
で、気づいたら夜になってた。
無事にシオンタウンの間近まで連れてってもらったのだが、泳ぎの練習に熱中してたらこんな時間である。
案の定まともに泳げなかった俺は、この機を逃すまいとクラゲに水泳の特訓パートナーになってもらったのだ。もう水タイプ様々である。実際は泳ぎ方を教えてもらったとかそんなこたぁ一切なく、メノクラゲをライフセーバー代わりにしてひたすら泳いでただけなんだけどね。
だって俺ら、体型が違いすぎるんだもん。泳ぐ時に体のどこをどう使うとか、相違点がありすぎるんや。
ついでにバトルのお相手をお願いされた。いいぜ、来いよ。
これから一人立ちしようという若鶏・・・いや若海月の実力、見せてみんさい。
と思ってたんだがあるえぇぇぇぇぇぇ!!??
一発でダウンしちゃったよメノクラゲ!
あかん、やりすぎた。弱点だからって「10万ボルト」をぶっぱなしたのが悪かったか。
いやまあ咄嗟に「ようかいえき」で対抗しようとしたのは凄いけど、こっちの電撃が全部弾き飛ばしたからな。互いの技に威力差がありすぎた。
気絶寸前のメノクラゲに、近くの木に生ってたオボンの実を食わせてやる。すると、
「ほっほあー! ほー、ほー!! フオオオオオォ!!」
奇声と共に復活したクラゲ。と思ったら、うまいうまい連呼してボリボリ実を貪りはじめた。がっつきすぎだろ。確かにオボンの実は貴重な品だが、そこまで血相かえるほどでもあるまいに。
と思ってたが違うらしい。なんでも、海に棲むポケモンにとって、木の実はなかなか口に出来ない嗜好品だとか。ははあ、なるほどね。川から流れつくか、口に咥えた鳥ポケモンがうっかり海に落とすか。入手経路としちゃそんなもんだろうからな。
ま、喜んでもらえて何よりだよ。なんならもっと持ってきてやるぜ? タクシー代としてもこの上ないだろうしな。
そう言うと、もの凄い迫力で「おかわりを持ってこい!」と叫ばれた。
いいね。食欲があるのは元気な証拠である。
両の触手にオボンの実を巻き付けたシルエットが遠ざかる。
水面に沈む月を目指すその姿は、新たな生活に胸躍らせて生き生きとしていた。達者でな。
去り際に、
「次に会ったら俺がお前を一撃で倒してやる」
と宣言された。頑張れよ。海と陸という生活圏の都合、次ってのが何時になるかはマジで分らんけどな。
さあ、俺も行くか。目的地は目の前である。
みんなのトラウマがぎっしり詰まったシオンタウン。初めてお目にかかるゴーストタイプ、どんなもんだろうか。
突貫工事でUPしました。お見苦しい点もあると思います。すんません。
ウルトラサンムーンは買う予定はありません。ドラクエが忙しいのです。