俺は最強なんか求めてない!   作:飛縁魔

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設定を考えるのが難しい…。モブの。


第4話

 解放軍(リベリオン)の事件から一夜が明けた月曜日。

 破軍学園ではついに六つの『七星剣武祭出場枠』を巡る『選抜戦』が始まった。

 

『さあ始まりました!選抜戦初日の注目カード!またもや黒鉄珠雫選手に続くBランク!とは言いますが限りなくAランクに近い彼は、いったいどんな戦いを見せてくれるのかぁ!神無月廻兎選手の第一戦ですッ!』

 

 ちなみに彼は新入生ナンバー3。珠雫に少し劣っている程度。観客席はそんな彼の偵察に来た生徒たちで溢れていた。

 

『相手をするのは二年生、入学以降その能力と共に学園に名前を響かせてきたCランク騎士・雑賀石山(ざいがせきざん)選手!去年は七星剣武祭代表に選ばれませんでしたが今年はどうか!今、試合開始のブザーがーー鳴りましたぁ!』

 

「ごめんね、でも今年こそは出場したいんだ。だから僕は君を倒し、先に進む。」

 

 そう言って石山は自らの固有霊装(デバイス)である杖を取り出す。

 

「僕の能力は石化!足を止めたところを一撃で仕留める!」

 

『序盤から出たぁぁ!石山選手の伐刀絶技(ノウブルアーツ)、《石魔物(メデューサ )》だあ!廻兎選手の足が固まる!このまま負けてしまうのかぁ!」

 

「確かに動けないですけど、この能力ならもっと上まで石化させた方が良かったですね。…第1回転、旋風(サイクロン)!」

 

 廻兎の周囲から風が吹き始める。俗に言う旋風だ。風力としてはあまり強くはない。

 

「それが君の伐刀絶技かい?Bランクだというのに、あまり強い能力じゃないんだね。それならやはりこちらのものだよ!」

 

「何言ってるんですか、まだまだ行きますよ!第2回転、台風(タイフーン)!そして…第・3・回・転!竜巻(トルネード)ォ!」

 

 最初は旋風であったそれは、さらなる強風を経て、天井を突き破らんばかりの勢力を誇る竜巻へと進化した。

 

『おおっとぉ!石山選手の足が、まるで自分の能力をかけられたように停止したぁ!まさかこんな能力を有していたとは、噂にたがわぬBランク!会場も騒然としています!解説の折木先生、彼の能力とはどのようなものなのでしょうか!?

 

『んー。私もよく知ってるわけじゃないんなけどね?入学試験の時からよく竜巻起こしたー、とか、攻撃が弾かれるー、とかっていう噂を聞いてるわ。でも本人は別に風の能力じゃないって否定しているし…。真相はまだ謎のままなのよ。』

 

『ありがとうございます!そして吐血しませんでしたね!調子いいですね、先生!』

 

『私としてはお薬打てないから残念なんだけどね…。』

 

 ちなみに一つ前の珠雫選では三回目の吐血をし、注射を打っていた。…あの先生はいったいどうやって生きているのだろう、といつも廻兎は思っている。

 

「そのまま薙ぎ払う!風の竜よ!呑み込め!《一頭竜(ファフニール)》!」

 

 石山の体は竜巻に巻き込まれ、飛んで行き、そのまま地面に落ちた。そしてーーー

 

「雑賀石山、戦闘不能ッ!勝者、神無月廻兎!」

 

 気絶した。

 

『試合終了ーーーーッ!勝ったのは1年、神無月廻兎選手!石化能力を歯牙にも掛けず、初戦を白星で飾りましたぁ!!』

 

「よし、とりあえず一戦は突破した、っと。」

 

 そうして微笑みながら訓練場を後にした。

 

(そういえば、あっちはどうなったかな。)

 

 ♦︎♦︎

 

 ステラの試合が終わった後の、第七訓練場。

 そこにはステラの時のような騒がしさはなく、静寂が訪れていた。

 当然と言えば当然。

 ステラはそのくらい人が集まる人気者だが、ここに立っているのはそんな人気者ではない。

 

「ここまで人が減るのか…。人に見られるのは苦手だが、ここまで人がいないとなると…それはそれで悲しいな。」

 

 そこに立つのは廻兎のルームメイト、白金香久夜だった。

 

『新入生主席の戦いが終わり、観客は少なくなりましたが!まもなく次の試合が始まろうとしています!そこにいるのは新入生、白金香久夜選手!まだ誰とも戦ったことがないという彼女ですが、いったいどんな戦いを見せてくれるのかぁ!それに対するは3年生、《鉄の処女(アイアン・メイデン)》こと鳩里(はとり)絵留(える)選手!さあ今日も出るか!?多数の相手から血を搾り取ってきた必殺技、スパイクがぁ!』

 

「先に謝っておきますね。私の能力は、相手に傷をつけることを最も得意とします。ですからズタズタになるかもしれませんが…泣かないでくださいねぇ。」

 

 邪悪な笑みをこぼす妖艶な美女、鳩里に対し、香久夜も謝る。

 

「こちらこそすまないな。例え相手が目上の人でも、この口調は直せないんだ。そこだけ了承してほしい。それから…そちらこそ、泣くなよ。」

 

『両者共に固有霊装を構える!鳩里選手は禍々しき杖を!白金選手は猛々(たけだけ)しきライフルを!そして!今!試合開始のブザーが鳴りましたぁ!ーーっとォ!?ブザーが鳴った瞬間、白金選手の姿が消えたぁ!彼女はどこに行ったのか!?』

 

「後ろだよ。武器を捨てて手を上げろ。さもなくば…撃つぞ?」

 

 言いながら鳩里の頭に照準を当て引き金を引く。射出されるのは当たり前のごとくレーザー。

 

「ああ、それから…私の銃は少しばかり強力すぎるんだ。幻想形態だが、勘弁してほしい。」

 

『そのライフルから撃ち出されるは弾ではなくレーザー!しかし直前に幻想形態に変えたようです!人を傷つけたくないのでしょうか?何はともあれ試合終了ォ!経験差をものともせず、わずか数秒で勝利を収めましたぁ!』

 

 彼女は知っている。いかにIPS再生槽(カプセル)が優秀とはいえど、失ったものは戻ってこないことを。そして、自分のレーザーは一切を消滅させるものであることを。

 

(よし、1回戦は突破した。神無月は勝っただろうか?)

 

 そう思いながらリングを後にする。その途中、

 

『えーたった今、第十五訓練場で試合を行なっていた新入生、神無月廻兎選手も、二年・雑賀石山選手を相手に勝利を収めたと連絡がありました!』

 

 廻兎の勝利を知った。

 それを聞き小さくガッツポーズをしたのは、自分だけの秘密だ。

 

 ♦︎♦︎

 

「お疲れ様、白金さん。」

 

 寮室に入った香久夜がまず最初に聞いたのは、廻兎からの労いだった。

 

「神無月こそ、お疲れ。」

 

「とりあえず一回戦が終わったね。これからも、がんばろう。」

 

「ああ、七星剣武祭には出場してみたいからな。ステラや黒鉄とは当たりたくないものだ。」

 

「明日は一輝さんの初戦があるけど…見に行く?多分不快な思いをすると思うけど。」

 

 その戦いは《狩人》、桐原静也(きりはらしずや)との戦いである。観客席がどうなるか、リングでどうなるか、2人は知っている。

 

「行くさ。友の初舞台だろう?」

 

「白金さんならそう言ってくれると思ったよ。明日は精一杯応援しよう。」

 

「「俺(私)たちの友のために。」」




雑賀さんと鳩里さんの出番はこれで終了です。所詮モブ…。
それと廻兎の能力詳細を明かす時がいつになるか、自分でもわからない…。
誤字脱字等報告お願いします。
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