( ゚д゚)ハッ!ポーションメーカーで創作したら面白そう...!みたいなノリで始めたので...。続くかは僕も分かりません。
──ガラガラガラ、と王国のエンブレムの入った馬車が似つかわしくない城下町の端の端の道なのかよく分からなくなるほど雑草の生い茂った道に走って来た。
後部に何かを引っ張っているのか、馬車の後ろにロープが伸びている。
砂埃で良く見えないが、何やら【声】がする。
(人の声...?)
喚くような、叫ぶような、何にせよ大きな声を発しているのはよく分かる。
耳を澄ませば、
「ちょっとぉぉぉぉ!!?ここ砂利がすごいんだが!?ちょっ、いたぁ!?」
意外と大丈夫そう。
それでも尚、馬車の速度は遅くならず、むしろ上がっているように思えた。しかし、それもすぐに砂利を嫌がったのか、馬がゆっくりと走るようになったので幾分か速度が落ち、しまいには
恐る恐るカーテンから顔を出して外を見てみると、憲兵の人がボロボロになった男性の髪を掴んで持ち上げ、何か言っていた。
その後、バキッ、という音が鳴り響き、掴まれていた男の人が後ろに弾け飛んだ。それでも憲兵は男の人のもとまで行って、更に拳を振り上げ、殴りつける。
私は怖くなってカーテンを閉め、耳を両手で塞いだ。
¥¥¥¥¥
ガラガラ、と馬車が過ぎ去って行く音がする。それは丁度私が耳を塞いだ手を離したのと同時だった。
あの人はどうなったのだろうかと気になり、小さく玄関のドアを開ける。
案の定、あの男の人はそこに放置されていた。
──助けないとっ...!
*****
あ〜痛かったー。畜生め、あの野郎顔面ばっかり狙ってきやがったよ。お陰で顔がパンパンになったじゃねーか。
これからどうすっかなー。無一文、そして空腹。川で釣りでもするしかないかなー。
──刹那、ばしゃり、と水のような、蜂蜜を水で割ったような液体が掛けられた。
「!?...ぶはっ、な、何事!?ゴボォ!?」
それでも尚、液体の勢いは止まらない。
しかし、顔の痛みが薄れていく感覚がするため、これは大方回復薬みたいな物なのだろう。顔の痛みに比べたら何倍もありがたい苦しさだったので、目を閉じ、全てを受け入れる姿勢をとる。──が、逆効果だった。
「あ、あれ?ポーションが足りてない...?も、もっといっぱい...!」
薄らと開けたら目で見たのは、幼女がたくさんの試験管や、ビーカーを抱えて、こちらに傾けようとしている瞬間だった。
「ちょ!?た、タイm...ぶくぶくぶくぶく...」
「あ、あれ!?起きてましたか!?」
*****
傷も治り、何故か空腹も消えたのを確認しながら上体を起こす。そこにはやはり、小さな女の子が立っていた。
「あーっと、ホント助かった。ありがと」
「い、いえ!...その、止めに入れなくてすいません...」
どうやらこの娘は先程の光景を見ていたようだ。それはまた欝な話なもんだ。...あの憲兵、次会ったら頭頂部だけ刈り込んでやる。
「いんや、気にすんなよ。ありゃ俺のせいでもあるんだし」
「あの馬車は王国の、軍の物でしたよ?それほど酷いことをしたんですか?」
「うっ...」
この娘、聡いっ...!
薄い紫色をした髪が風でなびいた。何かの制服なのだろうか、その服の端々が自身の生地を叩き、バタバタとはためいている。
しかしこの娘、随分と幼いが一人きりなのだろうか。
「...ん?」
「あ...」
背中から伸びる黒い翼。なるほど、納得。
それでこんな所にいるのか。
「君は魔族の娘なのか」
「っ...はい...」
「?」
何故そこまで怖がっているんだ?自分で言うのもなんだが、怖がるならこっちだろうに。
「どした?」
「怖く、無いんですか...?」
「何が?」
「わ、私が、です」
「いや全く。何なら鳴き喚く犬猫の方が怖い」
拍子抜けしたような顔でこちらを見てくる。何?何か変なこと言いました?
「ち、ちなみに王国で何をやらかしたんですか?」
「...それ聞いちゃう?頑張って話逸らしたのに」
「逸らし方が雑なんですよ」
ふーむ、自分もまだまだだということだね。日々精進あるのみ!
「国家反逆罪だよ。それで察してくれ」
「よく死刑になりませんでしたね」
「ぐっ...まぁ、殺すなら皆まとめて自爆するぞって脅したら、無一文にして野に棄ててこいってことになったらしい。ふっ、チョロいな。自爆なんて出来るわけないのに」
「ええ...」
「餓死するのを狙ったんだろうけど、サバイバルには生憎強いもんでね。何にせよ生き長らえてたよ」
「何故そんなことを?」
「え?いや、昔じいちゃんと「そっちじゃないです」...あい」
「...国家間のやり取りに不正があってな、それに気付いちゃった俺はそのやり取りに関係の無い国の、俺のつてのある国にリークしようとしたんだけどな、バレて捕まって拷問へGOだったって訳」
「無茶しますね...どうしてそこまで?」
「知らない方がいいこともあるんだよ?」
目が笑ってない。何かとんでもないことを隠したということがよく分かる。分からせているんだろう。これ以上知ったらどうなるか知らないぞ、と言わんばかりに。
「...分かりました」
「ん、よろしい...んじゃ、これからどうすっかな」
「行くあてがあるんですか?」
「いやない」
「じゃ、じゃあ」
後ろを振り向けば、力んでいるのか、顔を紅く染めてこちらに何かを問いかけようとしている。
また何か黒歴史を掘り返されるのだろうかと、げんなりしながら先を促す間を開ける。
「バイト、しませんか!?」
はい?
「お、お名前をお聞きしても、よろしいですか!」
「よろしいですけど...全く流れが読めないんだが!?」
「流れに身を任せるのもいいと思います!」
「お、おお...それもそうだな!じゃあ、俺はオズだ。君は?」
「オズさん...と。えーと、私はピオと言います。これからよろしくお願いしますね」
そう言って、初めて俺の前で朗らかに笑った。
こうして、魔族の娘との経営生活が始まった。
お読み頂き、感謝です。