天龍の改変者   作:

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第13話

港の一件から1時間が過ぎた。あの後、ロビンは家へ帰っても泣き続けて疲れたのか寝てしまった。だから今はベットで熟睡中だ。

 

 

僕はというと……

 

 

オハラ島から25km離れた沖合に停泊している一隻の船の上空にいた。

 

 

 

「まさか、海軍がこの時に勘付き始めていたとはね。普通に考えれば優秀なオルビアが海軍に捕まって情報を吐くはずがないよね。そうなると、バスターコールの前から気づかれていた事になる。まさか今とはね………一旦船の上に降りてみるか。」

 

身体を透明化してから船の上に降りる。海軍の船は通常の海軍の船よりもふた回りぐらい程小さい。おそらく、中佐や大佐が船長を務めている船だろう。

 

 

 

「とりあえず船長室に行ってみるか。」

 

歩いて行くと奥から船長室が見えてくる。

 

 

 

「すごい趣味の悪い扉だな〜。天竜人専用の船でもこんな扉見た事ないよ。」

 

船長室と書かれた札がつけられている扉は金で豪華に装飾されていた。

 

 

 

「さて、中に入ってみるか。戦闘になったら…」

 

僕は最悪の想定を考えながら、金で装飾された重い扉を開ける。

 

船長室には船長が1人豪華な椅子に座っていた。赤ワインの入ったグラスを片手に持ち気味の悪い笑みを浮かべていた。

 

 

 

「チチチチチチ………ようやくオハラの秘密を知る事ができた。これを海軍本部に連絡すれば、私も中佐から大佐に昇進する事ができる。そしたら、東の海に配属させてもらうか………チチチチチチ」

 

 

 

「あ、ねずみ大佐じゃん。」

 

あ、原作で知ってる人すぎて声出ちゃった。確かナミの貯金を取り上げた海軍だよな。……やっぱり腐ってる人だな

 

 

 

「誰だっ!?」

 

やっぱり声出ちゃってたか…まぁ、いいか。

 

僕は透明化をとき、視覚できるようにする。

 

 

 

「ねぇ。なんの秘密をつかんだの?」

 

 

 

「うおっ!…チチチ…知りたいか?今は気分がいいんだ。だから教えてやろう。これは世界を揺るがす秘密だぞ!…オハラがポーネグリフの解読を行なっていたんだ!これを海軍本部に伝えれば、私は昇進できる…チチチ」

 

 

 

「ってことは、まだ船の乗船員にも伝えてないの?」

 

 

 

「当たり前だろ!こんな金になるようなこと逃すはずがないだろう!それにあいつらにはいつも女も金も少し分けてやってるんだ!……凡人な君にはわからないかね…チチチ…君はもう少し世渡りをうまくした方がいいよ」

 

 

 

「って事は、この船にいる乗船員はみんなお前の手下って事か?」

 

 

 

「チチチ…そうだな。使えない奴らだが秘密は守ってくれる。まぁ、自分らが得をしたいという欲望のためだけが言わない理由だけどな!チチチチチチ!」

 

 

 

「うーん。勝手に情報漏らしてるような“あんた”よりは世渡りうまいと思うんだけどなぁ……それに、この船の存在自体が腐ってるのかよ………よく堂々と正義を掲げられたな。」

 

 

 

「気づかれてなきゃ何をやってもいいんだよ!ガキはこれだから困る。あ、そうだ。成長したら昇進した私の船に乗せてやってもいいぞ!まぁ、土下座で頼み込んだらの話だがな!チチチチ」

 

 

 

「クズが…」

 

僕は嫌悪感とイラつきを抑えながら船長室を出て船の上空に飛ぶ。後ろから怒声が聞こえたような気がしたけどいいか。オハラまでは大分離れているから、ここからオハラは見えない。

 

 

 

「はぁ……ねずみ大佐は原作でナミを悲しませるし、汚職はするし、悪いことしかしてないね。…というか、今回はすぐ気がつけて良かったけど、もし船に気がつけなかったら大変なことになってたよ。もっと用心して過ごさないと大変なことになるかもしれない………まぁ、今回はもう考えても遅いよね。そろそろ終わりにしよう。」

 

僕は右手に炎を左手に雷を纏わせる。そして、右手を前に出して10mの球状の炎を出す。次に左手を右手の上に添えて炎に雷を纏わせる。最後に、球状の炎を凝縮し槍の形にする。

 

そして、槍の先端を海上に浮かぶ船に向ける。

 

…船の上の乗船員も気付いてきたみたいだね。みんながこっちを見てるよ。…まぁ、クズどもしかいないんだ。心置き無くヤレる。

 

 

 

雷炎技(らいえんぎ) 一の型 雷炎槍 」

 

雷を纏った7mにも及ぶ炎槍は時速60kmほどの速さで船へと突き進む。そして、船に当たると…一瞬の閃光が視界を遮る。音が遅れてやってきて…

 

 

ーードガァァァァァァアアアン!

 

 

元々船のあった場所には半径10mほどの黒い穴が空き、周辺には死んだ魚が数え切れないほど浮かんでいた。

 

 

 

「炎によって水が蒸発して綺麗な穴が空いたのかな。…魚達は雷による感電死か…使う場所を考えないととんでもないことになるね。考えとこう。」

 

それよりも、何もしてない魚を殺してしまった。これは今、1番反省しなければいけないことだ。この世界は命の重さが軽すぎる。ならないようにしないといけない。だから、今回の事は深く心に刻んでおかないと…

 

 

 

「とりあえず家に帰ろう。そろそろロビンが起きてるかもしれない。」

 

僕は空中を蹴り、今回の反省をしながらオハラ島の家へと戻った。

 

 

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【家にて】

 

5分後、家の玄関に降り立つと…

 

 

 

「何であなたがここに来るのよ!ここは私とレオンの家よ!あなたの家は違うところじゃないの!?帰って!」

 

 

 

「いいえ。ここは私の家です。クローバー博士に管理を頼んどいたはずです。何であなたが私の家に住んでいるんですか。」

 

 

短髪で黒髪の美少女と長髪で白髪の美人が口論していた。

 

 

 

「え……どうゆう事…」

 

何でさっきまで泣いて寝てた理由の母親かもしれない人と口論してるの………これっていつ止めるのかな。

 


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