「っくそ!!」
アリサは自分がルミに対して投げ、門に突き刺さった刀を抜こうとしていた。
キアラとセツラはあれから一言も口に出さず周り見ている。
「他に何かあるのかしら」
リツカは門の周りを見渡す。
「ったく!何なのよ!」
アリサはイラつき、刀に当たるように蹴る。
すると刀は門の奥にさらに押し込まれ、前の門と同じように眩い光が溢れ出す。
光が収まり、門を見るが変わった様な感じはなかった。
アリサは刀を抜いてみるとすんなり抜け、門も開き始めた。
アリサは持った刀に見る。
「…?」
何かの気配を感じた。
鋭く、刺さるような気配。
試しに抜刀できるか試してみるとすんなりと抜けた。
峰の部分は紅、地の部分は少し薄い赤で綺麗な刃紋で作られていた。
鎺の上の峰部分に『雪姫』と書かれていた。
「雪姫…初代様と同じ名前か、使うのは何か申し訳ないけれど刀折られたし、非常事態だから使わせてもらうわ」
アリサはゆっくりと納刀し腰に備える。
他の3人はゆっくりと門の奥へ進んでいた。
「待ってなさい、次会ったらぶっ倒してあげるから」
アリサは姉を倒すことを決意し歩み始める。
男は城の前に立つ門に寄りかかり、本を読んでいた。
空は黒色の雲に覆われていた。
「…おや?」
男は何かを感じ、その方向を見ると白い人影を見つける。
雪音ルミだ。
「意外に早かったね。挨拶は終わりかい?」
「まぁ、挨拶なら時間はそんなに要らないでしょう…」
男は本を閉じ腕を組む。
ルミは歩きながら疑いの目で男を見る。
「部外者が三名、紛れ込んでいたが」
「あぁ…君の妹のクラスメイトとその教師、『瞬撃のマジック』のリツカね。」
「なぜアリサを入れた時に隔離しなかった?」
「したよ?瓦礫で道を塞いでやったさ。けれどまさかDクラスのフィジカルがあれを壊すとは思わなかったよ。これは僕の失態だね。」
ルミは男がヘラヘラしながら話すのが気に食わなかった。
「まぁ、支障はないでしょ…強いて言うなら妹さんの道のりが少し楽になるくらいかな?」
ルミは男を無視し門に手を掛けた。
それと同時に別の気配を感じた。
それはこの建物の入口からだった。
「…また一人増えたわね」
「これは…僕の客だ。しかし、このパーティには呼んでいない。お引き取り願おうかな。」
男はそう言うとゆっくりと門の正面にあるルミが上ってきた階段を降り始めた。
ルミはその姿を見届け、ため息をつき、門に寄りかかる。
そして暗い空を見上げる。
「…今日は荒れそうね」
アリサ一行は門の奥にあった階段を登っていた。
「リツカ先生」
「ん?なんですか?セツラさん」
少し不安そうに尋ねてくるセツラに対して、リツカは優しく対応した。
「…先程はお役に立てず、申し訳ありません」
「気にしなくていいですよ。初めての実戦ですし、仕方が無いです。」
「…先生は怖くないんですか…その、死んでしまうのが。」
「怖いですよ。物凄く。ですから戦闘の時にはなるべく生存率の高い戦法をしています。」
「凄いですね。私は全く動けませんでした。それどころか、皆を危ない目に…」
セツラは先程の戦闘に参加できず、足を引っ張った事を悔いていた。
何より攻撃を防げぐことができるマジックを出せなかった。
ただでさえ足を引っ張っていると言うのにそういう所で活躍できなかった。
「アリサは凄いですね。あれだけ戦えるなんて」
セツラあの状況下で普通に戦えるアリサが羨ましかった。
そんなアリサはリツカにとって謎が多すぎた。
「雪音さん、先程の戦闘で質問なんですが」
「ん?」
戦闘を歩いていたアリサ前を向きながら返答する。
「私達に女性のマジックが飛んできた際、どうやって防いだんですか?」
あれだけの高火力なマジックを防ぐにはかなりの手馴れなライファー出ないと無理である。
故に、ライファーとしての経験が人よりも少ない彼女がどう防いだか疑問だった。
「あぁ、ケロベロスを思っいっきり回したら防げた。最初はヌンチャクだと思ってたからあんなに広く防げると思わなかったんだけど」
アリサは腰に備えてあるケロベロスに手を当てる。
あの時、咄嗟にケロベロスを出したのでどう防いだかアリサにも分からなかった。
二回目の時にケロベロスから声が聞こえ、三節棍になることを知った時、どうやって防いだかそこで理解した。
「これが無かったらどうなって…ん?」
アリサが話そうとした時いや音がなった。
「どうしたんだよ」
キアラはアリサに尋ねた。
「いや、なんか聞こえる。」
四人は耳を澄ます。
シャンシャンシャン…と微かに聞こえた。
その音は段々大きくなる。
「近づいてる?」
音はアリサ達の後ろから聞える。
全員後ろを見た。
それは壁から刃物が飛び出てきていた。
しかも次々と早く飛び出してきている。
「全員走って!!」
リツカが叫ぶと全員全力で階段を駆け上がる。
キアラは先頭のアリサを抜かしいち早く登ってくと先程同じ扉に行き着く。
「くっそ!開かねぇ!!!」
扉は鍵が掛かってるらしく、キアラが体当たりしたり、蹴ったりしてもあかなかった。
「キアラ!退いて!」
次に到着してアリサは叫び、腰に備えた刀『雪姫』を抜く。
そしてそのまま扉を斬り開く。
その斬撃は目にも留まらぬ速さで、扉はバラバラになった。
そこに二人は入り後方を確認する。
リツカは間に合うがセツラがもう少しで刃物の餌食になりそうだった。
「ちょっと賭けだけど…」
アリサは呟くと左手を突き出しトヒルを使いスクエアを出す。
マジックを放つ前にゆっくりとねらいさだめる。
「おい、何…してんだ?」
キアラはアリサの行動に嫌な予感をし、質問する。
がアリサは無視し、狙いに集中する。
リツカは扉を超えた。
セツラは数センチまで刃物が迫っていた。
「くっ!」
セツラは目を瞑り、必死に走りながら死を覚悟した。
このまま刺身になることを。
「今!」
アリサは独り言を言いながら炎の球のマジックを放つ。
炎の球のマジックはセツラの少し後ろの床に着弾し爆発する。
その爆風でセツラは扉の方向へ吹っ飛んできた。
「きゃああああ!」
セツラは絶叫する。
飛んできたセツラをキアラはキャッチした。
「っと!…ったく!!無茶するな!!」
「助かったぁ…」
「ふぅ…」
「よかった…」
四人は唐突のトラップを無事に乗り越えたことに安堵する。