5分間・・・
アリサがプレダトゥールの前に立って銃を構えている時間だ。
プレダトゥールは一向に動く気配がない。
「あの、何もしてこないなら通るけど・・・」
アリサが話しかけても動く気配はない。
アリサはため息をつき、プレダトゥールに近づく。
「!これって・・・幻じゃん」
アリサはそれを目の前にして気づいた。
「はぁ・・・なんか興が冷めることするわね」
アリサは不機嫌な顔をしながらそれらを無視して歩いていく。
「あ、連絡入れとくか」
アリサは歩きながら小さい端末のようなものを取り出し、耳に装着する。
指で端末の上の方をなぞると、端末が起動する。
次に、軽くトンッと端末を叩くと端末から呼び出し音がなる。
暫くすると呼び出し音が消えて、もしもし?と担任のリツカの声がした。「もしもし?リッカちゃん?」
『雪音さん!?どこにいるんですか!?』
リツカの声が大きすぎて少しノイズが混じる。
アリサは思わず耳から端末を遠ざけた。
「リッカちゃん、落ち着いて。私は今、あの城から伸びてきた柱の目の前です」
『な!?あの軍勢の中どうやって・・・』
「あれは誰かが作った幻です。」
『幻!?あんなに多く出せる人はSクラスのマジックじゃ・・・』
「じゃあ、その人がやったんじゃない?」
『雪音さん、イヤーテルを電源を入れたままそこを動いちゃだめですよ!今、私たちがい』
「じゃあ、私先行ってるから。じゃあね」
『ちょ!?人n』
イヤーテルとリツカが呼んだ端末を耳から外しポケットに入れたアリサの目の前には、大きな扉があった。
リツカと通信してるうちに着いていた。
「今度こそ楽しい余興があるのを期待してるわよ」
アリサは力強く押してゆっくりと扉を開け、足を踏み入れた。
「もしもし!雪音さん!?もう!」
リツカが怒りながらイヤーテルを弄っているのを遠くで見ていたセツラ。
リツカの様子から何かあったことを察した。
セツラはリツカに近寄り、「何があったのですか?」と尋ねた。
「雪音さんと連絡取れたんだけど切れちゃって」
「アリサと!?」
セツラはリツカの両腕を掴み、我を忘れ尋ねる。
「アリサは無事なんですか!?何処にいるんですか!?」
「お、落ち着いて」
「っだよ!うるせぇな!」
興奮しているセツラと戸惑うリツカの間に入ってきたのは朝堂院キアラだった。
「これからどうするんだよ。リッカちゃん。まさかこのまま閉じ篭ってるわけじゃないだろ?」
「え?えぇ…けれど今はまだ先生方が様子を見ています。その報告次第ですね。」
「雪音は?」
「・・・今、柱の前まで居るそうです」
「はぁ!?なんでそんな所にいるんだ!?」
キアラはリツカに怒鳴る。
「理由は知りませんが、1人で先陣を切って行きました。」
「理由なら…心当たりがある…」
セツラは二人の会話に震えた声で割って入る。
「なに?」
「朝堂院さん、あの、侵入してきた男の言っていたこと覚えてますか?」
「…パーティに招待する、だっけ?」
「はい、それは姉からの伝言だとも」
「姉って確か…」
「雪音さんの姉…ここの生徒会長雪音ルミさんですね。今は行方不明じゃ…って、侵入者!?それはいつの話ですか!?」
今度はリツカがセツラの両腕を掴む。
セツラとキアラは侵入された時のことをリツカに説明した。
門を開け柱の中に入ったアリサ。
氷でできた壁。
あとは何も無いように見えたが、奥には扉があった。
「・・・扉一つにここまで広い空間は勿体ないけど」
アリサは立ち止まり、上を向く。
そこには氷の塊があるのだが、ただの塊ではないことがわかった。
建物や建築物、氷や炎などのライフの気配は無い訳ではないが人が感じるには足りない。
だが、天井についている氷の塊には異様なまでにライフを感じ取れた。
「ふむ…」
アリサはそれを気にせず前に進む。
三歩ほど進むと上から、サラッと何かが落ちてきた。
それはアリサの頬にも落ち、触れると同時に消えてなくなる。
アリサは落下物が触れた頬を指で撫で、その指を見ると水滴が少しついていた。
「水…!?」
アリサは咄嗟に上向くとそれは落ちてきた