ライファー   作:ゆきせつ

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8 力

棺から現れた黒い包帯の男女。

男とリツカは剣を交え、女とアリサはマジックと銃で戦闘していた。

リツカは少し押しているが、アリサは押されていた。

女によるマジックのスクエアの完成を1回防ぐのに弾を3発、すぐにまたスクエア構成しようとするのを防ぐのに残りの3発を使用する。

殻になった銃に再装填してるうちにもう片方で同じことをする。

防衛一択で攻めに転じれない状況が続いていた。

「ケロちゃん、牙借りるわよ!」

アリサはケロベロスを取り出す。

女はスクエアを完成させ、アリサに向かって炎のマジックを放つ。

それに対して、アリサはケロベロスを炎に突き刺す様に向けた。

ケロベロスはヌンチャクのように連なる様にして氷の棒を生成した。

ただしそれは2本では無く、3本である。

アリサの持つ棒の先端を中心に風車のように残りの2本が回転する。

炎はそこを避けるように通過し、やがて消えた。

「なるほどね、俗に言う三節棍ってやつね。」

アリサは女に向かって走りながら左手に弾を装填し終えたリボルバーをもち、撃ちながら走る。

女のスクエアの構成を2回阻止、目の前まで近づく。

アリサはケロベロスを振りかぶる。

女はそれを両手で受け止めるが、受け止めたのは三本連なってるうちの真ん中の1つ。そこを受け止めても端の1本がそのまま頭に襲いかかる。

案の定、頭を襲われた女。

ボギッと鈍い音をたたて、頭が落ちる。

「うっ!?」

アリサは突然の落ちる頭に驚きケロベロスを納めながら距離を置く。

頭に巻かれた包帯が緩み、そこから骸骨が見えた。

「ミイラねぇ、なんだったんだろ。」

アリサは女が動かない事を確認し、すぐにリツカの方を見る。

リツカは男に少し押されていた。

男がいつの間にか二刀になりそのうち1本は空中に浮いていた。

「リッカちゃん、大丈夫?」

リツカが男と距離を置いた所で近づく。

「雪音さん、そっちは終わったんですか」

「取り敢えずはね。そっちは中々厄介そうで」

「気をつけてください。あの剣は浮いてるだけじゃなくどこ…っ!」

リツカが説明しようとしている時、宙に浮いている剣がこちらを目がけて飛んできた。

リツカは横に飛び、アリサは紙一重で躱した。

アリサはそのまま目で剣を追ってき、1回瞬きをした時だった。

剣が視界から消えていた。

「上!」

リツカの声に反応しすぐ上を見ると剣が降ってきていた。

アリサはすぐ後方に飛び避ける。

「なるほど」

アリサは一言つぶやく。

この剣は点と点を結ぶように飛んでくる。その点さえ予知出来ればどう飛んでくるかわかる。

それを直感で理解した。

着地と同時に、足に力を込め地面を蹴り前に飛ぶ。

その速度は目では追いきれないほどで、一瞬にして男の前に立つ。

「汝…」

今にも消えそうな声が聞こえる。

その声の主は目の前にいた。

「我に力を示した…更なる力を汝に…」

アリサは声を聞きながら後ろから迫る脅威を感じ取った。

それを上体を逸らし、またも紙一重でそれを避ける。

その脅威は男の胸を貫いていた。

自分の武器で自分を刺していた。

男の包帯が緩み顔があらわになる。

男もやはりミイラであった。

「終わっ…た?」

アリサは少し後ろに下がる。

男が倒れ、目の前に棺と門が広がるその時だった。

金属が落ちる音が鳴る。

アリサは音の方見ると、男の右腕の隣に黒い金属の腕輪の様なものが半分に割れて落ちていた。

女の方を見ると左腕の方に同じ紅色の金属の腕輪の様なものが落ちており、半分に割れていた。

その2つの腕輪の半分ずつが宙に浮き、合わさり1つの腕輪になり宙に浮いたままになった。

アリサはそれを手に取る。

アリサは男の言葉を思い出す。

「これがその力?」

腕輪を左腕につける。

すると不思議な感覚を感じる。

左手は炎のように熱く、右手は何か冷たいものを握ってるようだった。

両手を見ると、左手には炎を、右手には男のより細い黒い霧を纏った両刃の剣を握っていた。

アリサは試しに左手をかざすと、女と同様、物凄い速さでスクエアを完成させ炎を放つことが出来た。

剣は投げると、思う方向に飛び、思うところから飛び出し、戻そうと思うと手に戻ってきた。

「…試させてもらうわ!」

アリサは左手を剣にかざすとスクエアを構築する。

構築されたスクエアから炎の柱に出てくる。

出てきた炎の柱は剣を覆う様に剣に巻き付き、やがて纏った。

アリサはそれを振っていく。

誰かと戦ってるように素振りをする。

時に護るように、時に攻めるように。

不意にアリサは剣を床に刺した。

「チェックメイト」

そう言いながら剣に背中を向け指を鳴らす。

指の音に合わせて、炎の柱が床から飛び出る。

「我らの名は…トヒル」

アリサは後ろから声に振り返る。

そこには何も無くなっており黒い霧のような物が腕輪に戻って来ていた。

「よろしく、トヒル」

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