機動戦士ガンダムテイワズの狙撃手   作:みっつ─

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今回はロークスコロニーでの残ったメンバーの話です。戦闘なんてなかったんや...

今回辺りから最初に作ったプロットが崩壊してきます(気付くのはおそらく僕だけ)


第30話

地球でテイワズの狙撃手が過去のケジメを着けているその時、ロークスコロニーでは。

 

「お待たせ致しました。イプシロンの皆さん。私は貴殿方の言う反ギャラルホルン組織の一つ。レヴォルツ・イーオンを率いています。名前は...そうですね。レヴォルツ・イーオンからとって気軽にレヴォルツとでも及び下さい」 

 

とある船に案内されてそこにつけばいきなり自己紹介。

真っ黒のスーツに白いネクタイをつけて第一印象は紳士といい表すのが一番良い男。

周りの男達も皆ピクリとも動かずに腰を下ろしている。

反ギャラルホルン組織というと、ギャラルホルンに喧嘩を売っている組織という印象が尻尾の様にどうしてもついていくのだがこれを見る限りそうとは見えない。

その様子を見ながらアガーテはレヴォルツの前に立ち自己紹介をする。

 

「私はイプシロン代表、アガーテ・ベルクという者です。失礼ですが、率直に聞きます。貴殿方の言う、我々が欲している物とはなんでしょう?」

「...貴殿方の欲している物...それはですね」

 

アガーテは神妙な面持ちでレヴォルツをみる。対するレヴォルツは所謂営業スマイルと呼ばれるそれで笑顔を崩さず見る。

しばらくするとレヴォルツが口を開いた。

 

「力。では無いでしょうか」

「力。ですか」

 

しかし出てきた答えは普通過ぎて頭に出てこなかった内容だった。当たり前だ。鉄華団程ではないとはいえ、こちとら戦闘を行っている。力は無くては困るものの、いくらあっても足りないと思ってしまうほどだ。

その当たり前すぎる解答に自分達の警戒の意味を考えてしまった。

しかし考えてしまえばおかしくはない。相手が複雑な事情があるとはいえ、当たり前の選択肢をとらないとは限らない。

 

「(ゆーちゃんのこういう発想は誰に似たのやら...)」

 

忍耐力等は強いのに空回りして、悩んで、酒をガブ飲みして、愚痴を自分とアミダにして、何故か男嫌いの古い友人の事を思い出して内心苦笑してしまった。

 

「我々は現在のギャラルホルンの体制に不満があります」

 

少なからず驚いたイプシロンのメンバーにレヴォルツが言った。これも当たり前というか名前から察しがつく。

しかし力の内容からその言葉が来るということは。

 

「我々にギャラルホルンと戦えと」

「いえ、そうではありません。貴女方がギャラルホルンと対峙するのであれば此方も援助すると言うだけです。対峙しないのならば仕事の依頼も援助もしません」

 

まるで脅しのようにレヴォルツは言うが元々援助も依頼も無かったので全く脅しになってない。

 

「...つまり今回貴殿方は我々がギャラルホルンと戦うというので手を貸してくださった。という事ですか?」

「ええ。ご令嬢を戦わせて我々だけ蓑に隠れる等我らレヴォルツ・イーオンはしません」

 

ご令嬢という言い方にその場にいたイプシロンの女性は全員眉を動かしたり目を見開いたりとそれぞれの反応をする。

...正直に言って、ユウなら(要望がない限り)絶対に言わない。エストも言いそうにない。名瀬も言いそうに見えて実は言わない。

なので驚きはするものの、良く思ったのは少なかった。

名瀬やユウは女性を女性としか見ていない訳ではない。名瀬は居場所となり、ユウや、エストはそれを守ってきている。アミダ曰く、名瀬がもうそろそろ居場所の役目をユウや、エストに譲りたいと考えているらしいが。

それは良いとして、好奇と異質な物を見る目の二種類の目が彼を睨む。

 

「では、ロークスコロニーにモビルスーツモドキを送ったのも貴殿方なのですか。ギャラルホルンが相手とはいえ、AI搭載型を送るとは。そこまで悲観はしてませんよ」

「これはこれは。まさかこんなにも強いご令嬢がいるとは。申し訳ございません。此方の失礼でしたか?」

 

どうやらレヴォルツは女性は前に立って戦うべきではないという感情があるらしい。女性に優しい男でもここまで違うか。と内心驚いた。

それは置いておくとしてモビルスーツモドキを送る真意がわからない。たとえ、此方がもう死ぬかもしれない。という時で救援が頼めたとしても、こちらを傷つけるAI 搭載型に頼ったりはしない。生身の人間を所望するだろう。

 

「貴女方の予想通り、ロークスコロニーにいた同士たちに連絡して援護をさせていただきました。普通なら控えさせている筈ですが」

 

イプシロンの構成員が殆ど女性だからか、それともギャラルホルンに対抗する手段を持っているからか。それとも可能性としては少ないが名だけのイプシロン代表(イプシロンのエースパイロット)の事を知っているのか。もしくは全てか。

どれかはわからないが特別な待遇をとってくれているらしい。なんかコロニー側のパイロットが妙に優秀だったのはそのお陰かと隣でエストが呟くのが聞こえた。

次にレヴォルツが言った言葉はイプシロンの全員を驚かせた。

 

「我々の中には先祖が元ヘイムダルメンバーの男がいます。彼は...ユウ・タービンをこう言いました。トビー・メイと」

 

 

 

その頃そう言われた本人は。

 

「...終わった...のか?」

 

マクギリスが戻ってからやっと終わったという安心感がすると共に過去の記憶...もう自分の中では気にしていないと思っていた筈の記憶が掘り出された。

名前すら聞こえなかったがなんとなく、そんな感じがした。

僕はそいつを...殺した。

いままで何人も殺してきた。死という実感がないものが周りで起こっているのを何度も経験した。引き金を引いたときに出た弾がモビルスーツのコックピットをめちゃくちゃに抉っていった時のパイロットの成れの果ても見たことが何度もある。途中で止めることだって出来た。しかし辞めるどころか、それにのめり込んでいった。 

けど今の感情はいままでのどれにも属さなかった。

初めて人を殺した時。子供ながらに家族を守りたいと決心して狙撃で殺しを援護した時。一人で、それも一撃でナノラミネートアーマーに包まれた部分を掻い潜り相手を殺す方法を見つけて、それを実行した時。

どれとも違った。何か...切れてなくなったような。

復讐心があるのかと言われればない。と答えるだろう。元々嫌な記憶ではあるがそこまで気にしていなかったのだから。

 

「ゆーちゃん?」

 

さっきまでの怒りは何処へ行ったのか(本人に聞いたらまた出てきそうなので敢えて気づかないふりをする)シュインが此方に話し掛けてくる。

とりあえずコックピットを開きコックピットに入れていた栄養バーを口に放り込む。

美味ではなく、腹に入った気がしないが栄養は意外とあり、何故か腹持ちもそれなりにいい。

そういうことからモビルスーツパイロットの必需品の一つのなっている。パサパサになった口内に水を流し込む。

まるで狙撃する相手を待っている用だが全然違う。

双眼鏡で周りを見渡すがおかしな物はない。

そうしていると獅電のコックピットを開けたのかシュインが此方に寄ってきた。

 

「ん?シュイン姉さんどうしたの?」

「ねぇ、ゆーちゃん。もう夕暮れだね...鉄華団に戻れないんじゃないかな...」

「え?まさか...」

 

確かにさっき夕暮れにはなっていたがすぐに真っ暗になるとは思わなかった。というか別の事を考えてしまった為、頭になかった。

 

「あ」

「もう...夜になっちゃうね」

 

なんか急にシュインが顔を紅くして、髪を耳に掛けて、目をとろんとさせてゆっくりと近づき、その場から動かない事を良いことに肩に手を置いて身体を預けてた。 

 

「シュイン姉さん...?」

 

急に変わるので驚きながらシュインの両肩を持つ。

上目遣いをしている目に吸い込まれそうになるのを押さえる。

まるで戦場にいないみたいだ。

 

「もう、お姉さんじゃ無いよ...」

 

あれ?何か...色っぽい。シュインらしく無さそうでなんかデジャヴを感じる。しかし、姉さんもそこまで痴女っぽくない筈だ。

 

「姉さん。お酒でも飲んだ?」

「飲んでません」

「...誘ってんの?」

「誘ってんの」

 

訂正。変態でした。それも救いようが無いほどです。

しかしあくまで此方からてを出すのを待つらしい。いままで女性に主導権を渡してきたので違和感で頭がおかしくなる。

 

「父さんが...僕に行ってきた。今度はお前が家族の居場所になれと。...つまり、そういうこと?」

「それもあるけどね。一応ゆーちゃんの奥さんと彼女、私含めて4人もいるじゃん?その4人の居場所にはもうゆーちゃんは成れていると思うよ。後はちゃんと相手をすることかなー」

 

大半...というか4人なのだがそのうち2人は母性に溢れていて、手にかかる子供をあやすという感じなのだが、シュインのような変わり者もいるにはいるのだ。

 

「まだゆーちゃんに始めて会ったとき...覚えてるよね?正直言って嬉しかった。私の事もよく理解してないのにそういう事を言ってくれた事が...まぁ、本人は本気じゃ無かったようだけど」

 

そう言いながら本日二度目のジト目を受ける。あまりジト目は得意ではないため、とりあえず目を背ける。

まるでシュインが今の自分にまとわりつく感情から目を背ける用にしているのか。と思うと何故だか微笑ましく映った。

なら乗ってやろうと。なんだか心細くなると余計に塞ぎ混み無口になる自分だ。それを望んでないのならばならなければいい。そうだ。その通りだ。

 

「とりあえず。もう暗いし、敵がいるかもしれないから機体を隠そう。...お楽しみはその後で」

「...」

 

下手なウインク(相手に合図を送るための片目のまばたき)をしてみる。

するとシュインが身体を預けるのを辞めて顔を見せようとせずそのまま機体に戻っていった。

というか向き合っているわけではないモビルスーツのコックピットから別のモビルスーツのコックピットに移れるとは...地味に体力が自分よりあると感じてため息をつく。本当は彼も一般市民レベルいや、その上を行くのだが如何せん体力がいるモビルスーツのパイロットの中では体力はない部類に入る。細身でもある為、弱そうと言われれば弱そう。

とりあえずアンドラスに戻り森の中でも背の高い木が密集している所へと行き、モビルスーツを片膝ついた形にしてモビルスーツを降りる。後ろについてきていた獅電に乗っていたシュインもゆっくりではあるが降りてくる。

とりあえず持っている食料を集めて木に燃え移って火事にならないように注意しながら火を起こす。

その後拳銃とスナイパーライフルの細かな点検をしているとノーマルスーツ所かワンピースと下着しか着ていない。いつものシュインと比べるとだらしない部類に入る。

 

「そのワンピース何処から出てきた」

「コックピットから」

「そんなもの入れているんだ」

「入れているんだ」

 

シュインは軽く笑い此方に手招きする。

どうやら呼ばれているようだ。

森に火がつかない用と気付かれないために火力を弱めにしているからか、妙な雰囲気だ。

 

「仕方ないなぁ...」

 

近づくとシュインは自分の隣をポンポンと叩く。示されるままにシュインの側に座る。シュインの顔が赤くなっているのがわかる。多分僕もそうなっているのだろう。

まだ目の前には沢山の問題がある。でも、今はそれを考えなくても良いのかもしれない。多数の女性を愛し、愛され、守っていく。

何をしたって結局はそこにいくのだから。

シュインの頬に出来るだけ優しく触れる。シュインが酔ったような目で此方に顔を向ける。

 

「この前出来なかったからね」

 

その夜 二人は野宿した。




最後はもう深夜テンションで書きましたもうどうだっていいや。
...なんか色々と絡んでくると難しいもっとちゃんとプロット考えておくべきだった...
今更ですがこの小説ってこのサイトの三次小説の作品の中で一番人気のない作品かも...(考えながら悲しくなる)
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