機動戦士ガンダムテイワズの狙撃手   作:みっつ─

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祝!鉄メン最新話並びに新作発表!
革命は終わっていない!
諸君らの気高き理想は決して絶やしてはならない!
アグニカ・カイエルの意思は常に我々と共にある。
ギャラルホルンの真理はここだ。皆、NToz先生のもとへ集え!




第34話

「...と言うわけでな。資料を見せてくれないか?」

 

事情を端的に説明した相手はクーデリア・藍那・バーンスタイン。少々気まずいが仕方がない。

側にはクーデリアの部下であるククビータ。そして、シュインがいる。とは言ってもシュインは物珍しそうに周りを眺めているだけだが。

とっくに仕事を済ませてアガーテやジョーカー、エスト等の他のメンバーは鉄華団の方に行って見てきて貰っている。アガーテから貰った連絡だとジョーカーが鉄華団のメンバーと模擬戦を始めたようで何をやっているんだが...半笑いで止めるようには言ったがおそらく無理だろう。一応モビルアーマーの近くまで接近しないようには言っておいたので大丈夫だろう。何やらかすかはわからないが。

そしてそこにはマクギリス・ファリドを呼んだとオルガが言っていた。問題を起こさなければ良いが...少し、嫌結構心配だ。

タービンズとイプシロンのメンバーにしか言ってないがおそらく鉄華団の堀当てたものはモビルアーマー。

かつて厄祭戦を引き起こした天使。

そのような事を考えるとは思わないのかクーデリアがからかってくる。

 

「大変ですね。貴方も」

「からかうな」

「ふふっ」

 

彼女が自然体でいるのにこっちが気まずい状態でいるのはおかしいのであくまで自然体で返す。あくまで、だ。

それにしても集めてもらった資料は此方でも処理するのが難しそうだ。大半がデータだが、データを受け取った端末の一つが容量が無くなるという事態が起こるほど、資料は多かった。彼女が集めるのが下手という訳ではない。むしろ凄い位だ。目を通した中でも同じ内容は省かれていて、非常に見やすい。

流石、一つの会社を背負うものだと目の前にいる女性の大きさを知る。

 

「此方から言っておいてなんだが良く集められたな。こんな資料見たこと無いものばかりだぞ。報酬とかも考えてなかったのに」

「報酬は大丈夫です。あくまで頼まれただけで依頼ではありませんし」

 

そこまで言われると金を渡そうとしていた此方が恥ずかしい。

器の大きすぎる女性を前にして少し楽しくなってきた。

そのまま資料に目を通していくと、やはりアンドラスに関する資料が異常に少なかった。全て歳星の方で集めた資料と同じだ。それを見ながらしかめ面をしたので察したクーデリアがこちらに言ってきた。

 

「すみません。アグニカ・カイエルの情報と共にガンダムアンドラスの情報も集めてみたのですが...情報が少なすぎて」

「ううん。大丈夫。ありがとう」

 

優しく言いながら頭を撫でる。するとクーデリアはその場でうつむき、ククビータは数歩後退りした後に警戒してそれを話そうとする。そして、シュインはそれを抑えると空気が変わった。

 

「え、えーとこれは...」

「あ、ごめん。良く姉さん相手にやってたから」

 

恥ずかしながらもクーデリアが口を開くとやらかしたと気付いたユウが手を離す。

クーデリアはそこまで男性との関わりだったり親密な男女関係もそこまで無い。

それに比べて女慣れしているユウは少々違うのだ。

 

「悪い。気を悪くしたのなら謝る」

 

ユウはやらかした事に気付き、少々パニックになるがすぐに落ち着かせる。ここに逃げ場などない。

 

「ゆーちゃん。女の人がみんな私達みたいな人だと思ったら大間違いだよ」

「だって...5万人だよ」

 

そう言いながらシュインが会話をずらしてくれたことに感謝しているとアドモス商会の扉が叩かれた。

客人だろうか。しかしクーデリアが驚いている所から前々から言っていたというパターンではないだろう。

拳銃の場所を確認する。

 

「可笑しいわね。お客さんかしら」

「すみません。ククビータさん。確認してもらってもよろしいですか?」

「わかりました。社長」

 

そう言ってククビータは玄関の方へと向かう。その後ろをユウがもうひとつの拳銃をシュインに渡しながら追う。

シュインは銃のセーフティを外してクーデリアの前に拳銃を構えながら立つ。

ククビータが扉を開けるのとほぼ同時にセーフティを外して相手を見る。しかしそこにいたのは。

 

「なんだ?なんでお前がいるんだ。ユウ・タービン」

「お前はっ!」

 

短くボサボサで手入れなどしていない金髪にそれなりの年齢であることを思わせる外見。しかしその不良みたいな感覚は外見より若く見える。もしかしたら只の老け顔なだけなのかもしれないが。

こいつとは一度モビルスーツ越し以外でもあった事のあるためわかる。こいつは。

 

「ライル・バレル...」

「よお。生きてたのか」

 

目の前に何度も殺しあった敵がいると知っていて余裕の表情をしてくる。二人とも拳銃のセーフティも外してトリガーにも指がかかっている。シュインに至っては狙ってすらいるのだ。

撃てないと思っているのか。確かに騒ぎも起こしてないのに撃とうとは思わない。しかし奴もギャラルホルン兵士だ。拳銃くらいは所持しているだろう。警戒すらしてない。

 

「そんなに殺気だつな。俺はただあんたに会いたかっただけだ。クーデリア・藍那・バーンスタイン」

 

そう言ってライルはクーデリアの方へと歩いていく。

その背後の頭を狙った。しかし引き金に指をかけなかった。

安い挑発だなと呟くのが聞こえた。

その声から無理だな。と思ってわざとらしくため息をつき、拳銃をしまうがそれを気にするものはいなかった。

ライルがクーデリアを前にした瞬間、ライルが言った。

 

「やはりよく似ている。まさに瓜二つだな」

「「え?」」

 

そう言う彼の視界にはクーデリアの近くにうっすらと最愛の人物がいるように感じたがそれは他の人間にわかるはずもない。

 

「フッ。なんでもない。おい、クーデリア。お前の望みはなんだ?」

 

いきなり瓜二つやら望みやらおかしな事を聞いてくるライル。前に会った時はこんな人間じゃなかったはず。戦闘中もふざけたり熱くなったりはしたがこんな事を聞いてはいない。

 

「わ、私ですか!私は火星経済の発展と火星の独立です!」

 

クーデリアは2年間から掲げている目標を言う。しかしその声はどこか緊張をしているようにも感じられた。

 

「それは、地球と火星との差別を無くすという事で良いのか?」

 

そして、ライルはリラックスはしているものの暗いトーンで話す。二人とも以前とは違う。初対面だからか?いや、違うだろう。ライルはともかく、クーデリアは自分と会ったときこのような状態にはならなかった。

 

「はい」

「...わかった。俺に出来る事があるなら協力しよう。じゃあな」

 

そう言ってポケットに手を突っ込みそこから丁寧に畳まれている紙を置いて去っていった。まるで台風のように。

 

「...なんなんだ...あれは」

 

ほかにもしでかしているのではないかと思わせるほど何もやらずに帰っていたライルに対してユウが呟いた。

そのままクーデリアに挨拶を済ませて鉄華団の方へと行こうと思ったその瞬間だった。

急な頭痛が来た。頭がかちわれるのではないかと思われるレベルの頭痛。頭に何かが流れてくる。痛みに耐えかねてその場で膝をつく。

 

「ぐ...ああ...!あああ!」

「ゆーちゃん!大丈夫!?」

「ユウ!?」

 

回りの人間が大丈夫か聞いてくるがそれも頭に響かなかった。頭に流れてくる情報を見てみる。

 

「なんなんだよ...アンドラス...」

 

相棒の名を呟きながら痛みに耐える。

口から苦しみの声が零れる。

するとクーデリアが急に後ろを向いて自身の端末を持った。

 

「連絡が来ました!どうやらイプシロンの人からのようです」

 

クーデリアが自身の端末を持ちながら教えてきた。

とりあえず痛みに顔をしかめながらもクーデリアの端末を見せて貰うと、そこには

 

「こいつか...アンドラス...」

 

ビームを頭上に放つ天使の画像が添付されていた。

 

 

 

 

数時間前。

 

「くそ!負けた!」

「強いね。あんた。あの太刀?とか言う剣を持ってなければ負けてた」

 

悔しそうに自分の機体を見るジョーカー。その隣で同じく自分の機体を見ながら火星ヤシを食べる三日月・オーガス。

さっきまで、二人は模擬戦をしていたのだ。それも2回も。結果は一敗一分。どちらとも終始五分五分の戦いで周りで見ている人はハラハラしていたので見ごたえはあったようだ。

いつの間にか出来上がった観衆はその二人を見比べていた。

 

「あのおっさん強くね?」「三日月さんに引き分けとか」「あれがタービンズのエース?」「あいつ三日月さんと戦う前に副団長ボロボロに倒してたぞ」「明弘さんも負けてたぞ」「マジかよ」

 

色々な声がかかるのを満足に思いながら火星ヤシが気になったようで覗きこむ。

 

「何?」

 

三日月はそれに気になったようで睨んでくる。

 

「いや、それはなんだと思ってな」

「食べる?」

 

そのまま手渡された火星ヤシと呼ばれるデーツのようなものを口に入れる。その瞬間。

 

「それ、たまにハズレあるんだ」

「確信犯だな。クソヤロー!」

 

苦い木の実に吐き気を催されながらその場を離れる。そして、落ち着いた頃に煙草を吹かし始めた。

すると遠くの方から金髪の青年が来る。その青年はジョーカーを見たその瞬間ビビったがすぐに落ち着いて三日月を呼んだ。ユージン・セブンスターク。鉄華団の副団長をやっている男だ。

 

「おい三日月!オルガが呼んでるぞ!」

「わかった。すぐいく」

 

そう言って三日月は鉄華団のジャケットを羽織り直しユージンの方へと行く。

 

「お、おい!あんたも良いか?」

 

ユージンがビビりながらもジョーカーに話し掛けてくる。どうやら模擬戦の事がトラウマになっているらしい。

 

「良いぞ」

 

それに気づかず、ジョーカーは応じてオルガやオルガと話をしていたアガーテと合流した。

そこにはマクギリス・ファリドがいた。

ユウ曰く、アグニカ・カイエルそのものになろうとしているらしい。目指しているならそれで良いじゃないか。と言ったがユウは「何か違うんだ。あの人は」と言って譲らなかった。

 

「待たせてすまなかった、オルガ団長」

 

マクギリスとその部下達が並んでいた。そこにオルガと数人の兵士がいた。

 

「こちらこそわざわざ来てくれて感謝している」

「会えてうれしいよ。鉄華団の諸君」

 

マクギリスがそう言うと鉄華団団員は各々の答えを返す。

 

「君がイプシロンのパイロットだな。マクギリス・ファリドだ」

「...ああ。ジョーカー・クロウドだ」

 

そう言うとマクギリスが手を出してきたので握手をする。

 

その後、モビルアーマーが埋まっている場所まで案内されることとなった。

モビルアーマーをみた瞬間、エストは写真を取り出した。多数の方向から取った写真を見せる。

 

「アガーテ母さん。ジョーカー。これがモビルアーマーだ。おそらくサイズとユウが言っていた情報からして天使長だろう」

 

モビルアーマーには階級という物がある。

強い順番からから四大天使、天使長、天使という順番で一番下の天使でも、ガンダムフレームより高性能らしい。ユウ曰くアグニカ・カイエルは四大天使全てに止めをさしたらしい。

 

「ああ。ユウに確認をとらなければならないけどな」

 

そうジョーカーが返した時だった。

 

「ん?なんだあれ?」

 

空から何かが落ちてきた。その赤い光は...モビルスーツ。それらは大切に掴んでいた大気圏突入用ボードを放棄し、モビルアーマーの近くに着地する

 

「不味い!」

 

エストが叫ぶ。モビルアーマーはモビルスーツに反応するのだ。つまりこれ以上接近されると起動してしまう可能性もある。

 

「動くな、マクギリス・ファリド!貴公に謀反の気ありと情報を受け、こうして火星まで追ってきたのだ!貴公がモビルアーマーを倒して七星勲章を手にし、セブンスターズ主席の座を狙っていることは分かっている!」

 

指揮官機らしい黄色と黒の機体が、通信を垂れ流し始めた。

モビルアーマーはまだ起動しない。反応しないギリギリか?しかし安心出来ない今も不味い。さっさと帰って貰わないと。

 

 

「七星勲章?なるほど。そんな誤解をしていたのか」

 

対するマクギリスはあくまで冷静に話し合おうとする。

LCS は...使えないか。

 

「ギャラルホルン全軍で対処すべきモビルアーマーの情報を隠匿し、ファリド家の私有戦艦まで使ってこうして貴様が火星へ来た事が何よりの証拠だ! 貴様を拘束する!」

 

何も話を聞かない指揮官機は歩を進める。

 

「あいつは馬鹿なのか!モビルアーマーがあると知っておいて!」

「よせイオク!それ以上モビルスーツを近づけるんじゃない!」

 

エストとマクギリスが同時に叫ぶ。しかし、指揮官機は止まらなかった。

 

「問答無用!! マクギリス・ファリド、覚悟!」

 

更に、イオク機は一歩を踏み出す。

すると。

 

モビルアーマーに赤い光が漏れた。

ビームと呼ばれる兵器だ。

 

「なっ...」

 

天使は浮上し、ビームを吐き出しながら翼を展開した。

天使の咆哮が火星に轟いた。

 

 

その時、アンドラスの整備をしている整備兵がアンドラスを見て驚いた。何故なら。

 

「アンドラスの目が、急に...光った...」

「なにこれ?」

 

そして、ユウは頭に衝撃を受けた。

流れ出てくる状態量の多さから鼻からは血が止めなく出てきて、床を赤く染め上げる。

 

「アンドラス...」




次回は天使との戦闘。
天使を滅ぼすには人にはない、悪魔の力が必要だ。
そしてその悪魔を持つのは
一人の狙撃手(スナイパー)
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