機動戦士ガンダムテイワズの狙撃手   作:みっつ─

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活動報告をご覧下さい...すみません。
ミスりました。


第35話

「ん?通信?」

 

無理言って、先に火星におろしてマクギリスを見張るという仕事の合間アドモス商会に行き、クーデリアの意思を再確認。そして、マクギリスの居場所をイオクに送った。

その時嫌な予感はしたもののまさか当たってないよな。と思いながら自身のモビルスーツのコックピットに放り込んでいた端末を拾い上げる。するとその時にとある人間からメッセージが来ていた。

予想通り、案の定。色々な言い方が出来るだろう。しかし今はそれを考えている暇はなかった。

イオクが何故マクギリスの居場所を聞いたのか。そして、何をしに行ったのか。そんなのどうでも良かったのだ。しかし、これは別だ。

そう差出人であるとある男の名前を見ながら思った。

 

「マクギリス・ファリド...何が目的だ?」

 

何故いままで見張っていた人間に通信を送るのだろうか。自身に求めるものといったら...力?いや、まず今の自分はアリアンロッド。敵に求めるものなどないはずだ。

すぐに通信を開くとそこには音声の代わりにひとつの暗号があった。画面に文字が出て、ノイズが酷い。

これは昔の暗号通信。もし自分以外に届いても内容が見られぬようにか?いや、ならば何故此方に届いた。資料があればこのくらいの暗号通信誰でも読み取れる。ならば

 

「試されている。...とりあえず解くか」

 

端末に入っていたデータベースから暗号を読みといていく。時間がかかるものではない。すると

 

「成る程」

 

マクギリスの意図が読めた。しかしこれは大惨事だ。すぐに行動する必要がある。

そこにはみたことのない大型の兵器とその名前が記されていた。

モビルアーマー。人類を絶滅に追いやった天使。それが再び人間に牙を剥いていた。

 

「グレイズクルーガ。ライル・バレル。出ます」

 

すぐに機体を暗号から読み取った場所に走らせた。犠牲を減らすために。そして、必ず成し遂げなければならない。約束の為に。

自身の魂と今は亡き上司の魂が宿った機体は()()の剣を握り飛んでいった。

 

 

 

 

「おいおい。マジかよ」

 

モビルアーマーが短時間で回りのモビルスーツを破壊する様を見てジョーカーは絶句した。その間も鉄華団が忙しく動き回っているがあの最新鋭機を集めたセブンスターズの親衛隊が一方的に鉄クズへと変えられている時点で、その程度で何とか出来る代物ではないと察しは付いている。

採掘場がどこまでやられるのかわからないが諦めた方が良いだろう。そう思いながらエストの方を見る。

するとエストは端末を出して周りにいる全員に言った。

 

「モビルアーマーはおそらく、この後この辺りの人口密集地...即ち、クリュセに向かう可能性が高いです。あの場所から真っ直ぐ、バカ正直にこの峡谷を通るでしょう。その峡谷でプルーマとハシュマルを分断し、殲滅する。モビルアーマーの情報はテイワズの狙撃手()に聞いてます。子機であるプルーマを使うことで半永久的な活動出来ると。ならば分断する必要があります。先程団長さんに見せてもらった地形データを見ると、こことここ...モビルアーマーの移動速度から考えて...」

 

マップを拡大しながら峡谷を叩くエスト。それを見ながら自身の端末とLCS用のドローンを打ち上げた事を確認して、鉄華団の本部から自分とエストの機体を持ってくるように連絡する。ユウが来れるかわからないがとりあえず自分達で止める必要がある。

大丈夫だ。ロークスコロニーで毎日模擬戦してたのは何処のどいつだ。

そう行き聞かせてエストの方を向く。そこにはユウよりうまく状況説明と指揮ができているエストがいた。

 

「そして、ギャラルホルンの貴殿方がモビルアーマー本体を破壊する。異論は無いですね?」

 

全員が頷く。意思は固まった。

 

「止めるよ」

「頼むぜ。遊撃隊長」

 

三日月がそうオルガに言うとオルガは嬉しそうに返す。その信頼関係を築くのは難しいだろう。自分はそこまでとは言えない。

 

「ジョーカー。シュイン母さんからだ。ユウがおかしくなったらしい。鼻血を出したと思ったらモビルアーマー、アンドラス、アグニカ・カイエル。そのような言葉を口々に」

「あ?あいつ見てない内に何しているんだ?」

 

仲間の一人が変に狂ったのでひょうきんな声を出しながら目をしかめる。

 

「さぁな。よくわからんが状況は理解出来てる。モビルアーマーに対する知識も、あいつの方が上だ。本当は本体の破壊を頼みたかったが」

「ガンダムの影響か?」

「...」

 

エストは顎に手を押しあてながら考える。そして頭を降って思考を戻す。

 

「わからん。だからこそ、あいつがいなくても成立させるんだ。この戦いを」

「わかった」

 

天使と戦って勝てるのは人ならざる者のみ。

ここにそれはいるのか。

 

 

 

 

「はぁ、はぁくっ!あいつらの命、無駄にするわけにはいかない!」

 

目の前で部下が無様に殺されたイオク。その機体も左腕をやられて安定していない。

瞼を閉じれば写るあのおぞましい現象。300年前の遺物になすすべもなく、潰されていく最新兵器。いままでの自分が否定されたようで気持ち悪かった。

だからこそ、今度は手を抜かなかない。一撃。部下達が死んで私にくれたチャンス。物にしない手はない!

失敗は許されない。イオクはやっとマルチロックオンシステムを使い、ハシュマルに照準を合わせた。

 

「この、イオク・クジャンの裁きを受けろ!!」

 

引き金を引き絞る。それがモビルアーマーに当たったのを確認して、イオクはすぐさま引いた。

 

「見たか!正義の一撃を!」

 

しかしその程度ではかすり傷しかつかない。そもそも距離が離れすぎているそれほど離れていると腕が良くないと一撃で殺すのは不可能だ。その腕がイオクにはなかった。ただ、それだけ。

そして、最悪の可能性は繋がる。イオクが逃げた先には農業プラントがある。天使はそれを確認した。

 

それにいち早く気付いた鉄華団が砲撃を開始する。しかし動じない。真っ直ぐと農業プラントへと向かう。

 

そこに、モビルスーツに乗ったジョーカーとエストが駆けつけた。しかし遠い。

 

「おかしい。進行方向が変わっている」

「鉄華団の団長からだ。正体不明機のせいでモビルアーマーの進路が変更、農業プラントへと移ったらしい」

 

エストが説明するがその声には怒りが籠っていた。それを察してモビルアーマーの方へと促す。しかし

 

「追い付かない。仕方ないが農業プラントの人は諦めてそこからの進路の変わりを見ないと...」

 

エストはそう言ってすぐに端末をたたき出す。それにため息を出してあきれたジョーカーがエスト機を持ち上げる。

 

「な!ジョーカー!」

 

「いや、行くべきだ。もし間に合わなかったとしても。後悔するだろ?」

「...わかった」

 

今度こそおとなしくエストがついていく。しかし距離からどう考えても間に合わない。

 

「プラントの住人は?」

「データじゃそんなに多くない。けど、避難は...」

 

もう間に合わない。このままじゃ全滅だ。それだけは...

 

「俺が守る!」

 

獅電が一機、モビルアーマーの前に立ちはだかる。しかしモビルアーマーにとってそれは道中にネズミが一匹いるくらいどうでもよかった。

モビルアーマーはビーム発射の為に頭部を展開する。獅電はそれを受け止めようとライオットシールドを前に出す。

 

「辞めろ!無駄だ!」

 

渓谷を渡り間に合わないと知ったエストが獅電のパイロットに叫ぶ。最悪共倒れだ。それをすぐやめろと、叫んだ。

そう。いくらシールドを出した所で、いくら前に出た所で、それはビームを弾くだけであまり意味はない。弾いたビームはそのまま農業プラントへと突っ込むだけだ。

それを戦士としての勘か、もしくはエストに言われて気付いたのか獅電のパイロットの表情は驚きそして、絶望へと変わる。

でも、遅い。全員死んで、絶望する姿が頭の中に出てきた。

こうなるのか。

展開された頭部からピンク色の光が出てくる。

 

「うわぁぁぁぁ!!!」

 

叫んだ。しかしイプシロンも鉄華団も助けに行ける人間は誰一人いなかった。そう。その二つには。

遠くからだんだん大きくなる機影。ギャラルホルンの機体。

空にも渓谷にも保護色が働かない所か逆に目立つだろう漆黒の機体が人間を辞めた速度で接近してくる。

 

「はぁっ!!」

 

一機の戦士は天使の存在を許さなかった。

剣を掲げてそのまま投げる。それが展開された頭部に命中して方向をずらすのと、ビームが放たれるのは同時だった。

ピンク色の閃光が剣を焼き石盤を崩す。そのまま雲を切り裂いたがそれにまきこまれたのは0人。犠牲者は0。農業プラントはもちろん獅電のパイロットも救った。

 

「あ...誰だ?」

 

獅電のパイロットはその機体のパイロットを知らない。

しかしそのときにモビルアーマーに追い付いたエストとジョーカーはその存在に気付いた。

ロークスコロニーでイプシロンを追い詰めた現況。では彼は何故そして今、ここにいるのだろう?

 

「ロークスコロニーの時の剣使い?」

「何故...?」

 

そう向けられた疑問を無視してパイロットは振り向いた。ボサボサの金髪に真っ黒の目。その目には怒りが籠められていた。

それは無能な上司だろうか。それとも...

 

「...大丈夫か?鉄華団の戦士」

「あ、はい」

「そうか。ならば下がれ。ここは俺に...ライル・バレルに任せてもらおう」

 

そう漆黒の機体──グレイズクルーガのパイロットはであるライルは自己紹介と任せろと言って下がらせる。

 

しかしグレイズクルーガには武装がない。先程守るために投げた剣一本なのだ。

それに気付いた獅電のパイロットは止めようとする。

 

「待って!あんたには...武器が...」

「そんなことでは死なない」

 

そう言ってグレイズクルーガを接近させる。

追い付いたエストとジョーカーはそれに気づいて渓谷をかけ降りて追い付こうと、そして進路を変更しようと駆け出す。

 

「ジョーカー!」

「わかってる!」

 

お互いに声をかけながら目の前に出てきたプルーマを破壊する。エストはライフルでジョーカーが鎌。鎌という中々珍しい武器に軽く引き裂かれていくプルーマ。

そしてライルは無傷なプルーマを掴んだ。銃口を右腕で持ち、ドリルを左腕で剥ぎ取り、プルーマの脚を掴む。

そうやって両手で支えてメイスの要領で殴る。プルーマが数機、吹き飛ばされたのを見た。

 

「な...」

 

そのままプルーマでモビルアーマーの股下に入って殴りつける。

ボロボロになればまた新しいプルーマを捕まえて殴る。

捕まえたプルーマが弾を出したり、ドリルを使ったりしたがいなど効果がなかった。しかしモビルアーマーに効果も殆どなかった。

それでもモビルアーマーの気は充分引けた。すぐにスラスターでその場を離れる。モビルアーマーもビームでその漆黒の機影を追う。補足はされてない。

モビルアーマーはそれを倒さずクリュセの方へと向かった。

それを見たエストが一度離れてすぐに鉄華団に連絡を繋げる。

 

「天使が進路を修正した。前の説明通り、頼む」

「わかった!」

 

連絡をした後深呼吸をする。その内から湧き出る物を解き明かすのはもう誰にも出来ないだろう。

 

「...はぁ!まとめて破壊して!無茶苦茶してやるよ!」

 

ライフルを腰にかけて、シールドをパージ、そしてパルシザンを両手で握って突貫する。

モビルアーマーはまた頭部を展開してビームを放つ。漆黒のグレイズとジョーカーはともにそれを読んで下がる。しかし自分は違う。プルーマの一機に狙いをさざめてその一機にパルチザンを引っ掻けるそのまま投げてビームを誘導した。

 

「たかがAIごときに!人間様が負けるわけねぇだろぅ!」

 

そのままモビルアーマーの股下でパルチザンを振り回す。

モビルアーマーの装甲の隙間にパルチザンを嵌め込み、引き剥がそうとしたその瞬間。

 

「うおお!」

 

プルーマが飛び付いてパルチザンごと引き剥がされる。

結局なにもできず、モビルアーマーからすれ違うように遠ざかる。

 

「ちくっしよぉ!」

「エスト!援護しろ!」

 

次はジョーカーが鎌を持ってプルーマの大群に突貫する。目の前に出てきたプルーマを三機まとめて鎌で切り裂く。その後追撃砲でモビルアーマーを狙うがあまり意味はない。

結局は数で押される。ならば、迂回するくらいしか方法はない。漆黒のグレイズもプルーマを投げ飛ばしながら相手をしている。

そこにエストが援護射撃をしてくる。するとプルーマがまとわりつかなく、なったので鎌をブンまわりしてプルーマの脚をとり、射撃から守るための盾とする。

この間もモビルアーマーはクリュセに向かっている。

さっさと爆破が追い付けば良いのだが。...それ以上考えても仕方がない。今は

 

「こいつを止めるだけだ!」

 

迂回してモビルアーマーに乗る。プルーマもモビルアーマーに乗っていくがエストと漆黒のグレイズの援護で破壊していく。

AIの位置をだいたいで決めつけてそこに鎌を振り下ろす。モビルアーマーは回りから火を吹きながら動きを停止する。そう思っていた。しかしどこから出てきたのか何機かのモビルスーツに阻まれ蹴飛ばされた。残りの二機もつばぜり合いの状態だった。

 

「こいつらは!」

 

しかしそれはモビルスーツではなかった。全身灰色の装甲に包まれて目の代わりに赤いバイザーを持つ。それぞれ違うバックパックを武装。手に持つ武装はライフルとナイフのみ。

 

「アーラ...まさか...こんなところにいるとはな」

 

漆黒のグレイズのパイロットが驚愕の声をあげる。おそらくモビルアーマーの登場と共にエイハブ・ウェーブで目覚めたのだろう。厄介なこと極まりない。

モビルアーマーの翼は各々の武器を握りながらそれぞれの敵に襲いかかった。




突如のアーラ乱入。これにてモビルアーマー戦はまた引っ掻き回される。
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