機動戦士ガンダムテイワズの狙撃手   作:みっつ─

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やっと戦闘だ...
おい、アンドラス...まだ止まりたくないだろ?
↑言いそうで絶対に言わない。

本当にユウの成長を確かめるにはライルなどの強敵とぶつけるのが一番分かりやすい。


第45話 何が為の光

敵艦隊から新手が来た。

数は二機。少なすぎる。しかし、その速さは尋常じゃなかった。

真っ直ぐ此方に向かってくる。他の機体は全く此方には来ない。この状況に経験がある。とあるコロニーでの出来事が思い出される。同じだ。

 

「シュイン母さん!新手!強いよ!」

「わかってる!ロークスコロニーの人達でしょ?」

 

そう。ロークスコロニーというコロニーであった戦闘。そのときは此方がテイワズとは言わなかった筈だがもう機体からバレているだろう。

相手は気づいていると思うがとりあえずシュインと共にライフルで射撃をする。しかし糸も容易くそれを旋回で避けられたのが火花が飛び散らなかった事とスラスターの光の変化でわかった。

そのまま固まった状態で射撃を続けるとジョーカーが来てジョーカー機が鎌を構え直した。しかし鎌を振るう事はせず、追撃砲を撃ちまくる。それも軽く避けられていくのだが。

それも読み通り、彼らならこんな攻撃当たる方がおかしい。そう思っていると急にその二機の内、一機が二度爆発した。その後、それで動きが一瞬止まったもう一機も爆発した。

いや、爆発したというと語弊がある。その機体が爆発したのではない。二機の目の前が爆発したのだ。

目から入ってきたその情報と経験から答えを導き出す。

 

「ユウ!」

 

ユウの狙撃だ。しかしそれを読んでいたのだろう。爆薬か銃かでそれを封じたと思われる。

けど、爆発の位置からして相手の手数が減ったのは事実。これを逃す手はない。

そう思い銃で射撃を行うと、黒い機体が消えた。視界から出ていったのだ。もうスラスターの光すら見えない。

エイハブウェーブを見ようとしたその瞬間。自分の土手っ腹を剣で貫かれる映像が頭に流れた。紫色の靄がかかっているがそれは間違いなく自分だった。

それを振り払うようにレバーを動かすと急に衝撃が来た。

何かがコックピットを押した。ということに気付くのに0.1秒。それが盾だと気付いたのは0.5秒、そして相手が何をしてきたかを考えるまでに合計1秒かかった。

たまたま盾が剣からコックピットを守ったとわかるのにそこまで時間はいらなかった。

ライフル構えて、先程いたと思われるところに放つ。

それは勿論当たることなく、今度はシュインが弾かれた。見ると盾の左半分が所々凹んでいた。

剣でおこす傷じゃない。そう思った瞬間、横をオレンジ色の線がかけてそこに何かが当たったのか火花となり、散った。その影響か0.5秒程度時間が止まったようにそれは動きを止めた。ライフルを構えるとそれはまた消え、気づくとまたコックピットに衝撃が来た。

先程止まった理由は簡単にわかる。ユウの援護射撃だ。つまりユウは遠くから見ているとはいえあの動きに対応出来ているということとなる。

時期に衝撃の正体にも気づいた。シュイン機だ。

凹んでいた盾の左半分が割れて破片が宙に浮いている。シュイン機の形からして蹴り飛ばされたのだろう。

 

「野郎...!生きてるか!」

「いったたた...お腹が...」

 

シュインの声から無事と確認してライフルを構えてコックピットにある関知したエイハブウェーブを出す。モニターを見る。

エイハブウェーブが出ているモニターを見るとジョーカーが動くのがわかった。追撃砲で威嚇をしてそのまま流れるように鎌をいつも通りに構えて機体を一回転させる。その回転を使い、すれ違い様に黒い機体を攻撃するが避けられる。ジョーカー機から削られたのか火花が散る。場所はコックピット辺りだ。それを確認しながらライフルで援護射撃をする。黒い機体は軽快な動きで避けて此方に向かってくる。

見るとその黒い機体は剣を二本握っていた。シュインが素早く立ち直り横に反れるのと同時に反対方向に避けそうとする。盾を構える。ライフルで射撃をする。

全てが無に返された気がした。盾で防いだとは思えない、重い衝撃が伝わる。機体は弾かれ、明後日の方向へ飛ぶ。そこには一機のモビルスーツが待ち構えていた。グレイズに似てはいるが所々が地味に違う。カラーは通常の宇宙用グレイズより濃く火星用に似ている。斧を二本持ちその斧を降り押してくる。

 

「あんときの!グレイズ...モドキ!」

 

名前はわからないがグレイズに似すぎている機体目掛けてライフルを振るう。そのライフルはその時のみ鈍器として役にたった。二本の斧の間を通り、グレイズモドキの頭部に命中する。殴った衝撃を無理矢理押さえて至近距離の射撃を行う。するとグレイズモドキが半回転しながら蹴りをいれてきた。避けられる筈もなく、機体が揺らぐ。

でもまだ、余裕はある。蹴りを入れてきた左の脚を持ち、ライフルで頭部を射撃する。何かが弾け飛び、ライフルの銃身から薄く光が漏れる。もしかしたらひびでも入ったのかも知れないな。と思っていると接触回線が開かれていたことに気付いた。

 

「あのときの...ガンダム...」

 

どうやらユウに怒りを持っているらしい。脚を強引に振るったので素直に離して敵が射撃武器を持っていないことを確認しながらライフルを乱射する。所々から火花が散るがすぐに手に持っていた二本の斧を強引に振るって敵を下がらせられる。暫くはこいつを止めることが必要だな。と思いながら先程のぶっ壊れ性能のグレイズを仲間に任せてそちらに背中を向ける。即ちそのグレイズモドキの真っ正面に立つ。

 

「ユウのもとに行けると思うんじゃねぇぞ!...雑魚が!」

 

その時獅電が少しだけ大きく感じた。

パルチザンを握り直してライフルで威嚇しながら突っ込んだ。

二機のモビルスーツが火花をあげながらぶつかった。

 

 

 

 

 

「あのグレイズ!ライル・バレル!」

 

この作戦初めて弾を避けられた事に驚きながらも変態的なマニューバから敵を推測してコントローラーを握り直して狙撃を再開する。

どうやら今ライルはシュインとジョーカーの二機と此方の狙撃に苦戦を強いられているようだ。あまり攻めてない。ジョーカーもロークスコロニー後からアーラに完全勝利出来るほど成長している。もうライルのレベルにたどり着いたとはとても思えないがそれなりに強くなりついていけている。シュインも慣れてきたようで二本の剣の攻撃を避けられている。

一度でも喰らったらそのまま地獄行きだ。やらせてはならない。

たった剣二本でアーラを三機ほどを解体したのだ。その力は計り知れない。いままでよりスキが無くなっているのを感じる。無駄がない。此方の狙撃もある程度は当たることを想定している。お互いに手の内をさらしているような関係なので此方の狙撃能力の事もわかっていてその為此方に弱点を見せない。スラスター、メインカメラ、コックピット。それが此方の角度からでは全く見えない。狙撃地点を変えてもすぐに同じとなるだろう。つまり出来るのは接近からの狙撃。剣の当たる範囲内に入ったら1分も使わずに殺される。剣の攻撃を当たらないようにしながら、敵の動きを止めて狙撃をして返すしかない。

 

「しかし...狙撃点もおかしいけど未だに様子見をしているライルの方もなかなか不思議だ。本気でかかれば止められるか」

 

動きに無駄は無いものの攻めも最初と比べて弱くなっている。時間稼ぎが目的か。それとも、嘗めているのか。

後者はおそらくない。本当に強い奴は敵の力を見るのだって上手い。その証拠に剣を二本持っている。

狙撃で封じているのもあるがそれを警戒し手なのかあまり攻めてない。こっちに至っては傷一つついてない。

もし増援が狙いならここまでしないだろう。

通信をひらいたままライルとシュインとジョーカーのの動きを見てシュインとジョーカーの邪魔にならないように狙撃をする。

 

「シュイン!ジョーカー!挟み撃ちで仕留めるよ!」

「了解!」

 

それぞれの機体が左右に散る。それに気をとられた一瞬の内に《スナイプ・モード》を解除し、スラスターを吹かして剣の間合いの10倍程度の距離で止まる。

それに気付いたライルがこちらを標的にした。

しかしそこで気づくべきだった。いままで弱点を晒さずに攻撃してきたのが続くと。

一瞬で視界から出ていった。スラスターで真っ直ぐ当たってくると考えていたので驚く。しかしそれでも歴戦とは言えなくても一人の戦士。感覚で攻撃方向を悟り、そこに盾を重ねる。それをした直後盾に脚が入った。カウンターを警戒している。モビルアーマーを破壊したことで此方が強くなったことに気付いている。おそらくタメも張れるのではないか。勿論危険なので避けてはいくが、警戒されているというのは認められたというのとほぼ同じなので喜びながらもすぐに建て直す。

 

「近づかれた!」

 

バルカンで威嚇して下がるがバルカンが効かないとわかっていて、真っ直ぐ追ってくる。

それを見ながら左で斜めから振られた初撃をシールドで防ぐ。すると衝撃を感じた。左ではない。右だ。右でコックピット周りを峰打ちされた。きつい体制かと思ったのだがそれで逃げられるほど相手も気を抜いていたわけではなさそうだ。でも、防がれることを読んだんじゃない。それをわかったのは第三撃が左で頭部を狙った時だ。まるで流れ作業だ。一種の迷いがない。こちらをマネキンとして考えているかのごとく、連撃をする。必死にかわしたり、盾で防ぐが限界だ。流石に接近戦は相手の方が慣れている。

 

「ユウ!」

 

ジョーカーが鎌を振り下ろし、ライルの連撃を無理矢理中断する。しかしライルは両方を同時に蹴飛ばして再び連撃の準備をする。それを見ながら、レールガンを斜めに向けてシールドからミサイルを放つ。ミサイルが危険だと知ってそれを避けるがギリギリの位置で狙撃して爆発させる。爆煙と熱が敵モビルスーツの邪魔をする。

するとシュインが連射しながら近付いてきた。パルチザンを展開し、突貫する。ジョーカーも鎌を構えて追撃砲でライルがいると思われる方向に連射する。当たったと何度も撃ってきた経験から理解してレールガンで狙撃しながら遠ざかった。

爆煙があけるとそこから剣が一本ジョーカーの獅電に命中した。しかし投げる程度の攻撃で痛手が来るとは思えない。

...いや。違う。この跳ね返り方は...

その剣を見つめて気付いたのでレールガンで狙う。肝心のジョーカーは鎌をそのまま剣が出てきた方向に振り下ろしながら接近する。

 

「駄目だ!」

 

声をあげるがジョーカーは止まらない。

このまま行けば振り下ろされた鎌が当たるだろう。しかし当たった鎌は跳ね返り丁度接近したジョーカーの獅電の肩辺りに漂った。

 

「それは!」

 

その瞬間。一本の閃光がジョーカーの獅電を貫いた。そのまま固定され衝撃からか装甲が砕け弾けとんだ。

コックピット周りを押さえる二本のフレームの内右の一本が明後日の方向へと飛んでいく。

その映像を目に見せつけられながらも精神を保ち、引き金を引いた。ライルに命中するが止まらず漂っていた剣を握り流れるように回り、肩に目掛けて第二撃を当てる。肩二本の一本の傷が出来る。作用の力で離れていくジョーカーに一瞬で追い付き第三撃を右方向から腰に当てる。第四撃も命中。その全てが装甲かフレームも抉り、削り、切った。

 

「ジョーカー!」

 

シュインが追い付き、パルチザンを振るう。それを弾いたライルが離れるまで数秒程度。その間にジョーカーに攻撃が何回当たったか、数える暇もなかった。それくらいの速度だ。

人間辞めてやがる。

剣が一本増えるだけで連撃の幅が急に広がった。機体の動きも力もいままでと全く変わらないのにそこだけで本当に変わる。

とりあえずジョーカーに背中を当てながら威嚇射撃をする。しかし当たっても怯まない。くるくる回り流れるような動きで弾を弾き、ドリルのように接近する。

ジョーカーの獅電の損傷は中破といった様子か。

所々フレームが丸見えで無いところもある。メインカメラもヒビが入っている。しかし必死の防御のお陰かコックピットには小さな傷は大量にあるものの、大きな傷はなかった。

逆に言えばジョーカーレベルでなければ死んでいた。背筋に冷や汗が走るのを感じる。次はお前だと言わんばかりの物を感じる。

その瞬間頭に閃光が走るような痛みを感じた。しかしこれは身体的にダメージが入った訳ではない。

 

「そこっ!」

 

感覚的にレールガンで撃つと何かが弾かれるようにその場を離れた。おそらくマニューバで避けたときに装甲の一部でも削れたのだろう。...コックピットを狙った筈なのだが。

外したか。

そうわかるやいなやアンドラスを駆りジョーカーから離れる。

 

「シュイン!ジョーカーと体勢を整えたあと後ろから挟むから回り込んで!」

「一人でやるっていうの!?」

 

シュインがいつもとは全く違う声色で言う。余裕が無いのはわかる。しかしここでいても状況は変わらない。

 

「やれるさ!僕と!アンドラスで!」

 

アンドラスのツインアイが輝き、再び緑の線を書きながらアンドラスはレールガンの引き金を引いた。




前回の感想でユウVSライルを期待してくれた人多いですけどどちらかというと次回なんだよなぁ。
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