その射撃には迷いが無くなるものの、自らの力をうまく使えないことに怒りを感じる。
今日で連続投稿は終了です。これである程度は進んだけど今年度中に終わる気がしねぇ
35~48まで冬休みでやったのか...
鳴り響くのは銃声。それもレールガンという特殊な武装。それに時々命中しては弾かれたり、小規模な爆発を引き起こしながらも攻撃してくるモビルスーツ。そのモビルスーツが持つ、アンドラスに傷をつける剣。
その剣が盾を削る音も聞こえる。
後は機体の駆動の音などが入り交じっている。
そのような状況でもアンドラスの中からグレイズクルーガとの通信をして、会話をしようとする。
「何故!何故この作戦に協力した!断ることも出来ただろうに!」
こいつの目的はなんとなくわかる。クーデリアの元を訪れたときに言っていたのだ。地球と火星の差別を無くすこと。
もしかしたら火星出身なのかもしれないと考えたが結局答えは出なかった。
「今タービンズが崩壊すれば鉄華団にもダメージが来る。すればクーデリアにも影響が出る。そうすればお前の目標は遠退く!」
そう言いながらもレールガンの引き金を引いて漆黒の宇宙に小規模な火花を映す。
しかしそれでも遅くなるということを知らない漆黒のグレイズは自分の体のように機体を操作して此方に攻撃を繰り返す。
「何故だと?命令だからだよ!」
亜音速で降られるその剣を盾でしっかりと受け止める。
盾が削れ、アンドラスが弾かれる。
「今は地固めの時期だ。過去の自分にすがりつかず、目標を達成するための!」
結局、戦いの目的はそっちのけなのだろう。
こちらの目的はあくまで家族を救うこと。アリアンロッドに打撃を加える意味はない。
対してアリアンロッドの目的は殲滅。一匹残らず仕留めなければならないのだ。
ライルは目的を知らなくてもこいつを殺せ。と言われたらその命令のままにそいつを殺せば終了だろう。しかし僕にはその後家族を助けるという本来の意味がある。
最悪こいつとの戦いもパスしたいのだ。
「だからって!罪もない一般人を勝手に大罪人に仕立て上げて武装が無い輸送艦を狙うのか!」
狂っている。
今のギャラルホルンの行いも、アリアンロッドのこの行為も。
これを初代セブンスターズが作ったと言われるが本当なのか甚だ疑問なのだ。
「そんなに大切か!下らない上司の命令は!」
そう言いながらも高速です移動してモビルスーツに対し、レールガンで狙う。
傷だらけとなった盾で再び剣を受け止める。そしてまた、傷をつけられる。
ミサイルで塗料を払いたいがこの速度ではマトモに捕捉できず、当たらないだろう。
結局怒りを感じながらも高速で動くモビルスーツの攻撃をかわしたり、受け止めながら狙撃するしかなかった。
「軍人じゃないお前が言うか!子供のお前が言うか!何も知らずに、育てられただけのお前が言うか!」
珍しく自分と会話をしながら此方に殺気を向けてくるその相手はレールガンで狙おうにも弱点を隠しながら戦っている。高速戦闘でもうまく動ければ戦況が此方に傾く。
その殺気と怒りが隠った剣を今度は受け止める。流すのではなく、完璧に受け止める。
そのままこちらの怒りをぶつける。
「そちらの都合で勝手に殺して...!救える命に手をさしのべないばかりか力強く生きているその手を切り落とすのか!それで何が正義だ!ただの暴力装置じゃないのか!」
レールガンを差し込むように前に出してその引き金を引く。しかしグレイズクルーガは退かずにこのまま押しきろうとしてくる。
強い圧にアンドラスが押される。リアクター出力はこちらの方が上だというのに。これが、パイロットの差なのだろうか。
そうか。これはアンドラスの戦闘能力の使い方の問題だ。このまま押し込まれると此方がコックピットに剣を捩じ込まれて終わりだ。その時間を与えてはならない。
この至近距離ならミサイルも避けられまい。熱は若干此方にも伝わるが相手が火器を使わないことからそこまで変わらない。
一瞬だけ欲しい。一瞬だけ。
そう思っていると先程の言葉をライルが返してきた。
「違う!力こそが...力こそが正義だ!ギャラルホルンが正義なのではない。ギャラルホルンの持つ力が正義だ。適当に心に響きそうな言葉ばかりを並べて!お前は、お前も持つ正義である力を自分で否定するのか!」
気がついたらもう一本の剣が腰に当たってコックピットを中心に一回転。
その時の一撃は純粋な怒りを感じた。何も隠していない。ただ、僕の言葉にキレた。まるで子供のような怒りだった。
バルカンを放つと今度は素直に離れてくれた。その瞬間に回りながらもミサイルを放ち、バルカンで爆破させ爆炎を当てさせる。
少ない酸素で作られた小規模な爆炎をマトモに喰らい、塗装は剥がされていく。それもコックピットの端の部分だ。
弱点の守りが剥げて危機感を感じたのか距離をとらずに仕留めに来た。剣の斬撃を二、三度程流すと、コックピットに蹴りを加えられる。距離を取ったりするものではなく、脚すらも打撃武器として扱っているということだ。場合によれば横から殴る、ではなく蹴って、コックピットを潰すという扱いをしてくるのではないかと思われる程に。
「お前だって何人も人を殺してきただろう!それはどうなんだ!」
剣の斬撃が不安定になって数発本体に当たったので弾き飛ばされる。そのままコンボが繋がると一生出れないので素直に下がる。しかしそれをはいそうですか。と見守る訳もなく、追撃してくる。
「僕だって!好きで人を殺している訳じゃない!」
「同じだ!人を殺している時点で俺もお前も
仕方ない。仕方ないのだ。そういう言葉も出る筈だった。しかし、僕も沢山殺しているだ。
その者にも家族はいただろう。中には巻き込まれただけとはいえ、一般人もいる。その時点で僕とこの作戦を考えたやつは同じなのではないか。
そう、思えてしまった。
その人たちは僕を憎むだろう。もしまだ生きていたら狂気となり、襲ってくるだろう。
なのに、僕は今自分の意思で自分の為に、自分の家族を救おうとしている。
「わかっただろう!お前も俺ももう戦う事と、誰かを殺す事にしか自分の価値を見いだせない!それしかできない!」
ぐっ。とその言葉を反論出来ず、一撃を軽くくらう。
舌戦では負けているがそれでもモビルスーツ戦はほぼ互角だった。
全く戦況が傾かない。傾いても、すぐに修正される。
あんなにもボロボロに負けていた相手にここまで追い付けているので成長を感じるがその均衡状態が焦らしてくるようで気味が悪い。
それでも弾丸はまだいくらでもある。家族を救うためにもそれを惜しむわけにはいかない。その決意だけは揺らがなかった。
しかし思いで倒せる相手でもなく、均衡状態は未だに続いていた。
「っ!でも...いや、だったら!僕は後ろ指指される事になっても!自分が守るべき物を守る為に戦う!」
「そうだ!その言葉が聞きたかった!」
レールガンで遠くからちまちま攻めるのをやめて突っ込む。
グレイズクルーガもすぐに加速をする。
血迷った訳ではない。もとより接近戦でライルに勝てるなど一度も考えたことはない。
真っ直ぐ線を描く二つの機影。普通なら何もおかしいことはない。しかしこの場合は片方が狙撃手という離れて戦うのが普通のパイロットがいる。この情報を加えるだけで今回の内容は異例中の異例だ。
あと100メートル。まだ遠い。この距離はどちらかというと僕の距離だ。このまま離れればまた、いままでの繰り返し。
あと50メートル。加速をしているのであと半分という感覚はない。ここまで来ると逃げようとした瞬間に一撃は入れられる。
あと10メートル。お互いに武器を伸ばせば武器同士が当たる距離。ここまで来ると視覚してから動くと遅い。
高速でしかし馬鹿正直に真っ直ぐ線を描いて衝突した両機。そのまま火花を散らしながらもすれ違う。
ライルは普通攻撃出来る状態になったらたった一撃では納得しない。何撃か加えてそして仕留める。
そのライルが一撃のみですれ違うように離れていく。
そして此方の狙いはその次。
素早く切り返し元々準備していたレールガンを素早く構える。剣で一撃のみ加えて満足しているその背中にそのままレールガンで狙撃をする。スラスターが小規模な爆発を起こしながらその影響で二機は離れる。
しかし見た瞬間気付く物もある。
「外した」
当たらなかった訳ではない。相手もそれをわかって半回転したのだ。しかしスラスターには命中してそこから爆発した。動いている途中に確認したが敵機のスラスターはグレイズタイプにしては少し変わっている物でバーニアが背中に3つ、腰に1つある。特殊な物を含めれば腰にあと2つ、左右にある。そのスラスターを巧みに使って動いている。つまりそこを撃ち抜ければ使えなくなるはずなのだが、腰のスラスターは特に、撃ち抜いていも小規模な爆発が起こるだけで、あまりかわらず動けている。コックピット周辺の人間で言う、胸辺りのパーツに関しても同じことが言える。最初こそ、弾かれたが今は塗料が剥がれたのか、小さな爆発を何度もおこしている。見るがモビルスーツとして上手く動くのに大切な物は失っていない。損傷度なんてそこまでないだろう。
結局いままで弾いたのは最初程度でそれからは全ての弾を当てながらダメージを与えている筈だ。しかしこの様子を見るにそうとは見えない。後でメカニックにでも理由を聞こうと思いながらもすぐに戦闘に頭を切り替える。
あそこまでのアタックはしたのだ。なのに、まだ敵を仕留めるどころか均衡状態を崩すことすら出来ない。
「ムカムカする...どうして」
結局またいままでの状態に戻る。
しかしこれがそのまま続く訳ではない。スラスターは無くなり、残弾は尽きる。
最初に来るのはおそらく...アンドラスの弾切れ。
残弾の確認をするとその隙に攻められそうなのでしていないがあまり弾はない筈だ。
だからと言って節約すると死ぬ。相手が攻め込めないように撃ちながら大きな隙を探しているだ。
ならば短期決戦に持ち込んでかけてみるか。賭けるのは自分の命。賭けは賭けでも成功率が少ない。そういう戦いは相手の方が数が多い。即ち、経験が豊富でその時に使える手も、負けそうになったときに均衡状態に戻す術も此方とは大きく違う。賭けにしては分が悪すぎる。
その時、ハッとしてアンドラスを下がらせた。
気付いてしまったのだ。ライルの狙いに。
連続し止まらない速度で動き続ける剣で相手の動きを止めて仕留めるライル。彼は弱点をどんな経験や、能力を持っていても読めない狙撃で、そのたった一撃で仕留める僕とは違う。
どんな連撃を持っていようと歴戦のパイロットや、才能のあるパイロットなら、何度も見せられると見切る事が出来るようになるだろう。すれば、反撃される可能性がある。つまり出来るだけ相手にチャンスを与えず、初手の有利な状態で仕留めたい筈。つまり、此方より短期決戦型なのだ。
「してやられたか」
ライルも何度も戦っているため此方の動きのパターンがわかってきたのだろう。だからこそ、威圧をして弾を使わせて、残弾を使い果たす前に仕留めようとさせて、自分が得意な短期決戦にして仕留める予定なのか。
こちらが仕掛ければそれだけライルがこちらを仕留めやすくなる。
そのせいで弾を使いまくり、残弾が少ない。
ライルはこちらを仕留める用意が出来ている。並んだように見えて、相手の方がまだ上にいたのだ。
「まだ上にいるのか!ライル・バレル!」
「まぁな!」
その言葉を受け取ったのかライルは余裕で剣で攻撃を繰り返しながらも返してくる。
してやられたがもう遅い。このまま長期戦に持ち込んでも残弾が切れる。節約してもしすぎるとライルの四方八方からの攻撃で殺される。
ならば短期決戦にして、守りながらも一撃に賭けるしかない。無謀も良いところだ。自分を殺してくださいと言っているようなもの。
無理だ。
今回の戦いの意味を忘れてはならない。今回の目的は相手を殺す為ではなく、みんなと生きて帰ること。帰る場所が無くてもみんなで生きること。家族の、みんなで。
家族、みんなで生きる。そうだ。金持ちは当たり前でやることに僕は命を賭ける。
「みんなで!生きるんだ!だから...止まれるか!」
機動を変えてレールガンの弾を節約しながらバルカンを撃つ。
このまま長期戦に持ち込むしかない。銃をもう少し多く持ち込めば良かったなと、反省する。
今度はアンドラスに武器を沢山くっつけてやろうと考えながらレールガンで狙撃をして、爆発させる。
「だったら!お前の力で俺を捩じ伏せてみろ!」
その爆炎から逃れながらも此方を攻めてくる一機のモビルスーツ。
その剣を盾でしっかりと受け止める。
正直に言って、補給無しではこいつを捩じ伏せる事など不可能だろう。つまり、隙を作りその間に補給を受けるか父さんと母さんを助けてトンズラするしかない。
とすれば人数が必要だ。今動けるのは何人だろうか。レーダーの反応には残りの三機ともいる。エストの獅電があまり動いていないような気がするが周りに動いている敵機はいないので大丈夫だろう。シュインは父さんと母さんの方へと向かった。
そして、ジョーカーは──いなかった。
レーダーの範囲外までいったのだろうか。母艦に戻って補給か?だったら何故こちらに連絡がない。
「ジョーカー!?」
そう声を上げた瞬間に危険を察知して機体を強引に下がらせる。しかし避けきれなかったのか、コックピットが揺れた。強い振動だ。腹の辺りに擬似的な痛みを感じた。
しまった。
周りに気を配ったせいで隙が出来たか。そう理解しながらも頭は素早く動いた。当たったのはおそらく、コックピット。直接くらった。コックピットに繋いでいる端末に表示されている謎の英数字を見ながらモニターを一瞬だけ見て、損傷箇所とそのレベルを見る。
「カハッ!」
追撃を盾で防ぐが急速で出したものだった為、簡単に弾かれてその次をくらう。
肺にたまった空気が抜けた。今度こそ、本物の痛みを感じて身もだえる想像をするが死の意識をしたのでそれを止めてレールガンで下がらせる。
呼吸を整える暇はない。
──次
止まらない。目にも止まらぬスピードで繰り出される剣を感覚でかわす。頭痛と耳鳴りがしだした。
離れろと言うようにスラスターを使うがすぐに追撃をくらってそれを止められる。その度に貫く衝撃が痛みを引き起こす。耐Gを使用はしていると言うのに。
「終わらせる!」
そう言う声と共に出てきた剣を止める術を今は持っていなかった。
しかしその剣を受け止める訳にもいかずゆっくりとアンドラスが離れていく。視界がクリアになり、世界がゆっくりと進む。走馬灯のようなものが流れ出し、それが頭痛をより強くする。
次の瞬間コックピット内に響いたのはコックピットが貫かれる音ではなく、レーダーが何かを感知した音と、低い男の声だった。
「──伏せろ」
その声の正体を知ることなく、その声の言う通りにアンドラスの方向を変える。剣が何かに押されて、アンドラスから離れた。内側に刃がつき、L字に近い形状をした武器。鎌だ。アンドラスの横側から鎌が出てきたのだ。
その正体を理解しながらスラスターで後ろに下がる。
その仲間が何故レーダーに映らない瞬間があったのかわからない。それを理解する必要はすぐに消えた。普段なら頭の中には答えが浮かんでいるだろうが今はその答えは全く浮かばずにただ、仲間の乱入と敵を見ていた。
「大丈夫か?」
ジョーカー・クロウド。
イプシロンの前衛だ。
「...お前のせいだよ!」
ジョーカー・クロウド。
彼も地味に強い...とはいえ、ボロボロの状態で何処まで動けるか。
というかしれっと無能呼ばわりされているイオク様ェェ...
感想欄で見ましたが續の情報が少し出ていますね。情報が多くて頭がパンクしています。誰か...何があったか教えてくれ...