機動戦士ガンダムテイワズの狙撃手   作:みっつ─

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安直なタイトルが続きますー


第66話 射撃VS近接

「今、僕の知らないところで僕の知っている人が死んだ」

 

アンドラスのコックピットの中で意識していない言葉が口から零れた。

確かに先程何かを感じた。強い意識の力が膨らみそして急速に萎む。そんな感覚を遠くで感じた。

何か...嫌な予感がする。敵のエイハブウェーブをアンドラスは感じ取っていない。しかし何かを感じたようで気味の悪いものを感じたと伝えてくる。

 

「アンドラス。僕もだ」

 

そういって操縦幹を掴みその方向へと機体を動かした。

 

「ゆーちゃん?」

 

ラフタの声を無視して。

 

 

 

まだだ。

そう声を出そうとした。しかし呼吸することに精一杯で声が出せない。ノーマルスーツのバイザーの一部が息で白く染まっては戻る様を何度も見た。

それくらいしか出来ることはなかった。敵のガンダムフレームとの度重なる衝突。その衝撃からか体はついに限界を迎えたらしい。動かす度に痛みが貫く。

モビルスーツもスラスターのガスはほとんどない。関節はすり減り、破片を挟んだのか傷だらけ。メインカメラはどこでやられたのか割れていて、左脚は押し負けて爆発と共に消えてしまった。

マッドナッグの性能はガンダムより下だとは知っている。自分には阿頼耶識がないので劣るのも仕方ない。そうとも考えられる。しかしそんなのでも良いのかと自問自答する。

 

アグニカ・カイエルの子孫。

この一言で革命軍側の戦意は凄く高いのだ。カイエル家の、何者にも汚されなかった血が300年間、隠されて時には守られて受け継がれたのだ。自分はその末梢。ただのギャラルホルンの兵士一人にここまでやられて良いはずがない。

 

「はぁ...はぁ...」

 

そう考える頭とは反対に身体は動くことを拒む。ここで動いても結局負けるだけだということは考えればわかる話だ。ここまで痛む体で動いても奴どころか敵兵一人として討ち取ることは難しい。

 

圧倒的な力だ。そこまで圧倒的な力の前に敗北したのだ。今さら邪魔者を咎めれば勝てる話ではあるまい。それどころかその男が生きているという証拠は無いのだ。

 

幸運か今の身体に過度な出血等は無いため命は助かりそうだ。先程マッドナッグを蹴り飛ばしたガンダムもエイハブウェーブすら確認できない。そして新たに発見したエイハブウェーブは味方機だ。確か鉄華団という組織だったきがする。

 

「おいおい...本当に...俺は...運が...良いな...」

 

ゆっくりとそう言いながらもうスクラップにされるだろうマッドナッグのコックピットを撫でた。

 

「おい三日月!どうしたんだ!」

「いや、あれ」

 

通信で鉄華団の若い男の声を聞いたとき思わず思ってしまった。自分によく似ていると。

 

 

 

 

「アンドラス」

 

一言声をかけてアンドラスを止まらせる。その後壊れた戦艦の影に隠れる。

まだエイハブウェーブにはなんの反応もない。あるとしたら隠れた戦艦のみだ。

しかし宇宙と言うのは不思議なもので遠くまで見通せるのだ。そこに何かが映った。真っ黒の機体がフレームだけとなったモビルスーツに何かを刺して佇んでいる姿を。

 

「あの男だ」 

 

一目見ただけなので細かい機体を考えることはできないがその感覚から何度も交わった男だと推測される。

そのときに思ったことはあの男を超えたい。そんな単純な感情だった。まるで小さい子が友達にゲームで負けたからリベンジをしたいと考えるような。そんな感じの感情。しかしこれはゲームではない。負けたら死亡の戦場だ。なのに僕はあの男に何度も敗北し、その度に逃げた。

そして仲間を切り捨てて今ここにいる。

 

「僕は...強いから...くっ...」

 

父と母に言った言葉。

そうだ。僕は最初から一人ではない。父さんがいて、母さんがいて、シュインがいて、アガーテがいて...アンドラスがいて。そして新しく産まれてくる命がいて。

この場にいるのだ。

 

「行くよ。アンドラス」

 

ペダルを踏んで戦艦からそのカメラを覗かせる。ここからの射撃は難しい。距離等は別に大丈夫なのだが位置が詳しくわからない。黒い機体だからか宇宙と混ざって見にくい。見えても距離が掴めない。

最悪適当に撃つという事も出来る。当たり前だが弾は真っ直ぐ進むため、離れている距離が1mか2m違ってもあまり変わらない。では何が違うかというとその威力。空気のない宇宙空間なら実弾も何かに当たらない限り永遠に威力を損なわずに真っ直ぐ飛んでいくと考えているのも多いが実際は地球よりその要素が少ないだけで何処かで威力を失い最悪人が当たっても無傷というレベルまでいく。おそらくエイハブリアクターによる疑似重力などで減衰するのだろうが詳しいことは知らない。

 

しかし難しい事には変わりない。でも僕は強いから...負けない。

そう思いながら狙いをつけて引き金を引いた。

 

「ヒット」

 

そして当たり前のように黒い機体に命中する。そして気付いたであろう瞬間に全ての引き金を引いた。それぞれの盾から二門あわせて四門のライフルの狙撃を一斉に食らう。しかしその程度ではあまり効果無いのはわかっている。急速に接近してくる。ただ弾が当たっただけでエイハブウェーブには反応は無い筈なのに真っ直ぐに突っ込んでくる。でもその程度では同じないすぐさまガード姿勢をとってしっかりと受け止める。

狙撃手としては失格であろう戦い方だか元々この戦いに僕のプライドなんて関係ない。ただ、こいつを倒して超えたい。その為の装備。

アイツが短期決戦思考なのはわかっている。だからこそ戦いを長期に伸ばせば僕一人でも勝機がある。元々あったミサイル付きのシールドを破られなかったことから力業でシールドを破壊はしないだろうと推測。元々刀はそういう物ではないと言うのもあるが。だからこそシールドの硬さは前のシールドとほぼ同じ。そして面積と数を増やしてガードを固める。装甲も追加することで守りとしては完璧な筈だ。そして攻撃力はシールドについている二門のライフルが主武装だ。バルカンは威力が低めな為、追加装甲をパージしたあとに使えるようにセッティングしてある。

 

僕の読み通りその黒い機体はシールドで守られたとわかると周りこもうと旋回する。

しかしその速度は僕の読みを大きく外れていた。

 

「速い!」

 

阿頼耶識の最高の反応速度だけではなく、機体の処理速度、そして単純なスピードも前の機体とは比較になら無い。

すんでのところでシールドで弾いて後退する。その瞬間その機体が何かを理解した。まず前に突っ込んできた瞬間に理解するべきだった。アンドラスの同じフレーム構造をしているモビルスーツ。ガンダムフレームということはわかる。そしてこのエイハブウェーブは。

 

「ベリアル。ガンダムベリアルか」

「ご名答。久しぶりだな、ユウ・タービン」

 

独り言の筈だったのにいつの間にか通信を開かれたらしく、会話になってしまった。しかしそのお陰でこのパイロットが誰か断定できた。このパイロットは読み通りライル・バレル。ギャラルホルン最強のパイロットにしていままで僕が敗北してきた相手。

 

「タービンズの件でお前はガンダムを降りると思ったが...あのミサイルを見て思ったよ。()()()()()()()()

「師匠気取りか?」

 

こいつと対面するとよくなってしまうこの状況。お互いの殺気で周りの空気のようなものがはりつめる現象。動いて射撃した方が良いのに動けばその瞬間仕留められるのではないかと警戒している。

 

「ま、そんなところだ。俺とお前は何度もその殺意をぶつけ合ってきた。そしてそれはこれで最後だ」

 

もし両方が生き残っていてもだ。

そう繋げてライルは言う。

まるで自分が戦うのはこれで最後だと言うように感じられた。おそらくここで確実に仕留める!という意気込みじみたものがあるわけでもないだろう。では、自爆でもするのだろうか。いや、ならばそう感じさせる事は言わないだろうし、ガンダムにも乗る筈がない。

 

「なんのつもりだ?」

「さぁな。それはこっちのプライベートだ」

 

プライベート。その言葉から大体の事は予想できた。もしこいつが嘘をついていないのなら戦うことをやめる。そうなるだろう。

確定ではないがそう思うと何故そうなるのかと思ってしまう。あいつはもう長生き出来ない程の傷があるのか。それとももう歳なのか。

 

「...」

「まぁ、どちらにしろこれで終わりだ。お前がいくら撃ち殺してもこちらの方が数がある」 

 

急に声が低くなり二本の刀を構える。いままでの剣のように押しきるのではなく、切断する。

しかし先程シールドでは守りきれた。うまくシールドさえ扱えればあいつの刀の動きが鈍る。その時を待つしかない。

 

「ライル・バレル!ガンダムベリアル」

「ユウ・タービン。フルアーマーガンダムアンドラス!typeβ!」 

 

こちらも左腕で守るようにそして右腕を前に出して狙う。警戒されないように、狙っていると思わせないように。どちらにしろ相手は自分の射撃を読み取れないのでいいと思うかもしれないが未知数な為、警戒しながら行く。これで勝つ。この戦いで勝ちたい。

僕はこいつに勝ちたい。

 

「「行くぞ」」

 

ベリアルが高速でシールドにぶつかった。

端から見ればモビルスーツの事故みたいな体制だったがモビルスーツに乗るお互いの目線だと流れるようなスピードでベリアルがアンドラスのシールドをかすってすれ違ったように見える。

全く動きに機械を感じさせないパイロットだ。一つ一つが早く、迷いがない。流れるようにこちらを追撃してくる。

 

「アンドラス」

 

その猛攻をベリアルに合わせながらシールドでガードする。ガードしては弾かれたように下がり、距離をとってライフルで射撃。そしたら接近して来るのでシールドでガードという特定の型がもう決まった。

ベリアルとアンドラスのカタログスペックではアンドラスは汎用機。ベリアルは一応接近戦が得意なようにセッティングされている。そしてこのパイロットの差。

接近戦を続けられればこちらの敗北は必至だ。

 

だから無理に攻めずにガードで守る。奴の話し方からしておそらく悪魔のベリアルにはまだ会っていない。つまり加護を受けている可能性は低い。そう考えればアンドラスの加護で阿頼耶識があろうと反応速度は変わらない筈だ。防げなくはない。普通の機体ならいや、普通のパイロットならその後弾いたりして、カウンターを決めることができたが奴の二本目の刀がそれを許さない。完全にこちらを追撃して反撃の機会を奪ってくる。

 

「どうした?そうしていても俺どころか兵の一人も殺せんぞ!」

「挑発か!」

 

それも高速で動きながらなので動きに慣れていなかったらすぐにやられていただろう。

何度もこの高速戦闘は行っているため、もう慣れた。二年前から、何度も何度も。そしてそれを超えるために鍛練したのだ。負けたくない。

 

「ここでお前を逃がせば今回の戦争は負けになる確率が高くなる。僕がここでお前を止めること事態に意味がある!」

「お前の力を持ってこそか!」

 

お互いに何度も死線を潜り抜けた戦士。

小手先の力では通用しないと理解している。ぶつかり合うそれぞれの機体のメインカメラが一瞬光る。

 

「ただ戦いたいだけのようにも感じるが?」

「その言葉!そっくりそのまま返すよ!」

 

時には四門のライフル全てでその機体に向けて撃つが効果がある部位には全然当たらない。相手が一瞬でも止まってくれれば良いのだが待っていても一向にその状態にならない。その上、ならさせようとアクションを起こせばどうなるかわかったことじゃない。 

お互いにお互いを強いと理解しているからこそ、よく動けないでいた。

 

「本当に...世界で一番めんどくさい奴...!」

「お前がそう思うなら俺だってそう思う。しかしアメリアと考えればお前の相手をしている時間はない」

 

完全に守りしかしない、狙撃手としては異例中の異例な行動をしながらなんとか命を保っている。

流石にライルがガンダムフレームのモビルスーツに乗ってくるとは想定してなかったので、その威力に押されている。

ほとんど出力は同じ筈だ。カタログスペックでは同じだが、グレイズとゲイレールレベルの差を感じる。流石に慣れている戦いかたに見あったモビルスーツは強い。 

こちらも狙撃銃を持ち歩けばよかっただろうか。人間サイズの物すら積んではいない。自分の得意な狙撃よりも相手の土俵にわざと入った振りをした方が落としやすいと考えたがそれはミスだったようだ。

しかしそれでも面倒と感じているのならそれは、敵の動きに悪い影響が出るということ。

 

「そっちの司令官がそれで困るなら!」

「そう来たか」

 

此方からの攻撃はカウンター以外避けるようにしながら回避と防御に専念して防ぎきる。

刀でもシールドを割りたいわけでは無さそうでそのおかげで傷だらけではあるがそのまま突っ込んでこようとは思っていない。逆に刀というのは意外と消耗が激しく、はこぼれなどをきにする必要が出てきた。

弾の心配を考えなくていいからといって接近用の武装も永久に使えるわけではない。

このままぶつけ合えば脆い方が壊れる。刀を除いた他の攻撃は全てをかわしている。つまり、シールドと刀の脆さ勝負ということになる。勿論それだけではない。銃を撃つときに必ず頭にある要素の一つ、残弾。

このシールド付きライフルも長期戦を想定しているため、残弾は多い。なので考えなくても良さそうだ。スラスターのガスの量も普段のアンドラスと比べると格段に増えている。

 

「堅いな...さっさとマクギリスの夢に抱かれて死ね!」

「断る!僕は...ユウ・タービンだ!」

 

ライルの動きがだんだん速くなる。

此方が長期戦を望んでいると理解して焦っているのか。それでも、その刀の流れはとても丁寧で最初の攻撃を倍速にしているような物だが。フェイントも混ぜてきたりして確実に仕留めようとしてくる。

ここまで焦るということは何かしらが限界に近いのか、別動体の動きを感じたか。

 

「その言葉!あの若者に聞かせてやりたいよ!」

「──っ!ジョーカーか」

 

自らの家族が生き残るために切り捨てた仲間を思いだし、一瞬守りが甘くなる。すぐに直すがその隙を着かれてシールドが欠ける。

シールドが白い破片を周辺に撒き散らしながらアンドラスのコックピットへの道を開ける。つまり、アンドラスの守りが外れる。

その瞬間、アンドラスのコックピットの壁に刀が突き刺さっていた。流石にそれは対応所か見ることもできず進行を許してしまう。

コックピットに衝撃が伝わる。急に揺らされたので耐Gもうまく働かず、頭を壁にぶつける。そして一瞬だけ気を失った。

 

「あああぁっ!」

「抜けないだと!?」

 

しかし突き刺したライルは驚きを隠せずに動きを止める。

その瞬間、気を失ったユウに変わり、アンドラスがその胸パーツをパージする。灰色のコックピット周辺を囲んだ装甲はライルの刀にくっついたままアンドラスから離れる。そしてベリアルの体制が崩れる。後ろ方向に半回転をゆっくりと始める。

 

「リアクティブアーマー!?」

「そこだぁ!」

 

瞬間的に覚醒したユウはその情景を瞬時に理解した。勿論ベリアルのその隙を逃すほど馬鹿ではない。

すぐにライフルを構えて一斉放火をする。四門のライフルの射撃を全て受け止めたベリアルはまた怯み、弾の爆発による煙を吐き出しながら後ろへと後退する。

 

「覚悟!」

 

その程度の後退ではライフルから逃れることはできない。すぐにアンドラスの左腕のシールド付きライフルがベリアルを狙う。このライフルでもベリアルの装甲を貫通するのではなく、剥がすことが可能な筈だ。

 

引き金にかかった指に力がかかる。このライル・バレルというパイロットにどれだけ苦しめられたか。黒幕ではないとはいえ、親が死んだ戦場にいてそれなりの仕事をした。そして仲間を殺した。

 

「アンドラス!」

 

愛機の名を叫びながら引き金を引く。

しかし、ライルもただのパイロットではない。その人生で何度も死線を潜り抜け、アグニカ・カイエルの再来という、英雄の名を冠した二つ名を持つ男。

そして彼にもやらなければならないことがある。

 

彼女の夢、それを叶えさせるために同じ夢を持つアメリアを使って叶えさせる。その為にはアメリアがギャラルホルンの実権を担う必要がある。この戦いに敗北は許されない。約束があるのに、まだ死んではいけない。

 

 

 

「まだだぁ!」

 

その瞬間だけベリアルの目が紅に輝く。

ライルの叫びに答えるように一部故障していた筈のバランサーが急に吹き出してあり得ない機動で機体の体制を立て直す。そこにアンドラスの放った二発の弾丸が止まることなく、突き進む。しかし動きがゆっくりだ。もしかしたら時でも止まっているのかもしれないと思うほど。しかし身体もうまく動かない。頭だけが、脳だけが加速しているようだ。

なのでそれを受け入れることにした。弾丸に対して何かをしたところでこの距離ではもうなんとも出来ない。ゆっくりと弱点であるフレームの弱い点を隠しながら装甲が突き刺さったままの刀を差し出すように投げる。

ゆっくりと進むそれを見ると急に時間が戻ったようにベリアルが再び爆発による煙に包まれる。どうやら避けようとしたが完璧に避けられたわけではなかったようだ。コックピットに破片が飛んできたので首を軽く捻ってかわす。

しかしそれと同時にシールド付きライフルに刀が突き刺さる。

そしてそこからも爆発して刀が飛び出す。

 

「しまっ──」

 

仕留めきれると気を抜いたユウは驚きながらも頭では次の行動を考えていた。

ライルならここで体制が崩れた自分を追撃しに来るだろう。刀も後から拾える。死んでいないのなら、突き進んでくる筈だ。

 

「ならこれだ!」

 

瞬間的に右のライフルを上げて、ロクに狙いをつけずに撃つ。それは、ベリアルの左目に命中して右目のカメラを散らさせる。そしてもう一発が左腕の肘に命中したが特に効果はなかった。

その時にユウは気付かなかった。違和感すら感じなかった。ベリアルの目の色が一瞬だけ変わったことを。

 

そして同時にバランサーの調子が悪くなる。

 

「潮時か」

 

ライルはそう言いながら爆発に飲まれた刀を流れるように掴み、同じく流れるように装甲を弾く。

機体の調子が悪い。大体はあの大剣使いのマッドナッグのせいだろう。次こそは仕留める。

そう心に誓いながらスラスターのガス量を一瞬だけ見て、下がった。

 

「待て!」

 

当然追撃しようとユウはアンドラスを駆る。先程はこれで終わりだなんだ言っていたのに急にこんなに変えてハイそうですか。と言えるか。ということは置いとくとしても力が持った敵兵に逃げられると困る。こちらの武装を明かされる可能性もあるのだ。

そう考えていベリアルを追っていた時だった。

 

「ユウ!下がれ!」

 

アンドラスに急に通信が入ったかと思ったら急にベリアルが何かを避けるように動いた。そこに何かが通る。おそらく弾だ。

敵兵ではなかったので気にしていなかった。味方機がそこにいた。ピンク色の装甲に包まれたガンダムフレーム。名前はフラウロスという。

 

「下品な人!」 

「酷い名前」

 

そう切り捨てながらベリアルとつばぜり合いをする白い機体。名前はバルバトス。確か整備長がルプスと呼んでいた機体だ。ソードメイスという大剣のようなメイスを刀にぶつける。単純な質量での攻撃に怯む。

 

「お、おい!下品な人はないだろ!」

「ユウは下がって。ここは俺たちで何とかするから」

 

すると何機かの鉄華団の機体が群がるように集まる。

しかし圧倒的な数の差の環境でここまで回せる戦力なんてどこから捻り出したのだろうか。

 

「あとオルガから伝言。補給ならこっちでしろ。だって」

 

その言葉からなんとなく理解した。敵艦にいるラスタル・エリオンを直接仕留めにいく気だ。つまり、特効のようなものではあるが鉄華団らしいと言えば鉄華団らしいと言える。

その為には僕を使いたいのだろう。そしてその為必要な事としてもうひとつ敵方の優秀な兵であるライルを今のうちに仕留めておきたい。鉄華団はそう考えているのだろう。

ふとイサリビという鉄華団の船を見ると先程より前に進んでいる。その後ろにはタービンズのフュンフと鉄華団のホタルビがついていっていた。

そしてホタルビの隣と後ろには崩壊した戦艦が釣られている。無事とはいないが側面にダインスレイヴが突き刺さってい危険な状態だ。さしずめ盾代わりだろう。

 

「早く!」

「感謝します!」

 

そう言ってアンドラスをフュンフの方向へと動かした。

視界の端で一機の獅電がスクラップにされていた。

 

「すぐに...戻るから!」




最終対決やと思いました?思いましたか?え?別に?
雰囲気が違う?え?そう...
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