第1話
第1話
ドオオン
鳴り響く銃声。その衝撃か、身体が回る。坂から落ちて赤い線を作った。坂の上では、銃を持った初老はいっているだろう男が笑みを隠しきれずに、笑っていた。
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「くっ...また思い出してしまった。」
思い出したくもない思い出。けど恐怖のせいか、覚えてしまう。思い出してしまう。こういうとき、人の頭は不便だなとは思わずいられなかった。
今はあるコロニーに潜入調査中。といってもやることがないのでほぼ観光だ。このコロニーは資本主義で、資本家が労働者を酷い労働環境で働かせる所だ。一部を除いて。
仕事はこのコロニーの現状などを伝えることだ。つまり、今酷い労働環境の中に僕はいない。コロニーの現状とはいってもニュースキャスターやテレビ局のスタッフではない。
僕はテイワズという大企業の人間だ。その中でタービンズという、輸送部門の組織の人間だ。しかし、今はテイワズのボス、マクマード·バリストンに指名されたのだ。それも二ヶ月前に。
「たっく.....仕事がないとこうも暇だとはな...」
そう言い、自分の端末の電源をつける。その時に、メールがきていたのに気づいた。
「父さんから?なんだ?」
自分の父親からメールが来ていた。内容はそっちにクーデリア·藍那·バーンスタインの身柄を乗せた船が行くから、その仕事を手伝って欲しい。という内容だった。
「クーデリア·藍那·バーンスタイン?確か火星の独立運動の....」
「ノアキスの七月会議」を成功させたことで有名な人だ。確か、地球の経済都市アーブラウの蒔苗氏との交渉のため地球に行くそうだから、その護衛ということだろう。しかし、クーデリア·藍那·バーンスタインかの革命の乙女はこのドルトコロニーの参上を見ても、火星の独立と言うのだろうか、それも考えどころだった。
しかし、その護衛の団体の名は聞いたことの無い名前だった。
「鉄華団?テイワズの中でも知らない名だな」
それとも、ほかの団体から入ったのか、にしても、漢字で鉄華団は変わっている。火ではなくて、華なのか。
とりあえず仕事は受ける。火星の独立運動の革命の乙女の相手もしてみたいし、なんといってもその仕事をすればやらなかったときの言い訳ができる。
「わかったっと」
メールの返信を送り、伸びをする。窓の外では、日が出ていた。
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「あいつはわかっただってよアミダ。」
そう男が言うと、アミダと言われた、腹に大きな傷跡がある女は
「そうだねぇ。あの子ならそう言うと思ったよ」
といい、男を抱き締める。男は嬉しそうに、目を細目ながら、
「オルガを呼んでくれ」
と言った。
「あいよ。」
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黄色の髪をした男がオルガと言われた男に通信を渡す。
「オルガ通信名瀬さんからだ」
と言うとオルガと言われた男は
「兄貴が?ありがとうユージン。」
そう言われるとユージンと言われた男は「ああ」と言って行ってしまった。
その後オルガは名瀬のいる船(ハンマーヘッド)に行った。
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ハンマーヘッドでは名瀬が三日月と呼ばれる青年と話しているところだった。
「よう兄弟。」
「どうしたんすか?兄貴。」
そう言うと、名瀬は椅子を勧めた。勧められたとおりに座り、隣に三日月と呼ばれる青年が立った。
「ドルトのことなんだが、協力者がいる。まずドルトに着いたらそいつの協力を仰げ。一人でドルトにいるから.....」
と言ったところに三日月と呼ばれる青年が割り込んできた。
「そいつ、大丈夫なの?一人で。」
「どうした?ミカ?お前らしくないな。」
オルガは三日月のことをミカと言う。長い時間でできた愛称なのだろう。
「別に」
嫌っているように聞こえるがむしろ逆だ。この二人はいつも気が通じあっている。それはすごいことだと思う。(同時に男同士で気持ち悪いとも思うが)
「大丈夫だ。」
名瀬がその質問に答えた。
「モビルスーツ戦ならお前の倍強いから。」
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数日後、オルガ率いる鉄華団と名瀬率いるタービンズがドルトに着いた。
「ええ。商業施設があるのなら少し買い物をしたいと思って。」
そう言ったのはクーデリア·藍那·バーンスタイン。そう革命の乙女だ。
「お嬢様それは....」
メイドらしき女が止めようとする。
「いいでしょ?フミタン。いろいろ買っておきたいものもあるし。何より買い物なんて久しぶりなんだもの。」
フミタンというメイドはそこで止めるのを止めた
「それは...分かりましたではご一緒に」
それで彼女も納得したようだ。
「えっ⁉買い物⁉....いいな~」
見てくれ15歳位の女が言う。
「ならアトラさんも一緒に」
そうするとアトラと呼ばれた少女は「あっ、ほんとですか」と喜んでいる。
その脇でフミタンは少し不満そうだった。
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「出るのももう少しだし、最後のドルトということで今日の飯を買っとくか」
そう言うと青年は近くの店に行く。大きな店だ。食料だけではなく、服なども売っているらしいが近づいたことがない。理由は青年はそういうところはなにも考えてないからだ。
店に入ると青年は異変にすぐ気づいた。
「(なんだ....あの人...もしかしてクーデリア·藍那·バーンスタイン?まさか.....)」
そこで買い物を止めて、服売り場の服の陰に隠れながら観察することにした。
店の窓に二人の男が並んでいる。おそらく買い物が終わるのを待っているのだろう。青年は、自分より背が低い男に目をつけた。
「(あれは....阿頼耶職?隣の奴もだ。つまりやつらが護衛か....)」
ヒューマンデブリかもしくはヒューマンデブリ並の扱いしかされていない子供たちを護衛に選ぶとは...その瞬間青年は革命の乙女を値踏みした。彼女は少し傲慢だなと思いながら。
見ていると店から出た。そのあとを気づかれないようにつけるか...いや、それではストーカーと変わらない。護衛にやられるのが落ちだ。最悪の場合それが死になる。じゃあ事情を説明するか?いや、信じてもらえないかもしれない。慎重に慎重に。ならば
「今からテイワズの支部のあるドルト6に行くか.....」
そっちの方が誰かに会える確率が高い。まだ彼女だって本物の革命の乙女とは限らないのだから。
結局その後つけるのは止めて家に帰って寝てしまった。しかし、数時間後戦闘が起こるとも知らずに寝込んでしまった。彼が起きたのは、デモの音でだった。
第1話終わり
最初に出た初老もいったであろう男は原作で出ています。