あの後、ビオラに再戦したセレナはヒビキのアドバイスもあってか何とかビオラに勝利し、バグバッジをゲットした。
「やっぱり学んだだけじゃダメなのね・・・・今回の件でよくわかったわ」
「いや、セレナは十分優秀だと思うぞ?俺がアドバイスしたとはいえ、ちゃんとビオラさんに勝ってるんだし」
「貴方が言うとある意味皮肉に聞こえるわよ?」
そんなことを二人が話していると。
「ちょっと、お二人さん。少しいいかしら?」
ジャーナリストと思われる女性が二人に声をかけてきた。
「貴女は?」
「私はパンジー。ビオラの姉でミアレシティでジャーナリストをしてるの」
パンジーと名乗る女性はそう言って二人に名刺を渡す。
「ここって結構メジャーな出版社じゃないですか!?どうしてそんな人が私達に?」
「貴方達、プラターヌ博士からポケモンを貰った子供達でしょ?それにヒビキ君は例の論文の件もあって私達からしたら有名なのよ?」
「よくご存知で」
その後、ハクダンシティのカフェで軽くジム戦の感想などをインタビューされ、パンジーはミアレシティに来たら出版社を訪ねてほしいと告げるとミアレシティへと去って行った。
「嵐のような人だったわね・・・・」
「ああ、流石はビオラさんの姉って感じだな」
カフェの代金はパンジーが払ってくれた為、二人は暫しカフェで休息を取ることに。
「ところでヒビキはこの後はそのままミアレに向かうのかしら?」
「ああ、途中で図鑑埋めの為に何匹かゲットしていくつもりだ」
「だったら、また私も同行させてもらってもいい?普段の貴方がどんな風にしてるのかも気になるし」
ジム戦でヒビキに興味を持ち始めたセレナは再び同行を持ちかけてきた。
「別に構わないが、ミアレに着くの遅くなるかもしれないぞ?」
「構わないわ。それに貴方の他のポケモンも気になるのよ」
「セレナがいいって言うのなら俺も構わないが」
という訳でミアレシティまでセレナが同行することに。ハクダンシティを出る前にポケモンセンターで手持ちを少し入れ替えたりモンスターボールの補充したりブティックで服を買ったり、スケーターのリンコからローラースケートを譲って貰ったりしてから二人はミアレシティを目指し出発した。
それからヒビキはスボミー、ラルトス、ミツハニー、レティバ、フラベベ、エネコを捕まえた。だが、ラルトスとミツハニーに関してはヒビキは二匹ずつ捕まえていた。
「何でラルトスとミツハニーは二匹ずつ捕まえたの?」
「ん?あれは♂♀で進化が分かれるポケモンでな。ミツハニーは♀しかビークインに進化せず、ラルトスは♂だとキルリアの時に【めざめのいし】を使うことでエルレイドってポケモンに進化出来るんだ」
「そうなんだ・・・・ヒビキって、ポケモン図鑑要らずよね」
「そんなことないさ。俺だって知らないことはある」
そう言いながらヒビキは捕まえたポケモンについてノートにデータをまとめていた。
「ポケモンにはまだまだ人間の知らないことがたくさんある。俺も将来はそういうのを調べる研究者になりたいんだ」
「いいわね、そういう夢があるのって」
「そういうセレナは?」
「私はまだヒビキみたいな明確な夢は無いわ。でも、両親に恥じないトレーナーにはなりたいわ」
「そういやセレナの両親もポケモントレーナーなんだったな」
「ええ、カロスでは名の知れたトレーナーよ」
そう言うセレナの表情から彼女が如何に両親を尊敬しているかが伺える。
「日が暮れてきたし、今日はこの辺で夜営するか。出てこい、お前ら!」
ヒビキはそう言うとモンスターボールから手持ちのポケモン達を出す。ヒビキの現在の手持ちはイーブイ、ケロマツ、ジグザグマ、ノコッチ、ピカチュウ、ミツハニーの六匹だ。
「どうして手持ちのポケモンを?」
「一緒にご飯食べたり、ボールから出して遊ばせてやったりした方がポケモン達も喜ぶんだとさ。これはレッドさんからの受け売りだけどな」
「へぇー、なら私も!」
セレナもヒビキに習いポケモン達をボールから出す。セレナの手持ちはハリマロン、ヤヤコマ、ホルビー、ルリリ、ラルトスだった。
「なるほどな・・・・バランスのいいメンバーだな。ヤヤコマ、ホルビー、ルリリはそれぞれ進化すれば炎、地面、水タイプになるからな」
「詳しいわね、やっぱり貴方についてきて正解だったわ」
それから二人はそれぞれテントを用意した後、ヒビキが食事を、セレナがポケモンフーズの準備をすることになった。
「貴方、料理まで出来たのね・・・・」
「旅に出る時に保存食とかばっかりじゃ体調壊すだろ?だから母さんに習っておいたのさ」
「貴方って苦手なこと無いの?」
「いや、あるぞ。歌はドゴームの【そうおん】並みだそうだ」
「ぷっ、何それ!名前に響きってつくのに音痴なの?」
「やめてくれ、それはマサラタウンにいた時から散々言われてきたんだ・・・・鼻歌だけはマシらしいが、ガチで歌うとポッポとか降ってきたこともあるんだ」
「・・・・それは確かにドゴーム級ね」
ヒビキの意外な一面を知り、セレナは少しだけヒビキを身近に感じた。
「グマ」
「ハニー」
すると、ヒビキのジグザグマとミツハニーが何かを持って駆け寄ってくる。
「どうしたんだ、お前ら」
ヒビキがそう訊ねるとジグザグマはスーパーボールを、ミツハニーはあまいミツをヒビキに手渡した。
「【ものひろい】と【みつあつめ】か」
それはジグザグマとミツハニーの特性で、【ものひろい】はレベルに応じたアイテムを、【みつあつめ】はあまいミツを拾ってきてくれるというものだ。
「ありがとな、お前ら」
そう言って二匹の頭を撫でてやると。
「ブイ」
他のポケモンと遊んでいたイーブイが「自分も撫でろ」と言わんばかりにヒビキによじ登ってくる。
「わかったわかった!後でブラシがけしてやっから!」
「ふふっ」
仲の良いヒビキ達を見て微笑みながらセレナも自分のポケモン達にブラシがけをしてみようと思うのであった。
翌日も道行くトレーナー達と勝負しながらミアレシティを目指す二人は数日かけてようやくミアレシティへ通じるゲート前までやってきた。その間にヒビキのケロマツはゲコガシラに、セレナのハリマロンはハリボーグに進化していた。
「やっと着いたな・・・・」
「そうね」
すると、ゲートの前にいた二人の男女がヒビキ達に声をかけてきた。
「君達、ちょっといいかな?」
「私達ですか?」
「うん、君達はヒビキ君とセレナちゃんで間違いないかい?」
「ああ、でも俺達の名前を知ってるってことは・・・・」
「ええ、私達はプラターヌ博士の命で貴方達を待っていたのですわ」
女子の方はジーナ、男子の方はデクシオと言い、二人は2年前にプラターヌ博士からポケモン図鑑を託されたヒビキ達の先輩に当たるトレーナーなんだとか。そしてプラターヌ博士に研究所まで案内するようにと命を受けたんだとか。
「君のポケモンは随分となついてるんだね」
研究所までの案内がてら一緒に歩いているとデクシオがヒビキが肩に乗せているイーブイを見て感心したように言う。
「まあ、こいつとはそこそこ長い付き合いですから」
「ならこの技マシンも使いこなせるんじゃないかな?」
そう言うとデクシオは【おんがえし】の記録された技マシン27をヒビキに手渡す。
「いいんですか?」
「うん、君なら有効に使ってくれそうだからね」
そうこうしてる間にヒビキ達はプラターヌポケモン研究所へと到着した。研究所に入り、博士の待つ3階へとエレベーターで移動すると、そこでプラターヌ博士が二人を待っていた。
「やあ。久しぶりだねヒビキ君。それとよくきたね、セレナちゃん」
「お久しぶりです、プラターヌ博士。直接会うのは初めてなのに久しぶりというのも少し変な気がしますが」
そう、ヒビキとプラターヌ博士は以前にオーキド博士の研究所にて何度かモニター越しではあるが何度か会ったことがあったのだ。しかし、ヒビキの言うように直接会うのは初めてとなる。
「遠路はるばる大変だったろう?」
「いえ、こいつらが一緒でしたから」
「うん、やはり君は私が見込んだ通りの人物だったようだね。ポケモン図鑑ももう39匹分だ」
それはアサメからミアレまでで発見出来るポケモンとしてはほとんどのポケモンと遭遇したことになる。
「博士ー、サナです」
丁度そこに研究所を訪れたサナがやってきた。
「あっ、ヒビキにセレナだ!二人ももう来てたんだね」
「サナか、久しぶりだな」
「ピカチュウは捕まえられた?」
「ダメだった・・・・」
どうやらサナはピカチュウを捕まえようとハクダンの森付近で頑張っていたらしい。
「なら俺のを一匹交換してやろうか?丁度二匹捕まえてたし」
「ほ、本当!?是非お願いします!」
よほどピカチュウが欲しかったようで、ヒビキが交換を提案するとすぐさま食い付いた。
「ハハ、仲が良いようで何よりだ。おっと、そう言えばオーキド博士から君達にプレゼントがあるよ」
そう言ってプラターヌ博士はモンスターボールを3つ取り出した。
「これは?」
「プラターヌ博士、これってまさか・・・・」
「流石はヒビキ君、察しがいいね。君の予想通りこれはカントーで初心者トレーナーに配られる三匹のポケモン。フシギダネ、ヒトカゲ、ゼニガメが入ったモンスターボールさ」
プラターヌ博士はこれをヒビキ達三人に一匹ずつくれると言う。
「そういうことなら今度はヒビキから選んでもらいましょう」
「だね、前は私から選んじゃったし」
サナもメイスイタウンでの一件は反省していたらしい。
「そういうことなら・・・・俺はこいつで」
ヒビキが選んだのはヒトカゲだった。
「なるほどね、やはり君も彼のファンという訳か」
彼と言うのはレッドのことで、彼の手持ちの中でもオーキド博士に貰ったヒトカゲの進化系であるリザードンと相棒とすら呼べるピカチュウは有名である。
「まあ、尊敬してるトレーナーであることは間違いないですね」
「あとはこれも持っていくといい」
そう言ってプラターヌ博士が取り出したのは赤い色をした宝石2つ。
「こ、これはメガストーン!?」
「メガストーン?」
メガストーンと聞き、サナが首を傾げる。
「メガストーンっていうのはポケモンの更なる進化の可能性を秘めた石のことなんだ。それぞれ◯◯ナイトって呼ばれてて対応するポケモン名前がついてるんだ」
「流石だね、ヒビキ君。ちなみにこれはリザードナイトXとリザードナイトYと言って、それぞれリザードンをメガシンカさせることの出来るメガストーンさ」
「メガ進化?」
「メガ進化じゃなくてメガシンカな。これは通常の進化と違って一時的に姿を変えるものなんだ。今はまだ研究中らしいんだが、リザードナイトみたいに複数のメガシンカをするポケモンも存在するって話だ」
「ハハ、ヒビキ君にほとんど言われてしまったね。そんな訳で君達には選んだポケモンに対応したメガストーンをあげよう」
その後、サナはフシギダネ、セレナはゼニガメを貰い、それぞれ対応したメガストーンを受け取った。ヒビキはリザードナイトを両方貰うことに。
「それとメガストーンはそれだけじゃ使えない。キーストーンと呼ばれる石が必要らしいんだ」
これはかなり貴重なものらしくプラターヌ博士も簡単には手に入れることは出来なかったとのこと。
「キーストーンか・・・・」
「まあ、旅をしていればそのうち手に入るさ」
その後、博士に礼を言ってプラターヌ博士の元を後にするとヒビキとセレナは1階のロビーへと降りた。すると、そこには二人の男性が会話をしていた。
「ん?ヒビキじゃないか!久しぶりだな」
「父さん」
そのうちの一人はヒビキの父親であるオトナシ・フブキ、そしてもう一人は・・・・
「ほう、彼は貴方のご子息でしたか」
(フラダリ博士!?そういやこの人と最初に会うのってここだったな)
炎のような赤い髪をした男性はフラダリ。表の顔は世界をより良い世界にしようと研究する科学者だが、裏の顔はフレア団のボスでXYのボス的存在である。
「初めまして、私はフラダリ。そこのプラターヌ博士から色々と教わっている者だ」
「は、初めまして・・・・」
いきなりのラスボスとの邂逅にヒビキは冷や汗をかく。
「そちらのお嬢さんは?」
そこで助け船を出してくれたのはフブキだった。
「わ、私はヒビキの隣の家に住んでいるセレナです」
「ああ、君がうちのお隣さんなのか。私はヒビキの父親のフブキだ。よろしくね、セレナちゃん」
「はい、フブキさん」
フブキのおかげでヒビキは少し落ち着く時間を得ることができた。
「二人とも見たところプラターヌ博士に選ばれた図鑑所持者のようだね」
その後、フラダリは色々と言っていたようだが、ヒビキはフラダリの言葉を鵜呑みにはできなかった。
「それでは私はこれで失礼するよ」
言いたいことを言い終えたフラダリはプラターヌ博士によろしくと言い残して去っていった。
「ヒビキ?随分と険しい表情をしてるけど大丈夫?」
「あ、ああ、すまない。少しフラダリさんの雰囲気に当てられて」
「あはは、確かに彼は少し独特の雰囲気を持っているからね」
フラダリとも何度か会っているらしいフブキはそんなヒビキの様子に苦笑する。
「そうだ!ポケモン図鑑の完成を手伝ってくれる二人にこれをあげよう」
そう言ってフブキは二人に【みねうち】の記録された技マシン54をくれた。
「ありがとう、父さん」
「ありがとうございます」
「ポケモン図鑑の完成、頑張ってね」
フブキはそう言うと研究所の2階へと戻っていった。
「いいお父さんね」
「ありがと」
その後、セレナの誘いでヒビキはカフェ・ソレイユへと向かうのであった。
少し長くなりましたが、プラターヌとラスボスの邂逅です。
原作知識があるのでヒビキはフラダリとの邂逅は出来ればしたくなかった模様。
今度、活動報告にてヒビキに使って欲しいポケモンを募集します。