バカとテストと恐怖心 作:愚龍
よし・・・・できたわ・・
「できたわよ!瑞樹!」
「やっと完成しましたか・・・」
「これで今度こそアキを地獄へ墜とせるわ・・・」
「フフ・・・そうですね。-でも、どうやって渡すんですかソレ?」
「これを市販の食べ物か何かに入れて渡せばいいのよ」
「そうですね・・・私たちからじゃ絶対食べないんじゃないですか?」
「大丈夫よ・・あの人に頼めばいいわ・・・」
「?誰ですか?」
「アキの・・お姉さんよ。あの人ならまだ何も知らないはずだわ・・」
「その手がありましたか!-明久君、苦しんでくださいね・・」
カシャリ・・・
その時、どこからかシャッターを切る音が聞こえてきたのだが、話に夢中だった2人は気づいていなかった・・・。
明久side
「いったぁぁぁぁぁ!!」
『おいおい・・大丈夫かよ?』
そう気遣ってくれる声にこたえる余裕もなく、ベッドに倒れこむ。
またか・・とぼんやりと思った。
最初は、学校に行った時だった。
なぜか、自分の記憶になかった物がおぼろげだが流れ込んできたのだ。
その時は軽い頭痛だけで済んだだけどなぁ・・・と考える。これがデジャヴってやつかなぁ?
「ねぇ、これって記憶が戻ってきてるのかなぁ?」
『・・・わかんねぇけど・・そうなんじゃねぇか?』
「やっぱり!?嬉しいなぁ」
『あぁ・・そうだな』
ガラっ
「よぉ明久。調子はどうだ?」
「具合はどうかの?明久」
「雄二に秀吉!ーうん、大丈夫だよ・・寝てただけだし」
「そりゃよかった」
そういって僕の頭をくしゃりとかき混ぜる雄二。
「-と、もうこんな時間か」
「あ、ほんとだ。ちょっと待っててね。すぐ用意するから」
「あー・・そのことじゃがな明久よ。支障が出てはいかんから今日一日は安静にしておけ、と医者が言っていての」
「-そっか・・・分かったよ、2人ともがんばってね」
「じゃあな明久。」
「安静にの」
そう言って出ていく2人を見送って、
「狼鬼。僕寝るけどいい?-安静にしとかなきゃいけないらしいから」
『あぁーおやすみ』
その声を聴きながら、ゆっくりとまどろみに身を任せた・・・。
明久side out
狼鬼side
ーあぁ・・何もかもを吐いてしまいたい。記憶を失う前に何があったのか・・・
けれど、一気に情報を流してしまえば俺は消えてしまうし、お前は混乱とショックから立ち直れなくなってしまうだろう・・・。
するりと明久の体から抜け出し、寝顔を見る。
笑っている・・ようなその顔で、いい夢を見てるのか・・と想像する。
その顔を見ていると、無意識に笑みをこぼしてしまった。
『だいぶ腑抜けたな、俺も』
少なくとも初めて会ったときは≪消えたくない≫などとは考えたこともなかったのだが。
そっと、明久に手を伸ばしてみる。
触れる、と思った瞬間、俺の手は明久をすり抜けてしまった。
『やはり触れることは出来ない・・か』
俺はため息をつくと思考を切り替えた。
-こうなったのも全てはあいつらのせいだ・・・
明久はもう近づくつもりはないらしいからその心配はいらないだろう。
問題はあいつらが次の苦しめ方としてどんな手を使ってくるか、ということだ。
『明久・・あいつらからお前を救ってやるからな・・・』
狼鬼side out
教員side
「理事長!これを見てください!」
「なんだい?」
ー示された数枚の写真。そこには・・
「これは・・!」
写っていたのは、ある2人の写真だった。
「これはだれが撮ったものだい?」
「・・・俺だ」
「アンタは・・土屋康太じゃないかい」
「・・・現場も見てきている」
その写真には・・・
怪しげな薬品を手に持った島田の姿と・・悦びに満ちた顔の姫路の姿だった・・・
「・・全く・・あの2人は全然反省していないようだね・・少し痛い目にあってもらおうかね」
そして・・・
「さぁ、何をぼさっとしている!早く準備に取り掛かるよ!」
と姫路と島田を懲らしめるための準備に取り掛かっていった・・・。
一方姫路たちは・・・
「明日、頼んでみるわ」
「はい、明日が楽しみですね!」
何も知らなかった・・・・・
「あ、吉井のお姉さんですか?-アキにこれを渡してもらいたいんですけど・・・」
「あら、アキ君に渡しておけばいいのですね?」
「よろしくお願いします」
受け取る、と思ったその時。
「待ちなさい!」
-え?
「その食べ物をこちらに渡すんだ!」
-なんで、
「それを、明久君に渡してはいけない!」
-いや、これをアキに食べさせないと・・・
「邪魔を、するなぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
to be next・・・・
なんというか・・gdgdですね・・・
次回も、おたのしみに!