もしも、アイドルじゃない彼女らに出会えていたら…… 作:Egocéntrico
<ピピピピ、ピピピピ、ピピピピピピピピ
P「午前7時。よし、起きるか」
文香「…あ、お目覚めですか?おはようございます」
P「(エプロン姿の鷺沢さん。ご馳走さまです)」
P「おはようございます。あの、もしかして」
文香「…せめてものお礼にと思い、朝ごはんを。勝手に冷蔵庫の中を使ってしまい、すいません。これしか思いつかなかったもので」
P「いえ、最高です。お気を使わせてしまいすいません。有り難く食べさせていただきます」
文香「はい。すぐ準備しますね」
~通学路~
P「(それから鷺沢さんは書店に鍵を取りに帰った。それにしても朝から幸せ全開だな。目玉焼きトーストも自分で作る五百倍ぐらい美味かったし。彼女ができたらあんな感じなのかな〜。…最高過ぎるだろ)」
??「あれ? もしかしてあの人は…」
P「(火曜日は一限から五限まであるからな)」
??「あの〜〜。すいませ…」
P「(コーヒーでも買ってから授業に出ようかな? よし、そうと決まれば)」タッタッタッ
??「え!? あ、あの〜〜…。走って行っちゃいました…。でも、この道を通るなら明日もここで待っていれば……」
~教室 授業中~
P「(一限は難しい内容に声の小さい講師という睡魔を呼ぶ最強の組み合わせではある。が、今日は寝れぬ。なぜなら、隣に女の子がいるからだ。走って教室に入ってくるやいなや空いてる俺の隣に座り真剣に授業を聞いている。クロスがカバンからはみ出ているからおそらくラクロス部なのだろう。朝練の後なのか、制汗剤のいい匂いがする。くう〜〜。なんて幸せなんだ。幸せってここまで続くか?)」
<ここまでいいですね、次にいきます
P「(おっと危ない危ない、邪念のせいで授業を聞き逃すなんてアホすぎる。集中集中)」
<カチャッ
P「(ん?隣の子のペンが落ちたぞ。しかも拾うそぶりがない…まさか)」
??「…zzz」
P「(寝ていらっしゃるー! しかも、ノートを取る態勢のまま器用に眠っている。…なにより、寝顔が神々しい。寝顔まで綺麗なんてあり得るか? うちの大学には顔の偏差値が高ければ入れる制度でもあるのか?)」
??「…んん、、…zzz」
P「(ピクッとしたが、起きない。これはぐっすりだな。早起きして、朝練したらまあこうなるか。授業も授業だし。そっとしておこう。起こす勇気もないし、寝顔も見ていたいし)」
<では、今日はここまで。
P「ふう。今日は終わるの、早めだな…。にしても」
??「…zzz」
P「(よっぽど眠かったんだろうな。でも、終わったのに起こさないのも可哀想だよな…。そして何より彼女が起きてくれないと出れない)」
P「す、すいませーん」トントン
??「……ん? え?!」
P「あの、授業終わっちゃいましたよ?」
??「え! あ! 本当だ先生もういない…」
P「ずいぶんお疲れだったんですね。朝練ですか?」
??「あ、はい! いつもなら朝練しても平気なんですが、昨日夜更かししてしまって…。って、すいません、お邪魔でしたよね? すぐに退きますから…」
P「ゆっくりで大丈夫ですよ!あと、これどうぞ」スッ
??「え? あの、これは…」
P「今日のノートです。字が汚くて見難いかもしれないんですか、よかったらどうぞ」
??「で、でも、そんな、悪いですし…」
P「写して来週返してくだされば俺も大丈夫なんで。一週だけノートが取れてないとかって気持ち悪くありません?」
??「そ、それはそうですけど…」
P「ね? だから、持って帰ってください。わからないところは来週にでも聞いてくださればお教えもできますから」
??「…ありがとうございます。初対面なのにここまで優しくしてくださるなんて」
P「困った時はお互いさま、ですから! あまり気にせず受け取ってください。」
美波「お言葉に甘えさせていただきます。私の名前は新田美波と言います。お名前聞いていいですか?」
P「(綺麗なのに可愛いって凄いなこの人)」
P「僕はPって言います。お忙しかったり、見つけられなかったらいつでもいいですから、ゆっくり写してください」
美波「いえ、このノートは必ず来週のこの授業で返しますから! よろしければ、来週もこの席に座っていただければ確実かと」
P「わかりました。来週もここに座って新田さんを待ってすね!」
美波「はい!では、また!さようなら」ペコッ
P「さよなら〜。…礼儀正しい美人。凄いな、あの人。来週も会えるのか」グッ
~大学内 庭園付近~
P「(俺の通う大学には海外からの留学生も多い。そして彼らはよく集まって英語で談笑している。あそこのベンチにも…。英語が話せれば俺もあのグループに混ざれるんだろうな)」
??「ん? ワァオ! ナイスタイミング!」
P「(金髪のオシャレな人が手を振ってる…。あんな知り合いいないぞ…てか、こっちきてる!)」
??「ボンジュール。ジュテーム。シルブプレー♪ えーと、タルト・オ・ポワール?」
P「(ボンジュール? フランス語かな? てか、タルト・オ・ポワールって洋梨のタルトだよな)」
P「ぼ、ぼんじゅーる。あの、俺フランス語はあんまり知らなくて…」
フレデリカ「大丈夫だよ! フレちゃんもよく知らないから〜」
P「え? 日本語上手ですね!」
フレデリカ「チッチッチ、フレちゃんは日本語が上手なのではなく、日本語が母語なのだ!」
P「え? あ、ハーフってことかな?」
フレデリカ「ピンポン! フレちゃんはおフランスとジャパンのハーフなんだ〜。凄いでしょ?」
P「あ、うん、す、凄い、かな?」
P「(金髪に青色の瞳、スレンダーでオシャレ。いいとこ取りし過ぎだろ。めっちゃ可愛いし、何よりパーソナルスペースが狭い! 近い近い!)」
フレデリカ「あのね、お兄さん助けてシルブプレー。あそこのベンチに座ってる留学生に声かけられたんだけど、何を言ってるか、さっぱりわからなくてさ〜。フレちゃん英語もできないだね〜。」
P「俺も話せる訳じゃないけど…聞いてみるだけなら…」
フレデリカ「ありがとお兄さん! コッチコッチ〜」
P「(ちょ! 腕組まれてる! 可愛いハーフの子に腕組まれてる! 何この幸せ! 死ぬの俺?!)」
P「(どうやら留学生はフレちゃんを英語で口説いていたみたいで、CUTEという単語が出る毎にフレちゃんがボンジュールと言う訳の分からない会話を続けていたら、留学生たちは笑顔のまま、シーユーと何処かに行ってしまった)」
フレデリカ「で、結局何言ってたのかな?」
P「僕にもさっぱり。でも、可愛いって何度も言ってたよ」
フレデリカ「だよねー! フレちゃんキュートだからねー! お兄さんもそう思う?」
P「うん! フレちゃんは可愛いと思うよ。服もオシャレだし、本当のフランス人みたいだ」
フレデリカ「えへへ〜ありがと〜〜。お兄さんお名前は?」
P「Pだよ。フレちゃんのフルネームは?」
フレデリカ「宮本フレデリカだよ! フレちゃんって呼んでね」
P「なら、このまま、フレちゃんで。僕は何とでも呼んでよ」
フレデリカ「…P。ポリタンク? ポリエチレン? ポワール? 梨?! ナッシー! ナッシーっでもいい?」
P「Pって呼んでくださいお願いします。」
P「(ナッシーってP一切関係ないじゃないか…)」
フレデリカ「ナッシーもいいと思うんだけどな〜。ねえねえ、Pさん! 今から暇?」
P「え? まあ、三限までは暇だよ」
フレデリカ「ワァオ!フレちゃんも暇なんだよね〜。一緒におしゃべりしながらお昼ご飯食べよ〜〜。」
P「フレちゃんと? もちろん!」
P「(よっしゃああ! ハーフの美人とお昼ご飯なんて! 断る理由が見当たらない!)」
フレデリカ「じゃあ、行こ〜〜レッツゴー」
~大学内 グラウンド近く~
P「(フレちゃんと話してたら会話の話題はころころ変わるし、飽きないな〜。周りからの目線が凄かったけど…。確かに、俺も金髪美人がどんな奴と話しているか興味出ちゃうだろうな。)」
??「おお〜い!そこの人、ボール投げてくれない?」
P「ん?あ、このボールかな?行くよー」ヒュン
??「バッチコーイ!」
P「(あ! 女の子か! 強く投げすぎたかも)」
P「危なっい」
??「ナイスボー!」パシッ
P「(女の子なのに上手い! しっかりキャッチしてる!)」
P「凄いな…。じゃあね!」
??「ちょっっっと、待ったあああ! お兄さん! ステイ、ステイ!」
P「え?」
P「(めっちゃ笑顔で近づいてくる! キャッツのユニホーム着てるし、野球部のマネージャーかな?)」
??「やっほー! お兄さんいい肩してるね! 軽く投げただけで、あのスピードってことは野球経験者だったりする?」
P「(遠くだとわからなかったけど可愛い! 345高校の野球部マネージャーかな?)」
P「んと、野球は少しかじったくらいで本格的にはないですよ?」
??「えー、うっそお! それであの球投げられるの? お兄さん才能あるって! 野球しようよ!」
P「いや、そんな急にほら、大学から部活に所属してもさ…」
??「部活? あ、私は野球部じゃないよ! ただの野球好きで、たまに運動場使わせてもらってキャッチボールしてるんだよ!」
P「あ、そうなんだ! あれ? でも、相手が居ないように見えるけど」
??「そーなんだよね〜。さっきまで一緒にキャッチボールしてた友達が急用で帰っちゃってさ〜。一人でボール投げて遊んでたんだよ! ねね、お兄さんこれから暇だったりしない?」
P「今日はもう授業も終わったし、バイトもないから暇だよ! 一緒にキャッチボールする?」
姫川友紀「おお! お兄さん、ノリいいね♪ やろうやろう! 私、姫川友紀って言うんだけど、お兄さんは?」
P「Pだよ! よろしくね!」
友紀「うん! じゃあ早速やっちゃお〜。手加減しなくていいからね!」
P「(キャッチボールなんて久しぶりだな。このグローブの感触も…)」
P「準備できたよ」
友紀「いっくよー。えい!」ヒュン
P「(女の子とは思えない良い球だ!)」
P「ナイスボール」パシッ
友紀「Pさん! 遠慮は要らないよ! さあ、バッチコーイ」
P「(とは言ってもさっきくらいの力で)」
P「せりゃ」ヒュン
友紀「ん〜やっぱり男の人が投げる球は違うね〜。こうずっしりくるって言うかさ」パシッ
友紀「そういえばPさんは何歳なの?」ヒュン
P「ん?」パシッ
P「二十歳だよ!」ヒュン
友紀「おお! そうなんだ!」パシッ
友紀「なら、私と同じじゃん!」ヒュン
P「え?」
P「(私と同じ? 姫川さん20歳なの!? 童顔すぎっ)」ドゴッ
友紀「ちょっ!? Pさん!? どうして取らないのさ! 今、思いっきりお腹に当たったよね? 大丈夫??」
P「う、うん、大丈夫だよ。それより、姫川さん、同い年なんだね、驚いちゃって?」
友紀「どうして? 私もう、ビールだって飲めるんだよ! 球場で観戦しながら飲むビールは最高なんだよ〜〜」
P「(童顔だから勝手に歳下だと思ってたとは言い難いな…。)」
P「あはは、ていうか、野球が本当に好きなんだね。僕が最後に球場行ったのいつだったかな?」
友紀「Pさん行ったことあるの!?」
P「親父が野球好きでさ、昔はよく連れて行ってもらったんだよ。球場でしか味わえないアツさってのが、あるらしくってさ」
友紀「そうなんだよね! 球場全体が一つになってさ、一つの球の行方を追っかけて一喜一憂して、贔屓のチームを全力で応援するんだ。もう、最高だよ!」
P「姫川さんの話聞いてたら、また行ってみたくなってきたな〜」
友紀「本当⁈今度一緒に行こうよPさん! 絶対楽しいからさ!」
P「姫川さんが良いなら是非ご一緒させて!」
友紀「なら、チケット取れたら連絡するからさ、LINE交換しようよ! ほらほら携帯出して」
P「うん、このIDで検索してくれたら出てくると思うから」
P「(女の子とLINE交換してる! しかも、これはデートの約束なのでは!?)」
友紀「OK! また、LINEするね。いや〜誰かと行くの久しぶりだから楽しみだ〜。燃えてきた! もちろんキャッチの試合だよね! いつがいいかな〜」
P「姫川さんの都合のいい日で良いからね」
友紀「うん! あと、その姫川さんって言うのやめない? 同い年なんだからさ、友紀って呼んでよ!」
P「いいの? なら、友紀って呼ぶよ! 僕もPって呼んでくれていいからさ」
友紀「そうこなくっちゃ! 今日ボール拾ってくれたのがPで良かった〜。これって運命かもね!」
P「俺も友紀に会えて良かった、よろしくね」
友紀「へへ、照れるね///。こちらこそよろしくね」