もしも、アイドルじゃない彼女らに出会えていたら…… 作:Egocéntrico
??「お、P君起きたの〜? グットモーニン〜」
P「…おはよう。…で、僕の布団で何してるのかな?」
??「何って、ハスハスしてるんだよ〜。昨日はじっくり味わえなかったけど、君の匂いって、最高だよ〜トリップしそ〜〜」
P「できればしないでほしいかな。そして、抱きつかないで! 色々当たってるから!」
P「(この子妙な色気があるから本当に危ない)」
??「にゃはは〜。気にしない気にしない〜」
P「気になるんだよ! 離れてくれ〜」
P「(なぜこんなことに……! くそッ! あの時に断っておけば、よかったものを…! 自分の押しに弱いところが疎ましい…)」
〜昨晩、茜ちゃんを送ってから家までの道〜
P「(あ、そういえば幸子ちゃんにストラップのこと言ってないや……。まあ、とりあえず今日はこんな時間だし、明日の朝一にでも電話してみようかな?)」
P「(…ん? 制服の上に白衣? え? なんか、手ふりながら近づいてくるぞ!)」
P「(あれ? つい最近もこんな事があったような…)」
??「こんばんは〜、おにーさん。ちょっといいかにゃ?」ヒラヒラ
P「こ、こんばんは。どうかしたの?」
??「この時間にこの辺をうろついてるってことは、おにーさん346大学に通ってる学生さんだよね?」
P「うん、そうだよ」
??「だよね、だよね〜。なら、この辺に住んでるPさんって人知らない? 今、探してるんだよね」
P「え? P?」
??「お、その反応は知ってるみたいだね!」
P「いや、知ってるもなにも、僕だよ。僕がP」
??「わぁお!? こんなことってあるんだね〜」
P「奇跡みたいな確率だと思うけど…えっと、で、どうして僕を探してたの?」
??「それはね〜〜。あり? なんでだっけ? にゃはは」
P「いや、僕に聞かれてもな…。なら、君の名前は?」
志希「ん? 私? 私はね、一ノ瀬志希って言うんだ〜。よろしくね、Pさん」
P「…一ノ瀬。…志希」
P「(まさか、まさかまさかまさか)」
志希「この志希ちゃんなんと、昨日アメリカの大学から日本に帰って来たんだよね〜」
P「(…ビンゴだ)」
P「一ノ瀬先生の娘さんだよね?」
志希「おや? どーしてそれを?」
P「一ノ瀬先生から何度か君の話を聞いてたからね…」
志希「にゃるほどね。お、そ〜だ! 思い出したよ〜」
P「ん? ああ、先生から僕への伝言とかかな?」
志希「んん〜。遠からず近からずって感じだね〜。お父さん今日は研究室に籠るらしくって、私も手伝うつもりだったんだけど、帰国したてだし、休みなさいってことで研究室から追い出されたんだよね〜」
P「(先生も娘には優しいんだな…)」
P「それがどうして僕を探すことに?」
志希「志希ちゃん、まだお家持ってない。お父さんはお家に帰らない。研究室から締め出された。」
P「つまり、帰るところがないと」
志希「そう! そして、志希ちゃんは優秀な脳みそをフル回転させて考えたの」
P「(ギフテッド。あの一ノ瀬先生も言うくらいなのだから、ほんとうに優秀なのだろう)」
P「そして?」
志希「お父さんが、この大学にはおもしろい奴が居るって言ってたことを思い出したのだ〜。その名も、Pさん!」ピシッ
P「…なるほど。だいたい分かったよ。その人を探して、泊めてもらおうって考えたんだよね」
志希「ピンポン! ピンポン! せいかい〜。Pさんには10ポイント追加〜」
P「いつから、ポイント制が…」
志希「でも、賭けだったんだよね〜。下宿じゃないなら遠くまで探しに行かないとだし」
P「確かに。どうやってここまで来たの? まさか、勘とか?」
志希「う〜〜んとね、巨乳のおねーさんが教えてくれたの〜。名前は…なんだっけ? 忘れちゃった♪」
P「(おそらく愛理ちゃんだな…)」
P「まあ、会えてよかったよ」
志希「本当にね〜奇跡だよね〜〜。じゃあ、立ち話もなんだし、お家へ行こ〜〜」
P「後半は僕が言うセリフでしょ!」
志希「おお! ってことはお家に連れて行って、泊めてくれるんだね〜〜」
P「え? いや、そんなことは言ってないよ!」
志希「ええ〜。でも、こんな美少女が夜な夜な一人でフラフラしてるのを放っておくの? Pさんって意外と鬼畜なんだね〜〜」
P「うぐっ…! あーもう、わかった! 今晩だけだからね!」
志希「にゃはは♪ じゃあ、レッツゴ〜〜」
P「勝手に手を引っ張らない! しかも、逆方向だよ…」
〜回想終了〜
P「せっかく志希ちゃんにベッド貸してあげて、僕が客人用の布団で寝てたのに…」
志希「なんだかさ〜、夜中に目が覚めちゃって。そしたらさ、どこからかいい匂いがしたんだよ! それがPさんからだって気づいた時にはもう潜り込んでたんだよね〜〜」
P「匂いって…とりあえず! 服着替えて、朝ごはん食べてから大学行くよ!」
志希「ええ〜〜、もうちょっと嗅いでいたいかにゃ?」
P「わがまま言わないでよ…」
P「(バタバタのまま朝ごはんを食べて、二人で大学へ向かった。一ノ瀬先生に文句を言いたかったが、時間もないので、正門を抜けたところで別れた)」
〜お昼 大学内〜
P「(志希ちゃんのせいで、朝から身体が重いな…可愛いのに、距離がいちいち近いからドキドキしてるの隠すの疲れるんだよ〜〜)」
<♪♫♩♫♪♩♪♩♫
P「ん? どこからか歌声が聞こえる…行ってみよう」
P「あ、あのベンチで座りながらギター弾いてる子が歌っていたのか…それにしても何でこんな場所で」
P「(そこは大学の敷地内で一番人気のない場所として有名な駐車場のベンチだった。大学への通学に車を使って行けないのに、敷地内には広大な駐車場があり、おそらく教員のものであろう車がぽつぽつと数台あるだけでまったく必要性の感じられない場所である。)」
??「いつもどっかで感じてたNoise Volume 上げて 搔き消して」
P「(アコースティックギターを鳴らしながら、透き通った声で歌う彼女はどこか寂しそうで)」
??「どってことないフリでかき鳴らすHeart Beat 〜♪」
P「(何かに訴えているようだった。でも、その姿はカッコよく、凛々しささえ感じる)」
??「 本当のアタシをごまかしたくないよ ハウリング止まらない 見せてあげるよ 熱くなれ」
P「(だから、自然と近づいてしまっていたし、声も出てしまった)」
P「…綺麗だ」
??「…ん? もしかして、聞かれてた?」
P「あ、その、歌声が聞こえて、それで」
??「…さてはアタシのファンだな?」
P「ええっ? いや、その、上手だなって思って聞き入ってた…」
??「おいおい、ちゃんとツッコンでくれよ! アタシ、自意識過剰みたいじゃないか」
P「ファンではなかったけど、今ファンになったからさ。あながち間違いではない、かな?」
??「…アンタ面白いな。アタシは木村夏樹、よろしくな」スッ
P「ファンのPです、なんちゃって」グッ
P「(手を出されたから思わず握手しちゃったけど、勘違いとかではないよな…てか、指綺麗だな)」
夏樹「…どうした? アタシの指なんてじっの見て」
P「あ、ご、ごめん。ギター弾いてたのに指が綺麗だと思って」パッ
夏樹「フフッ、それは口説いてるのか?」
P「いやいや、そうじゃないよ! えっと、木村さんは何してたの?」
夏樹「何って、Pさんも見てただろ? 歌ってたのさ、こいつで」
P「そう、そうだよ! 歌!思わず聞き入っちゃったよ!」
夏樹「…そうかい? ありがと」
P「あの歌は木村さんが作ったの?」
夏樹「…ああ。アタシの歌だよ」
P「やっぱり!」
夏樹「やっぱり?」
P「僕は音楽については素人で技術的なことは何もわからないけど、さっきの木村さんの歌からは何かが伝わってきたんだ」
夏樹「…何か。か」
P「なんて言うのかな、どうしようもない思いをどこかにぶつけているような、そんな寂しさと、自分が自分であることを叫び続ける覚悟しているような強さを感じたんだ」
夏樹「…フフ。そうか、伝わる人には伝わるんだな」
P「だから、もう一度止めちゃったところから聞かせてもらえないかな?」
夏樹「…OK。Pさん、今日はアンタの為だけのスペシャルライブだ」
P「ありがとう! ファンとしては嬉しい限りだ!」
夏樹「途中からなんかじゃダメだ。アンタには最初から最後まで聞いてもらう。いいかい?」
P「もちろん!」
P「(木村さんは先程までの寂しさなんて感じさせないほどの歌うことへの喜びに満ちた声で歌う。この人は本当に歌が好きなんだなと思った。)」
P「凄い! ブラボー!」パチパチパチ
夏樹「ヘヘッ。ありがと。アンタのお陰で吹っ切れたよ! やっぱり、歌うのは楽しい」
P「何があったのかわからないけど、僕が木村さんの力になれたならよかったよ」
夏樹「それ、木村さんってのやめてくれ。夏樹でいい」
P「なら、夏樹で。歌、聞かせてくれてありがとう!」
夏樹「ああ、アタシもPさんに聞いてもらってよかったよ」
P「僕も呼び捨てでいいよ、夏樹のファンなんだから」
夏樹「…アンタ最高だよ。了解だ、P。また、こうやってここに歌いに来るからさ、ギターの音が聞こえたなら来てくれよ」
P「もちろん!」
P「(夏樹はそれからアコースティックギターを背負い、帰っていった。そう言えば、夏樹のパーソナルデータは何にも聞いてないな…。まあ、今度会えた時に聞けばいいか)」
〜帰路〜
P「そう言えば、今週はまだ行ってなかったな…」
P「よし、今から行くか」
〜行きつけのお店〜
P「どうも〜」ガラガラ
??「いらっしゃいませ! あ、Pさん!」
P「こんばんは。今日は響子ちゃんもいるんだね」
響子「はい♪ 今日は金曜日で明日は学校がお休みですから」
P「そっか! 響子ちゃんは偉いね!」
響子「そ、そんな……///」
響子「ずくにおしぼりとお水、持って行きますから! どこでもご自由にお座りください♪」
P「(ここは大学近くにある最近オープンした定食屋さんで、何度もお世話になっている僕のお気に入りのお店だ。自炊では再現できない、おふくろの味というのがここにはある。響子ちゃんのお父さんとお母さんで切り盛りするこのお店はうちの大学生の憩いの場となりつつある。)」
P「ご馳走様でした」
響子「はい♪ ありがとうございます! どうでしたか?」
P「とっても美味しかったよ。本当にここのご飯はどれを食べても美味しいから最高だよ」
響子「ふふっ。いつも、ご贔屓にしていただいて、ありがとうございます♪」
P「(響子ちゃんは忙しい時や学校の課題の早く終わった日に手伝っている、いわば看板娘だ。愛想が良く、面倒見がいい上に可愛い。今じゃ、響子ちゃんに会いにこの店に来る輩もいる程らしい。…まあ、わからなくはない)」
P「そういえば、今日の小鉢はいつもと違ったような気がするんだけど…」
響子「そうなんですよ! やっぱりPさんにはわかっちゃいましたか?」
P「うん。具体的にって言われたらわからないんだけどね。いつもの味付けとは違って新鮮だったよ!」
響子「あの、実はその小鉢の味付け、私がしたんですよ…」
P「え? そうなの?」
響子「はい、お母さんに頼まれちゃって。できるだけ、いつもの味に近づけようとしたんですけど…」
P「そうなんだ! 響子ちゃん料理も上手なんだね。僕は今日の味付けの方が好きかも!」
響子「えええ!? ほ、ほんとですか?」
P「うん! 毎日食べたいくらいだよ」
響子「うえええええ! そ、それって……///」
P「ん? 毎日ここに食べに来たいってことだよ?」
響子「あ、あ、あ、私はなんて恥ずかしい想像を……///」
P「(顔が真っ赤な響子ちゃんも可愛いな。もう少しからかってみよう)」
P「想像? 響子ちゃん、どんな想像してたの?」ニヤニヤ
響子「ふえ? そ、それはその、あの」
<キョウコー、コレサンバンサンニモッテイッテー
響子「あ! い、行ってきますね〜」
P「さて、僕ももうお暇しようかな…」
P「(お会計してもらう時も真っ赤なままの響子ちゃんは少し目を細めて睨んでいるようだったけど、むしろ可愛いだけだった)」
P「ご馳走様でした〜」ガラガラ
響子「Pさん! ちょっと待ってください!」
P「ん? どうしたの響子ちゃん?」
響子「あの、Pさんが良ければなんですけど…一緒に帰りませんか?」
P「あれ? お店の手伝いはもういいの?」
響子「はい! そろそろ帰らないと弟たちがお腹を空かせてますし♪」
P「じゃあ、送っていくよ。お店の前で待ってるね」
響子「すぐ用意してきます!」
〜帰路〜
響子「すいません…荷物まで持っていただいて」
P「大丈夫だよ。響子ちゃんはお仕事終わりなんだし、帰ってからもご飯作らないといけないんでしょ?」
響子「そうですね、弟たちはまだお家で待ってますから」
P「(エプロン姿の響子も良いけど、私服も可愛いな…! いかにも女の子! って感じで)」
P「凄いな、響子ちゃんは。お店の手伝いまでして、家事もか…僕も見習わないと!」
響子「ふふっ♪ ありがとうございます! Pさんは自炊されるんですか?」
P「うん。良くしてるけど、今日みたいにお店に行くときはサボっちゃうんだ」
響子「でも、男の人で自炊できるなんて、Pさんも凄いですよ! どんなお料理作るんですか?」
P「えっとね、この前は…」
響子「お家の前まで来てくださって、ありがとうございました♪ 荷物もとっても助かりました!」
P「どういたしまして。さっき言ってたこと本気だから、考えておいてね?」
響子「ダメって言うと思うんですけど…。でも、Pさんのお願いですから! 言ってみるだけ言ってみます」
P「やったね! じゃあ、またね響子ちゃん」
響子「はい! 今日は本当にありがとうございました!」
P「ばいばーい」
響子「さようなら〜〜」