「来週には退院できるそうだ」
おれは友利にそのように病室で告げた。
「そうでしたか、良かったです」
「あぁ、待たせてすまない」
謝るおれ。
「いえいえ、よくここまで早く復活できるもんだなーと、感心しました。もしかして能力使いました?!」
「いやいや何にも覚えてないから!それに、どう能力を使っていいのかわかんないし」
「わかったら使う気でいたなー、この野郎!」
ボコボコと乙坂を殴る友利。
「痛い!病人にすることじゃないよ!」
「確かにそーですね」
拳を収める友利。
「でも、能力は絶対使わないでくださいね、あなたから納涼を見奪える能力者はいないんですから。そもそもあとすこし時間が経てばあなたの能力は消えるでしょうけど」
「うん、でもどんな能力が僕のなかにあるかはわからないから気をつけないと」
そういう乙坂。
「でも早く、復活できるんなら能力使っちゃってたかも、早くみんなやそれに友利ともっと長くいたいし」
そういう乙坂に友利が頬を染めた様子で、
「それならまぁーすこしはってダメですヨォォそんなこと!」
また殴る友利。
「でも使い方わかんないし、それに友利が嫌なことはしないよ、絶対」
怒った友利が機嫌を直して
「それじゃあ時間なのでまた明日きます」
「うんみんなによろしく」
すると友利は、
「あっ、しっかり勉強してくださいね」
「はは、善処します」
そうして帰って行く友利。
さっきの勉強のことだが、乙坂は星の海高校に復学することになった。乙坂兄の後ろ盾と生徒会の力があれば何ら可能なことだ。乙坂はちょうど旅に出てから2年で帰ってきたので2年遅れで復学できるのだ。もちろん一年からだが‥。そうこうあって友利がすこしでも楽にしてあげようと勉強を教えているのだが、これがさっぱりダメだ。もともと中学から勉強をしてないのに、今回の旅で脳までダメージくらっているので小学生レベルの頭だ。それをすこしでも楽にしてあげようと、せめて中学生ぐらいの学力にしてあげようと友利が頑張って勉強を教えているのだが特に数学がダメだ‥。高校では特別日程を組んでくれるもののでもすこしは、いやけっこう頑張らねばやばいな、という感じである。頑張らねばと心に決めている乙坂だがどうなることか。
退院当日(休日)
「有お兄ちゃんおめでとーなのですー!」
休日ということもあって歩みが友利と来てくれた。
「おう、!ありがとうな」
「有くんどのくらい片付け済みましたか?」
そういう友利に
「あとすこしだ。」
と答える。乙坂。
「では手伝いましょう」
「歩も手伝うのですー」
そして3人で片付け、病院を後にした。
バスで帰ってる途中に、乙坂が
「そういえば高城とか黒羽はどうした?」
そういう乙坂に友利が
「あっ、退院の日くらい来てもいいのにとかおもってます?」
「いやいやそんなことは思ってないけど、あまり顔見せないから。ほらまだおれ、携帯持ってないし」
そういう乙坂に友利が
「またまたー、そんなことは言ってほんとは悲しいくせに!」
すると歩が
「有お兄ちゃんはそんなんじゃないもん、ただ少しさみしくなってるだけだもんね!」
《全然フォローになってねぇ‥》
そう思う友利と乙坂。
乙坂の隣でクスクス友利が笑ってる。
〈この女!蹴飛ばしてやりてぇ〉
そう思う乙坂であった。
なんとか次の連載が書けました。