登場人物2人!
しかも短い!
それでも良ければ目を通して下さい
7つの戦いを勝ち抜き、熾天の王座にて待つ者に勝利し自分は今聖杯「ムーンセル・オートマトン」に接続する。
そこで何を識ろうとも、自分が消える事になるとしてもそれが126人の願いの上に立った者の義務なのだと岸波白野は決意する。
聖杯に触れ「願い」を入力する。
「もう!先輩は無欲過ぎますよー、せっかく凄い
自分しかいないはずの空間に突如として響く声に困惑する。
「えーと、誰?」
「酷い、酷過ぎます!いくら記憶喪失キャラでもワタシを忘れるなんて許されません!あんなにも先輩に尽くして色々してあげたのに」
尽くした、色々した……間違ってはいない気がするが一部が決定的に違うような気がする、という事ではなくこの声は、
「桜なのか」
「違う、違いますよ先輩。大きく括れば正解ですけどそんなのは認めません。せっかくおもちゃがあるんですから頑張って思い出して下さーい。」
先程も気になったがとうとう聖杯をおもちゃと言いきったよこの子。
「そんな事はどうでもいいんです」
どうでも良くないです、あとモノローグに突っ込まないで下さい。
そんなやり取りをしている間に聖杯を操作すると記憶が流れ込んできた、いや思い出したと言うべきか。思い出してみれば仕方ないとはいえ忘れていたのが申し訳ないと思う。
「そんな顔しないで下さい先輩。」
BB……心配してくれ……「いじり甲斐がないですよー」うん。いつものBBです。
「では思い出したところで改めて、お久しぶりです先輩!」
BBが以前と変わらぬ姿を現してそう言う。なら自分も、
「久しぶりBB」
閑話休題。
「さて先輩、早速本題に入りましょう」
姿を現し。今までの流れ全無視で話し始めるBB。
「うん。本題からそれたのは主にBBの「本題に入りましょう先輩」
「あ、はい」
やっと本題だ。BBがわざわざ出てきて何のようなのだろう。
自分に会いに来てくれただけではないだろう。
「ちゃんと会いに来たのも理由の一つですよー。諦めが悪いくせにこういう時はあっさり受け入れる先輩の間抜けな顔を見に来ました。」
だからモノローグに答えないで欲しい。そんなに顔に出るのだろうか?そしてまた本題から外れてます。
「では早速今回の要件を発表します先輩。聖杯戦争をしましょう」
「………⁉︎」
突然の彼女の言葉に目を見張った。目の前の彼女は今何と言った。聖杯戦争をする?自分達が必死になって終わらした戦いをまたやろうと言うのか?
「そんなに怒らないで下さい先輩。何も一から始める訳ではありませんよ。こちらの聖杯を使って別の世界に干渉して参加者を送りこむんです。」
そんな事が可能なのか?そもそも何故そんな事を?
BBの真意が分からず首を捻っていると、
「そんな事ができるんです!方法は
もう突っ込まないぞ。それに今チートの部分がおかしくなかっただろうか?
「なーにもおかしくありません。それで送り込むのはほぼ決定事項なんですけどメンバー決めと最終確認を先輩にお任せします」
既に事後承諾一歩手前まで来ていたとは……。それにしてメンバー決めを任せると言われても自分の知り合いは聖杯戦争中の人しかいないのだが。
「もちろん、その中からですよ。ボッチな先輩にそんな人脈は期待してません。ムーンセルの聖杯としての力を駆使すればどんな
またでたよ。それと微妙に貶された?
それより選ぶにしてもいったい何人選ぶのかそもそも自分が選んだ人同士が戦わされるなら意地でも選ぶ気はない。
「大丈夫ですよ。今回送り込む人数はクラスの違うサーヴァントを持つ7人です。それを一つの陣営として7騎対7騎によって行われている聖杯大戦にぶち込んじゃいます!なので基本は皆さん仲間同士、昨日の敵は何とやらってやつですね。」
なるほど、確かにそれならよっぽどの事がない限り大丈夫、大丈夫なのか?
「本当に突っ込まないし、モノローグ会話に順応してきましたね。」
BBが何か言っているがひとまず置いておこう。とりあえず送り込むのは確定事項なようだしとなるとメンバーをどうするかな…
別クラスのサーヴァントを持つ7人か…良く考えるまでも無くほぼ決まってる人が何人かいる気がするが其処は自分に選ばせるのが悪いと言う事で。
セイバーは決まってるな。そもそも彼しかいない。少年王とその騎士は此度も最強の一角になるだろう。
アーチャーも決まってる。あのコンビには上手くやって欲しい。
ランサーも決まってる。敵である自分を気にかけてくれた素直じゃない彼女だ。
ライダーは彼だ。自分の友達であり最初の敵、いざという時は頼りになるはず。
アサシンは聖杯戦争中に出来た自分の友人に任せよう。敵ならば恐ろしいが味方なら心強い。
キャスターは悩みどころだが彼女にしよう。危険かも知れないが彼女にはやり直して欲しい。
バーサーカーは彼女だ。少しづつ人間性を理解していったホムンクルスの少女。
予想通りほとんど決まっていたが選び終えた。さてBBに伝えよう。
「よし決めた!」
「⁉︎突然声を出さないで下さい!それに先輩のくせしてBBちゃんに放置プレイなんて生意気ですよ!」
放置プレイとか人聞きの悪い事を言わないで欲しい。自分の性癖が疑われる。確かに放置していたがそれは真面目に考えていたからだ。
「それはいいですから、決まったなら教えて下さい。そのメンバーでいきますから。」
わかった。メンバーは……
「それでは始めますよ先輩。」
自分はうなずく事で同意する。
「最終確認ですが本当にメンバーはあれでいいんですか?いや、だいたいは予想通りですけど約一名大丈夫ですかアレ。」
大丈夫!……多分。
「多分って言っちゃってますよ。表、裏両方の記憶を与えるので大丈夫でしょうけど。」
巻き込んでしまう別の世界のマスター達には気の毒だが彼らには頑張って欲しい。それに彼らなら良い結末を見つけられる気がする。
希望的観測だが自分は信じている。
そろそろ自分は消える時間だ、随分と長く留まれたがそれも終わりだ。
こうして岸波白野の物語は終わりをむかえる。
「なーに勝手に終わろうとしてるんですか先輩?」
………え?
「先輩は今からBBちゃんと月の裏側旅行ですよー」
…………………え?
「名付けて『ドキドキ!BBちゃんと行く月の裏側無限旅行』ですよ先輩!大丈夫ですプランは全てこの最強無敵の小悪魔系後輩BBちゃんにお任せあれですよ」
何だその果てしなく嫌な予感しかしない旅行は。
そもそも自分はムーンセルに消去されるはずだが?
「そんなの無視です無視!新ルート・要らないならBBちゃんが貰って行くぜルートです!」
そんなルートありません。
……まあ、いいか。少しでも生きれる可能性があるならそれにすがり付こう。それが自分の生き方だ。命ある限りずっと。
「さあ、とばしますよ先輩!」
BBにしがみつくと同時に電子の海に飛び立つ。
自分の旅が再び始まる。
しかし、自分の物語が語られるのはここまでだ。今回の主人公は彼らなのだから。
世界を超えて7人のマスターが月より降り立つ。
それがどんな結末に繋がるのかは誰にも分かららない。
しかし、彼らは一人ではない仲間がいて、何より共に月を歩いたサーヴァントがいる。
サーヴァントそれは伝説に語られし英雄達。
それを信じられたならどんな困難も撃ち砕けるだろう。
未熟な自分とそのサーヴァントのように。
To be continued?
全く始まってなくてすいません。多分続くはず。
次回月の陣営の登場です、いったい誰なんだろうか?(笑)
低評価はやめたげてね。