「ふぁ〜〜」
高坂朝也は欠伸をしていた。今日は雫と一緒に入学前に必要なものなどを買いに行く約束をしており、12時に駅前広場に集合という約束をしていた。一緒の家に居候という形で住むことになったのに、何故わざわざ待ち合わせる必要があるのか腑に落ちないでいると、雫がやって来た。
「ごめんなさい。待った?」
思わず二度見してしまった。白いワンピースというシンプルな服装はお嬢様な雫にピッタリ合っていて、可愛らしさの中にどこか大人びた美しさを感じた。
「いやいやいやいやいや、全然待ってないし、むしろ待った甲斐があったというか…」
「ありがと」
雫は照れながら少し視線を下にした。
「じゃ、北山さん、今日はよろしく」
と言って歩き出す朝也をよそに雫はその場でジーっとしている。
「北山さん?」
と雫がご機嫌斜めにムスッとジト目になる。数秒朝也は止まって、暫くして手を雫の方へ伸ばした。
「…行こ、雫!」
「うん!」
雫は徐々に駆け出し、嬉しそうに朝也の手を取った。
まず始めに朝也の服を買いに行った。朝也は例のフード付きマントしか持っていなかったため、雫が似合いそうなものを見繕ってくれた。その次に、昼食をとって教科書類を買いに行き、その後
楽しい時間はあっという間に過ぎ、空が赤くなってき始めてくる。
「今日のデート、すごく楽しかった」
「今日はデートなの?」
雫のデートという語彙を予想だにしていなかった朝也は思わず聞き返した。
「うん、だって待ち合わせしたから」
やっと雫の意図を理解した朝也はほっこりと笑って穏やかに言った。
「また、デートしよう」
楽しい日が終わり少し寂しそうな表情をしていた雫は少し驚き、うん、と言ってうれしそうに手を後ろにした。
その夜、雫はベッドに腰掛けてほのかと電話していた。
「あの後そんなことが起こってたなんて…。でも何もなくて本当に良かったよぉ」
涙目のほのかの顔が雫の頭に浮かんでくる。
「ほのかは心配性」
「でも、その朝也さんって人、助けて欲しい時に駆けつけてくれるなんて、まるで王子様みたいだね。きっと背が高くて、爽やかな、カッコいい人なんだろうなぁ〜…」
雫は頭がお花畑のほのかをフッと笑い、思い出すように目を閉じて語る。
「残念ながらほのかの想像してるような人じゃないよ。背が高くも、爽やかなイケメンでもない。…けど、あの人は私の王子様なんだ…」
そんなガールズトークが繰り広げられていることなど全く知らず、朝也は貸してもらった部屋のベッドの上で、久々の日本文化(アニメやマンガ)に没頭していた。
今回はデート編ということで短めでした!
次回は遂に入学編です!
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