問題児と一緒に変態赤龍帝も来るそうでよ?   作:暁紅

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思ったより長くなってしまったぜ!!




強く生きろよ一誠!!

 

アンダーウッドでの魔王ゲームから半月。半壊していた街は高速で修復されていき、延期になっていた収穫際が開けるまでになっている。

 

その中とある三人は賑わう大通りを抜け、人気の少ない大楼閣へと足を進めていた。

 

「すまんかったな、呼び寄せて」

「別にいいけど、ロリっ子の時に比べボンキュッボンになったな。初めて見た時は別人に見間違えたよ」

「そうかそうか。ほれ触るかこの豊満な胸を」

 

白夜叉は飛鳥以上に大きくなった胸を突き出す。その際に長く煌めく銀髪が揺れ、おもちゃを弄るように浮かべた笑みは大人びた雰囲気と相まって、妖艶な美女と言った様子だ。

 

突然黒うさぎと一緒に拉致された一誠は、最初変貌した白夜叉の姿を見たときにすぐに気付かず、当初は別人だと思っていた。

 

ネタばらしをされた時はすぐには信じられず、何度も頬をつねり現実かどうか確認していた。

 

そんな姿にも中身は一緒なのだと思うと次第になれ、

 

「じゃぁほい」

「うぎゃァァッ!」

「ひでぶぅぅぅぅぅ!!」

 

ラッキースケベではなく、自分の感情に従い果実を一揉みする。

 

感触としては飛鳥や春日部に比べると格段に柔らかく、着物の上からでも手に吸い付き素晴らしい物と賞賛の拍手を贈りたい代物になっている。

 

とは言ってもあの場面です触るとは二人とも思っておらず、予想の斜め上の行動をしてきた一誠に非情な一撃を叩き込んだ。

 

「ば、馬鹿かお主はァァ!!なぜ触る!!」

「だって白夜叉が触れって」

「それは演技に決まっておろう!!本気にする馬鹿がどこにいるのじゃ!」

「ここにいるけど」

「よぉし、そこにおれ確実に殺してやろう!!胸を触ったのじゃそれぐらい覚悟は出来ておろうな」

「そうだな俺が悪い」

 

反省した様子で申し訳なさそうに言う。

 

「ならば」

「だが断る」

 

完全に切れた白夜叉は拳を心臓めがけて放ち、避ける余裕すらなくはるか後方へ吹き飛ぶ。

 

一人門前まで吹き飛ばされた一誠を射殺すような瞳で見つめている白夜叉が、その風貌に合わない全力で駆ける。

 

逃げ道は門の中しかなく、険しい表情の残念美女に背を向け門の中へ飛び込む。

 

外の人気もないのもそうだが、中も中で人の声一つすら無かった。

生き物の気配は殆どなく広大な空間にあるのは静寂のみ。

 

と、周りを見ながら進んでいると、日照りがかなり強くなっている事に気づき額から汗が流れる。

 

「暑っつ!溶けたアイスになりそうだな...ん?」

 

突然強くなった日照りの原因である太陽を睨んでいた時だ、上空から飛来する火炎が目に飛び込む。

 

「ふぅんなんか呆気ないなっと、フラガラッハ!」

 

上空より飛来する煌やかな火炎を、ギフトカードから取り出したレイピアのように細い剣を投げつけ散らす。

 

『熱っつ!馬鹿じゃねぇの!!』

「ほらー俺弱いじゃん。だからお願い」

『てめぇが弱かったら箱庭の殆どが弱いっつの!!』

 

口も何も無い剣から聞こえるのはトゲトゲしい男の声だ。声から察するに三十代ほどの歳だろう。

 

そう影に隠れて火球を放った少女は考える。

 

上空を軽く旋回し一誠の手元に戻り面倒くさそうに刀身を輝かせながら、あたりを索敵する。それを見ている隠れている少女は

 

「何ッ」

 

驚愕を顕にしていた。刀身に一切の傷のない剣に対して。

 

襲撃した彼女の正体は最高位の神鳥『大鵬金翅鳥』である。

 

対神・対龍の最上位の恩恵を誇る彼女の炎はくしくも一誠に対しては効果絶大であり、聖剣で相殺されても大なり小なり傷をつけるはずだった。

 

が、実際は一誠の聖剣フラガラッハは傷など一つもついておらず、敵の首をはねようと殺気を飛ばしてきている。

 

「見つけた」

「早い!」

 

ほんの数秒だけ思考に意識を持ってかれ目を離したため、物音一つ立てず移動する歩法【縮地】に気付かず容易に背後を取られる。

 

彼女は咄嗟に振り向き炎を放とうとするが、すでに剣の間合い。振り下ろされる剣の方が早く、キメやかな白い肌に鮮血を彩ろうとする間際、何故か自分の足に引っかかり剣を吹き飛ばして倒れる。少女を下敷きにして。

 

「いててとんだ災難...あっ」

「あああぁ゛ぁ゛ぁあ゛!!」

 

儚く美しいその美貌を歪ませ少女は変態に絶叫をあげる。

 

見目美しい服はその性質上ある程度肌ははだけ、見えることからブラではなくサラシを巻いていたのだが、一誠はその下に手を入れている。

 

服は剣に引っかかり地面に落ち、崩れたサラシの隙間から挿入された男の二本の腕、またの下には右膝が差し込まれ完全に抑え込まれている。

 

「おち」

「シネェェェェェ!!」

 

奇声を上げながら天めがけ放たれる火炎に包まれ、一時の空中浮遊を味わう事になる。

 

 

 

「ヤムチャしおって」

「全くとんだ無茶をしたものですよ一誠さん」

 

先程の怒りはどこかへ消え今は地面に横たわる男に白夜叉は言葉をかける。

 

全身炎に包まれ全身黒いススに包まれ、口からは黒い煙が立ち込める。空中に飛び上がり地面に落下した時には誰にも助けてもらえず、地面に大きなクレーターを作って横たわっている。

 

黒うさぎは真っ白どころか真っ黒に燃え尽きた一誠を介抱し、座ったままの状態でどうにか上半身だけは起こした。

 

「変態殺す。確実に殺す」

「落ち着け迦陵ちゃん、ワシの分も残しておけよ」

「その呼び方はやめて」

 

一誠に対して手厚い歓迎をした彼女は、その呼び方が相当気に入らないのか眉間に皺がよる。それを見てもやめることなく白夜叉は小悪魔じみた笑みを浮かべている。

 

「うっ、身体めちゃくちゃ痛てぇ」

「自分がした事を理解してください一誠さん!」

「貴様だけは必ずこの手で殺してやる」

「ごめん。わざとじゃないんだ...えっと迦陵ちゃん?」

「その名で呼ぶなぁァァ!!」

 

本日二度目の直火焼きである。

 

 

 

軽いお仕置きがすみ、炭になりかけの一誠の頬を黒うさぎが叩き安否を確認する。

 

痛みにかすかに反応しピクピク時々動く。なので生きていると安堵のため息を吐いてる中、白夜叉は落ち着き気品を取り戻した少女の元へ向かう。

 

「さて、早速だが」

「残念だけど長兄ならいないわよ」

「何だと?」

 

先程までの余裕はどこへやら、予想だにしない返答に情けない声を出す。

 

それも仕方がないと迦陵は苦笑いを浮かべる。

 

「半月前に鬼姫連盟に救援へ行ったきり、一向に帰ってきていないわ。どうせ、何処の土地で遊興に励んでいる事でしょうね」

「この忙しい時にあやつは...」

 

半月前の魔王連盟襲撃の際に、鬼姫連盟に赴いたのは知っており、すぐに出ていったのも知っていた。そのため、てっきり本拠地に戻ってきていると思っていたが、実際には戻ってきておらず何処かの土地で遊んでるときた。

 

白夜叉は目的の人物がいないと知り頭を抱える。

 

「第一候補の牛魔王が無理となるとな...ふむいっそあの小僧達に...いやまだ早いしのぅ」

「言伝ならあずかるわよ?」

「いや、こればかりは本人に直接言わねばならんからな」

 

首を横に振り否定する。

 

「だがまぁお主には話しておいていいかのう。実は私は東の階層支配者を退くとこになってな」

「なぁぁ!?」

 

よく考えれば当たり前の事であり、今の白夜叉は神格を仏門へ返上してようやく下層への手出しが可能になった。

 

今の彼女はそのため安全であると証明できる後ろ盾がいないのである。そのため、必然的に階層支配者としては成り立たず、急ぎ代理を探す必要があった。

 

それも、白夜叉自身に引けを取らぬほど強力であり魔王とのギフトゲームの経験が豊富な強者が。

 

すぐに思い浮かんだのが牛魔王であったのだが、結局本人はおらず一気に振り出しへと戻ってしまった。

 

「そう...なら隠すのは酷って物ね」

「なんじゃ?」

「その手紙は長兄が、助勢に立つ前に貴方へ宛てた手紙よ」

「なんだと」

 

その言葉が本当ならば牛魔王は白夜叉の到来と、その理由を予め知っていた事になる。

 

諦めた表情を見せながら懐から一枚の封書を取り出し白夜叉へ差し出す。

 

手紙には平天の旗が刻まれていて疑う余地はひとつもない。一体何が書かれているのか胸を少しドキドキさせながら封を切る。

 

南の大陸にて、後継の芽在り。心踊らせ参加されたし

 

簡潔ながらも核心をつく言葉が紡がれていた。

 

「くくくく...いやはや、千里より彼方から未来を見るか...笑えてくるな」

 

一度起きた笑いは徐々に巨大化していき、身体を大きく震わせ腹を抱えるまでになる。

 

是非ともその力を使って貰いたかったが、あの男が自分以外に適任がいると言うのだからそうなのだろう。

 

一体どこまで見えているかなど考えるのすら馬鹿らしくなる。

 

「感謝するぞ、迦陵ちゃん、!おかげで光明を得た」

「そうなら、まずは迦陵ちゃんを止めて。それと、逃げようとしても無駄よ」

「うぎゃぁぁぁああ!」

 

言いながらの雰囲気で誤魔化しながら逃げようとした一誠に火球が飛ぶ。

 

不意をつこうと逆に不意をつかれたので避けること叶わず、全身を火だるまにされるも、すぐに白夜叉が火を飛ばし助けてくれる。

 

「助かっ」

 

その時二人の美女が浮かべていた笑みは、生ゴミを見るように腐りきっていてゆっくりと互いに鬱憤をぶつける。

 

 

 

 

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