問題児と一緒に変態赤龍帝も来るそうでよ?   作:暁紅

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一誠は実は突発性ハレンチ症候群かな?

 

白夜叉の覚えているデュランダルとは形が同じロングソードであったが、鞘は黄金色には輝いておらず錆びついている。

 

「どういう事だ...一体何が...」

「おい一誠触ってみろ」

「分かった...痛っ!」

 

一誠が恐る恐る手を伸ばしデュランダルに触れると、触れた場所から拒絶するように電撃が流れる。

 

痛みはそこそこあったので咄嗟に離れると、浮かんでいたデュランダルは地面に落下する。

 

「ふふ...拒絶されてる......」

「な...痛くなんかァァ!!ないィィィ!!しィィィ!!!」

 

電撃で拒絶されると分かっていながらも、歯を食いしばってデュランダルを鷲掴みにする。

 

やはり電撃が飛び散っているがそれでも一向に離そうとしない。

十六夜は頑張っている一誠に近づくと紐で手と剣を固定する。

 

頑張れと意味を込めて背中を叩きニヤニヤとした表情で元の位置に戻る。

 

一誠はその場に倒れ込みドタバタ暴れる事数分。遂に耐えきれず離そうと手を離すが、紐のせいで離れない。

 

どうにか離そうと手を激しく振るとだんだん紐が緩み始め、デュランダルは手から離れ飛んでいき春日部の顔面に直撃する。

 

全員に静寂が訪れる。

その静寂を破ったのは一誠の笑い声だった。

 

「くふ...あはははははは!!顔面くふふふふ!!もう無理あはははははは!!」

 

その場で蹲って腹を抱えて笑う。

 

飛鳥達が止めようとする前に春日部の方から殺気が放たれた。その殺気で空気が一瞬で凍る。

 

顔面に当たっていたデュランダルが地面に落ちると、春日部の般若に歪んでいる顔が現れる。

 

「えっと...その...ごめん...」

「ユ......イ」

「え?」

「ユルサナイ」

「えっと...」

「ユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイ」

「ひぃぃ!!」

 

春日部の姿はその場から掻き消え一誠は嫌な予感がして咄嗟に身体を逸らすと、逸らした場所に春日部の本気の拳が通り過ぎる。

 

拳により巻き起こった風は一誠の髪を揺らす。

 

「なぁ逆廻...」

「なんだ一誠?」

「遺言いいか?」

「いいぜ」

「女のおっぱいを触りたかった」

「コロス」

 

春日部は宙に飛び上がり殴るために拳を突き出すと、一誠を守るようにデュランダルが割り込み拳を受け止める。

 

拳を受け止めた瞬間錆がボロボロと落ち始め、燦々と黄金の鞘が輝く。

 

それは過去に白夜叉が見たデュランダルと全く同じ物だった。

 

「へ?生きてる?」

「これが本物のデュランダル...ヤバぇな...」

 

過去十六夜は地球の有名な綺麗な名所を見て回った。確かにそれらは美しく感動はしたが、それをはるかに上回る感動が襲っていた。

 

十六夜おも感動させた輝きは怒り狂っていた春日部の動きを止め冷静さを取り戻させていた。

 

「アレ?...私は何を?」

「何もしてないわよ、ねえ一誠君?」

「おおう...そうだな...うんそうだ」

「?にしてもそれ戻ったね」

 

落ちたデュランダルを持ち上げた一誠はせっかくならばと鞘から抜く。

 

すると、先程まで錆びていたとは信じられない白銀の刃が現れる。

 

デュランダルは七聖剣と言われるだけはあり数々の死線を越えてきた。普通は一つの死線を越えれば剣などは大なり小なり傷がつく。

 

しかし、デュランダルにはそれらが一切見られない。逆に綺麗すぎて一誠の顔が映っていてる。

 

不壊(デュランダル)と言われたりもするが傷が一切つかないとは次元が違うとしか言い表せない。

 

「すげ......」

 

真剣を初めて見た一誠ですらその凄さは理解できる。

 

いくら傷がつかないとは理解していても慎重になるのが人間だ。剣に傷がつかないようにゆっくりと鞘にしまう。

 

しまい終えた剣は赤龍帝の篭手と同じ感覚でギフトカードの中へと戻す。

 

「お主は自分の父の事を知らないのか?」

「全く聞いた事がないから少し知りたいな...」

「ふむ黒ウサギ後で教えてやれ」

「はいわかりました」

 

うさ耳をピンと張り命の恩人の一人でもあった一新の事を伝える事を承諾する。

 

「少し時間が取られたな、してお主らはどうだ?」

 

忘れてたと各々は自らのギフトカードに向き合うと2人は納得の行く結果が出た。

 

春日部は『生命の目録(ゲノム・ツリー)

飛鳥は『威光』

 

だが十六夜はニヤニヤと自分のギフトカードを見た後白夜叉に見せる。

 

「なぁこれってよ壊れてんのか?」

「何?どれ見せみろ...そんな馬鹿な...『正体不明(コード・アンノウン)』だと......ありえん...全知全能のラプラスの紙片が判別できないだと...まだ文字化けの方が理解できるぞ...」

 

文字化けは何かしら別の要因があると判断できるのだが、ギフトの名前が何かすら判別出来ないとなると、十六夜のギフトがそれ程特異だと物語っている。

 

もしかしたらギフトを無効化したのかもと考えたがそれこそありえないとすぐに否定する。

 

何故なら黒ウサギの話が本当ならば神格保持者すら倒す事ができる強大な奇跡を持っているのに、その奇跡を打ち消す力も身体に宿すなど矛盾でしかない。

 

その矛盾とラプラスの紙片の問題、どちらが可能性が高いかと言われればラプラスの紙片の方だろう。

 

そのまま5人と1匹は店を後にし魔王によって破壊された黒ウサギ達のコミュニティの住処に到着した。

 

見るまでは楽しげな雰囲気があったのだが、見た瞬間顔色が一瞬で変わる。

 

本来ならば美しく客人をもてなすはずの街路は砂に埋もれ、木造の建物は殆どが腐って倒壊している。鉄筋や針金などもあるようだが錆びついていて折れ曲がっている。街路樹は石碑のようになっていて手入れがされている形跡が少しも見られない。

 

十六夜は腐っている倒壊している木造の一部をむしり取ると、少し握っただけで粉々に砕けちょっとした風に灰のように吹き飛ばされる。

 

「なぁ黒ウサギ、魔王のギフトゲームがあったのは一体何百年前だ」

「僅か三年前です」

 

馬鹿げているにも程があった。

この崩壊具合を見て十六夜は昔探索した古い神殿を思い出した。

 

それらよりもはるかに酷い状況がたったの三年前に引き起こされた。それだけで敵となる魔王がどれだけ強いのか理解出来た。

 

「魔王か......予想していた奴より斜め上を行ってるなこりゃ...けどいい具合に面白そうじゃねえか」

 

獰猛な笑みを浮かべいつか戦う魔王に闘争心を燃やしていた。

 

 

▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼

 

ガルドは自分の屋敷に鬼気迫る様子で帰ると、毛布にくるまり歯をがたがたと震わせていた。

 

(あんなのに勝てるものか!!無理だ無理だ無理だ!なにせ()種だぞ!()種とは核が違う()だ)

 

ガルドは一誠に殴られた時にその赤い篭手から龍種の気配を一瞬だけ感じていた。

 

龍種とは純血だと最強種の一角で、純血ではなくとも到底ワータイガー如きが勝てるはずが無い。それは亀が人間と戦って勝つぐらい覆らない世の理だ。

 

もし可能性があるすれば神格や鬼種があれば人間対犬ぐらいには勝率は上がる。

 

それほど神格や鬼種は優れた物なのだが、それらを手に入れるにはいささか時間が足らない。

 

「あれは不味い不味いぞ。人間が龍の力を持っているなんて聞いてない」

 

ガタガタと震えるガルドに閉めていたはずの窓からそよ風が吹き、

 

「情けないな。三桁の外門の魔王の配下がコレとはな...」

「貴様何者だァ!!」

 

自慢の獰猛な歯と爪を尖らせ威嚇するが相手の女は余裕の表情で佇む。

 

その女の美しい金髪はそよ風で揺れる度に美しさを底上げする。歳は春日部達の二、三歳上だろうと思われる。

 

「ふふ。あまり粋がるなよ。貴様程度が鬼種の純血だある私に勝てると思っているのか?」

「馬鹿な!純血だと!」

 

純血とはガルドなどの他種族が混ざりあった成り上がりとは違い、系統樹の頂点に位置する。

 

龍種と同じで勝てるはずがない。

 

みるみる戦意は無くなり後ろに身体をよろめかせ、本棚に当たり大量の本が雪崩のように落ちる。

 

「落ち着け。別に悪い話ではない。あの名無しには少し因縁があってね、だから君に鬼種をプレゼントしようと思ってきたのだよ」

「鬼種のギフトだと!」

 

まさにこの時ばかりは神を崇拝してやろうかとも考えた。

 

が、この鬼種を受け取ると今いる『六百六十六の獣』を裏切ると通りだ、そのためすぐに受け取ると返事をする事は出来ない。

 

「何が目的だ...」

「名無しにしか用はない。まだ考えるのであれば私は帰るがどうする」

「分かった受け取る。しかし種族を変化させるのにはどれぐらいかかる?」

「それなら簡単だすぐ終わる」

 

女はガルドの目で追えない速度で動き背後をとると、そのまま顔を首に近づけ女の歯が皮膚に突き刺さる。

 

「がぁ...ぐぁ...」

 

(ヴァンパイア...の純血...だと...)

 

ガルドは抵抗する事すら出来ずにどんどん血が吸われ遂にはその意識を完全に失う。

 

鬼種のギフトが渡し終わったのか突き刺さっていた歯を抜き、口周りに付いている血を舐めとると入ってきた窓に戻り黒い羽を生やして飛び上がる。

 

「楽しみにしているぞ、新生ノーネーム」

 

女は闇夜に消えていった。

 

 

▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼

 

 

あの後黒ウサギから父親兵藤一新の事を説明され、軽く頭が爆発しそうだったので一足先にお風呂に入っていた。

 

大理石で囲まれた湯船に浸かると自然とため息が漏れる。

 

「はひぃ......疲れたぁぁ......」

 

タオルを数回折り頭に乗せ蹴伸びをする。

 

今までの疲れが解けるように気分だった。

 

湯船に使っているとなんだか眠くなってきて欠伸が出る。湯船に使って眠くなるのは失神と言われている。

 

一誠はそれに逆らうこと無く大理石に頭を乗せ少しだけと眠りに入る。

 

 

 

『相棒!』

「うおっ!なんだいっ......たい......」

 

寝ていたはずの一誠は怒鳴られるように起こされ誰だよと相手を見ると、全身真っ赤な赤き龍だった。

 

その姿形は日本の蛇型のものではなく、洋風な手足のあるタイプだった。

 

「なんだお前」

『やっと声が聞こえたと思ったらこれか。まぁ今で1番異常な現象にあってる時点でまともな反応は期待してないがな』

 

龍は羽を広げ大きさをアピールすると同時に威嚇もする。

 

『俺の名前はドライグ。ア・ドライグ・ゴッホだ。赤龍帝(ウェルシュ・ドラゴン)とも呼ばれているな』

「えードラゴンなのにバハムートとかじゃないのか」

『相棒あんな魚もどきと一緒にするな。それに俺の方が有名で』

「いやバハムートの方が有名だろ」

 

バハムートは他の読み方としてベヒモス、ベヒーモスなどがあり、その正体は龍ではなく魚となっている。

 

ダンジョンズ&ドラ〇ンにて龍の姿として登場し、他のゲームでも龍として現れている。そのせいで龍と勘違いしている人が多い。

 

一誠もその質で、ゲームなどからバハムートが龍だと思い込んでいた。

 

「魚なのか...まぁ別にどうでも良いけど...えっとドライグでいいか?」

『あぁもちろん』

「えっとそれでここは一体なんだ?」

 

辺りを見渡すと無限に続く白き空間で、そこにぽつんと一誠とドライグがいる。

 

白夜叉と同じように世界を作ったとかではないようだ。もし世界を作ってそこに飛ばしていたのであれば、一誠が服を着ていることがおかしいからだ。

 

『わかりやすく言えば精神世界だな』

「精神世界...何かアニメ見たいでカッケェな」

『そうだろそうだろ。それで相棒には話しておくことがある。それは相棒の宿敵白龍皇のことだ』

「白龍皇?」

 

ドライグは楽しかった思い出を思い出すように語り出す。

 

昔二天龍と恐れられた赤い龍であるドライグと白い龍であるアルビオンは良き友として生活をしていた。

 

肩を並べ神と喧嘩をしてみたり、仲良く食事を一緒に取ったりと、しかしある日事件が起きた。

 

ドライグが大切に取っていたプリンをアルビオンが無断で食べてしまった。それに激怒したドライグは攻撃を始めたちまち世界を巻き込む大喧嘩となった。

 

結局決着はつかずに途中で神に神器(セイクリッド・ギア)に封印されうやむやになってしまった。

 

そして、神器に封印された2人は人間に武器としてさずけられ、時々激突し勝負をつけようとしていた。

 

その白龍皇と戦うのが一誠の宿命だと言う。

 

「なぁプリンが原因なのか?」

『あぁ今でもあの時の恨みを忘れられない』

 

まさかのしょうもない理由にほとほと飽きれる。

 

どうすっかなと考えているもふと思った事があった。

 

「なぁドライグ」

『なんだ』

「現実世界の俺どうなってんの?」

『今は...湯船に頭突っ込んで寝てるな』

「それを先に言えぇぇ!!!そのままだと死ぬだろが!今すぐ起こせ!」

『そうだな眠る時間にまたこちらに呼ぶとしよう。それと起きてすぐは気をつけろよ』

 

そう言うとドライグの姿は掻き消え、一誠は眠気に襲われ瞼が落ちる。

 

 

 

湯船に沈んでいた一誠は突然起き上がり、大きな水柱を作る。

 

「はぁ...はぁ...死ぬかと思っ......た...」

 

一誠が視線を上げるとそこには一糸まとわぬ姿の黒ウサギ、飛鳥、春日部がいた。

 

飛鳥と黒ウサギは既に湯船に使っているのでその豊満な胸を堪能する事は出来なかったが、春日部は入ろうとタオルを取り足を入れている所だった。

 

「「キャァァァァァ!!!」」

 

一誠はこの時慌てていて気づいていないが、今の一誠も裸なのでそのまま立ち上がると足のスネぐらいしか湯船に入っておらず、男の大切な聖剣の部分は丸見えである。

 

「コロス」

「そそそうだ春日部、無いと思ってたけど微かにあるな」

 

これでどうだと言い放つと、隠すことをやめ拳を構え殺気を放ちながら近づいてくる春日部が

 

「抹殺の」

「ちょっま」

「ラストブリット!!!」

「ひでぶ」

 

春日部の全力の拳は的確に一誠の腹部を貫き、壁を突き抜け第一宇宙速度となってどこかの森へと裸で飛ばされる。

 

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