もう一人のろくでなし魔術講師   作:宗也

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第10話

「ふん、貴様腕が落ちたのではないか?」

 

「うっせぇ、全身火傷に刺傷複数、少しは動きが鈍くなんだろ!!」

 

俺はゼーロスと刀と剣をぶつけ合いながら話す。ったく、本当に面倒くせえ!!

 

「貴様は何故立ち塞がる?あの廃棄王女を殺せば解決する。だが何故貴様はそれを許さない?」

 

「んなもん一つに決まってんだろ!!教え子を黙って殺させる訳ねえだろうが!!」

 

ゼーロスが俺の心臓に突きをしてくるのを、体を捻って回避し、その回避した反動でゼーロスの腕を斬ろうとするが、バックステップで避けられる。

 

「ふん、あの異能者を庇うなんてな。貴様も愚か者だが、あの廃棄王女の隣にいる学生の方がもっと愚かだ。」

 

「その学生ってのはテレサの事を言ってるのか?」

 

「もちろんだ、学生の身分でこんな死地に飛び込んで来るとはな。愚か者としか言い様がない。」

 

「そうかそうか、取り敢えずその発言取り消せよクソ野郎。」

 

俺はゼーロスに高速の居合い斬りをして剣を吹き飛ばそうとするが、ゼーロスは居合い斬りを受け流して、グレンの方に向かう。

 

「しまった!!」

 

「死ね。」

 

「させるか。てめえの相手は俺だクソジジイ。」

 

グレンとゼーロスの間に割り込んで、ゼーロスの攻撃を受け止める。今のようにグレンが女王陛下の所に近付こうとすると、ゼーロスが一瞬で距離を詰めてグレンに攻撃する。お陰で愚者の世界の範囲内に女王陛下を入れることが出来ない。

 

「すまん、助かったハヤト。」

 

「ちぃ、また邪魔しよって。」

 

「話が終わってねえんだよ。てめえはテレサを愚か者と言ったよな?あいつは愚か者じゃねえ、普通は足がすくんで動けなくなり逃げ出す状況の中、あいつは友達の為に逃げ出さずに体を張ったんだぞ?」

 

15、16の歳の奴が出来ない事をやってのけてる。俺やグレンを馬鹿にしたり、罵ったりするのはどうでもいい。だが、ルミアやテレサを馬鹿にするのは許さねぇ!!

 

「そんな奴を愚か者?てめえの方が愚か者だ!!」

 

「ぬかせ!!」

 

「拒み阻めよ・嵐の壁よ・その下肢に安らぎを!!」

 

俺はストームウォールでゼーロスの動きを遅くする。ゼーロスは驚いているようだな。

 

「この魔術はシスティーナとテレサが作った魔術だ。」

 

「学生がこんな改変呪文をだと!?やはりここで殺さねばならない!!」

 

「ハヤト!!女王陛下の呪殺具を無効化したぞ!!」

 

ナイスだグレン、これでクソジジイも攻撃をやめ……しまった!!

 

「小癪な魔術を覚えよって、そんなもの効かぬわ!!」

 

「キャッ!!」

 

「ルミア!!テレサ!!」

 

クソジジイがルミアとテレサを攻撃しようとしていた、くそっ、間に合え!!

 

「死ね廃棄王女!!」

 

「させるかって言ってんだろうがぁぁぁぁ!!」

 

ルミアとテレサの前に立ってゼーロスの突きを受け止める。左肩に刺さり、なんとか受け止めた。

 

「それで受け止めたと思ってるのか?」

 

「何!?」

 

ぐっ、左肩に刺した剣を貫通させてルミアの頭目掛けて攻撃だと!?ヤバイ!!この状態だと守れねぇ!!

 

「危ないルミア!!」

 

「テレサ!?」

 

ザシュ!!

 

「……ち、仕留め損ねたか。」

 

嘘だよな?まさか、テレサが、嘘だよな!?

 

「ぐっ!!ハヤト、大丈夫だ。テレサの頭には刺さってねえよ。」

 

グレンか、右手で剣の軌道をそらしたか。けど、頭にはってことは。

 

「うっ、くっ。」

 

「テレサ!!しっかりして!?今ライフ・アップをかけるからね!!」

 

「……。」

 

クソジジイは無言で剣を俺の左肩から抜き取った。テレサは大丈夫なのか!?

 

「左頬に大きな切り傷、しかもその余波で左肩にも複数切り傷が出来ている。」

 

「そうか、グレン。二人を頼むわ。」

 

「ハヤト、もう武器を納めなさい。これ以上ゼーロスと戦う理由はないはずです。」

 

女王陛下は俺に向けてそう言うが、気付いてねえのかよ。当然か、俺もさっき気が付いたからな。

 

「理由ならあんだよ。クソジジイ、いやエレノア・シャーレット!!」

 

「うふふ、ばれてしまいましたか。」

 

ゼーロスから煙が出て、エレノアが俺にお辞儀をしながら姿を現した。女王陛下とルミアとグレンはびっくりしてるな。

 

「何故、分かったのかしら?」

 

「あのジジイは戦ってる最中に学生、ましてや丸腰の相手に攻撃なんかしねえんだよ。」

 

「あらあら、私としたことが迂闊でしたわ。今後の参考にさせて頂きますわ。」

 

「今後も何もねえよ、ここで殺してやるからな。」

 

俺が殺気を含めた目で睨むと、エレノアは頬を赤くしてこっちを見てくる。

 

「その殺気、いいですわ。でも、存分に味わうのは次回にしておきますわ。」

 

「させるかよ、ルミアやテレサを傷付けておきながら逃げる?逃がすわけねえだろ。」

 

「「ハヤト先生!!その体では無理です!!」」

 

ルミアとテレサがそう言ってきた。俺はルミアとテレサの方を向きながら笑顔で親指を立てる。

 

「心配すんな。俺は大丈夫。」

 

「ハヤト先生はいつも一人で無理をし過ぎです!!人には頼れと言いながらどうして自分は誰も頼らないんですか!?」

 

「ハヤト先生、治癒魔術をかけますからテレサの近くにいてく……。」

 

俺はさっきよりも殺気を出しながらエレノアの方を見る。

 

「あらあら、そんなに殺気を出したら、王女やその友達が意識を失「失せろ、魔神剣。」せっかちな人ね。」

 

エレノアが話してる間に地面を走る衝撃波を放つが、エレノアはニヤリと顔を歪めて何処かに消えた。けど、大体の位置は分かってるんだよゾンビ女。

 

「セリカ、女王陛下を頼む。」

 

「分かった、止めても行くんだろう?だがハヤト、死ぬなよ?」

 

「死ぬつもりなんてさらさらねえよ。」

 

そう言い俺はルミアに治療を受けてもらってるテレサに近付く。

 

「すまなかった、テレサに傷を負わせてしまった。本当にすまなかった。」

 

テレサの傷は大体治ってるが、まだ痛むのかライフ・アップをルミアにかけてもらっていた。

 

「大丈夫とは言いません。でも、覚悟はしていましたから。あと先生?」

 

「何だ?出来る限りの事は聞く。」

 

「止めても行くんですよね?無事帰ってきたら、お説教です。」

 

そう言いテレサは右頬に右手を当てながら笑顔を見せてくる。これ勝っても負けても地獄じゃね?

 

「わかったよ。」

 

「ハヤト先生、心配してるのはテレサだけじゃないんですよ。帰ってきたら私もハヤト先生にお説教しますからね?」

 

「ルミア、母親との決着を着けろよ?」

 

美少女二人からの説教、本当にある意味地獄だこれは。

 

「ったく、ハヤト。死んで俺の仕事を増やすなよ?これ以上仕事が増えるのはごめんだからな。」

 

「グレン、手は大丈夫か?」

 

「ハヤトに比べたらどうってことねえよ。死ぬんじゃねえぞ?死んだらルミアやテレサ、白猫やクラスの奴が悲しむ。そして、シェリーに何て言われるか分からねえぞ?」

 

シェリーの名前を出すんじゃねえよ。尚更死ぬわけにはいかなくなったじゃねえか。死んでシェリーの説教を受けたくねえからな。

 

「俺は後始末する。あのメイドは頼んだ。」

 

「グレン、そっちは任せた。」

 

俺はセリカが結界を一部分解除してくれた所から外に出て、あのゾンビ女がいる所に向かう。その道中で藍色のグミを食べる。これでなんとかなるだろう。

 

「ふふ、来ましたわね。」

 

「易々と逃がすわけねえだろ。」

 

ある路地裏の広い広場で俺はエレノアを睨む。対するエレノアは顔をにやけさせながらこっちを見てくる。

 

「王女を連れ帰る事が出来なかったから、代わりに貴方を連れ帰る事にしますわ。」

 

「丁重に御断りする。飛散せよ、流転の泉、スプレッド!!」

 

エレノアの足下から水を思いっきり噴き出させるが、エレノアは横に飛んで回避しやがった。思った以上に身軽な奴だ。

 

「あらあら、濡れてしまいましたわ。服が肌にくっついてしまってますわ。」

 

「普通の人ならその台詞を聞けば興奮するんだろうが、てめえ相手だと全く興奮しねえよ。」

 

「私の体がそんなに魅力がないんですか?うふふ、正直になってもいいのよ?」

 

エレノアは顔を赤らめて言ってくるが、ゾンビ女には興奮しねえよ。

 

「はぁ、はぁ。」

 

「あらあら、傷口から出血してますわよ?貫け雷槍。」

 

エレノアがライトニング・ピアスを放ってきたのを、体を捻って回避して近付く。

 

「んなもんには当たらねえよ!!噛み尽せ、風牙絶咬!!」

 

エレノアに高速の突きを放つが、左腕で受け止められる。ちぃ、いとも簡単に自分の体を犠牲にしやがった。

 

「いい突きでしたわよ?でも刺した所から刀を抜くのに時間がかかるそうですわね。がら空きですわよ?」

 

「ぐっ!!」

 

左腕をそのままにして右手でボディーブローを放って来やがった。しかもその後、回し蹴りで傷口を蹴ってきやがった!!

 

「あぐっ、て、てめえ。」

 

「いいですわその表情、もっと見せてくださいませ!!」

 

「誰が見せるか!!燃え盛れ、赤き猛威よ、イラプション!!」

 

エレノアに炎の衝撃波を数回放つが、全て上に飛んで回避された。

 

「あら、服が乾きましたわ。私からもお返ししなくてはなりませんね。」

 

そう言いエレノアは突っ込んできて、近くにあった剣を掴み、斬りかかってくる。

 

「ちぃ、素早くて攻撃が重たい。面倒くぶっ!!」

 

「お喋りしていると舌を噛みますわよ?」

 

攻撃を防いだ瞬間に蹴りを放って来やがった。くそ、いくらグミである程度回復したとはいえ、体が思うように動かねぇ。

 

「私、天才らしくて、ある程度の事ならなんでも出来るんですのよ。」

 

「憎らしい才能だな、ゴホッ、ゴホッ!!」

 

「マナ欠乏症になってますわよ?全盛期の半分の実力になったとはいえ、貴方が手負いの身では無かったら勝ち目はありませんでしたわ。」

 

へっ、本当だよ。手負いじゃなかったらぶちのめしてやったのによ。

 

「大人しく連れ去られてくれれば、痛い目に合わずに済みますわよ?」

 

「ほざきやがれ、誰がてめえなんかに連れ去られるかよ。」

 

「強がっても無駄ですわよ、抵抗する力が残ってないのは分かってますわ。今なら貴方を歓迎致しますわよ?」

 

そう言いエレノアは手を差し伸べてくる。今度は勧誘かよ。

 

「そうか、そう来るのか。」

 

俺は差し伸べて来たエレノアの手を掴み、立ち上がりながらエレノアを壁に投げ飛ばす。

 

「なっ!!」

 

「予想外って顔してるぜ?俺がてめえを投げ飛ばしたからか?」

 

「いいわ、ますます貴方に興味を持ちましたわ。是が非でも連れ去って私の傍に置いておきたいですわ!!」

 

「それは聞けねえな。さて、時間的にそろそろ来る頃か。」

 

俺がそう言った瞬間に、体から緑色のオーラが出始める。ようやくなったか、久しぶりに使ったから時間がかかっちまったな。

 

「へぇ、それはなんの魔術、いやなんの魔技なのですか?」

 

「これはオーバードライブって言ってな、色々な能力を底上げする技なんだよ。見た目は緑色のオーラを纏った風にしか見えねえけど。」

 

これはlevel2だ。level1は青色のオーラを纏う。

 

「また私の知らない魔技、次はどんなものを見せてくれるんでしょうか?」

 

「見せてやるよ、今の最大火力をな。てめえは殺しても再生するんだったな。だったら、分解しちまったらどうなるんだろうな?」

 

俺がそう言うと、エレノアは驚愕の表情を浮かべた。俺が今からやることを予想できたか?

 

「っと、そのまえに。茨よ、アイヴィーラッシュ!!」

 

「チィ!!」

 

エレノアの足下から茨の根や茎を出現させて、エレノアの動きを封じる。これでゆっくり詠唱出来るな。

 

「我は神を斬獲せし者・我は始原の祖と終を知る者・其は摂理の円環へと帰還せよ・五素より成りし物は五素に・象と理を紡ぐ縁は乖離すべし・いざ森羅の万象は須く此処に散滅せよ・遥かな虚無の果てに。」

 

「馬鹿な!!魔技開放している間は魔術は使えないはず!!」

 

「ただ出力が大幅に落ちるだけだ。けど、オーバードライブを使った時は関係ねえ。ぶっ飛びやがれ有象無象!!黒魔改、イクスティンクション・レイ!!」

 

エレノアに全てを分解生滅させる巨大レーザーを放つ。これも切り札の1つだったんだけどな。

 

「はぁ、はぁ、もう無理だ。もう何も出来ねえ。」

 

オーバードライブも解除され、意識を保つのがやっとだ。これで復活とかさせられたら終わりだ。

 

「うふふふふ、素晴らしい、素晴らしいですわハヤト!!」

 

「まさか、冗談だろ?」

 

後ろからグジュグジュと生々しい音が聞こえてきたから振り向いたら、エレノアの体が再生していた。冗談はよしてくれよ本当に。

 

「咄嗟に服を脱ぎ捨てなければ、生滅するところでしたわ。直撃しなくても、余波で容易く殺されましたわ。」

 

「くそ、たれ。当たって、なかった、のか。」

 

エレノアが足音を立てながら近付いてくる。万事休すか。

 

「本当に素晴らしいですわ。さあ、殺された責任を取ってもらう為に来てもらいますわ。」

 

「させない。」

 

ん?リィエルの声。ようやく来やがったか、遅すぎるぞ全く。

 

「まあいいですわ、ここは撤退させて頂きますわ。」

 

「逃がさない。」

 

エレノアが消え去る音が聞こえたのと同時にリィエルの持っていた剣が地面に刺さる音が聞こえた。

 

「間に合ったようだなハヤト。」

 

「おせえんだよ、アルベルト。」

 

もう無理、意識が保てねぇ。後処理はアルベルトに任せて寝させてもらう。おやす。

 

********

 

「ん?食べ物の匂い?」

 

目が覚めると、そこは見知らぬ天井が見えた。どうやら地獄では無さそうだな。

 

「下から生徒達の騒ぎ声が聞こえるってことは、店の2階で寝ていたのか。取り敢えず1階に行くか。」

 

つーかうるせぇ!!どんだけはしゃいでいるんだよ!!傷口に響くわ!!

 

「あっ、先生起きたんですね!!」

 

階段をゆっくりと降りていると、テレサがこっちに気が付き、近付いてくる。良かった、傷は完全に塞がってるし、跡も付いてないな。

 

「ついさっきな、テレサの傷が完全に塞がっててよか「良くありません!!」おっとと、テレサ?」

 

なんかテレサが涙目になりながら俺に抱き付いて来た。すげぇ心配させちまったのか。

 

「死んでしまったかと思ったんですよ!!無理しないでくださいと言ったのに!!」

 

「悪い悪い、けどこうして生きてるから良しとしてく「良くないです!!」わわ、分かったから抱き付く力を弱めぎゃぁぁぁぁぁ!!傷口塞がってねえんだよぉぉぉぉぉ!!」

 

血がブシャーーーって出ちゃうから!!あと骨もミシミシ言ってるから!!

 

「これは無理をしたハヤト先生への罰です。」

 

「洒落にならんくらいの罰だぞ、勘弁してくれよテレサ。」

 

「ふふ、なんだかハヤト先生に抱き付いていると安心します。」

 

俺は抱き枕か何かか?けど、美少女に抱き付かれるのは最高だな!!

 

「テレサ、腹が減って辛いから先に進みたいんだが?」

 

「分かりました。」

 

テレサはそう言って離れ、皆がいる所に向かった。さあて、飯だ!!め、し……。

 

「あっ!ハヤト先生!!」

 

「ん?システィーナか。どうやら楽しんで「ダーーーイブ!!」what?」

 

なんかシスティーナも抱き付いて来たんだが?しかも頭を俺の体に擦り付けてるし、もう猫じゃねえか。

 

「酒の匂いが漂うって事は、カッシュ。説明プリーズ。」

 

「システィーナにブランデーケーキを与えた途端に酔いだして、ワインを頼んで皆で飲みました!!勢いでやりました、後悔は一ミリもしていません!!」

 

「おい誰だ!?高級ワインを頼んだ奴は!?優勝したからって羽目外し過ぎだろ!!」

 

あっ、グレン来てたんだ。グレンは空いてあるワインの銘柄を見てギョッとしてるな。それと競技祭は優勝したんだな。

 

「よーグレン。楽しんでるか?」

 

「さっき来たばっかだよ。しかし、カオス過ぎるだろこれ。」

 

確かにな、皆酔っ払って言葉では言い表せない状況になってる。

 

「グレン、ちょっと猫を預かっててくれないか?」

 

「猫?おい猫ってまさか?」

 

俺はいまだに抱き付いてるシスティーナを引っ剥がして、グレンに投げ付ける。

 

「グレン先生ーーーーーー!!」

 

「やっぱお前か白猫!!うわっ!!抱き付くな頭を擦り付けるな匂いを嗅ぐんじゃねえ!!」

 

システィーナは酔うと素直になり、誰にでも抱き付くか。グレン、システィーナに抱き付かれ照れてやがる。

 

「さて、猫も飼い主の所に戻したし、飯でも食べるか。」

 

適当な席に座ってと、何を頼もうかねぇ。

 

「ハヤト先生、料理を持ってきました。」

 

「サンキューテレサ。おっ!どれも旨そうだ。」

 

グラタンにオムライス、ステーキにビーフシチューか。やべっ、涎が出てきた。

 

「まずはビーフシチューだな、旨すぎる!!」

 

「そうですね、とても美味しいです。」

 

「いや、何でテレサは平然と隣に座って俺が手をつけてる料理を食べちゃってるの?まあいいんだけど。」

 

「でも少し辛いですね。」

 

テレサは近くにあった水を一気に飲み干した。テレサの言う通り少し辛い。水、水っと。ってこれ白ワインじゃねえか!!

 

「まあ美味しいからいいんだけどさ。テレサ、辛かったら食べなくてもいいんだからな?」

 

「…………。」

 

「テレサ?」

 

何か、テレサの顔が赤いな。これってつまり。

 

「先生、ここ熱くないですか?」

 

そう言いテレサは着けているマントを脱ぎ出した。皆の熱気がすごいもんな。

 

「確かに、少し熱いな。」

 

「ふぅ、これも脱いじゃいますね。」

 

テレサ!?えっ、何服を脱ごうとしてんの?まさか、テレサは酔ったら服を脱ぐ癖があるのか!?

 

「いいねぇいいねぇ最っ高だねぇ!!(やめろテレサ!!女の子なんだから人前で脱ぐな!!)」

 

「ハヤト先生、心の声が漏れてますわよ?」

 

仕方なくねウェンディ、テレサはメリハリの利いたモデル体型だからな。そのモデル体型のテレサが目の前で脱ぎ出すんだぜ?興奮せずにはいられねぇだろ!!

 

「ハヤト先生、料理の箸が進んでいませんよ?」

 

「ん?あぁ、ちょっとテレサに見とれていたからな。」

 

俺がそう言うとテレサは頬に手を当てて微笑んだ。これは脳内保存確定ですわ!!

 

「よし、料理を食べッ!!」

 

「腕が痛むんですか?じゃあ私が食べさせてあげますね。」

 

やべっ、下着姿のテレサからあーんしてもらえるなんて。これなんてギャルゲー?

 

「ちょっとテレサ!?取り敢えず服を着るのが先ですわよ!!」

 

「大丈夫よウェンディ、スカートは今履くから。」

 

「それなら安心って違いますわ!!上着も着てくださいまし!!」

 

ウェンディ、口調が安定してないぞ?

 

「はい先生、あーん。」

 

ウボァ!!上は下着、下はスカートを着ているが太股が見えている中でニコニコ顔のテレサからのあーん。破壊力有りすぎだ!!

 

「ん、最高に旨いよテレサ。」

 

体を張った甲斐があったなぁ。顔がにやけちまうよ。

 

「ハヤト先生。」

 

「ん?どしたテレサ?ってその姿で腕に抱き付くのは勘弁してくれ。san値がゴリゴリ削られるから。」

 

「これも無理をしたハヤト先生への罰の1つですよ。」

 

罰?むしろご褒美でしかないんだが?ってヤバイヤバイヤバイ!!理性が崩壊する!!とりま深呼吸して落ち着こう。あっ、テレサの体柔らけえな。

 

「まだまだ料理はありますから。しっかりと食べてくださいねハヤト先生?」

 

「もしかしなくても、ずっとあーんをしてくれるのかテレサ?」

 

「はい。あとハヤト先生、頭を撫でてくれると嬉しいです。」

 

なんなのテレサ!?俺を萌え殺す気なの!?

 

「こうか?」

 

「はい、ありがとうございます♪」

 

やっぱりテレサの笑顔は素晴らしいな。さあて、宴は始まったばかりだ。楽しみまくるぜ!!


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