プロローグ 前編
「…マカベ君、報告を。」
2020年-東京、霞ヶ関
飾り気のない会議室で緊張した面持ちで数名が座っていた
「2時間ほど前、新宿区にて『マモノ』の発生事件がありました。」
マカベ国務長官が報告した。
「またか…今年に入って、これで4件めだぞ。」
アリアケ議員が不満をもらした。
「発生場所は『東京都庁』…マモノは多数の小型獣、危険度はCです。」
「すでに市民の避難は完了。現在は自衛隊の一個中隊を使ってマモノを都庁内に閉じ込めているところです。」
「閉じ込める…?なぜ、掃討作戦に移らないのです?」
ハタノ議員が不思議そうにいった
「それは-」
「私の方で、そうお願いしたからですわ。」
マカベの言葉を遮って誰かがいった
「誰です、あれ……?」
礼をして入ってきた女性を見てハタノがいった
その女性は25歳位の美しい容姿で、和と洋の混ざったような服を着ている
このような場所にはふさわしくない高嶺の花だが彼女の目は鋭く、遠くを見ている
「日暈ナツメ…ムラクモの親玉だよ。」
アリアケがいった
「ムラクモ…?ああ、マモノ討伐の専門機関とかいう-」
「ナツメ君…5分遅刻だな。」
イヌヅカ総理が話しかけた
「申し訳ありません。少し、手続きに手間取りまして…」
「…それで、人員の方は?集まったのかね?」
「ええ、滞りなく…」
「…了解した。では、総理権限により『ムラクモ機関』の活動を許可しよう。」
「…ありがとうございます。」
ナツメは礼をして退出した
「これで一安心、ですな。」
「…しかし、最近はマモノが多いですな。ムラクモにも、人員補強が必要では?」
「それは心配ない…今回のマモノ討伐、『新人選抜』が目的だそうだ。」
-CHAPTER 0 Time Count, Zero カウント、ゼロ
東京、同日
人気のない静かな新宿の道を3人が都庁に向かって歩いていた
「本当にあってる…?」
心配そうにフード付きのコートを着た小柄の少年-梯 陸-が言った
彼の手には少し変わった手袋のようなものを身に付けている
「たぶん、合ってると思うけど…。」
バンダナを巻いた体の大きい少年-上野 翔太-が言った
彼はこれといって変わった様子はないがズボンの左に何か円盤状のものが付いている
「あそこじゃね。」
上野よりは少し小さい少年-鷹永 弦希-が建物を指さして言った
彼も特に変わったところはないが、ズボンの右のポケットと左のポケット、そして、上着の内ポケットに何か入ってるようで不自然に膨らみがある
「あれかもね。」「とりあえず行こう。」
梯と上野が言い急いだ
「もうちょっとで遅刻しそうだよ‼」
梯-リク-が時計を見て言う
「まじで⁉」「急ごう‼」
上野-ショウタ-と鷹永-ゲンキ-はそれを聞いて急いだ
「なんでこんなに遅れたんだ⁉」「「お前が迷うからだろ‼」」
ショウタはリクとゲンキに言われ
「それは言わない約束でしょ‼」
と言った
さて3人がなぜこんなに急いでいるかと言うと。
-回想
3日前
ショウタの自宅にて
「ショウタ、政府から書状が来てるわよ。」
ショウタの母が言った
「えっ、それ本物?」
ショウタは疑った
「ええ、今日の朝に政府からの使者って言う人が届けに来たわよ。ほら、そのひとの名刺よ。」
ショウタは母から名刺を受け取った
「ええっと…?政府公認特殊機関代表 桐野 礼文?」
「特殊機関ってなんだろう?」
「さあ…」
ショウタと母は特殊機関が何か分からなかった
「そういえば、書状の内容は?」
-ショウタは母に尋ねた
「まだ見てないけど、そのひといわく「給料もいいから是非来てください」だって。」
「ふーん。」ガサガサ
ショウタは書状を開けてみた
書状は特に変わった様子はなく、いたって普通のようだ
「えーと、何々
『拝啓 上野 翔太様へ
貴方は国の調査によって素晴らしい才能の持ち主となりましたので、東京都庁にてその事についての説明を受けてもらいます。なお、このことについてはよっぽどのことがない限り拒否できませんのでご了承ください。来ていただ方には賞状を贈呈させていただきます。』
『追伸 諸経費につきましては私どもが負担させていただきます。』…」
「どう思う?」
母に聞いた
「行ったらどう?移動費とかかからないみたいだし。」
「とりあえず考えてみるわ。」
後日、学校にて
「こんな書状が来たけどどう思う?」
ショウタは学校のみんな-ただし仲の良い数名に書状を見せ聞いた
「ああ、それね。」「俺のとこにも来たよ。」
ショウタの問いにゲンキとリクが答えた
「2人も来たんだ。」
「才能ってあれだよね?」
「たぶん、あれだね。」
「どうする?」「俺は行こうかなと思うけど…」
「心配だね…」
3人は悩んでいる
さて、なぜそのような才能の持ち主が3人も揃っているかというと、
彼らの学校は特殊で彼らのような一般人から離れている人を隔離しているからだ。
なぜ、彼らが隔離されているかの理由は単純で彼らの才能が周りに比べて圧倒的だからだ。
ゲンキは狙撃の達人でスコープなしで遠くの的を撃つことができる。それだけではなく目隠しをした状態でも的を撃つことができる。
リクは世界的に少ない魔法を使うことができる人でその魔法を使える人の中で1、2を争う実力者である。
ショウタは世界最高峰のコンピューターのエキスパートで彼が改造した1、2世代前の古いコンピューターは軍の最高クラスのスーパーコンピューターにもまさる性能をみせる。
他にも数名いるがそれは今は割愛させていただこう。
「けど賞状ってなにくれるんだろう…?」
「さあ…?」
「才能を使うかどうかってどう言うことなんだろう…?」
「考えてみればそうだね。」
「やっぱり軍に所属させられるのかな?」
「それはないと思うけど…」
「お前らもそれ届いたのか」
そういったのはゲンキと同じくらいの背の少年-榎本 大和-が驚いたように言った
彼は3人と違い何も持っていないようだが、少し手がゴツゴツしている
「お前らもってことは、モッチャンもなのか。」
「みたいだね。」
榎本-モッチャン-が書状を見せる
「あれでも時間が違うよ。」
話しているときリクがきずく
「確かに」「3時間ずれてるね。」「なんでだろう…」
みんなで考える
「そういえばハラハラは?」
「あいつ今日風邪で休みみたい」
「そっか」
「で、どうする?」
「というかほぼ強制みたいだから考えるもないけどね。」
「そうだね、みんなで行こうか。」
「そうしよう。」
話がまとまった
当日、東京、某公園
(ここであってるよね…)
リクは集合場所に一番乗りして2人を待っていた
(2人とも遅いな…)
十分ほどたつと、見覚えある人影を見つけた
(あれは…)
「ゲンキ、こっちだよ!」
「リク、悪い遅れた!」
「大丈夫だよまだ集合時間まで十分あるし」
「そっか」
(あれ…?)(ん…?)
「ショウタは?」「ショウタは?」
2人は同時に聞いた
「あれ、こういう時あいつが一番じゃねえの?」
「そう思ったけど、ついたときまだいなかったからてっきりダイキと一緒かと思ったんだけど…」
ここで、リクの携帯に電話がかかる
「誰から?」
「…ショウタだね。」
リクは電話をとりながら言った
「もしもし?」
《あ、リク?》
「うん」
《ごめんもしかしたらけっこうギリギリになるかもしれん。》
「どうしたの?」
《電車で寝落ちして大分遠くまで来ちゃった。》
「どれくらいでつきそう?」
《あ~と…だいたい20分くらい?》
リクは時計を見て
「それ大分ギリギリだね。」
《おう、できるだけ急ぐわ》
《じゃあ、またあとで》ガチャ
電話を終えて
「ショウタなんて?」
「なんか、電車で寝落ちしたから、ギリギリになりそうだって。」
「そっか…じゃあのんびり待つか。」
20分後、
2人のところに1人が走ってくる
「遅いよショウタ!」
「速くいこう。」
「悪いな2人とも…」
3人は歩きだした
-回想終
ついに3人が都庁についた
ーーーープロローグ 前編end