魔法科高校の鋼の錬金術師   作:Gussan0

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どうも(゜▽゜*)

遅くなってすまない。
はんぞー先輩との模擬戦かなり時間かかった……わりにクオリティ低いかも。

どうか石だけは投げないでくださいm(_ _)m

では、どうぞ( *・ω・)ノ


第十七話 生徒会副会長との模擬戦

エド達は実技棟の第三演習室へと足を運んでいた。

 

生徒会の面々、司波兄妹は様子を見る。

 

そして肝心のエドと服部はというと、互いに睨み合っていた。

 

二人のいる中央に審判の渡辺摩利が立つ。

 

 

「ルールを説明する。相手を死に至らしめる術式並びに回復不能な障碍(しょうがい)を与えるような術式は禁止。直接攻撃は相手に捻挫以上の負傷を与えない範囲であること。武器の使用は禁止。素手による攻撃は許可する。勝敗は一方が負けを認めるか、審判が続行不能と判断した場合に決する。双方開始線まで下がり、合図があるまでCADを起動しないこと。ルール違反は私が力づくで処理するから覚悟しろ。以上だ」

 

 

摩利の説明が終わると、エドと服部は開始線の上に立つ。

 

互いの距離は約五メートル。

 

魔法師同士の戦いは基本的に先に魔法を発動させた方が勝つ。

 

より分かりやすく言えば、ガンマン同士の早撃ち対決のようなものだろうか?

 

つまりこの手の対決は、発動スピードの速い魔法が有利なのだ。

 

そして服部は自身の使う腕輪タイプ汎用型CADを構える。だが彼は()()()に気付く。

 

 

「おいエドワード・エルリック……なぜ()()()()()()()()()()?」

 

 

服部の質問にエドは答えた。

 

 

「必要ないからだよ」

 

 

「な……貴様……どういうつもりだ!?」

 

 

服部はエドを怒鳴りつける。

 

だがエドは気にする素振りを見せず、淡々と答えた。

 

 

「それは模擬戦で分かると思うぜ。それよりはんぞー副会長、油断してると足元すくわれるぜ?」

 

 

「その言葉……そっくりそのまま返してやる」

 

 

両者は互いに挑発を繰り返しながら話す。

 

エドがCADを持たずに戦うということに生徒会の面々も驚いていた。

 

そんななか、達也はエドをジッと観察していた。

 

 

(エドワード……『錬金術』を使うつもりだな。だがそれよりも気になるのはエドワードのあの余裕……()()()()()()()()()()()())

 

 

達也はエドの立ち振舞いから、彼の精神状態を推察する。

 

服部は油断なく臨もうと肩の力が少し入っているのに対し、エドは焦ることなく自然体で構えていた。

 

摩利は最後にエドワードに確認を取る。

 

 

「エドワード君……本当にCADを持たなくてもいいのか?」

 

 

「ああ、問題ない」

 

 

互いに開始の合図を待つ。

 

 

「では両者共に準備はいいか?」

 

 

「大丈夫です」

 

 

「ああ」

 

 

「ゆくぞ……始め!」

 

 

摩利の合図と同時に、両者は動き出した。

 

 

 

────────

──────

────

 

 

 

(さぁて……噂のエリート魔法師の一員の実力……しっかり拝ませてもらおうかい)

 

 

エドは目の前にいる生徒会副会長の服部を見る。

 

彼は腕についているCADを握っていた。

 

第一高校の生徒会の面々は皆一様にその実力は高い。

 

なぜならメンバーの構成員のほとんどが()()()()()()()()であるからだ。

 

当然、生徒会に所属している服部も第一高校の中で五本の指に入るほどの実力者である。

 

ちなみにこれはエドが知り得る情報ではないのだが、服部はこの手の勝負で負けたことがない。

 

つまり無敗である。

 

対してエドはというと、模擬戦とはいえ魔法師と本格的に戦うのはこれが初めてである。

 

過去に魔法師と思われる不良達と戦闘経験があるエドだが、錬金術を使用することにより瞬殺してしまった。

 

しかし彼とて、こちらの世界に来る前は齢十二歳で国家資格を取った天才錬金術師。

 

()()()の戦闘経験もしかり、『真理の扉』の中で得た()()()()()()()の戦闘経験からも判断すれば……服部は警戒するに値しなかった。

 

それにもし、模擬戦とはいえ自分から吹っ掛けたケンカで負けたとなれば彼の師匠であるイズミ・カーティスが化けて出てくるかもしれない。……主に根性を叩き直すために。

 

そう考えるとエドは一瞬ブルリと、身体を震わせた。

 

 

(せ、師匠(せんせい)なら実際に化けて出てきそうだ……)

 

 

いくら精神年齢が高かろうが彼の根底にある師匠(せんせい)を恐れる心は魂にまで刷り込まれている。

 

すると、摩利が中央に立った。

 

 

「では両者共に準備はいいか?」

 

 

「大丈夫です」

 

 

「ああ」

 

 

服部とエドは答え、構える。

 

 

「ゆくぞ……始め!」

 

 

そして合図と同時に動いた。

 

 

 

────────

──────

────

 

 

 

エドと対峙していた服部は自分の勝ちを確信していた。

 

摩利がルール説明をしている間も、彼はずっと戦略を頭の中で練っていたのだ。

 

開始直後、スピード重視の単純な起動式の展開、基礎単一系攻撃魔法を発動させる。

 

エドを後方に吹き飛ばし、壁にぶつけた衝撃で戦闘不能にするイメージをする。

 

服部は目の前にいる金髪の少年が気に入らなかった。

 

今から模擬戦をするにも関わらず、あろうことかCADを構えもせずに試合に臨んでいるのだから。

 

服部からすれば、バカにされているとしか思えない行為だった。

 

少なくとも、魔法師の常識からは考えられない行為であった。

 

 

「では両者共に準備はいいか?」

 

 

「大丈夫です」

 

 

「ああ」

 

 

服部とエドは答え、構える。

 

 

「ゆくぞ……始め!」

 

 

そして合図と同時に動いた。

 

 

 

────────

──────

────

 

 

 

同時に動き出したエドと服部。

 

服部は一秒にも満たないスピードでCADを操作し、起動式を展開させる。

 

その展開スピードはさすが一科生といったところか。

 

並の魔法師ならばこの時点で勝負はついている。

 

魔法師同士の勝負は、基本的にどちらが先に魔法を展開させるかどうかで決まる。

 

要はスペックの高い方が有利なのだ。

 

だがこの模擬戦に関しては、そうではなかった。

 

 

「!?」

 

 

服部はCADの操作をやめ、()()()横に飛ぶ。

 

すると彼の先ほどまでいた場所に無数の氷の(つぶて)が放たれていた。

 

 

「へぇ……今の攻撃をかわすとは意外とやるねぇ、はんぞー副会長」

 

 

彼の視線の先には不敵に笑いながら、服部を見るエドの姿があった。

 

 

「貴様……今、CADを使わずに魔法を発動させたのか!?」

 

 

「さぁどうだろうね?それは自分で確かめたらどうだい!」

 

 

そして、エドは()()()()()()()

 

再度、氷の(つぶて)が服部を襲う。

 

 

「くっ!?」

 

 

服部は横に飛びながらCADを操作し、ある魔法を発動させる。

 

 

ドライ・ブリザード

 

 

これは収束・発散・移動系の系統魔法である。

 

空気中の二酸化炭素を集めることにより、空間にドライアイスを形成し、運動エネルギーで高速で射出する魔法である。

 

ドライ・ブリザードがエドを襲うが……

 

 

「な!?壁が形成された!?」

 

 

突如、エドを守るように現れた壁が盾となってドライ・ブリザードを防いだ。

 

 

「いくぜ!」

 

 

エドは壁の横から飛び出ると、服部へと真っ直ぐに突っ込んでいく。

 

 

「血迷ったか!真っ正面から突っ込んでくるとは……いい的になるだけだ!!」

 

 

服部は後ろに下がりながら再びCADを操作する。

 

空気の圧縮弾エア・ブリットを放つ。

 

 

「当たらねぇよ!!」

 

 

エドは走りながら、エア・ブリットを紙一重でかわしていく。

 

ジャンプし、しゃがみ、はたまた当たるスレスレでスライディングをして見事にかわしていく。

 

その様子を見ていた服部は、思わず歯噛みする。

 

 

(なんて身軽な奴だ……それに魔法の発動スピードも俺より速い。総合一位はやはり伊達ではないということか!?)

 

 

「だがやりようならいくらでもある!!」

 

 

服部も後ろに下がりながら、エア・ブリットを散弾銃のように放つ。

 

 

「ちっ!?」

 

 

それを見てかわせないと判断したエドは再び、壁を形成しエア・ブリットをガードする。

 

だがそれこそが、服部の狙いであった。

 

 

(動きが止まった!)

 

 

チャンスと見た服部は即座に這い寄る雷蛇(スリザリン・サンダース)を発動させる。

 

これは服部の得意な魔法の一つでありドライ・ブリザードの副次効果で発生する霧雨(きりさめ)を利用することで、敵に電撃を浴びせるコンビネーション魔法である。

 

このとき、服部は勝ちを確信した。

 

 

(あの壁を破壊し、そのまま奴を電撃で気絶させる!!)

 

 

服部の狙い通り這い寄る雷蛇(スリザリン・サンダース)は壁を破壊する。

 

その場で身を隠しているであろうエドごと、強力な電撃で襲った。

 

爆音が演習室に木霊する。

 

 

「…………」

 

 

審判として様子を見ていた摩利は、エドがいたであろう場所を凝視する。

 

エドが倒れていた場合、即座に試合をやめさせ治療せねばならないからだ。

 

これでも服部は生徒会に選ばれる程の実力の持ち主であるため、相手にケガをさせることは少ない。

 

だが万が一ということもあり得る。

 

服部はジッと様子を見る。

 

煙が晴れる。

 

そこには三つ編みのシルエットが立っていた。

 

 

(まだ立ってるだと!?)

 

 

そしてシルエットを確認した服部はさらに魔法を発動させようとしたとき、思わず顔をギョッとさせた。

 

そこには……

 

 

 

 

 

 

『残念ハズレ』

 

 

 

 

 

 

エドの姿をした人形が置いてあったのだから。

 

 

 

 

 

 

そのとき……

 

 

 

 

 

 

パンッ!

 

 

 

 

 

 

()()()()()()()()()()()()()()()が聴こえる。

 

それは先ほどまで戦っていた金髪の少年が使用していた魔法発動のための()()()()

 

 

「上か!?」

 

 

服部は上を向く。

 

思った通り、空中にエドの姿があった。

 

そして()()()()()()()()()()()

 

魔法の発動をさせまいと服部は、再びエア・ブリットを放とうとするが……

 

 

「遅ェよ!!」

 

 

「なっ……これは!?」

 

 

いつの間にか地面からはえていた鎖に両手を拘束されていた。

 

そう。

 

エドの狙いは最初からこれだった。

 

魔法師は魔法を使用するときCADを使用する。

 

そしてその発動は()()()()()使()()()()()()()()()

 

エドは服部の両手を封じることで、魔法の発動を妨害したのだ。

 

服部が気付いたときには……既にエドの接近を許していた。

 

 

「ふっ!」

 

 

エドの拳が服部に迫る。

 

 

「……くっ!?」

 

 

思わず目を閉じる服部。

 

だがら痛みは来なかった。

 

恐る恐る目を開けると、左拳を顔スレスレで止めているエドの姿があった。

 

 

「言っただろ?格が違うってよ」

 

 

「…………俺の……敗けだ」

 

 

服部の言葉を聞いた摩利が告げた。

 

 

「勝者エドワード・エルリック!」

 

 




次回はもうちょっと早く投稿します!
具体的には一週間に一回……くらい?

では、また(・∀・)ノ

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