魔法科高校の鋼の錬金術師   作:Gussan0

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ど、どうも((((;゜Д゜)))

お、お久しぶりです……。

前話で一週間に一回、投稿するとかいいながら約二ヶ月半も空いたこと、お、お許しください。

その、なんというか言い訳としては色々あったといいますかorz

まあ、これからはできるだけ短い時間で投稿できるように頑張りたいと思いますΣ(゜Д゜)

で、今回はリハビリがてらに軽く投稿。

では、どうぞ( *・ω・)ノ


第十八話 司波達也の実力の一端

「勝者エドワード・エルリック!」

 

 

摩利の掛け声で模擬戦が終わる。

 

周囲がざわつく。

 

 

「まさか……はんぞー君に勝つなんて……」

 

 

「これは……」

 

 

「す、すごいですうぅ……」

 

 

生徒会の面々、七草真由美(さえぐさまゆみ)市原鈴音(いちはらすずね)中条(なかじょう)あずさの三人は案の定驚いていた。

 

それは同じく側で見ていた司波兄妹も少なからず衝撃を受けていた。

 

 

「お兄様」

 

 

「ああ、エドワードの奴……()()()()()()()()()()

 

 

兄妹は小声で会話する。

 

 

「見たところ、服部副会長の魔法に気後れしている節もありませんでした」

 

 

()()()()()()()()()()()()()()()()。エドワードは模擬戦前から常に自然体だった。つまりリラックスしていたということだ」

 

 

「……一体何者なのでしょう、エドワードさんは?」

 

 

「……今のところはなんとも言えないな。情報が少なすぎる」

 

 

そして肝心のエドはというと……

 

 

「ほらよ、はんぞー副会長」

 

 

服部の両手を拘束している鎖を錬金術で分解していた。

 

ついでに荒れた演習場を直しておくことも忘れない。

 

両手を解放された服部はエドに話しかける。

 

 

「エドワード……お前のその力は一体?」

 

 

「これは錬金術だよ」

 

 

エドが軽く説明しようとすると……

 

 

「錬金術?」

 

 

いつの間にか、二人の傍に来ていた真由美が声をあげた。

 

エドはそのことに少し驚きながらも簡単に返す。

 

 

「……オレの一族だけが使える古式魔法の一種だ」

 

 

「見たところ想子(サイオン)を使っているようには見えませんでしたが……」

 

 

他の生徒会の面々もいつの間にか、エドと服部の傍へと近寄っていた。

 

そしてエドの錬金術に興味があるのか(りん)ちゃんこと、鈴音が興味深そうに聞く。

 

 

「錬金術を使うのに想子(サイオン)はいらねぇよ……あ、いらないです」

 

 

それに思わず素で答えるエド。

 

だが相手が鈴音であるのを見ると、途端に敬語に直す。

 

それを見た真由美が少しムッとしながら、エドに話しかける。

 

 

「ちょっとエドワード君!どうして鈴ちゃんには敬語を使って、私には敬語じゃないのかしら!?」

 

 

「…………そんなことねぇよ。あ、ねぇです」

 

 

「ほら!」

 

 

「そこまでにしておけ真由美。エドワード君も困っているだろう」

 

 

そこに審判をしていた摩利が真由美の頭をポンポンと叩きながら、話しかける。

 

 

「いい試合だったぞエドワード君、服部も」

 

 

「……渡辺先輩」

 

 

すると、側で少し俯いていた服部が摩利の方を向く。

 

 

「服部、お前も思うところはあるだろうがエドワード君のことを認めなければな。そもそもお前がエドワード君を()()()()()()のは真由美が……」

 

 

「わぁあああああっっっっ……な、なんでもありません!自分は司波深雪さんと同率一位であったエドワード・エルリックの力に少し興味があっただけです!!」

 

 

服部は少し顔を紅くさせながら、大声で話す。

 

気を取り直し、側で様子を見ていたエドの方へと顔を向ける。

 

 

「エドワード・エルリック」

 

 

そして……

 

 

「今回、()()()()()()俺に非があったのは認める。すまなかった」

 

 

頭を下げた。

 

 

「…………」

 

 

頭を下げられた肝心のエドはというと……

 

 

(あー……そういや、はんぞー副会長に常識を教えるとかいう名目で模擬戦挑んだんだっけか?)

 

 

その理由を思い出していた。

 

そして、左手で頭をかきながら返事を返す。

 

 

「あー……頭上げてくれ、はんぞー副会長。オレは頭下げられるような上等な人間じゃない。それにこっちも色々言って悪かった……」

 

 

「「…………」」

 

 

しばらく沈黙する二人。

 

 

(き、気まずい……)

 

 

エドが内心気まずく思っていると、ここで様子を見ていたあーちゃんこと、あずさが発言した。

 

 

「そういえば司波君と、服部君の模擬戦はどうなるんでしょう?」

 

 

「そういえばそうだったな」

 

 

ここで本来の目的に気付く一同。

 

摩利が両者に確認を取る。

 

 

「服部、連戦になるが達也君との模擬戦はいけそうか?体調に問題があるなら、また後日という手もあるが?」

 

 

「いえ、特にケガや体調に問題はありません。大丈夫です」

 

 

「達也君は?」

 

 

「自分も特に問題ありません」

 

 

どうやら両者共に問題はないらしい。

 

 

「なら10分ほど休憩をしてから達也君と服部の模擬戦に移る。それまで待機だ」

 

 

そして、本来の目的である達也と服部の模擬戦が開かれることになった。

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

休憩中……

 

模擬戦を終えたエドは軽い手応えを感じていた。

 

 

(この模擬戦……得られるものはかなりあった)

 

 

エドが服部と()()()()()()()()……それは魔法師との戦闘経験を積むためであった。

 

 

(この魔法科高校にいる連中は、()()()()()ただ者じゃない奴らばかりだ。そしてその中でも選りすぐりの連中が……この生徒会の奴らだ)

 

 

エドは生徒会の面々、仲良く談笑する真由美とあずさ、何やらメモをとっている鈴音、CADの様子を確かめている服部に視線を向ける。

 

 

(オレの『錬金術』が魔法師に通用するか手っ取り早く確認するには……実際に魔法師と戦うのが一番だ。その機会が巡ってきたのは正直ラッキーだったぜ)

 

 

エドは服部との模擬戦を経て、自分の力がこの世界で通用すると確信していた。

 

 

(それに……)

 

 

エドは仲良く話している司波兄妹へと、視線を向ける。

 

 

(あいつの……『イレギュラー』に狙われるほどの力を持つ男……司波達也。奴の力が見れるせっかくの機会なんだ。ここはじっくり観察して……あいつの秘密とやらに迫らせてもらうぜ)

 

 

視線を向けていたエドに気付いたのか、司波兄妹が近づいてきた。

 

 

「お疲れ様ですエドワードさん」

 

 

深雪が声をかけてくる。

 

 

「おう」

 

 

それに答えるエド。

 

 

「エドワード」

 

 

すると、達也も話しかけてきた。

 

 

「お前、模擬戦が始まる前に()()()()()()()()()()()()?」

 

 

だが、その声はどこか呆れを含ませている声音であった。

 

 

「気付いてたのか」

 

 

「魔法の発動スピードが速すぎる。()()()()()()()に服部先輩に放たれていたからな」

 

 

「別にルールには抵触してねぇぞ。なんせオレは()()()()()()()()()()()なんだからな」

 

 

そう。

 

エドは模擬戦開始前に既に両手を合わせていた。

 

そうしておくことで、錬金術をいつでも使えるように待機状態にしていたのだ。

 

エドの錬金術にサイオンは必要としない。

 

よって、摩利の言っていたルール違反にも当たらないのだ。

 

エドは不敵に笑いながら、達也を見る。

 

 

「それよりお前は大丈夫なのかよ?戦って分かったが、はんぞー副会長の魔法発動スピード……なかなか速ぇぞ?」

 

 

だが達也も軽く笑いながら返した。

 

 

「ふっ、問題ない。魔法を発動させる暇も与えない。()()()終わらせる」

 

 

「は?」

 

 

エドは達也の発言の意味が分からず、思わず気の抜けた声をあげる。

 

 

「お前、それどういう……「時間だ」……」

 

 

達也は演習場の中央へと向かっていく。

 

開始線の前には既に服部が待機していた。

 

それを唖然と見ていたエドに深雪が話す。

 

 

「まぁ、見ていて下さいエドワードさん。お兄様は……誰にも負けません」

 

 

「…………」

 

 

そしてエドは深雪の言葉の意味に、数分後気付くことになる。

 

 

 

────────

──────

────

 

 

 

「ルールは先程と同じだ。それでは両者共に開始線まで下がれ」

 

 

摩利が引き続き審判をする。

 

エドは生徒会の面々と共に端の方で見学する。

 

彼の隣には深雪、真由美がいる。

 

普通の男子生徒なら美少女が両隣にいることに緊張していただろうが……そこは興味があることには異常な集中力を見せる男エドワード・エルリック。

 

アゴに手を添えながら目の前の二人の様子を観察していた。

 

その真剣な表情に両隣にいる二人も少し驚いていた。

 

達也は拳銃型のCADを握る右手を床に向け、服部は左腕のCADに右手を添えて摩利の合図を待つ。

 

そして場が静まり返り、静寂が訪れたその瞬間……

 

 

「始め!」

 

 

達也と服部の模擬戦の火蓋(ひぶた)が切って落とされた。

 

 

 

だが、決着は一瞬でついた。

 

 

 

「……勝者、司波達也」

 

 

 

合図された瞬間、達也が服部の後方にいつの間にか回り込んでおり、服部にCADの銃口を向けていた。

 

そしてその発動された魔法を受けて服部の身体が崩れ落ちたのだ。

 

 

「な、にっ………」

 

 

さすがのエドも、この結果には思わず目を見開く。

 

達也は軽く一礼した後、CADを自分のケースへと戻す。そのケースには複数のストレージが入っていた。

 

 

「待て」

 

 

淡々と自分のCADを仕舞っていた達也を摩利が呼び止める。

 

 

「今の動きは……自己加速術式を予め展開していたのか?」

 

 

摩利の問いに倒れた服部を介抱していた鈴音とあずさも耳を向ける。

 

達也は試合開始の合図直後に()()服部の後方に回り込んでいた。

 

周りからは瞬間移動と見間違えるほどの速力であった。

 

それは明らかに生身の肉体では出せないほどのスピードであった。

 

 

「そんな訳がないことは、審判をしていた渡辺先輩が一番良くお分かりだと思いますが」

 

 

だが達也はそんな可能性を一蹴する。

 

これでも摩利は審判として、CADがフライングで起動されていないかどうか、それだけでなく達也が別のCADを隠し持っていないかも想定して、両者のサイオンの流れを注意深く観察していた。

 

 

「しかし……あれは」

 

 

「魔法ではありません。正真正銘、身体的な技術ですよ」

 

 

達也の言葉を聞いたとき、エドの脳裏には二人の男の姿がよぎった。

 

エドは真理の扉で見た映像を思い出す。

 

彼は中央(セントラル)の最終決戦で戦っていたある二人の一騎討ちを知っている。

 

 

(達也の野郎……傷の男(スカー)……いや下手すればキング・ブラッドレイに迫る程の身体能力の持ち主じゃねぇか!?)

 

 

一瞬でしか分からなかったが、達也の近接戦闘の高さは恐らく……その二人に迫る程の高さかもしれない。

 

 

「あれは兄の体術です。兄は、忍術使い・九重八雲(ここのえやくも)先生の指導を受けているのです」

 

 

エドはその名前を聞いて眉をひそめる。

 

聞き覚えがなかったからだ。

 

 

「誰だ?」

 

 

「知らないのか!?あの忍術使い、九重先生を!?」

 

 

「知らねぇ……です。っていうか忍者なんて実在したのか。うん?そういえば忍者っていえば……」

 

 

エドは気絶してる服部を見る。

 

 

「…………」

 

 

そしてソッと視線を逸らした。

 

 

「じゃあ、あの攻撃に使った魔法も忍術ですか?私には、サイオンの波動そのものを放ったようにしか見えなかったのですが」

 

 

真由美は射撃魔法を得意としている。

 

当然サイオン、魔力を直接打ち出す弾丸も撃つことができる。

 

だがサイオンは物理的な作用を持たない。

 

つまり直接的な破壊効果はないのだ。

 

だが服部はその魔法を受けて気絶してしまった。

 

真由美は達也の使った魔法のメカニズムが気になって仕方ないらしい。

 

 

「正確には忍術ではありませんが、サイオンの波動そのものという部分は正解です。あれは振動の基礎単一系魔法で、サイオンの波を作り出しただけですよ」

 

 

「しかしそれでは、はんぞーくんが倒れた理由が分かりませんが……」

 

 

「酔ったんですよ」

 

 

「酔った?一体、何に?」

 

 

首を傾げる真由美に、達也は淡々と説明する。

 

 

「魔法師はサイオンを、可視光線や可聴音波と同じように知覚します。予期せぬサイオンの波動に曝された魔法師は、実際に自分の身体が揺さぶられたように錯覚するんです。その錯覚によって激しい船酔いのようになったということです」

 

 

「なるほど。要はそのサイオンの波をはんぞー副会長に当てることで『揺さぶられた』という錯覚を身体に誤認させ、船酔いの作用を起こしたわけか」

 

 

「そういうことだ」

 

 

エドが確認するように呟くと、達也が認める。

 

 

「そんな、信じられない……。魔法師は普段、日常生活でも常にサイオンの波動に曝されて、サイオン波に慣れているはずよ?無系統魔法はもちろん、起動式や魔法式だってサイオン波動の一種ですもの。その魔法師が立っていられないほどの強いサイオン波を一体どうやって……?」

 

 

だが真由美はそれでも納得できないらしい。

 

魔法師は常に魔力を身に纏っている状態に近い。

 

それも無意識に。

 

つまりその影響で、多少の強い波動を食らったとしても酔うことはないはずなのだ。

 

だが実際に、服部は気を失っている。

 

そんな真由美の疑問に答えたのは鈴音だった。

 

 

「波の合成、ですね」

 

 

「リンちゃん?」

 

 

鈴音は説明する。

 

 

「振動波の異なるサイオン波を三連続で作り出し、三つの波がちょうど服部君と重なる位置で合成して、三角波のような強い波動を作り出したんでしょう。よくもそんな精密な計算ができるものですね」

 

 

「お見事です、市原先輩」

 

 

(それを初見で見抜いたアンタの方がスゲェよ……)

 

 

鈴音が達也の演算能力の凄さに呆れていたが、エドは鈴音の分析能力の高さにも驚いていた。

 

 

「それにしても、あの短時間でどうやって?それだけの処理速度があれば、実技の評価が低いはずがありませんが」

 

 

鈴音の疑問に苦笑で答える達也であったが、彼の手元をチラチラと覗きこんでいた少女が代わりにその答えを示してくれた。

 

 

「あの~、もしかして、司波君のCADは『シルバー・ホーン』じゃありませんか?」

 

 

「シルバー・ホーン?あの謎の天才魔工師トーラス・シルバーのシルバー?」

 

 

真由美の問いに、あずさは元気良く答える。

 

 

「そうです!フォア・リーブス・テクノロジー専属、その本名、姿、プロフィールの全てが謎に包まれた奇跡のCADエンジニア!」

 

 

あずさが達也の周りをチョロチョロと動き回りながら、説明する。

 

 

「世界で初めてループ・キャスト・システムを実現した天才プログラマ!」

 

 

そしてテンション高めに語る。

 

 

「シルバー・ホーンというのは、そのトーラス・シルバーがフルカスタマイズした特化型CADのモデル名で、ループ・キャストに最適化されているんです!」

 

 

(まるでリスみてぇだな)

 

 

エドは達也の周りをチョロチョロ動き回るあずさに、リスのような印象を持った。

 

確かにドングリや、ヒマワリの種は似合いそうだ。

 

ちなみにループ・キャストとは同一の魔法を連続発動させる為のシステムである。

 

簡単に言うと、同じ系統の魔法であればすぐに使えるのだ。

 

今までのシステムでは一度使った魔法は再度展開しなおさなければならなかったが、ループ・キャストのおかげでその時間が短縮されたのだ。

 

 

「でもリンちゃん。それっておかしくない?」

 

 

「ええ、おかしいですね。ループ・キャストはあくまでも全く同一の魔法を連続発動させるためのもの。それでは振動数の異なる波動を作り出すことはできないはずです」

 

 

鈴音は説明を続ける。

 

 

「振動数を定義する部分を変数にしておけば可能でしょうけど、座標・強度・持続時間に加えて、振動数まで変化するとなると……」

 

 

そして鈴音は目を見開く。

 

 

「……まさか、()()を実行しているというのですか?」

 

 

「多変数化は処理速度としても、演算規模としても、干渉強度としても……()()()()()()評価されない項目ですからね」

 

 

生徒会の面々が驚きながら見る一方で、エドも達也の方をじっと見つめていた。

 

 

「…………」

 

 

すると……

 

 

「……実技試験における魔法力の評価は、魔法を発動する速度、魔法式の規模、対象物の情報を書き換える強度で決まる。……なるほど、テストが本当の力を示していないとはこういうことか……」

 

 

服部がうめき声をあげながら呟く。

 

真由美が服部の顔をのぞきこむように身を乗り出す。

 

人差し指を顔につけて。

 

 

「はんぞーくん、大丈夫ですか?」

 

 

「大丈夫です!」

 

 

服部は顔を赤くさせ、慌てて立ち上がった。

 

 

「大丈夫そうで良かった。どうやら()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

「いえ、最初は本当に意識がなかったんです!」

 

 

服部は真由美の言葉の意味に気付いたのか、慌てて訂正する。

 

 

「意識を取り戻した後も朦朧としていて……身体を動かせるようになったのはたった今なんです!」

 

 

「そうですか……?()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()?」

 

 

つまり、真由美はこういいたいのだ。

 

 

『はんぞーくん?実はずっと起きてたんでしょ?』と。

 

 

エドはそんな真由美の心の声が聴こえた気がした。

 

 

「……ええと、それはですね!こう、朦朧としながらも、耳に入って来たと言いますか……」

 

 

それでも服部は必死に弁明する。

 

これは周りから見ても分かる通り、服部は真由美に対してある種の感情を抱いている。

 

そして真由美自身、服部が自身に向けている感情を理解している節が見られる。

 

 

(こういうのを小悪魔っていうのかねぇ)

 

 

エドはそんな服部に少し同情していた。

 

ほんの先程まで軽い敵意を向けられていたエドであったが、服部に関しては模擬戦以降、むしろ高く評価していた。

 

昨日の敵は今日の友。

 

これでも精神年齢百歳を超える男、エドワード・エルリック。

 

過去は気にしない様にしている。

 

そして真由美に対しての言い訳を終えたのか、服部が深雪に話しかけた。

 

 

「司波さん」

 

 

「……はい」

 

 

「さっきはその……身贔屓(みびいき)などと失礼なことを言いました。目が曇っていたのは、僕の方でした。許して欲しい」

 

 

頭を下げた。

 

 

(へぇ。やるじゃねぇかはんぞー副会長)

 

 

それを見たエドの服部に対する評価も、さらにうなぎ登りになる。

 

 

「わたしの方こそ、生意気を申しました。お許しください」

 

 

深雪も服部に対して頭を下げた。

 

それを後方で見ていた服部と、達也の視線が交差する。

 

だが服部は踵を返すと、ソッと演習場を出ていった。

 

そのとき……

 

 

 

グーッ……

 

 

 

という場違いな音が演習場に響いた。

 

全員の視線がその音の持ち主へと行く。

 

 

「あー……腹減ったー」

 

 

そこにはダウンしながら、壁にもたれているエドの姿があった。

 

どうやら派手に動いたことでお腹が空いてしまったらしい。

 

その様子をどこか苦笑いで見る面々であった。

 




次回から部活動巡回会に入りやす。

当然、トラブルメーカーであるエドがなんの問題も起こさないわけがなく……

では、また(・∀・)ノ

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