続き書けたで候。
すまない。
ブランシュのアジトに攻めるまでいきたかったんですが次回に持ち越しです。
あと小説の所々でプレイステーション2専用ゲーム【鋼の錬金術師:翔べない天使】【鋼の錬金術師2:赤きエリクシルの悪魔】【鋼の錬金術師3:神を継ぐ少女】の内容を書くことがあります。
一応、知らない人のためにもできるだけ分かりやすく書くように意識していきます。また不自然なところがあれば言ってくれたらありがたいです。
では、どうぞ( *・ω・)ノ
「……立って歩け……前へ進め……」
ここで達也が発言する。
「エドワードの言う通りですよ壬生先輩」
「司波君?」
「エリカが先輩の技を見て、言っていました。中学のときとは別人のように強くなっていると。それは紛れもなく、壬生先輩が自分の手で高めた先輩の剣です。恨みに凝り固まるでなく、嘆きに溺れるでなく、己自身を磨き高めた先輩の一年が無駄であったはずはないと思います。それにエドワードも言っていたでしょう?先輩はまだ何も失っちゃいません。むしろその一年を糧にして、前へ進むべきだと思います」
(だが気になるのはエドワードが言っていたあれらの言葉……『二つの禁忌』、『全てを失った日』)
達也は思考を続ける。
(二つのキーワードから考えられる要因は……エドワードは
達也が思考を終えたとき壬生が話し始めた。
「……そう……よね。私が、私自身が自分の時間を否定しちゃダメよね。それにエドワード君と司波君の言うとおり……私は
壬生は達也へと向き直る。
「ありがとう司波君。なんだか色々吹っ切れちゃった……」
「お礼はエドワードに言うべきかと。彼が先輩に発破をかけたのですから」
「そうよね。エドワード君にも後でお礼を言わないと。でもまずは、渡辺先輩」
「ん?何だ?」
壬生は達也達のやり取りをジッと見守っていた摩利へと声をかけ……
「その……今回のことも、今までのことも申し訳ありませんでした」
頭を下げた。
「お、おい!」
摩利はいきなりのことに驚く。
「今回のことで私は色んな人達にご迷惑をかけてしまいました。いつまでも過去のことに固執して、誤解して、逆恨みして……そのうえ今回の騒動に加担までしてしまいました」
摩利は話を聞く。
「でも分かったんです。私が、私自身が歩んできた剣の道は無駄じゃなかった。それを教えてくれたのが司波君達です。だからその……ひとつのケジメとして皆さんに言わせてください」
そして壬生は保健室にいる面々に目を向けて言った。
「心配かけてごめんなさい……そして色々助けてくれて……ありがとうございました」
────────
──────
────
その頃エドはというと……
(あー……偉そうに説教かましちまった)
トイレで用を足した後、保健室へと戻るために歩いていた。だがその足取りは重かった。
(そういえばあのとき、ロゼにも同じようなこと言ったけか)
エドは前世の出身世界アメストリス国のリオールで出会ったある一人の少女を思い出す。
少女の名はロゼ。
当時リオールでは教祖コーネロ率いるレト教という宗教が信仰されていた。
太陽神レトの代理人としてリオールを治めていたコーネロは、恋人を亡くし塞ぎこんでいたロゼにレト教なら恋人を復活させることができると吹聴していたのだ。
実はコーネロの狙いは【神の御業】と称したインチキ宗教によってリオールの住民達をたぶらかし、クーデターを起こすことだった。
だがそこにたまたま居合わせたエルリック兄弟によって、街中に計画を広められ失脚。
最後の抵抗として挑むも賢者の石の使い過ぎで自滅した哀れな道化である。
その後、ロゼはエドに『これからあたしは!何にすがっていきていけばいいのよ!!』と自暴自棄になってしまうのだが、エドの言った言葉によって自力で立ち上がることができるようになったのだ。
ロゼとはそれ以降も訳あって交流を持つことになるのだが、それはまた別の機会に語ろう。
エドが昔のことを思い出しながら歩いていると……
「エドワード君」
前方から声をかけられた。
前を見るとエドより少し背の高い女性がいた。
女性は茶髪がかった髪色でロングテールであった。
「あんたは?」
「私は小野遥。この高校のカウンセラーをしています。貴方には壬生さんのことでお礼を言いに来たの」
「お礼?」
エドは訝しげに遥を見る。
その際に彼女の大きすぎる胸に一瞬視線がいくがなんとかこらえる。
男ならば仕方がないことなのだ。
「貴方が壬生さんを励ましてくれたおかげで彼女は立ち上がることができた。私ができなかったことを貴方はやってくれたの。本当にありがとう」
遥は頭を下げる。
それを見たエドは静かに返す。
「頭を上げてくれ。オレはそんな大したことはしちゃいない。壬生先輩が、あの人がいつまでもウジウジ悩んでいたのを見ていられなかっただけだ」
「……優しいのねエドワード君は」
「そんなんじゃねえよ」
エドは少し照れながらそっぽを向く。
遥は優しく笑いながらエドへと近付いていく。
「悪いとは思ってたんだけど、貴方の話は私も聞かせてもらってたの。そしたら、私個人的にも貴方のこと……もっと知りたくなっちゃった」
「仮にも教育機関に所属する人間が生徒に誤解を与えるようなことを言うのは関心しないぜ……」
「あら?
「そんなんじゃねえよ!話が終わりならオレはもう行くぞ!!」
遥は何やら面白そうな物を見つけたような表情をしてエドの後を追いかけた。
◆◆◆
「ん?どうしたんだ真由美?」
摩利は真由美の様子がおかしいことに気付く。
何やら頬をひきつらせていたからだ。
「いえ、なんでもないわ摩利」
「……そうか」
だが真由美はなんでもないと答えた。
摩利にはそれが嘘だとすぐに分かったがあえてつっこまなかった。
そして達也が話を切り出した。
「さて、問題はブランシュの奴らが今、どこにいるのかということですが……」
「達也君まさか、奴らと一戦交える気なの!?」
再起動した真由美が達也の発言を問う。
「その表現は妥当ではありませんね。叩き潰すんですよ」
達也の過激な発言に摩利と真由美がすぐに異を唱える。
「危険だ。学生の分を超えている」
「私も反対よ。学外の事は警察に任せるべきだわ」
「そして、壬生先輩を強盗未遂で家裁送りにするんですか?」
達也の発言に十文字が答える。
「なるほど、警察の介入は好ましくない。だからといってこのまま放置することも出来ない。だがな司波、俺も七草も渡辺も当校の生徒に命を懸けろとは言えん」
十文字の言葉は最もだ。
いかに第一高校の生徒達といえどテロリストとの戦いに命を賭けろなどと言える訳がない。
それにもし仮に戦いに生徒達が加わることを了承したとしても戦闘に慣れている者がいるとも思えない。
それに対し達也も続ける。
「当然です。最初から委員会や部活練の力を借りるつもりはありません」
「一人で行くつもりか?」
「本来ならそうしたい所なのですが……」
「お供します」
当然のように深雪が名乗り出た。
「私も行くわ」
「俺もだ」
続いてエリカとレオが参加を表明する。
周りの人間が戦うことを次々と表明することに耐えられなくなった壬生が達也に訴える。
「司波君、もしも私のためだったらお願いだからやめてちょうだい。私は平気、罰を受けるだけの事はしたんだから。それより、私のせいで司波君達に何かあったら……」
「壬生先輩のためではありません」
しかし達也は壬生の懸念を一蹴する。
「自分の生活空間がテロの標的になったんです。俺と深雪の日常を損なおうとする者は全て駆除します。これは俺にとって最優先事項です」
達也のいっそ清々しいほどのシスコン魂もとい、妹への想いに皆は何も言えなかった。
そんな雰囲気の中、次に発言したのは深雪であった。
「しかしお兄様、どうやってブランシュの拠点を突き止めればよいのでしょうか?」
「分からないことは知っている人に聞けばいい」
達也は深雪の肩に手を置いた後に保健室の入口へと向かう。
ドアのボタンを押すと、扉の向こうにはカウンセラーの小野遥とエドワードが立っていた。
「小野先生……?」
「エドワードも一緒だったのか」
遥は苦笑いで呟く。
「あっ、あの九重先生秘蔵の弟子から隠れおおせようなんてやっぱり甘かったか……」
その呟きを聞いていたエドも呟く。
「九重先生ってことはあんたも噂の忍者の弟子なのかよ……」
「あははははは……」
遥は苦笑いで返すしかなかった。
────────
──────
────
達也は遥から情報を受け取ると端末を遥と壬生を除く皆に見せる。
「放棄された工場か……車の方がいいだろうな」
「正面突破ですか」
「ああ」
「車は俺が用意しよう」
その言葉に真由美は驚く。
「えっ、十文字君も行くの?」
「十師族に名を連ねる者として当然の務めだ。だがそれ以上に俺も一高の生徒として、この事態を看過する事は出来ん」
十文字の言葉に真由美も「じゃあ……」と同行しようとする。
しかし……
「七草、お前はダメだ」
「この状況で生徒会長が不在になるのはまずい」
他の二人がすぐに却下する。
「でも、だったら摩利。あなたもダメよ?残党がまだ校内に隠れているかもしれないんだから。風紀委員長に抜けられたら困るわ」
「それは……は、そうだ!」
「どうしたの摩利?」
突然声をあげる摩利。
そしてその視線は端にいたエドへと向く。
「エドワード!頼んでもいいか?」
「へいへい。分かってますよ」
摩利に名を呼ばれたことで状況を察するエド。
「オレもついていくぜ」
「お前の実力なら大丈夫だな。いいだろう、共に来いエルリック」
十文字もエドの実力は既に知っているので即断した。
────────
──────
────
十文字が車の準備をしていると、刀を携えた桐原がやってくる。
「会頭!俺も連れて行ってください!!」
「何故だ桐原」
「一高生として、このような無法は見過ごせません」
十文字はなぜ桐原がブランシュのアジトに攻めいることを知っているのか気になったが触れずに、申し出に答えた。
「ダメだ、連れて行けん」
「会頭!」
「その理由では、命を懸けるには軽すぎる」
「ぐっ……」
思わず唸る桐原。
十文字は再度、桐原に問うた。
「もう一度聞く。何故だ?」
誤魔化しは利かないと悟ったのか、桐原は観念して話し出す。
「俺は中学時代の壬生の剣が好きでした。人を斬るための俺の剣とは違い、純粋に技を競い合う剣を綺麗だと思いました」
桐原は続ける。
「でもいつの間にかあいつの剣は曇っていました。俺はそれが気に食わなかった」
「だから乱入などという真似をしたのか」
「壬生の過ちを気付かせてやろうとか考えたわけじゃありません。ただ頭にきて、喧嘩を売っただけです」
「お前は過ちと言うが、壬生の意思ではないのか?」
十文字の問いに桐原は大声で返す。
「違います!壬生の
自分の思いを全て吐露し、頭を下げる桐原。
十文字は腕を組んでジッと
十数秒の沈黙の末、十文字が口を開いた。
「……いいだろう」
「会頭……!」
「男を懸けるには十分な理由だ」
桐原はとても嬉しそうに顔を上げたあと、再度頭を下げる。
「ありがとうございます……!」
その後はエド達と合流した後、ブランシュの拠点に向けて出発を開始した。
ブランシュのアジトでは司一達が準備を整えていた。
「もうすぐここに一高の生徒が攻めにやってくる。
司一は左手につけている
原作じゃ壬生先輩は達也に寄りかかって泣いてましたが、エドに発破をかけられた影響で覚醒もとい、精神的に成長しました。
あとは司一さんがアップを始めました。
先に言っておくと原作のように簡単にはいかんとです。
目指すは一さんをかませ犬から雑魚敵への昇格ですはい。
では、また(・∀・)ノ