とりあえずかけたので投稿。
今回エドワードが呼び出された理由が語られます。
では、どうぞ( *・ω・)ノ
「で……目障りなイレギュラーって一体誰を倒しゃいいんだよ?」
「『知らん』」
「………」
「『………』」
「………すまん。良く聞こえなかった。もう一度言ってもらえるか?」
「『知らんと言った』」
「………」
「『………』」
「………少しも?」
「『ああ』」
「………ちっとも?」
「『ああ』」
「………全然?」
「『ああ』」
「………全く?」
「『ああ』」
ヒュウウウウウ……
この白い空間に風なんて吹いていないはずなのに、エドには風が吹く幻聴が聴こえた気がした。
「ふ…………ふ…………ふざけんじゃねえぞ!!この…のっぺらぼう野郎があああぁぁ!!!!」
そしてここでエドの堪忍袋の緒が切れた。
「テメェは!!ハッキリいったよなあぁ!!このオレに!!目障りなイレギュラーを倒してもらわなきゃ困ると!!」
「『言ったな』」
「そ・れ・が!!相手の特徴を欠片も知らねえとはどういう了見だ!?あぁ!?」
エドは真理に恐喝するチンピラの如く詰め寄る。
言っていることは正しいはずなのに悪役に見えるとはこれいかに。
「『まぁ待て。落ち着けよエドワード・エルリック』」
「グルルルルル!!!!!」
精神年齢百歳は余裕で越えているはずなのに落ち着きのない男エドワード・エルリック。
精神が退行しているのか獣のようになっていた。
「『
「
「『ああ。そいつは常に姿を隠していてな。大抵の事は部下に任せていやがるんだ』」
「………」
「『話を続けるぞ?そしてその部下共が動く中心には、必ずといっていいほどある
「兄妹だと?」
「『ああ。そいつの狙いは恐らくその兄妹に関する
「その肝心の何かについては分からないのかよ?」
「『オレは現実世界には
「あっちの世界の
「『まぁ、あの神もどきはもう
エドは真理の言葉で、『扉』の中で見た並行世界の最終決戦の映像を思い出す。
あのお父様と呼ばれてた男は、並行世界のエドワードに敗れた後、
そこでエドは思考を中断し、真理に話しかける。
「そういや肝心な事、聞くの忘れてたんだが…その
「『よく覚えとけよ?司波達也と司波深雪だ。ちなみに達也が兄貴で、深雪が妹だ』」
「シバ?日本人か?」
「『最初に言ったはずだぞ。お前には
「そういうことか。要はその司波兄妹に近寄って様子を見つつ、そのイレギュラーを探し出してボコりゃいいんだな?」
「『そういうことだ』」
「そうかよ」
エドは左手で髪をガリガリとかく。
(こいつは…大変なことになりそうだな………ってちょっと待て?)
そしてエドはここで重要なことに気付く。
「おい……」
「『お前の言いたい事は分かるぞエドワード・エルリック。どうしてイレギュラーの正体が分からないのに、そいつの目的や行動が予測できるんだって言いたいんだろ?』」
「そもそも…
「『………』」
「もう一度聞くぞ?一体何を隠していやがる?」
「『さすがに頭の回転が速いな。だがこれだけは言っておく。別に隠してた訳じゃない。言うタイミングが遅くなっただけだ』」
「どういうことだ?」
「『少し話は戻るが…最初に言ったよな?オレはお前達が世界と呼ぶ存在……あるいは宇宙……あるいは神……あるいは真理……あるいは全……あるいは一……そしてオレは…お前だってよ?』」
「ああ」
「『オレの存在は簡単に言えば概念みたいなものだ。そんな形のないオレは……タマに未来や、異世界といったデータを映像として受信することがある』」
「なんだと!?」
「『まぁ、聞け。そんなとき……オレはある未来の映像を見た』」
「………未来の映像?」
「『それが……イレギュラー野郎に
「なっ!?」
エドはあまりの衝撃に言葉を無くす。
(この真理の野郎を消滅させただと!?)
「『そしてオレは……その先の続きの未来を見た』」
「一体どうなったんだ!?」
「『
「な……に……」
エドは震える声で聞く。
「み、みんなは……オレの出身世界のみんなは…どうなった?」
「『一瞬で……消え去った。まるで
「………どいつだ?」
エドは俯く。
そして大きな声で怒鳴り付けた。
「一体……どこのどいつがなんの目的でそんなことをしやがった!?」
真理は答える。
「『不明だ。どうしてもそいつの映像だけが見えない』」
「くそ!!」
エドは右手で地面を殴り付ける。
「『だがそいつが司波兄妹に関わっているという未来の情報だけは得ることができた』」
「……その情報は信用できるんだろうな?」
「『当たり前だ。そいつ自身が部下共に司波兄妹を監視させている映像を何度も見たんだからな。間違いない』」
「そうかよ……」
そしてエドは俯いて考える
「……やっと分かった。お前があの扉の中で見せた映像の意味が。世界の命運ってのは……
「『そうだ。そしてそれを防げる可能性があるのはオレが知る限り……お前だけだエドワード・エルリック』」
「………させろ」
「『あ?』」
「さっさと転生させろ!!」
「『いいのか?』」
「等価交換だ。オレがお前の代わりにそのイレギュラー野郎をぶっ飛ばしてやるよ」
「『やっぱりお前は大した野郎だよエドワード・エルリック。転生するのは簡単だ。その扉にもう一度入れ。すぐにいけるはずだ』」
「そうか」
そしてエドは再び『真理の扉』の前に立つ。
すると扉が再び開き始める。
ガコオン……
そのときエドが真理に話しかけた。
「おい……ひとつ聞かせろ…」
「『あっちの世界に残してきた
「………」
「『安心しろ。お前達と別れた後、しばらくして…結婚して幸せに暮らしてたぞ。死ぬ最後の瞬間までお前達の身を案じていたがな…』」
「そっか…」
そして『真理の扉』が完全に開いた。
「『お前に伝えられる知識と経験は全て伝えた。それをどう使うかは…後はお前次第だエドワード・エルリック』」
「十分だ」
そしてエドはズンズンと力強く歩いて扉の中へと入っていく。
すると彼は扉が完全に閉まる前に一度振り向き、人差し指を突き付けながら大きな声で言った。
「大船に乗ったつもりで待ってろ!!」
そして扉は完全に閉まった。
「『頼んだぞ【鋼の錬金術師】』」
次回はいよいよ魔法科高校の世界へ錬金術師がいく!!
では、また(・∀・)ノ