魔法科高校の鋼の錬金術師   作:Gussan0

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どうも(゜▽゜*)

続き書けたで候。

では、どうぞ( *・ω・)ノ


第三十二話 九校戦発足式

その日、達也の九校戦入りが確定したことで、司波家ではささやかなお祝いとして深雪が夕食に力を入れた。

 

そして夕食を済ませた達也がリビングへいくと、まるで図ったかのようなタイミングで電話が鳴った。

 

電話に出ると、画面に映ったのは国防陸軍第101(イチマルイチ)旅団・独立魔装大隊大隊長・風間玄信(かざまはるのぶ)少佐であった。

 

 

「お久しぶりです」

 

 

『久しぶりだな、特尉』

 

 

達也は幼少の頃より軍に所属している。

 

その関係で風間とも長い付き合いなのだ。

 

 

「その呼び方を使うということは秘匿回線からですか。よくもまあ、毎回毎回一般回線のラインに割り込めるものですね」

 

 

『簡単ではなかったがな。特尉、君の家は特にセキュリティが厳しすぎるのではないか?』

 

 

「最近のハッカーは見境がないですから」

 

 

司波家のシステムサーバーには厳重なセキュリティか引かれている。

 

それはなぜか?

 

司波家の地下室には専用の設備があり、そこで達也はCADのメンテナンスをよく行っているのだ。

 

当然、開発している魔法や深雪のCADデータ、その他もろもろの情報も保存されているのでセキュリティが厳重なのは仕方がないと言える。

 

 

「それで少佐、本日はどのようなご用件で?」

 

 

『まずは事務連絡だ。本日、【サード・アイ】のオーバーホールが完了した。これに合わせてソフトウェアのアップデートと性能テストを行ってほしい』

 

 

「分かりました。明朝、出頭します」

 

 

『いや、学校を休むほど差し迫っている訳ではないが』

 

 

「いえ、次の休みにはFLTの方へ行く予定ですので」

 

 

『そうか。では明朝、いつもの所へ出頭してくれ』

 

 

「了解しました」

 

 

風間の指示に達也は敬礼で返事をする。

 

 

『次の話だが聞くところによると特尉、九校戦には君も参加するようだな』

 

 

「はい」

 

 

『九校戦の会場は富士演習場南東エリア。これはまあ、例年のことだが……』

 

 

九校戦に出ることが決まったのは数時間前だというのに耳が早いことに驚く達也。

 

国防軍ではそういったなんらかの傍受システムがあるのかもしれない。

 

そして風間は続きを話す。

 

 

『気を付けろよ達也。該当エリアにて国際犯罪シンジケートの構成員らしき者が何度も目撃されている。時期的に見て九校戦が狙いだと思われる』

 

 

「国際犯罪シンジケート、と仰いましたか?」

 

 

四月には『ブランシュ』の一件もあったというのに、今度は国際犯罪シンジケートである。

 

風間の言うとおり、狙いは間違いなく九校戦であろう。

 

またしても厄介事が起きそうなことにため息がつきたくなる達也である。

 

 

『壬生に調べさせた』

 

 

「第一高校二年生、壬生紗耶香のお父君ですか?」

 

 

『ああ。壬生は退役後、内閣府情報管理局に転籍して、外国犯罪組織を担当している』

 

 

「……驚きました」

 

 

達也は本心から言葉を紡ぐ。

 

紗耶香の父親、勇三とは彼女の退院時に少し話した。

 

彼は“自らの不徳の致すところ”と感じていたのはこれの理由があったからかもしれない。

 

軍の不始末を、決して友好的とは言えない内閣府の情報機関にリークして協力を仰いでいるが、情報管理を担当している一責任者の娘が下請け、それも末端とはいえ、テロ組織にも関与していたのだ。

 

その事実にも驚いていた。

 

 

『壬生の話では、香港系の犯罪シンジケート、「無頭龍(ノー・ヘッド・ドラゴン)」ではないかと言うことだ。追加情報が入り次第、また連絡しよう』

 

 

「お願いします」

 

 

風間からの連絡を終えた達也は、地下室にてある端末の設定を行っていた。

 

なお、日付は既に変わろうとしていた。

 

 

「お兄様、コーヒーをお持ちしました」

 

 

「丁度良かった。今呼びにいこうかと思っていたところ……ああ」

 

 

すると深雪がコーヒーを持ってきた所で驚く達也。

 

そこには可愛らしい妖精をモチーフにしたような衣装を纏っている深雪の姿があった。

 

静かに笑いかける深雪。

 

 

「もしかしてミラージ・バットのコスチュームか?」

 

 

「正解です」

 

 

深雪は少しポーズを取ってみる。

 

 

「いかがですか?」

 

 

「とても可愛いよ。本当に良く似合ってる」

 

 

「ありがとうございます」

 

 

と、ここで深雪は気付く。

 

達也がいつの間にか、()()()()()()()()()()()()()

 

 

()()()()!?」

 

 

深雪は喜びを露にする。

 

 

「おめでとうございます!常駐型重力制御魔法が完成したのですね!!」

 

 

達也へと抱き付く深雪。

 

 

「お兄様はまたしても不可能を可能とされました。私はお兄様の妹であることを誇りに思います」

 

 

「ありがとう深雪。これでまた一歩、目標に近付くことができたよ」

 

 

達也の手には一つの小さな端末があった。

 

 

「今度の休みにFLTにテストに行くんだが、まずは深雪に試してもらいたいんだ」

 

 

「っ!?喜んで!!」

 

 

そして深雪は達也から端末を受けとると、魔法のテストを開始する。

 

 

「始めます」

 

 

端末のボタンを押し、想子(サイオン)が注がれる。

 

深雪を薄い魔方陣が包むと、彼女は()()()()()

 

 

「あ………おぉ……」

 

 

深雪は少し戸惑うが、すぐに慣れると感動するような声を出す。

 

それほど人間が空中に浮くというのは、偉業の賜物なのだ。

 

 

「どうだ?起動式の連続処理が負担になってないか?」

 

 

「大丈夫です。頭痛も倦怠感もありません」

 

 

「良かった」

 

 

飛行術式が今まで完成してこなかったのには訳がある。

 

飛行を行うには加速・減速・上昇・下降をする度に新しい魔法を重ねがけしなければならない。

 

必要な事象干渉力はその度に増大していくので、重ねがけは約十回が限度とされていた。

 

つまり人の手では処理しきれないのだ。

 

だが達也は意外な方法で、この問題を解決した。

 

 

「じゃあ次はゆっくり水平移動してくれ」

 

 

「分かりました」

 

 

深雪は空中を優雅に移動する。

 

 

「魔法の断続感はないか?」

 

 

「ありません。タイムレコーダー機能は完璧に作動しています」

 

 

「このシステムの要は、発動中の魔法の発動地点を正確に記録する機能なんだ。こういう()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()と思ったんだ」

 

 

「さすがはお兄様です!」

 

 

人間に処理できなければ、機械に処理させればいい。

 

これ以上ないほどに単純明快な解答であった。

 

深雪はフィギュアスケーターのように空中を浮遊していく。

 

その様子をどこか満足げな表情で達也は見守るのだった。

 

余談ではあるが生徒会のあーちゃんこと、中条あずさは今現在もこの課題のレポートを書くのに四苦八苦していた。

 

そして次の休日、達也は自身が所属する魔法開発研究所、FLTにてこの試作端末を披露する。

 

そこの研究員達が揃って飛行魔法のテストではしゃいで想子(サイオン)を使いすぎてしまうというトラブルが起こってしまうのはご愛嬌であった。

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

九校戦選手団発足式。

 

7月18日月曜日、通常授業の四時限目に行われる。

 

その関係で全校生徒がホールへと集められていた。

 

この力の入れ込み具合から、どれだけ学校が九校戦に力を入れているのかが理解できる。

 

それも無理はない。

 

今年は第一高校にとって三連覇がかかった年になるからだ。

 

七草真由美、十文字克人、渡辺摩利の三巨頭が入学してから九校戦の二年連続優勝をかっさらっている。

 

それだけ期待値も高いのだ。

 

そして我らが鋼の錬金術師もその代表選出の一人として当然選ばれていた。

 

 

「め、めんどくせぇ……」

 

 

やる気があるかどうかは別問題であるが。

 

 

「もうエドったら!こういう時くらいしっかりしないとダメでしょ!!」

 

 

「九校戦は一高の威信がかかった戦い。その発足式では気合いを入れないとダメ」

 

 

彼の両端にいるほのかと雫が小声でエドに注意する。

 

完全に二人の姉に注意される弟の構図である。

 

 

「わ、わぁーってるよ!」

 

 

エドも小声で返事を返す。

 

 

「では、選手紹介を始めます。まずは……」

 

 

そして発足式が始まる。

 

まずは選手のお披露目である。

 

真由美がプレゼンターとして選手紹介をしていく。

 

壇上には選手四十名、作戦スタッフ四名、技術スタッフ八名の合計五十二名になるのだから凄まじい人数である。

 

そして一人一人に競技エリアに入場するためのIDチップを仕込んだ徽章(きしょう)が深雪の手によって付けられていく。

 

 

「一年A組、エドワード・エルリック君」

 

 

遂にエドの番が来た。

 

深雪がエドのエリに徽章をつける。

 

 

「エドワードさん、頑張って下さいね」

 

 

「……おう」

 

 

深雪は少しだけ微笑むと、次の雫へと移る。

 

ちなみにエドの前につけられたほのかはというと、超至近距離で深雪を見ていた影響で魂が昇天していた。

 

一説によると、魂と身体は精神によって繋がっているのですぐに現世へと戻ってこれるだろう。

 

大丈夫大丈夫。

 

最後に深雪は達也へと徽章をつける。

 

兄を敬愛している深雪にとって、達也が公的に認められることは非常に喜ばしいことだ。

 

そのときの彼女の誇らしげな表情がエドの頭に強く残ったのだった。

 

 

 

 

 

 

閑話休題

 

 

 

 

 

 

ほのかはソワソワしていた。

 

 

「う、うう~」

 

 

「皆さんの技術スタッフを担当する司波です。CADの調整の他、訓練メニュー作成や作戦立案をサポートします」

 

 

発足式が終わった後、選手達は割り当てられた教室にて、それぞれの技術スタッフと顔合せすることになる。

 

ほのかはソワソワしていた。

 

 

「うむむむ」

 

 

「エンジニアは女の子が良かったなー」

 

 

「仕事さえしてくれれば、僕は誰でも良い」

 

 

達也が自己紹介するが、壇上に立つ彼に浴びせられる言葉はあまり好意的ではなかった。

 

 

「ちょっと、エイミィ!スバルも失礼じゃない!達也さんの腕前はプロ級なんだから!!」

 

 

ついほのかは声を荒げる。

 

達也を貶されたように思ったのだ。

 

明智英美と里見スバル。

 

期末テストの上位陣である。

 

 

「へぇ。名前で呼んでいるんだ。もしかして彼氏とか?」

 

 

そしてもう一人の代表選手、春日菜々美(かすがななみ)がさらに突っ込む。

 

 

「そ、そんなんじゃ……ね、雫」

 

 

「うん。私も名前で呼んでる」

 

 

「雫も名前呼び!?二人はお兄さんとどういうご関係で?」

 

 

不思議なもので女子というのは些細なことだけで、すぐに話題は恋バナへと変化する。

 

だがそんな話題を、お兄様至上第一主義の氷の女王様が許す筈がなかった。

 

 

「ほのかと雫は、お兄様のお友達よ」

 

 

「友達?」

 

 

「ええ、お友達よ」

 

 

「怪しい」

 

 

「お友達よ」

 

 

他の者達からの追求も笑顔で答える深雪。

 

気のせいでなければ彼女の周囲だけ妙に冷えていた。

 

 

「はぁ……そろそろ打ち合わせを始めたいんだが」

 

 

達也はそんな光景を見ながら、ついため息をはいた。

 

達也の一声で静かになる。

 

静まったタイミングで達也がこれからのスケジュールを説明し始めた。

 

 

「九校戦は8月3日から始まります。それまでの期間は約3週間ありますが、明日の放課後から早速練習を始めたいと思います」

 

 

達也が九校戦についてのスケジュール、練習メニューなど一通り説明していく。

 

 

「何か質問などはありますか?」

 

 

全員無言である。

 

特にない様だ。

 

 

「質問は無いようですので、今日は解散とします。最後に明日からは練習を行うので必ず来るように。では、お疲れ様でした」

 

 

達也の言葉に各々教室を出ていく……が、ほのかは未だにソワソワしていた。

 

 

「…………」

 

 

達也はほのかに話しかける。

 

 

「どうしたんだほのか?さっきから妙に落ち着きがない様に見えるが……」

 

 

「へ!?」

 

 

「そうね。説明会の始まる前から妙にソワソワしていたし……」

 

 

深雪も気になっていたのか話しかける。

 

 

「え、えっと、私そんなに落ち着きなかったですか?」

 

 

「「ああ/ええ」」

 

 

司波兄妹が同時に頷く。

 

その問いの答えを隣に座っていた雫は持っていた。

 

 

「きっとエドが何か問題を起こしてないか心配なんだと思う」

 

 

「し、雫!?」

 

 

「エドワードが?」

 

 

達也が疑問の声をあげる。

 

 

「エドはA組の男子とあまり仲が良くない。本人は特に気にしてない様だけど」

 

 

「そうね。エドワードさんは、ほぼ毎日私達と一緒にいるものね」

 

 

「深雪まで!?」

 

 

深雪も同意する。

 

基本的にエドの席の周りに深雪やほのか、雫が集まる構図となっている。

 

その関係でほのかや雫の新しくできた女友達もエドの席周辺に集まる事が多い。

 

その結果、エドのA組での交遊関係は女友達は増えていくが、逆に男友達は出来ないということになっていた。

 

もっと簡単に言えば、擬似的なハーレムの出来上がりであった。

 

つまりは男達のやっかみ、嫉妬である。

 

するとほのかは観念したように話し出す。

 

 

「うぅ~だってエドですよ?あのエドですよ?少し歩けば問題を引き起こし、また少し歩けば、さらに厄介事を引き起こすあのエドですよ?何も起こらない訳ないじゃないですか!?」

 

 

しかし段々ヒートアップしてきたのか、ほのかが声を荒げる。

 

気のせいでなければ、若干涙声である。

 

あまりの声の大きさに達也と深雪も驚く。

 

 

「ほのか落ち着いて」

 

 

たまらず雫がほのかをなだめる。

 

 

「だって雫~」

 

 

「いくらあのトラブルメーカーのエドでも自重という言葉くらいは知ってる」

 

 

「そ、そうだよね。いくらあのエドでも……」

 

 

雫の言葉でほのかが落ち着きを取り戻し始めた……そのときであった。

 

 

 

 

 

「勝負だエドワード・エルリック!どちらが上か、この際ハッキリさせてやる!!」

 

 

 

 

 

 

別教室から同クラスの()()()()()()()()()()

 

そして案の定、エドの名前が聞こえたほのかは叫んだ。

 

 

「やっぱり無理だったあああぁぁぁ!!??」

 

 

余談ではあるが、7月18日……この日がほのかが最初の胃薬を飲んだ日である。

 




次回、エドの身に起きた出来事とは?

では、また(・∀・)ノ
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