魔法科高校の鋼の錬金術師   作:Gussan0

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どうも(・∀・)

あけましておめでとうございます。

今年もよろしくお願いします。

さて、新年一発目の投稿ですはい。

では、どうぞ∠( ゚д゚)/


第三十七話 九校戦前々夜

エドが挨拶という名の宣戦布告を告げると、会場の空気が一瞬凍る。

 

その直後、会場がざわついた。

 

好奇の目、不快な目、奇異な目、軽蔑の目など、エドは会場内にいる人々から様々な視線を受ける。

 

だがその視線もほんの一瞬のことであった。

 

 

「何やってるのよっ!このドバカアァッ!!」

 

 

「ぶへぇ!?」

 

 

もっと奇想天外なことが起こってしまったからだ。

 

 

「ほ、ほのか!?」

 

 

「かなり見事なドロップキックだな。良い不意打ちだ」

 

 

ほのかのドロップキックがエドの鳩尾に炸裂したのだ。

 

深雪はほのかの突然の行動に唖然となり、達也はほのかの動きを冷静に分析していた。

 

 

「何、懇親会始まって一時間も経ってない内に九校戦参加者全員、敵に回してるのよおぉぉ!!」

 

 

「ぼばっ!?ぼごっ!?」

 

 

ほのかが涙目になりながら、エドに馬乗りしつつ、往復ビンタをお見舞いする。

 

そのあまりの早さに、ほのかの手の動きが残像として見えているまである。

 

どうやらあまりの怒りで、彼女の身体のリミッターが外れているらしい。

 

身体能力がいつもに比べてえげつないことになっている。

 

 

「ほのか、それ以上はやめておいた方がいい。エドが既に気を失ってる」

 

 

これ以上はまずいと判断した雫が、咄嗟にほのかを止めにかかると同時に、口から漏れ出ていたエドの魂らしきものも、エドの中にキッチリ戻しておく。

 

 

「っは!?」

 

 

ほのかは雫の声で我に返ると、周りを見渡す。

 

そして事態を把握したのか、そのまま雫に声をかける。

 

 

「し、雫!ここから急いで出るからエド運ぶの手伝って!!」

 

 

「分かった」

 

 

ほのかはエドの右腕を抱え、雫はエドの左腕を抱えて両方から支える形となる。

 

エドは小柄で軽いため、女子二人でも苦なく運べるのだ。

 

 

「え、えっと、か、会場の皆様、本日はお騒がせして申し訳ありませんでした!この馬鹿にはきつく!きつく!!言い含めておきますので、何卒ご容赦下さい!それでは、今日の所はこれで失礼いたします!ご、御迷惑お掛けしました〜!!」

 

 

そしてほのかは大声で謝罪すると、慌てて会場を後にした。

 

それを見た深雪が達也に視線を向ける。

 

 

「あ、あの、お兄様……」

 

 

「気になるなら行っておいで。皆には俺から説明しておこう」

 

 

深雪の意図を察した達也は、すぐに助け船を出す。

 

 

「ありがとうございます」

 

 

深雪は達也にお礼を言うと、一色愛梨達の方をチラリと一瞥して、少し頭を下げてから、ほのか達の後を追っていった。

 

 

 

________

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____

 

 

 

その様子を金髪の美少女、一色愛梨は悔しそうに見ていた。

 

 

「あの金髪男……舐めたことを言ってくれるじゃない……!!」

 

 

「落ち着くのじゃ、愛梨。しかし一高には面白い男がおるのう。懇親会であんな発言をするとは前代未聞じゃぞ」

 

 

それを小柄な少女、四十院沓子(つくしいんとうこ)がなだめる。

 

 

「ここにいるのは有象無象な連中ばかりだと思っていたけど、骨のありそうな高校もあるのね」

 

 

クールな美少女、十七夜栞(かのうしおり)が言う。

 

 

「……私は一高だけには敗けない。負ける訳にはいかない。今年の九校戦優勝は絶対に三高がいただくわよ」

 

 

「当たり前じゃ」

 

 

「ええ」

 

 

一色愛梨は沓子と栞に決意を述べる。

 

彼女の決意に二人も当然のように頷く。

 

そのまま一色愛梨は、エドと一緒にいた達也に一瞬視線を向けるが、すぐに逸らした。

 

 

「戻るわよ」

 

 

そして三高の選手がいるスペースへと戻っていく。

 

するとそこに()()()()()()()()()()がいることに気付く。 

 

 

「どうしたの()()()()()()()()()()()()()?」

 

 

アルフォンスと呼ばれる金髪碧眼の少年は、()()()()()()()()()答える。

 

 

「……いや、なんでもないよ」

 

 

ウィンリィと呼ばれた金髪碧眼のポニーテールの少女は、()()()()()()()()()()尋ねる。

 

 

「ねえ愛梨?さっきの……」

 

 

「……二人には見苦しい所を見せちゃったわね。でも安心して。一高には絶対負けないから。特にあの金髪の三つ編みにはね!!」

 

 

「う、うん。期待してる」

 

 

「じゃあ、また後でね」

 

 

「また後で」

 

 

そして一色愛梨は去っていく。

 

アルフォンスとウィンリィの二人はそれを見送ってから、会場の扉の方を向いて呟いた。

 

 

「ねぇ、アル……」

 

 

「うん。僕も驚いてる。あの人、()()()()()()()()()()()だ」

 

 

二人の脳裏には、金髪の三つ編みの少年の姿が強く脳裏にこびりついていた。

 

 

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その頃、ほのかは頭を抱えて叫んでいた。

 

 

「盛·大·に……やらかしちゃったよおおぉぉ!!!!」

 

 

「落ち着いてほのか」

 

 

エドを控え室のソファーに寝かせた後、状況を振り返って顔を青くさせていた。

 

 

「た、確かに、あの三高の選手の物言いにはイラッとしたけど、少し文句言いたかったけど……だからってあんな挑発的なこと言わなくても良かったのにいぃぃ……」

 

 

「でもスッとしたでしょ?」

 

 

「それはまあ……」

 

 

雫の指摘に頬をかきながら認めるほのか。

 

そのままソファーで気絶しているもとい、眠っているエドに視線を向ける。

 

彼の顔はほのかの往復ビンタにより、パンパンに腫れ上がっていた。

 

 

「エドは自分の思ってることをハッキリ言うから、そこは見習うべきだと思う」

 

 

「それは確かに……」

 

 

「でも今回みたいにやり過ぎることがあるから、そこは私達がちゃんとフォローしてあげなくちゃいけない」

 

 

「うん……」

 

 

「ほのかがエドを止めに入ったのは、これ以上ややこしい事態にさせないためでしょ?」

 

 

「うん。エドがあのとき三高の人達に突っかかっていったのは、深雪のためだっていうのは分かってたから」

 

 

「エドってば、自分は周りから何を言われても構わない風なスタンスだけど、自分の周りの人が何か言われるのは我慢ならないからね」

 

 

「本当、不器用なんだから……」

 

 

あのとき、ほのかがエドを止めに入ったのは、言わずもがなエドのためでもあった。

 

あのまま会場に居れば、他校の参加選手達から敵意を向けられるだけでなく、自身の高校からも排除されようとしてもおかしくなかったからだ。

 

それを防ぐために、咄嗟にほのかはエドに罰の意味も込めて攻撃したのだ。

 

 

「でもさすがに、ドロップキックと往復ビンタはやりすぎ」

 

 

「そ、それはエドが言い過ぎたから……」

 

 

「気絶してるのに?」

 

 

「うっ……は、反省してます」

 

 

「よろしい」

 

 

そのとき控え室のドアがノックされる。

 

 

「あれ?誰だろう??」

 

 

「ホテルの人かもしれない」

 

 

すると扉が開く。

 

扉の先にいたのは、様子を見に来た深雪であった。

 

 

「ほのか、雫」

 

 

「「深雪?」」

 

 

「エドワードさんは大丈夫?」

 

 

「え、えーっと、少しやり過ぎちゃったけど……大丈夫だと……思う」

 

 

ほのかが顔を逸しながら言う。

 

深雪は、そのことに少し苦笑しつつ、エドの寝ているソファーの横に静かに座る。

 

 

「……私、いつもエドワードさんに助けられてばかりね」

 

 

深雪が静かに呟く。

 

 

「もしかして……さっきのこと気にしてる?」

 

 

「……ええ」

 

 

雫がの疑問に、深雪が頷く。

 

 

「深雪は何も悪くないよ。あれはエドが勝手にやったことだから」

 

 

「そうだよ!深雪が気にすることじゃないよ!今回もただエドが暴走しただけだし!!」

 

 

二人は慰める。

 

実を言うと、今回のことに関して深雪に全く非はない。

 

だが根が真面目な彼女は、責任を感じていたのだ。

 

 

「でも……」

 

 

そのことに気付いた雫は、ある提案をすることした。

 

 

「そこまで責任を感じているなら、お願いがある。九校戦の間だけでいい。深雪にはエドが暴走しないようにストッパーになってほしい」

 

 

「ストッパー?」

 

 

深雪はキョトンとしながら首を傾げる。

 

その表情を見たほのかは、思わず鼻血が出そうになるが、なんとか我慢しながら、雫のその提案に乗っかる。

 

 

「そうだね。深雪がエドの手綱を握ってくれたら安心かも」

 

 

「……そういえば会長や渡辺先輩にも同じような事をよく言われるわね」

 

 

「そうなの?」

 

 

「ええ。生徒会の活動で校内を見回るときに、会長と渡辺先輩の計らいで、エドワードさんとはペアをよく組むの。エドワードさんってば、その気がなくても売り言葉に買い言葉で揉め事を起こそうとするから、やり過ぎないように日頃から注意してるのよ」

 

 

「さすが会長と風紀委員長。エドには深雪が有効だという事を、既に見抜いてた」

 

 

「なら九校戦の間、私はエドワードさんがやり過ぎないように注意してればいいのね?」

 

 

「うん。私達もできるだけフォローするし」

 

 

「分かったわ」

 

 

「ありがとう。それで今回のことはチャラでいいと思う」

 

 

雫の言葉に深雪は頷く。

 

その表情は先程よりも柔らかかった。

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

その頃、会場ではエドが起こした騒動で少しざわついていたが、来賓挨拶が行われようとしていた。

 

 

『ご静粛に!これより来賓挨拶に移ります』

 

 

達也は壇上を見つめながら思考する。

 

 

(さすが九校戦だな。魔法師界の名士が来場している。名士といえばあの人は今年も来ているのだろうか?)

 

 

達也は脳裏で一人の老人を思い浮かべる。

 

 

(十師族の長老、九島烈(くどうれつ)、この国に十師族という序列を確立した魔法師、年齢は九十歳近いはず、毎年九校戦には顔を出していると聞くが……)

 

 

『続きましてかつて世界最強と(もく)され、二十年前に第一線を退かれた後も九校戦をご支援下さっております、九島烈閣下よりお言葉を頂戴します』

 

 

九島烈の番となり、会場は暗くなり、壇上に視線が集まる。

 

壇上にはスポットライトが照らされるが、登場したのはドレス姿の女性であった。

 

 

「女の人……?」

 

 

「九島閣下のご挨拶じゃなかったのか?」

 

 

生徒達は困惑する。

 

そんな中、達也は()()()()()()()()()()に気付く。

 

 

(いや違う。これは……精神干渉系魔法)

 

 

そしてその手品の正体についても。

 

 

(ただ自分達の意識が女に吸い寄せられているだけだ。恐らく会場全体に大規模な魔法が発動している。壇上に上がったのは彼女だけではない。なのにそれに気付かない。目立つものを用意して注意をそらす。事象改変と呼ぶまでもない些細なものだが……大規模ではあるが微弱。しかしそれ故に気付くことが困難な魔法か……)

 

 

九島烈は女性に耳打ちをすると、女性は舞台袖に去っていく。

 

すると周囲がざわつく。

 

 

「九島閣下御本人!?」

 

 

「いつの間にステージに……」

 

 

周囲の生徒達には九島烈が突然現れたように見えたらしい。

 

 

『まずは、悪ふざけに付き合わせたことを謝罪する』

 

 

(これがかつて【最高】にして【最巧】と謳われた【トリックスター】九島烈の魔法……!)

 

 

『今のは魔法というより手品の類だが、この手品のタネに気付いたものは、見たところ五人だけだった。つまり、もし私がテロリストだったとして私を阻むべく行動を起こせたのは五人だけだということだ』

 

 

これに気付くには、魔法を知覚する力に、精神干渉系魔法に対しての耐性が必要になる。

 

 

『諸君、私が今用いた魔法は低ランクのものだが、君達はそれに惑わされ、私を認識できなかった。明後日からの九校戦はまさに魔法の使()()()を競う場なのだよ。諸君の()()を楽しみにしている』

 

 

挨拶を終えた九島烈は壇上を降りていく。

 

達也は拍手しながらそれを見送る。

 

 

(現在の魔法師社会はランク至上主義。そのトップでありながら魔法は道具だと唱えるのか。それを口先だけでなく、道具として使いこなしてみせる。しかも俺には真似できないレベルで……。これが【老師】か)

 

 

その目には尊敬の念があった。

 

 

________

______

____

 

 

 

そして九島烈も達也の存在を、壇上からしっかりと確認していた。

 

 

(あれが深夜(みや)のせがれか。思ったとおり、なかなか見所がある)

 

 

九島烈は歩きながら、静かに笑う。

 

 

(それに先程の、金髪の三つ編みの少年、彼が噂に聞く【鋼の錬金術師】エドワード·エルリック……まさか会場のド真ん中であんな啖呵を切るとは……見ていて楽しい少年だ)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(さすが、()()()()が警戒するだけの事はある)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(ここ最近、裏でエリクシルが出回ってきていることを考えれば、いよいよ人造人間(ホムンクルス)共が本格的に動き出したと見てよいか?だとすれば……奴らが警戒するあの錬金術師の少年がどう動くのか……見物だな)

 

 

九島烈は歩きながら思考する。

 

 

(こちらもやれることはやっておかねばならんな)

 

 

そしてその目には決意の様なものが宿っていた。

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

懇親会終了後、ほのか達は温泉に入っていた。

 

明後日から九校戦が本格的に始まるため、上級生達は忙しなく動いている。

 

そんな中、試合のない一年生の女子達はエイミィの提案により、ホテルの地下にある温泉を楽しんでいる。

 

 

「気持ち良い〜、こんなところがあったなんてね」

 

 

「軍用の施設だけど頼んだら使用許可が出たんだよ」

 

 

ほのかと雫は湯船につかりながら話す。

 

 

「しっかしほのか、発育がいいよねぇ。揉ませろっ〜!!」

 

 

「えーっ!?」

 

 

すると側にいたエイミィが興奮しながら、ほのかの胸を揉む。

 

 

「おほー、こりゃなかなかの揉み心地〜」

 

 

「キャー!?やだエイミィがおっさん化してるよー!助けて雫!!」

 

 

雫は自分の胸と、ほのかの胸を見比べながら呟く。

 

 

「大丈夫だよほのかは……揉むところがあるから……」

 

 

雫の声は、一段低くなっていた。

 

少し落ち込んでいるらしい。

 

 

「じゃ、許可が出たところで遠慮なく」

 

 

「えっ、ちょ!いやぁぁぁ!?」

 

 

ほのかの悲鳴が響く。

 

その悲鳴を深雪はシャワーを浴びながら聞いていた。

 

 

「何かしら……?」

 

 

そしてシャワーを浴び終え、深雪が温泉へと歩いていく。

 

 

「どうしたの?皆大きい声で。あんまり騒ぎすぎると、貸してくださった軍の方に失礼になるでしょう?」

 

 

「「「「「…………」」」」」

 

 

口を開けて唖然とするほのか達。

 

深雪の白く綺麗な身体に、全員見とれていた。

 

思わず無意識に息を切らし、興奮しながら近寄ってしまうほどに。

 

 

「「「「「ハァ……ハァ……ハァ……」」」」」

 

 

「えっ?な、何かしら?ちょっと……」

 

 

「……ゴメンゴメン。つい見とれてしまったよ」

 

 

深雪があまりの雰囲気に一歩引いていると、直ぐに立ち直ったスバルが少し顔を赤くさせながら言う。

 

 

「ちょっと、女の子同士で何を言ってるの?」

 

 

「ん〜まあ、それはそうなんだけど……」

 

 

そして軽い世間話や、恋バナで盛り上がる。

 

 

「そうそう。そういえばパーティーどうだった?」

 

 

「かっこいい人いた?」

 

 

「三高に十師族の跡取りがいたよね?」

 

 

「見た見た!一条将輝君!」

 

 

「結構良い男だったね。そういえば彼、深雪のこと熱い眼差しで見てたよね」

 

 

菜々美とエイミィ、スバルがさらに盛り上げる。

 

 

「そう……?全然気がつかなかったけど」

 

 

「お兄さんにぞっこんなのは有名だけど、やっぱりお兄さんみたいな人が好みなのかい?」

 

 

そしてスバルはずっと気になっていたことを聞いた。

 

他の者達も興味津々で聞く。

 

深雪は少し顔を赤くさせながらも否定する。

 

 

「私とお兄様は実の兄妹よ?それに……お兄様みたいな人が他にいるとも思ってないわ」

 

 

「えーっ!つまんないそれーっ!!」

 

 

するとエイミィが茶々を入れる。

 

 

「じゃあさ、エドワード君はどう?」

 

 

「エドワードさん?」

 

 

エドの名前が出ると、ほのかと雫がピクリと反応する。

 

 

「ほら深雪、A組で話す男子ってエドワード君ぐらいじゃない?」

 

 

「それを言えば、ほのかと雫もエドワードさんとよく話してるわよ?」

 

 

「あ、そうだねぇ。そこんとこどうなの?お二人さん!?」

 

 

エイミィがワクワクしながら話を振る。

 

どうやらこういった話題は大好物らしい。

 

ほのかは慌てる。

 

 

「べ、べべべべべ別に私はエドのことなんてなんとも思ってないし!むしろ毎日振り回されて迷惑してるし!?」

 

 

「うーん……今のところエドに恋愛感情みたいな物はないかな。どちらかと言えば、世話のかかる弟みたいな感じ?」

 

 

慌てるほのかとは対称的に、雫は淡々と述べる。

 

それを見た深雪も話す。

 

 

「私も仲の良いお友達かしら?」

 

 

「なぁ〜んだ〜、皆、普通すぎぃ」

 

 

「あはははは。でもまた彼は、色々やってくれたねぇ」

 

 

「なんだっけ?確か『九校戦は俺達、一高が優勝する!他の学校なんざ眼中にねえぇ!!』だっけ?私はあんなことパーティー会場のド真ん中で言う度胸ないよ。まあ、そのあと、もっと予想外なことがあったけどねぇ」

 

 

スバルとエイミィは、ほのかの方に視線を向ける。

 

視線を向けられたほのかはというと、顔を赤くしていた。

 

 

「だ、だって仕方ないじゃない!エドがあんなこと言うから、放っておけなかったんだもん!!」

 

 

やいのやいのと女子風呂では、エドの話題で盛り上がる。

 

余談ではあるが、エドのあの発言は意外なことに一高生の一年生達には良い刺激となっていた。

 

エドの大胆不敵な発言が、起爆剤となり、九校戦が初めての一年生達の緊張をほぐしていたのだ。

 

しかし後日、さすがにやり過ぎだということで、エドはこの行動に関して生徒会の鈴音からこっぴどく怒られるのであった。

 

 

 

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______

____

 

 

 

同時刻……

 

エドは自室でくつろいでいた。

 

 

「ちくしょー……ほのかのやつ、思いっきりひっぱたきやがって。ようやく、腫れが引いてきやがった」

 

 

彼の顔はほのかの往復ビンタにより、パンパンに腫れ上がっていたのだが、錬丹術を使用することにより、ようやく腫れが引いたのだ。

 

エドはベッドに寝転がる。

 

 

(いよいよ九校戦か。パーティー会場であんな啖呵切っちまったんだ。無様な真似はできねぇ)

 

 

エドは起き上がり、持ってきていたノートパソコンを開く。

 

 

「CADの調整でもすっか」

 

 

ブレスレット型タイプのCADを取り出し、術式の調整をしていく。

 

その目はいつになく真剣であった。

 

明後日からいよいよ、運命の九校戦が幕を開ける。




次回から競技に入っていきます。

あと伝えたいことが。

たまにメールで早く更新してくれないか?、続きまだですか?と聞いてこられる方がおられるので弁明を。

違うんです。
書かないんじゃないんです。書けないんです。
一応、毎日コツコツと書いてはいるんですけど、やっぱりどうしても時間が掛かってしまうんです。 

なので気長に待ってくださいとしか、こちらからは言えません。

すいません。

次回はもう少し早く投稿がんばります。

では、また(`・ω・´)ゞ

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