魔法科高校の鋼の錬金術師   作:Gussan0

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どうも|д゚)チラッ

続き書けたで候。

準決勝あっさりですはい。

では、どうぞ∠( ゚д゚)/


第五十五話 新人戦 モノリス・コード 決勝トーナメント 準決勝

一高は無事決勝トーナメント、準決勝へと駒を進めた。

 

そして現在エド達は、決勝で戦うことになるであろう三高について少しでも情報を得るために試合会場に足を運んでいた。

 

 

「いよいよ決勝トーナメントだね」

 

 

「ああ。準決勝、第一試合は三高が出る。見逃すわけにはいかない」

 

 

幹比古と達也が話す。

 

準決勝は三高は八高と戦い、一高は九高と戦う。

 

エド達がモニターへ視線を向けると、岩場ステージを悠然と進む一人の選手がいた。

 

三高の一条将輝が、ゆっくりと真っ直ぐに進軍していたのだ。

 

八高の選手達は、ここぞとばかりに魔法の集中砲火を浴びせる。

 

しかしそれでも、一条の足を止めることは敵わない。

 

移動魔法で迫る岩の破片は加重魔法によって防がれ、彼に直接仕掛けられた加重魔法や振動魔法は、彼の周囲1メートルに張り巡らされた領域干渉によって無効化される。

 

『干渉装甲』

 

自身の周囲の一定領域を『領域干渉』で覆い、自身に直接仕掛けられた魔法を無効化する移動型領域干渉魔法だ。

 

すると八高のオフェンス選手が、攻撃を止めて三高陣地へと走り出した。

 

モノリスを直接狙いにいったのだろう。

 

だがそれがいけなかった。

 

がら空きになった背中に一条が攻撃を仕掛けたのだ。

 

八高選手は、至近距離で生じた爆風によって前のめりに吹き飛ばされた。

 

 

「今度は『偏倚解放(へんいかいほう)』!?」

 

 

「それは……?」

 

 

「円筒の一方から空気を詰め込んで圧縮。もう一方を目標に向けて蓋を外すような魔法だよ」

 

 

深雪の疑問に達也が答える。

 

要は射的で使用されるコルク銃のようなものだ。

 

 

(より強力な魔法は他にもあるだろうに……殺傷性ランクを下げるための選択か?力があり過ぎるのも困りものだな)

 

 

一条は相手に怪我を負わせないように必要最低限の威力に抑えているのだろう。

 

そして残りの八高選手二人が、一条へと襲い掛かる。

 

岩の破片が彼を襲い、足元では動きを止めるための電子強制放出の火花が散る。

 

どちらも上級と言って差し支えないほどの魔法であるが、一条はそれらの魔法を真正面から無効化した。

 

そして偏倚解放を八高選手二人の頭上に放ち、その意識を速やかに奪う。

 

八高選手全員が戦闘不能になったことで、三高の勝利が決定した。

 

三高のモノリスの前に立っていた吉祥寺真紅郎ともう一人の選手アルフォンス・ロクベルは、この試合で一歩も動くことはなかった。

 

 

「……圧倒的じゃねえか」

 

 

「そうだな。一条選手が一人で八高選手を全員戦闘不能にしての勝利か。最後まで他の二人が出ることはなかったな」

 

 

戦慄するレオの隣で達也はモニターに映るアルフォンスへと視線を向ける。

 

 

(アルフォンス・ロクベル……あの選手の力を見ることはできなかったか)

 

 

「……参ったねこれは」

 

 

「結局、一条選手以外の手の内が見られなかったね」

 

 

達也の呟きに幹比古が反応する……が、達也はそう落ち込んでもいなかった。

 

 

「いや、そうでもないぞ。もう一人の方は分からないが、吉祥寺真紅郎についてはだいたい予想できる。恐らく、作用点に直接加重を掛けられる『不可視の弾丸(インビジブルブリット)』だろう」

 

 

「作用点に直接!?エイドスの情報改変ではなく?」

 

 

「ちょっと待て!【不可視の弾丸(インビジブルブリット)】ってなんだ?」

 

 

すると今まで黙っていたエドが、幹比古とレオの疑問に答える。

 

 

「……魔法の作用力だけを生み出す『基本コード』の一つ・加重系統プラスコードを用いた魔法だ。その基本コードのおかげで、対象のエイドス()()に働きかけるんじゃなく、対象上の()()に直接力を及ぼすことができるんだ。オレも気になって調べた」

 

 

そこに達也が補足する。

 

 

「そう。そしてそれを弱冠十三歳で発見したのが三高の吉祥寺真紅郎。通称『カーディナル・ジョージ』だ」

 

 

「あの『カーディナル・ジョージ』!?彼のことだったのか!!」

 

 

幹比古が驚く。

 

 

「そう。だから何も警戒すべきは一条選手だけじゃない。『基本コード』は厄介な代物だ。通常より小さな魔法式で対象の情報強度に影響されずに発動できる。『情報強化』では防げないから気をつけろよ」

 

 

「な……何か対策はないのかい!?」

 

 

「そうだな……インビジブル・ブリットは対象を直接視認しなくてはならない欠点がある。攻撃は遮蔽物で防げるはずだ」

 

 

達也は幹比古の怯みを感じ取り、対応方法を述べる。

 

するとエドも発言する。

 

 

「ただ、もう一人の奴の情報だけは全く分からねぇな」

 

 

エドの視線の先にはアルフォンスの姿があった。

 

 

「まあ、ウダウダ悩んだって仕方ねぇ。情報がないなら戦って直接確かめるだけだ。それよりそろそろ時間だ。本部に移動しようぜ」

 

 

「そうだな」

 

 

「三高の前にまずは九高を倒さないとね」

 

 

立ち上がるエドに合わせて、達也と幹比古も席を立つ。

 

そして三人は本部へと向かった。

 

 

 

 

 

 

決勝トーナメント二回戦、準決勝の一高対九高の試合は渓谷ステージで行われた。

 

この試合では幹比古がその力を発揮した。

 

試合開始直後、幹比古は水を司る精霊である水精を喚び出し、ステージ全体を濃霧に包んだ。

 

相手の視界を奪い、エリア全体を霧で覆った幹比古は九高側の妨害を行う。

 

その間に達也が九高陣地へ潜入し、モノリスを開錠。

 

あとは霧の中に潜ませた精霊越しに幹比古がコードを読み取って入力することで一高の勝利。

 

試合時間10分も掛からず、完勝した。

 

こうして一高は、あっさりと決勝進出を決めた。

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

一高と三高の決勝戦は三位決定戦の後、開始されることとなった。

 

一高の三人はそれぞれ試合開始三十分前には集合することだけを決め、各々休憩や準備のために別れた。

 

そして試合開始約一時間前、達也は会場のゲート付近にいた。

 

 

「小野先生、ご苦労様です」

 

 

「コラッ!目上に向かって『ご苦労様』とは……分かってて言ってるでしょ!」

 

 

そこへ現れたのはカウンセラーとして一高に勤める小野遥であった。

 

彼女は警察省公安庁の秘密捜査官という身分も併せ持っており、生まれつき隠形に高い適性を持つ。

 

春のブランシュの一件では、達也へ協力を求める見返りにテロリストのアジトの情報を提供し、また互いに九重八雲を師に持つということもあって、以来生徒とカウンセラーらしからぬ関係が続いていた。

 

 

「全く……私はカウンセラーであって使い走りじゃないのよ?」

 

 

「この荷物の運搬を頼んだのは師匠ですよ。でも……そうですね。雑用がご不満なら、税務申告が必要ない臨時収入……欲しくないですか?」

 

 

すると、遥の目に分かりやすい動揺が走る。

 

 

「……何をさせる気?」

 

 

達也は淡々と答えた。

 

 

 

 

 

 

「『無頭竜(ノー・ヘッド・ドラゴン)』……香港系国際犯罪シンジケート、そのアジトの所在を調べてください」

 

 

 

 

 

 

直後、遥は抱き着かんばかりの勢いで達也へ詰め寄った。

 

 

「何故『無頭龍(ノー・ヘッド・ドラゴン)』のことを知ってるの!?司波君が手出しする必要はないのよ!何を企んでるの!?」

 

 

声を潜めて達也に問い詰める遥。

 

だが達也にその情報源は答えられない。

 

そもそも達也が『無頭竜』について知り得たきっかけは、風間からの警告があったからだ。

 

 

「今のところ何もするつもりはありません。ただ、反撃すべき時に敵の所在が掴めないのは不安ですので。ところで……この体勢は誤解を招くと思うんですが」

 

 

問い詰めるのに集中し過ぎた所為か、遥はほとんど達也へ密着する形で覗き込んでいた。

 

遥は慌てて離れると、誤魔化すように苦笑いを浮かべる。

 

 

「コホン……『保険』なのね?」

 

 

「そう取っていただいて構いませんよ」

 

 

達也の返答を聞くと、遥は軽く息をはいて答えた。

 

 

「……わかったわ。一日頂戴」

 

 

遥はそう言い残して、会場から去っていく。

 

達也はそれを見送ると、一高の天幕へと戻っていった。

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

決勝の会場は草原ステージとなった。

 

草原ステージは見通しが良く、遮蔽物が一切存在しない純粋な戦力差が如実に表れるステージとなる。

 

言うまでもなく、一条将輝率いる三高に有利なステージだ。

 

そしてそんな不利な状況を少しでも打破するために、達也はある物を用意していた。

 

 

「達也君、その荷物は何?」

 

 

真由美の疑問に達也が答える。

 

 

「マントとローブです。間に合って良かった」

 

 

「……一体何に使うの?」

 

 

「決勝戦で使うんですよ」

 

 

すると、側にいたエドがマントとローブを手に取り、胡散臭そうに呟く。

 

 

「これをか?」

 

 

「ああ、これには着用した者の魔法が掛かりやすくなる補助効果の魔法陣が織り込まれてあるんだ」

 

 

「……ああ、なるほど。インビジブル・ブリット対策か」

 

 

エドは達也の意図を理解する。

 

 

「エドワード君、どういうこと?」

 

 

真由美の質問にエドは答える。

 

 

「カーディナル・ジョージの使うインビジブル・ブリットは対象物を直接視認しないといけないだろ?だけどこいつに硬化魔法をかけて、遮蔽物として直接使えば攻撃は防げる。そうだろ達也?」

 

 

「その通りだ」

 

 

エドの説明に周囲は感嘆の声を上げる。

 

しかし生徒会の面々は、未だに心配そうな表情をしていた。

 

 

「確かにルール上禁止になってはいませんが……」

 

 

「……無理はしないでね。決勝に進んだ時点で新人戦の優勝は決まったんだから」

 

 

「分かっています」

 

 

達也は苦笑しながら答えると、さっそく準備を始める。

 

試合開始時間が迫ってくると、エド達はモノリス・コードの決勝戦が行われるフィールドへ向かうべく、一高のテントを出る。

 

しかし、そんなエド達の前に思わぬ人物が現れた。

 

 

「やあ、エドワード・エルリック君。こうして会うのは初めてだね」

 

 

「あんたは……!?」

 

 

その人物の顔を見たエドは、驚愕に目を大きく見開いた。

 

それは後ろにいたメンバー二人も同様である。

 

さらには、一高のテントから見送りに顔を出そうとしていた真由美や梓、他校のテントに詰めていた生徒までもが同様の反応をする。

 

それもその筈。

 

エド達の前に現れたのは、十師族の創始者にして、約二十年前までは世界最強クラスの魔法師と知られ、現在は国防軍魔法顧問を務める魔法師界の超大物、九島烈なのだから。

 

 

「こ、こんちわっす……」

 

 

「フフッ、そう畏まる必要は無いさ。試合前にちょっと寄らせてもらっただけだからね」

 

 

軽い口調でそう言って来るが、相手が相手、身分が身分である。

 

普段は不遜な物言いが目立つエドでさえ、若干委縮しているように見えた。

 

 

「予期せぬハプニングがあったようだが、よくここまで勝ち進めたものだ。君ならば、かの一条の御曹司相手であっても、もしかしたら勝てるかもしれんな」

 

 

「……応援、ありがとうございます」

 

 

エドに一目置いていることを示す九島烈の発言に、周囲が騒然とする。

 

何気なく放った、一条将輝に勝てるかもしれないという評価には、真由美でさえ困惑していた。

 

それはつまり、エドを十師族に匹敵する実力者であると認めているも同然なのだから。

 

そんな九島烈の発言により、エドに向けられる奇異の視線が増えていく。

 

流石に居心地の悪くなったエドは、九島烈との会話をそこで切り上げ、対戦フィールドへ急ぐことにした。

 

 

「すみませんが、決勝に行かなきゃならないんで、オレ達はこれで……」

 

 

「そうか……邪魔をして悪かったね」

 

 

九島烈もそれ以上会話をするつもりは無かったのだろう。

 

あっさり引き下がると、エド達に道を開けた。

 

そして、エド達は足早に会場へ向かうにあたり、九島烈の前を通ろうとしたその時……

 

 

 

 

 

 

「『ありえない』なんて事はありえない」

 

 

 

 

 

 

九島烈が放った言葉で、その足を止めた。

 

エドが勢いよく振り返ったその先では、九島烈が不敵な笑みを浮かべていた。

 

 

「あんた、今のは……!?」

 

 

「私の魔法師としての人生を大きく変えた金言だよ。これがあったからこそ、私は今の地位にあると思っている」

 

 

九島烈は昔を懐かしむように説明するが、エドが気になったのは、その金言が誰から(もたら)されたかだった。

 

なんせそれは、前世で実の弟を介して聞いた、かつての宿敵、或いは仲間の言葉だったのだから。

 

 

「詳しい話は、君が一条の御曹司に勝てたら教えよう。さあ、行きたまえ」

 

 

「……約束ですからね」

 

 

九島烈の話は非常に気になるところではあったが、今はモノリス・コードの試合に集中しなければならない。

 

何より、この件を抜きにしても、試合には勝たなければならないのだから。

 

エドは九島烈に背を向けると、再び試合のフィールドを目指して歩きだすのだった。




次回は決勝戦。

では、また( `・∀・´)ノ
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