かけたので投稿します。
では、どうぞ( *・ω・)ノ
「スースー…」
エドは書斎の机に顔を置きながら気持ち良さそうに眠っていた。
エドが眠っている
どうやら本を読んでいる内に眠ってしまったらしい。
ピンポーン
そのときエルリック家にチャイムの音が響く。
「スースー…」
しかしエドは熟睡しているのか…全く気付く気配がない。
ピンポーン
再びチャイムが鳴るが反応は変わらない。
ガチャガチャ……カチャ
するとどこからか扉の開く音が聞こえた。
パタパタパタ
今度は足音が聞こえた。
どうやら誰か家の中に入ったらしい。
そして慣れた様子でエドのいる書斎の扉の前へと来た。
ガチャリ……キイイイ
扉が静かに開く。
「やっぱり眠ってる」
「はぁ…思った通りだね
そこにはエドの友人である北山雫と、光井ほのかの姿があった。
「今日は第一高校のオープンスクールがあるって言っておいたのに」
「まぁまぁ雫……エドが寝てるのはいつものことでしょ?」
「ほのか…甘やかしたらエドのためにならない」
「それはそうだけど……それより早く起こして朝ごはん食べてもらわないと。ピナコさんからサンドイッチも預かってるし」
「そうだね。もう9時になるし…さっさと起こそう。部屋も散らかってるし。はぁ……全く弟より世話が焼ける」
やれやれといった表情で雫は呆れながら…ほのかは苦笑いしながらエドを起こしにかかった。
◆◆◆
「ふわあああぁぁ~」
エドは大きくアクビをしながら目の前にあるサンドイッチをモシャモシャと食べ始める。
彼の目の前にはジト目の雫と、苦笑いしているほのかの姿があった。
「エド……私達が来なかったら絶対に寝坊してた」
「だからさっきから悪かったっていってるだろ?それに約束の三十分前には目覚ましかけてたし、遅れねぇよ」
エドはコーヒーを飲みながら告げるがここでほのかが一言。
「目覚まし……電池切れてたよ…」
「………」
「………」
エドと雫の間に気まずい空気が流れる。
雫からの視線が気まずくなったエドは視線をサッとそらす。
スッ
すると雫は何を思ったのかおもむろに立ち上がり、冷蔵庫へと向かっていく。
彼女は中から牛乳を取り出すとコップへそそぎ、置いた。
エドの目の前に。
エドの顔がひきつる。
「し、しずくうぅ……な、なにを考えてるんだ…おまえは?」
「別に……ただ気遣ってあげただけ。背の小さいあなたのために」
「誰がミニマムドチビだ!!!???」
「牛乳飲まないと大きくなれないよ?」
「うるせー!!こんな牛から分泌された白濁色の汁なんぞ飲めるかー!!!」
「でもエドがちっちゃいのは世界の真理だし」
「ケンカ売ってんのか!?お前もそんなに変わらねぇだろうがこの幼児体型!!」
すると雫の目が少し据わる。
「今エドは言ってはならないことを言った。この小人」
「幼稚園児!!」
「チビキャラ」
「保育園児!!」
「ミニキャラ」
ヒートアップしていく二人。
ほのかはため息を吐きながら仲裁する。
「ほら、二人とも今日はそこまでね。もう時間も二十分頃だし。エドも早く朝ごはん食べちゃって」
「お、おう」
「うん」
二人は罰が悪いのか静かに座り直した。
エドと雫が言い合い、ほのかが仲裁する。
この三人の中でこのような関係がいつの間にかできあがっていた。
ほのかは三人で過ごす…この穏やかな時間が好きであった。
朝ごはんを食べ終わったエドは歯を磨き、着替えをすませ、左腕に
今は11月であるため少し肌寒い。
エドは白いワイシャツに、茶色のズボン、その上から少し濃い緑色のベスト、茶色のコートを着ていた。
そして両手に白い手袋をはめ準備を完了させた。エドの格好はこちらの世界に来たときによくしていた格好であった。
「あ、こいつを忘れるところだった」
エドは机の上にある銀時計のチェーンをズボンにつけると、そのままポケットへと入れる。
ポケットの中に懐かしい感触があると少し落ち着くエドであった。
そのまま自分の部屋を出ていく。
階段を降りると玄関では、既に雫とほのかが待っていた。
「下は戸締まり大丈夫だよ」
「サンキュ」
ほのかがエドに知らせる。
戸締まりの確認は既にしてくれていたようだ。
「じゃあいくか」
「うん」
「だね」
そしてエド達は一高のオープンスクールへと向かった。
「エド……玄関の鍵…」
「忘れてなんていねぇよ…」
◆◆◆
エド達が今から向かう『国立魔法科大学付属第一高校』は、東京都の八王子に居を構えている。
ちなみにエドの家から15分ほどで通える距離にあるため、三人は徒歩で向かっている。
そして第一高校に到着した。
「うわあ~大きいね~」
「人がいっぱい」
ほのかと雫が感嘆するなかエドは別の事が気になっていた。
(変わった制服だな…)
男子はブレザーにスラックス、女子はブレザーにスカートを着ていた。男女ともブレザーが緑色であった。
エドとしては着ることになかなか抵抗を感じるデザインであった。
(赤じゃないのかよ…)
エドは内心少し落ち込みながらも、三人で中へと入っていった。
入り口でパンフレットをもらった後、三人は体育館へと足を運んでいた。中では生徒会長の演説が行われるらしい。
第一高校では主に生徒の自主性を重んじるために、生徒会が力を持っている。生徒会長はその最たる例である。
エド、雫、ほのかの三人は前列の席に座り演説が始まるのを待っていた。
すると時間になると、壇上横から小柄な女性が優雅に歩きながら現れる。
途端に体育館は大きな歓声と拍手に包まれた。
小柄な女性は小さな机の前までくると、一礼しマイクの前に顔を持ってきた。
「皆様、初めまして。本日、挨拶をさせていただきます国立魔法大学付属第一高校生徒会長、
すると七草真由美と名乗った少女は再び静かに一礼した。
そんな中、エドはアゴに手を当て、ジーっと観察するように彼女を見ていた。
(あの女が
エドがにらみつけていると、いつの間にか演説は終わっていた。どうやら数分話しただけのようだ。
そして彼女が引き上げようとしたとき、ふと彼女とエドの視線が合う。
「!?」
見られたことに驚き、思わず目を見開くエド。エドの反応に彼女は、どこか面白い物を見つけたような視線を向ける。
「………」
「………」
見つめ合う二人。
すると彼女はエドに向かって突然ウィンクをした。
まさかウィンクをされると思っていなかったエドは顔を少し赤くさせ、視線を横にずらす。
するとその隣にはジト目でエドを睨み付けている雫とほのかの姿があった。
「エド……なにデレデレしてるの?」
「エド……なんで生徒会長と見つめ合ってるの?」
まさか同時に言われると思わなかったエドは焦る。
「べ、別にデレデレもしてねえし見つめ合ってもいねぇよ!!演説も終わったしさっさといくぞお前ら!!」
エドは早足で体育館を出ていく。
「ちょ、ちょっと待ってよエド!」
「エド速い」
二人も慌てて追いかけていく。だがエドは考えながら歩いていた。
(あの女……
そしてエド自身、七草真由美の反応によって、観察していることが気付かれていたことを察した。
(どうやら……とんでもない奴が多いみたいだなこの学校は)
そしてその出ていくエドの後ろ姿を興味深そうに見ている生徒会長の姿にエドは気付かなかった。
◆◆◆
一高の中は思った以上に広かった。
本棟に実技棟、実験棟の三校舎から始まり、やたらと広い講堂兼体育館。地上三階から地下二階まである図書館、二つの小体育館、更衣室にシャワー室、食堂とカフェテリアと購買がひとつになっている別棟まである始末だ。
(こ、これが高校だと……。まるっきり大学並の規模じゃねぇか…)
エドはすっかり一高の規模の大きさに驚いていた。
彼があちらの世界でいたアメストリス国の
そして現在、エド達三人は高校の中にあるカフェスペースにて昼食を食べていた。
ちなみに食べているものは、エドがホットドッグ、雫がスパゲティ、ほのかがオムレツである。
「一高って綺麗で広いね!!」
「うん。設備も結構充実してた」
ほのかは少し興奮ぎみで、雫も表情からは分からないが少し声のトーンが上がっていた。
「「エドは?」」
「オレか?オレはなんつーか……圧倒された」
エドとしては正直な感想であった。
彼の前世?といえば少しおかしいかもしれないが、息子や孫達は普通の学校に行っていたため、圧倒されたのは事実である。
「三人で合格したいね」
するとほのかが突然、そんなことを呟いた。
「うん。三人で入学できたらきっと楽しい」
雫も少し微笑みながら呟く。
それを聞いたエドもニヤリと不敵に笑いながら話した。
「なにいってんだお前ら?このオレが教えてるんだぞ?絶対受かるに決まってんだろ?」
エドの言葉に二人は笑いながら返す。
「そうだね」
「うん」
そして三人は笑い合った。
しばらくして……
「なぁお前ら…そろそろ行かねえか?もう大部分は見たしよ」
エドはオレンジジュースのストローを加えながら話す。
「そうだね。私は大丈夫だけど……雫は?」
「私も大丈夫…」
「よし……そうしたらばっちゃんのとこ行って勉強するぞ。もう試験まで時間もないしな」
「うん」
「分かった」
エドの提案に二人は賛成し、席を立ち、一高を後にしたのだった。
数分後……
「お兄様……ここで休憩致しましょう」
「そうしようか」
ある兄妹が
運命の兄妹と異世界の錬金術師が邂逅するまでもう少し…。
◆◆◆
雫とほのかがエドの友人になってから、既に半年の月日が過ぎていた。
二人はエドと知り合ってから、よくピナコの喫茶店に足を運ぶようになった。
『喫茶 PINAKO』は学生に優しい良心的な値段であり、料理も飲み物も美味しく通いやすいという面もあったが……そこに行けばたいていエドがいたからだ。
そして雫とほのかは学校の授業が終わってから、よくエドと『喫茶 PINAKO』で受験勉強をしていた。
なぜなら……二人はエドに勉強を教わっていたからだ。
エドは意外と勉強を教えるのがうまかった。
二人が分からなければ、なぜそうなるのか、なぜそういったことになるのかを懇切丁寧に分かりやすく教えてくれるからだ。
実際に二人がエドに教わるようになってから、成績はメキメキと上がっていった。
店主兼オーナーのピナコも二人を実の孫のように可愛がっており、雫とほのかが喫茶店に来るようになってからは、二人によくサービスしている。
雫やほのかもピナコのことを慕っており、相談事などをよくするようになった。
エドとピナコは……雫とほのかにとって既に大切な人となりつつあった。それと同時に二人にとって『喫茶 PINAKO』も大切な場所の一つになっていた。
カランカランカラン
扉が開く。
「よ!今日も来たぜばっちゃん!」
「「失礼します」」
ピナコは三人を迎える。
「あんたたちも暇だね。こんな古びた喫茶店にほぼ毎日のように来るなんてね…。さっさと入りな。コーヒーいれたげるよ」
そして今日も三人はいつもの場所で受験勉強をする。
一高の入試まで……もう半年を切っていた。
とりあえずオープンスクールは全部想像です(迫真)
三人の日常っぽいものを何か書きたかった。
あと何話か書いたら入学編いきますんで。
では、また(・∀・)ノ