約二ヶ月ぶりですね。
とりあえず話の内容が一通り練れたので可能な限り、短い時間で投稿していきます。
では、どうぞ( *・ω・)ノ
2095年2月某日……
エドは雫とほのかを引き連れて国立魔法科大学付属第一高校へと向かっていた。
そう。
今日は第一高校の入学試験の日なのだ。
「ふわああぁ~」
だがそんな日にも関わらずエドは通常運転であるのだが。
「もう!今日は入試だから寝坊には注意するようにって言ったでしょ!私と雫が起こしにいかなかったらやばかったよ!?」
「へーへー。どうも悪ぅござんしたー」
「エド!ちゃんと聞いてるの!」
「ほのか落ち着いて」
エドの態度に少し憤慨しているほのか。
それをなだめる雫。
珍しく雫とほのかの立ち位置が逆であった。
そして歩くこと15分。
三人は第一高校の前に立つ。
(いよいよ来たな)
エドは気合いを入れる。
ここに受からなければ目的の司波兄妹に会うこともできないのだから。
「よし!行くぞお前ら!!」
そしてエドは真っ直ぐに校門の中へと入っていった。
「ねぇ雫……今日のエドなんだか気合い入ってるね」
「エドは負けず嫌いだから、きっと一番を狙ってる」
遅れてほのかと雫も入っていった。
◆◆◆
第一高校の入学試験は主に理論科目と実技科目で評価される。
理論科目は7教科あり、小論文の試験も含まれている。
主に必修科目である基礎魔法学・魔法工学があり、選択科目である魔法幾何学・魔法言語学・魔法薬学・魔法構造学・魔法史学・魔法系統学に分かれている。
エドは天才的な頭脳から全科目頭に叩き込んでいるが。
ちなみに今日は筆記試験で、明日が実技試験となっている。
「じゃあまた後でね」
「エド……先に帰らないでね」
「分かってるよ。ったく……さっさと自分の教室にいけっての」
二人と別れたエドは受験番号が書かれた机に向かう。
ちなみにエドの受験番号は44である。
(受験番号に悪意を感じるのはオレの気のせいか?)
自分の席を見つけたエドは荷物を下ろして席に座る。
すると周囲から視線を感じる。
やはり金髪金目は珍しいのか周りから好奇心を含んだような目で見られている。
エドの格好が赤いコートという派手な服を着ているのも大きいのだろう。
入学試験ということで気合いを入れるために派手な服を選んだのが裏目に出たようだ。
(まぁ、視線なんて関係ねぇ。全力を尽くすだけだ)
そして待つこと約10分後……
試験監督が現れる。
さっそくプリントが配られていく。
筆記試験が始まった。
試験終了後……
(まずまずってとこか?)
一日通して七科目全ての試験が終わる。
手応えとしては悪くはなかったようである。
荷物を持ってさっさと帰ろうとすると、以前雫から渡された携帯端末の音がなる。
エドは少し面倒な顔をしながらも渋々出る。
「もしもし」
『……今一人で帰ろうとしてなかったエド?』
「そ、そんなことねぇよ……」
姿が見えないはずなのに雫の勘の良さに少し驚くエド。
(どうして女ってやつはここまで勘がいいんだ?)
『そう。校門の前でほのかと待ってるから一緒に帰ろう?』
「へいへい。すぐに行くからじっとしてろよ?」
『精神年齢小学生のエドと一緒にしないでほしい』
「誰がミジンコドチビか!?」
『じゃあ早く来てね』
彼女は言いたいことだけを言うと、さっさと電話を切ってしまった。
「あ、あんの……幼児体型があああぁぁ!!」
彼はそんな雫の態度が気に入らなかったのか、唇をギチギチ言わせながらすぐに校門へと向かった。
周囲はそんな彼に少し驚き目立っていたのだが……苛立っているエドが気付くはずもなかった。
◆◆◆
翌日……
再度、第一高校へと足を運んでいたエド御一行。
昨日は校門前で合流したエドと雫であったが合流して早々、雫に対してエドが幼児体型といったことで言い合いが勃発。
雫も負けじと新しく増えた『エド迎撃悪口語録』にて対応する。
その結果、校門前で目立つことになり、ほのかが涙目になりながら二人を止めていたのだが……そんなことでこの二人が止まるはずもなく、風紀委員が仲裁に入ることでなんとか収まったのだった。
その関係である意味この三人は入学前にも関わらず、現在注目の的となっていた。
「昨日よりやたらと視線を感じるんだが……」
「これは確実にエドのせいだと思う」
「お前だって同罪だろうが!?」
「二人ともやめてってば!?目立ってるから!目立ってるからああぁぁぁ!!」
二人の暴走にほのかは涙目になりながら、必死に止めるのだった。
閑話休題
第一高校で行われる実技試験は数分で終わる。
試験は簡単なものだ。
魔法の処理速度を計測するのだ。
魔法の処理速度というものは現代魔法師にとっては重要な項目の一つである。
そもそも魔法力というのは魔法の処理能力・キャパシティ・干渉力を総合したものを言う。
処理能力とはサイオン情報体を構築する速さのことをいい、キャパシティとは構築できる情報体の規模、干渉力とは魔法式がエイドスを書き換える強さのことを言う。
その三つの処理能力を見るのがこの実技試験という訳である。
基礎単一系魔法の魔法式を制限時間内に発動させるというものだ。
「次、受験番号44番 エドワード・エルリック!!」
よって当然エドがその試験対策をしていないはずがなかった。
名前が呼ばれたエドはテスト用のCADの前に立つ。そしてCADに触れ、起動式を展開させる。
前にある機械はエドが注入したサイオンによって前方に動き出す。そして再び戻ってきた。
タイムは321msであった。
「「「「おおぉぉー」」」」
周囲で見ていた受験生は声をあげる。
(とりあえずはこんなもんか?)
エドの処理速度は一般的な魔法師よりも大きく速い。
人というのは慣れる生き物である。
何度も魔法を使っていれば、処理速度も自然と速くなる。
エドが初めて魔法を使ったときよりも随分と速くなっていた。
エドは目を閉じて雫達がいる場へと戻っていく。
「さすがエド」
「すごいよ!またタイム上がってたね!!」
雫とほのかがエドに話しかける。
「お前らは……もう終わったんだな。どうだったんだ?」
「バッチリ」
「私もそれなりかな」
「そうか」
そしてエド達は試験が終わるまで待っていたのだが……
「受験番号○○番 司波達也!!」
「!?」
エドはその名前に反応する。
(司波達也だと!?)
それは真理からあらかじめ聞いていた人物の名前。
イレギュラーと呼ばれる人物が狙っていると思われる兄妹の片割れ。
(あいつが司波達也……)
エドの視線の先には一人の長身の少年がいた。
身長は175cmほどで細身である。
件の司波達也は今まさに試験を受けようとCADに手をかざしていた。
エドはじっと達也を観察する。
だがその発動スピードはお世辞にも速いとは言えなかった。
(…………見たところ他の魔法師と変わったところは特に見当たらない。いや、むしろ発動スピードから考えて下から数えた方が速い。だが……真理の野郎が言うにはあいつには『特別な何か』がある)
試験が終わった達也は元の場所へと戻っていく。
その隣には美しい女の子がいた。
(司波達也の隣にいるってことは……あの女が妹の司波深雪か)
兄妹は仲睦まじく話していた。
エドは兄妹から視線を外して周りを見てみるが怪しげな人物は特にいなかった。
(あの兄妹を狙ってるなら誰か監視してる奴がいるかと思ったが……そんな簡単にいくわけねぇか)
「次、受験番号○○番 司波深雪!!」
試験官から名前を呼ばれた深雪は試験用CADへと向かっていく。
そのとき周りの受験生が驚きの声をあげる。
「「「「「おお……」」」」」
隣にいる雫とほのかも驚いていた。
というより深雪の美しさに見惚れているといった方が正しい。
ほのかの場合、隣の兄の達也にもある理由で見惚れていたのだが。
深雪がCADに手をかざすと魔法が発動する。
だがその発動スピードはエドよりも圧倒的に速かった。
(妹の方もただ者じゃなさそうだな……)
ちなみに深雪の発動スピードは235msであった。
その日第一高校入試で最速スピードを叩き出したのだった。
◆◆◆
試験終了後……
エド達は行きつけの喫茶店『喫茶 PINAKO』に足を運んでいた。
「で、どうだったんだい試験の方は?」
そこでエドは鼻を天狗にさせながら、日本の国旗がかかれたセンスを扇ぎながら自信満々に答えた。
「はっ!この天才錬金術師兼魔法師エドワード・エルリック様の実力にかかれば……たかだか高校の入試程度楽勝よ!入試一位の座はいただいた!!」
エドはガッハッハと勢いよく笑いながら机に足を乗せていた。
マナーの悪い客である。
そんなエドを雫とほのかはジト目で睨み付ける。
「エド調子に乗らない」
「それと足乗せちゃダメでしょ?行儀悪いよ?」
そこへピナコが飲み物と料理を持ってやってくる。
「あんた達はどうなんだい?」
「私は大丈夫です!」
「私も」
二人の反応にピナコは感心する。
「ほう。そりゃいい。三人とも合格したらさっそくパーティーをしないとね?合格が決まったらいいな。この店貸し切りにしてあげるよ。家族も呼ぶといい」
「ありがとうございますピナコさん!」
「ありがとう」
そして三人は楽しく夕食を取るのだった。
二週間後……
エドワード・エルリック、光井ほのか、北山雫の三人は無事第一高校の合格が決まった。
そしてエドに至っては
次回からいよいよ入学編だ!!
ただ魔法科高校の劣等生はやっぱり書いてると頭痛くなってきます。設定難しいorz
では、また(・∀・)ノ