・・・これは「一話の時に言え」とか「遅ぇ!」とか言われそうですが感想や誤字脱字の指摘、大歓迎です!
後、「〇〇はこんな口調じゃない!」「この設定ちょっと無理があるんじゃないか?」なども指摘していただければ設定の方は無理のない範囲で口調の方は時間があれば直ぐに修正させて頂きます。
風を感じる。今この場には五つの人影があった。一つは藤丸立香。人類最後のマスターだ。二つ目はマシュ・キリエライト。三つ目はサタン。四つ目はアルトリア・ペンドラゴン。そして、五つ目はクー・フーリン。今回は槍を持っている。
此処は特異点。正史では百年戦争があった頃のオルレアンだ。
「・・・・・・ふぅ。
無事に転移できましたね、先輩」
「うん、そうだね。皆、居るー?」
「ああ、オレは居るぜ?」
「こちらも問題ありません、マスター」
「私も問題は無いな、立香。で、その猫も着いてきたのか・・・・・・」
サタンの呆れたような視線の先にはフォウが首を傾げて(?)いる。
「フィーウ!
フォーウ、フォーウ!」
「フォウさん!? また付いて来てしまったのですか!?」
「フォーウ・・・・・・ンキュ、キャーウ・・・・・・」
「マシュのコフィンに忍び込んだのかな・・・・・・?」
「・・・・・・そのようです。
先輩か私のコフィンに忍び込んだのでしょう」
「そりゃ羨ましい限りだ。美人と密着状態なんてな!」
「・・・・・・」
「クー・フーリン!」
「おっと、悪い悪い。思わず、な」
「流石子供の存在を知らない男は行動に移すのが早いな」
「おいそういうのはやめろよ!?」
クー・フーリンの言葉にマシュは顔を赤くする。アルトリアが注意するが反省の色が見られない為サタンが皮肉を言った結果、予想以上の効果を上げていた。
「コホン。と、とにかく、フォウさんは私達どちらかに固定されているのですから、私達が帰還できれば自動的に帰還できます」
「・・・そういう事なら仕方ないかな・・・・・・」
「はい。私達は運命共同体です」
その時ピピッと電子音が鳴り、マシュかそれを確認した。
「――マスター。時間軸の座標を確認しました。どうやら1431年です。
現状、百年戦争の真っ只中という訳ですね。ただ、この期間は丁度戦争の休止期間の筈です」
「休止期間?」
「百年も正直に戦争続けてたらその国は死ぬという事だな。そうだ、マスター。そう言えば歴史の成績はどうだったのだ?」
「・・・あ、あははは・・・・・」
その乾いた笑いで一同は大体を察した。
「だ、大体! 別に歴史なんて将来の役に立たないでしょ!?」
その察した顔に立香はムキになって定番のセリフを言う。
「現状、役に立つようになってしまいましたが・・・」
「うぐっ」
その言葉には反論できない。
「あ、あの、アルトリアさん。その位にしてあげてください。
先輩、先程サタンさんが言ったように百年戦争とは百年も継続して戦争を行った訳ではありません。
この時代の戦争は比較的のんびりとしたものでしたから。
捕えられた騎士がお金を払って釈放されるなど日常茶飯事だったそうで・・・・・・先輩?」
マシュが解説を入れているとふと、彼女のマスターが並々ならぬ様子で上を見ていることに気づいた。
「――マシュ、空を見て」
見るとマシュ以外のサーヴァントは黙って上を見上げている。マシュもマスターの指示に従いつつそれに倣い上を見ると
「何、これ・・・・・・」
『よし、回線が繋がった!
画像は粗いけど映像も通るようになったぞ!』
そこに映像と共にDr.ロマンの声が届く。
『って、どうしたんだい皆?
揃って空を見上げちゃったりして』
「ドクター、映像を送ります。
あれは、何ですか?」
それは光の輪に見えた。青と白が占有する概ね晴れと言えるこの空にソレは明らかに異物だった。特異点だけに通じる共通点なのか、それとも別のナニカなのか。
『これは―――』
驚きと共に数拍置いてロマンが続ける。
『光の輪・・・いや、衛星軌道上に展開した何らかの魔術式か・・・・?
何にせよとんでもない大きさだ。
下手をすると北米大陸と同サイズか・・・・・・?
ともあれ、1431年にこんな現象が起きたという記録はない』
「間違いなく未来消失の原因かその一端だろう。全く、レフと言ったか?
その男には何が何でも情報を吐かせねばならんな・・・・・・」
サタンは苦々しげな顔で呟く。最も、仮面に覆われていて外部には表情は伝わらないのだが。
『それもそうだね、レフには聞きたいことが沢山ある。
取り敢えずアレはこちらで解析するしかないかな・・・・・・キミ達は現地の調査に専念してくれていい。まずは霊脈を探してくれ』
「ドクターの言う通りです。
周囲の探索、この時代の人間との接触、召喚サークルの設置・・・・・・やるべき事は山ほどあります」
「探索とかなら守りは俺らサーヴァントに任せてくれや。その為に居るような物だしな」
「はい、私も出来るだけ手伝いますので一緒に頑張りましょう、先輩」
「うん! まずは街に移動しなきゃね」
少女とサーヴァント達は街を目指して進む。
旅の果ては、まだ遠い。
―――――――――――――――――――
「先輩、止まってください」
「ん?」
マシュの静止に立香の足は止まる。他のサーヴァント達は少し前から足を止めていた。
「確認・・・・・どうやらフランスの斥候部隊のようです」
「斥候部隊?」
「敵が居ないかなどを密かに探らせる部隊の事だ。要は行動する見張りみたいな物だな」
「あぁ、そういう事か! サタンさんあったまいい!」
「――偶然、知っていただけだ」
それはある意味偶然だろう。彼がある時期、まだ自身の秘密を知る前。自身の好きなWeb小説が書籍化されたというのを聞いて「自分もウケる作品を書いて投稿すれば小説家になれるのでは」などと考えて知識を漁った時期があった。まぁ、二週間程して飽きてまた消費する側へと戻ってしまったがその知識は記憶の中に残っている。
「またまた〜」
立香の煽りにサタンは激昴することも無くため息を一つつくと
「取り敢えずどうするんだマスター?接触するのか、しないのか」
「う〜ん、取り敢えず動いてみない限りは何も始まらないし接触してみようかな」
「そうですね、では私が接触してみます」
立香の意見にマシュも賛成し自分がコンタクトを取ろうとする。しかし、そんなマシュをサタンが手で制する。
「待て、その武装じゃ相手を警戒させるのではないか?
見たところあいつらはかなり疲弊しているようだ。
ここは唯一武装していないマスターが交渉し他のサーヴァントが霊体化し控えるというのはどうだろうか」
サタンの提案は戦闘を避ける方針の物だ。そして、その提案に英霊達は
「・・・・・・! その発想はありませんでした。しかし、私は霊体化出来ません・・・」
「私も霊体化は出来ません。それにマスターを矢面に立たせるのは危険ではないでしょうか?」
「残ってるのは俺とお前さんだけだな。俺はその作戦で良いと思うぜ。
嫌な話だが嬢ちゃんはこれ以上に危険な目に遭う可能性があるからな。猶予がある内に体験しといた方が良いだろ」
賛否は分かれたがどれもマスターの事を思っている事が伝わってくる。それを受けて
「・・・そうだね、私もサタンさんの作戦で良いと思う」
「リツカ・・・」
「大丈夫だよ、二人も守ってくれるし私も経験を積まなきゃいけないしね。
それに、控えて守ってくれる余裕のない状況があるかもしれないんだから」
そう言った立香の足は少しだが震えていた。それを英霊達は気づいていたが、気づかないフリをした。
それは、マスターの覚悟を汚してしまう気がしたから。
「・・・決まりだな。
私が前に出よう。後方の警護は任せた、クー・フーリン」
「おう、こういうのも新鮮で良い。
去り際にクー・フーリンは言葉の爆弾を放り込んできた。それはサタンの中で爆発し心の中に波紋を生む。クー・フーリンはそのまま霊体化しマスターの後ろについた。
「 全く、英霊には敵わんな・・・・・・」
槍兵の言葉に驚きながらもサタンはマスターやマシュに聞こえないように呟き、作戦に入った。