コードギアス 皇国の再興   作:俺だよ俺

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第17話 策謀と残照

 

ルルーシュは自身に好意を持っていた少女シャーリーの父親を殺してしまった事を期に修羅の道を行くことを決める。

 

「扇か?私だ…ゼロだ。」

 

 

ブリタニア政庁

コーネリア率いるブリタニア軍も日本解放戦線の片瀬脱出計画をつかむ。

 

「それは確かか?」

「間違いありません。神奈川県横須賀地区に解放戦線の残党が集結しているのを確認しております。また、久里浜港に多くの兵員を搭乗させることが出来る船舶が停泊しています。」

 

コーネリアはギルフォードからの報告を受けて情報の真偽を問う。

 

「どうして、そう思った?」

「久里浜港にはタンカーが停泊しております。恐らくタンカーは液体サクラダイトを搭載していると思われます。おそらく逃亡先への手土産でしょう。それとこれを…」

 

ギルフォードはコーネリアに資料を渡す。

 

「ほぅ…」

「解放戦線の首魁片瀬の動向こそつかめませんでしたが…。」

 

「元関東州副州知事川原龍二。北海道政権のナンバー3桜坂満太郎の片腕…。大物だな…。」

「その川原が先日秘密裏に久里浜入りしたと情報部が掴みました。それと十海汽船とその関連会社の保有船舶の一部に予定外の動きがあります。」

 

「十海汽船…イレブン系の企業か。」

「逮捕させますか?」

 

「しばらく泳がせよ。片瀬に川原…解放戦線の幹部や潜伏していた日本の政治家。おそらく解放戦線は他のレジスタンスにも救援要請を出しているはず。一網打尽に出来るはずだ。手はずを整えてくれ。」

 

その頃、片瀬少将は北海道政権の黒木特佐の作戦に従いトラックに乗り込みただひたすら北を目指していた。

 

 

来たる皇歴2017年8月23日

 

久里浜港で脱出を図る解放戦線残党とそれを殲滅せんと動くブリタニア軍。そして、それに介入しようとする黒の騎士団の戦いが始まった。

 

ルルーシュ達、黒の騎士団は今日の日没から始まる解放戦線殲滅戦に介入するために久里浜港の港湾倉庫の一つに身を潜めていた。

 

「確かにキョウトからも頼まれたし、こちらの受け入れも問題ない。解放戦線にしたって北海道に逃げ込むよりも我々と共に歩むことを選ぶはずだ!しかしっ」

 

扇の反対を無視しルルーシュは情報提供者のディートハルトに問いかける。

 

「ディートハルトと言ったか?コーネリアが海兵騎士団を投入して解放戦線の片瀬少将の捕縛をもくろんでいる。本当なのだな?」

 

「局では報道特番の準備に入っています。」

 

「片瀬少将は藤堂中佐と合流できず仕舞い。今の解放戦線に確たる武力はない。逃亡資金の流体サクラダイトが頼り。」

 

「だから、コーネリアと戦うよりは片瀬少将の脱出を優先して…!」

 

「扇、我々はなんだ?」

 

「く、黒の騎士団。」

 

「ならば、為すべきことは一つだ。コーネリアの部隊を壊滅させた上で日本解放戦線の残存部隊を救出する。成田での忘れ物を今日!取り戻すのだ。」

 

「勝算は」

「愚問いだな。」

 

「作戦準備を開始する。皆、先ほどの指示通り待機しろ。」

 

 

陸奥港湾要塞

今回の作戦を指揮する黒木翔特佐、陸奥港湾要塞の要塞司令官加倉井少将、東北方面軍管区軍司令官の志村武雄らは座席に座ってオペレーターや他の士官・下士官達が情報を処理している様子を俯瞰して見ている。

 

「桜坂国務大臣入ります。」

 

下士官がそう告げて扉が開く。黒木らを含む全ての要員が立ち上がり敬礼をする。

桜坂は下士官の案内で用意された座席に座る。

 

「久里浜にてブリタニア軍の展開を確認。解放戦線脱出部隊と交戦を開始!」

「坂本艦隊へ通達。南下を開始して圧力を掛けさせます。」

オペレーターの報告を聞いた黒木は指示を出す。それを聞いた海軍派遣士官が関係各所へ連絡する。

 

「片瀬少将が庄内へ差し掛かった時点で声明を出してもらってください。そこからが北海道の勝負どころです。」

 

 

 

 

 

久里浜港

久里浜港から脱出しようとする解放戦線の3隻の船舶と港湾施設に陣取って船舶への射撃を行うブリタニア軍。

解放戦線は船舶の上になけなしの無頼や雷電を出して迎撃するものの圧倒的に不利な状況であった。

脱出船舶のひとつ客船サルビアン丸では川原が環境のゲスト席に座って戦況を見守っていた。

 

「坂本艦隊より通信です。 ブリタニア艦隊 ト 戦闘ニ 入ル 脱出 ヲ 急ガレタシ。」

 

状況は彼らの脱出を許すものではなかった。川原は首を横に振り副官他周囲の士官に告げる。

 

「今は時間を稼ぐことが重要だ。解放戦線の将兵諸君、命を惜しむな名を惜しめ。ここで散らした命が後に必ずや祖国解放の礎となる。(桜坂君、後は頼んだぞ。)」

 

海兵騎士団のポートマンが後続のタンカーと貨客船立花丸に取り付く。

 

 

 

 

「応答しろ!どうなっているんだ!これじゃ手遅れになる!ゼロはいつ動くつもりなんだ。ナイトメアが船に取り付いた!!」

黒の騎士団に偽装された港湾施設のクレーンでは状況を見守っていた扇が苛立たし気に通信機を怒鳴りつけた。

 

「脱出路は一つであったな。流体サクラダイトを大事に抱えて…」

 

「ゼロ!早くしないと!」

 

「分かっている。出撃…」

ゼロ(ルルーシュ)がそう言ってスイッチを押す。

 

タンカーの下の海底に取り付けられた高性能機雷が反応して爆発する。そしてそれはタンカーの流体サクラダイトに引火して大爆発を起こす。立花丸とサルビアン丸は波に煽られて転覆する。

 

 

黒の騎士団、ブリタニア軍。その場の誰もが唖然とする中、ルルーシュだけが冷静であった。

この爆発は彼の策謀であるのだから…。

 

「さすがは日本解放戦線!ブリタニア軍を巻き込んで自決とは。我々はこのままコーネリアのいる本陣に突撃する!それ以外にはかまうな!!結果はすべてに優先する!結果はすべてにおいて優先する!日本解放戦線の血に報いたくばコーネリアを捉え我らの覚悟と力を示せ!!」

 

「これじゃあ成田の二の舞じゃないか!?おい、どこに行く!!」

ディートハルトは扇の制止を無視してその場から走り出す。

 

「こうでなければ!(解放戦線を囮に手薄になった敵本陣に攻め入る。定石だがそれではいまひとつ弱い。そうだ!どうせなら敵の戦力をそぎ落とした方がいい!落ち目の解放戦線を生贄にして…。やはり、ゼロは素晴らしき素材。カオスの権化だ。もっと、もっと見せてくれ!あなたの主観に満ちた世界を!はははは)」

 

 

 

鹿島灘のあたりでブリタニアの迎撃艦隊を突破した坂本艦隊も解放戦線の自決を観測していた。

通信参謀からの報告を聞いた坂本艦隊司令長官坂本良馬は予想外の事態に目を見開いて驚いていた。

 

「解放戦線自決!!サクラダイトタンカーによる自爆!!川原元副州知事の安否不明!!」

 

「な、なんだと!?自決!?自決だと!?我が艦隊は敵の包囲を破ったのになんと早まったことを!?………作戦中止!作戦中止だ!!脱出船舶が動けるのならまだしも全部が轟沈しているのであれば救出は不可能だ。敵領海のそれも主要港湾付近に留まるのは危険だ。遺憾ながら撤退する。」

 

「遅参した黒の騎士団がブリタニア軍コーネリアの陣地に攻撃を開始!」

 

「解放戦線を囮にしたか。気に入らんが援護はしておこう。ミサイル発射用意!目標!!久里浜港湾施設!!」

 

 

 

 

ブリタニア軍コーネリア本陣

「緊急騎乗!防衛線を形成せよ!」

解放戦線の自爆自決を受けて混乱する場を抑えんとダールトン将軍が周囲に指示を出す。

 

コーネリアも自身のKMFに乗り込み迎撃戦に加わる。

久里浜港は坂本艦隊の嫌がらせのミサイル爆撃によってあちこちから火の手が上がっていた。

 

「わたしにKMFで勝てると思ったか!!」

 

紅蓮を狩るカレンとルルーシュの二人にコーネリアは追い詰められる。

 

「ハッチを砕いて引きずり出してやる。コーネリア…」

それにルルーシュもカレン達を引き連れて迎え撃とうとした。ルルーシュは引き金に指を掛けるが、視界にある人物が目に入る。

 

「(シャーリー!?)」

 

シャーリーに気を取られたルルーシュは隙を作ってしまう。

そのルルーシュの無頼改にスザクのランスロットが襲い掛かる。

ルルーシュを助けようとしたカレンであったが復帰したコーネリアに阻まれる。さらに周囲から立て直したブリタニア軍のKMFが集まってくる。

 

ランスロットが無頼改を退け、紅蓮はコーネリアのグロースターを反りぞけた。

ランスロットと紅蓮はお互いの上官もしくは仲間を守るためにぶつかり合う。

 

そして、偶然にも一人の少女がゼロの正体を知ってしまったころ。

 

 

 

陸奥港湾要塞

 

「川上ィいいいい!!」

桜坂は立ち上がり叫んでいた。

他の士官や管制官達も予定外の事態に混乱が見えた。

 

黒木は形式上の上位者の桜坂を一喝し落ち着かせる。

「桜坂閣下、事態は急を要します!!閣下、ここで冷静な判断をしていただかなくては困ります!!」

「す、すまない。」

「閣下、お疲れででしたら別室でお休みください。」

「……すまないがそうさせてもらう。指揮権は私が持っている形式的な物も含めて黒木君に一任する。」

 

「っは」

 

黒木は桜坂ら文官らが退出したのを確認してから指示を出す。

 

「作戦を一時繰り上げる。片瀬少将に声明を出してもらう。」

 

 

 

 

久里浜港での戦闘はブリタニア軍と黒の騎士団はお互いに拮抗していたが、時期にブリタニアに傾くのが理解できた扇は及び腰であった。

 

「ゼロと連絡がつかない!!どうすれば…!?こ、これは…」

 

扇はたまたま点けっぱなしにしていた港湾施設のプレハブのテレビから流れる映像が目に入った。この放送のことを知った恐らくこの場いる者達は動きを止めた。

 

 

 

『私は日本解放戦線の指導者。片瀬帯刀である!!この度の久里浜での戦いは敗北したがこの片瀬は生き、解放戦線も存続していることをここに知らせるものである!!』

何せその放送には死んだと思っていた片瀬少将が映っていたのだから。

 

 

 

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