コードギアス 皇国の再興   作:俺だよ俺

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第23話 大高ゼロ会談 と 式根島

皇歴2017年9月3日 黒の騎士団潜水艦拠点 個室

 

黒の騎士団に提供された伊号潜水艦の中でラクシャータは物思いに耽っていた。

(バイク1台調達するのにだって苦労してたってのに潜水艦かぁ。北海道政権も肩入れが始まったみたいね。)

 

ラクシャータはゼロの発表を聞くために個室を出た。

 

黒の騎士団潜水艦拠点 ブリーフィングルームとその重要会議室

 

ブリーフィングルームには黒の騎士団に所属する全員が集まりゼロの言葉を待っていた。

前面の大型モニターにはキョウトの桐原泰三と北海道政権の大高弥三郎が映っていた。

 

「それでは黒の騎士団再編成による新組織図を発表する。軍事全般の責任者に藤堂京志郎、情報の統制に広報・諜報・工作の総責任者にディートハルト・リート。」

 

ディートハルトの人事には黒の騎士団、それに藤堂と共に加入した解放戦線の主戦派らからも不満の声が上がる。

ゼロはその中の千葉の問いに答えた。

 

「ゼロ、我々は民族主義者ではないがわざわざブリタニア人を起用する理由は?」

「理由、理由か。では、私はどうなる?知っての通り私は日本人ではない。必要なのは結果を出せる能力だ。人種も過去も関係ない。」

 

ゼロの言葉に皆、納得の意志を示したのを確認して、ゼロは発表を再開する。

 

「副指令に扇要。」

「え、俺か?」

「不服か?」

「いや、そんなことはない。」

そんな様子を見て黒の騎士団古参メンバー達が扇の肩を叩き、声を掛ける。

「まぁ、もともとのリーダーは扇だしな。」「新参者じゃあ…ちょっとな。」「がんばれよ。」

等と声が掛けられる。扇が慕われている証拠でもある。

 

「技術開発担当にラクシャータ。」

「当然よねぇ。」

 

 

「ゼロ番隊隊長に紅月カレン。」

「ゼロ番隊?」

「ゼロ番隊だけは私の直轄となる。親衛隊と考えてもらえればいい。」

「親衛隊…、ゼロの。」

親衛隊隊長に指名されたカレンは期待に胸踊らせている様子であった。

 

「1番隊隊長に朝比奈省悟、2番隊隊長に仙波崚河、3番隊隊長に長崎義男…」

ゼロの発表はしばらく続き、玉城の人事が第二特務隊隊長であると言うところで終了した。

 

「ゼロ。一つよろしいでしょうか?重要な案件です。」

 

一方で枢木スザクのユーフェミアの騎士の叙勲式は滞りなくすすめられた。

 

ブリーフィングルームの奥の重要会議室ではゼロと黒の騎士団幹部達がディートハルトの枢木スザク暗殺について集まって会議したが結果的に却下された。

その後もスザクの騎士叙勲祝いの席でカレンがスザク暗殺に動こうとして、それを促したディートハルトにゼロが釘をさすと言った場面もあったが概ね問題は起こらなかった。

 

 

黒の騎士団潜水艦拠点 ゼロ個室

 

「お初にお目にかかる。黒の騎士団を率いているゼロだ。」

『こうして、お会いするのは初めてですな。日本皇国北海道政権首相大高弥三郎です。』

 

その日の午後、キョウトを仲介しゼロと大高は通信会談を行う機会を持った。大高個人としては顔を見せない指導者と言うものに含むところがあったが、今までの功績や今回の藤堂の救出とそれに伴うランスロットとの大立ち回りは議会閣内からも高い評価を得ており、大高自身も評価しておりこの期に接触しようと言うことになりこの様な機会を設けることになった。

 

『我々北海道政権は黒の騎士団の活躍は聞き及んでおります。キョウト同様に我々も大いに期待しております。』

「傀儡にし損ねた解放戦線の代わりとしてか?」

 

ルルーシュの言葉に全く表情を変えずにこやかな表情のまま大高はそれに応じる。

 

『傀儡などとはご謙遜を…。ゼロの声望は誰かの手の中に納まる物でもありますまい。』

「それに関しては否定しないが…。」

 

『あなたの声望なら日本再興後の選挙で政界入りし、いずれは首相と言うのも夢ではないでしょうな。』

「くははは、さすがの私もそのようなことは考えていないよ。大高閣下も冗談がお好きのようだ。」

 

等と軽い冗談を言い合った後に本題である話し合いを行う。これは親しい関係から来るものではなく、お互いを警戒した結果出て来た言葉である。

 

「今回の潜水艦の提供は黒の騎士団としてもありがたい。北海道政権も旧東北州をあらかた奪還し関東州に手を掛けるのも時間の問題の様だ。」

『今後は協力する機会も多いでしょうな。黒の騎士団は、いえ…KMFはキョウトと言うよりはインド系を導入するようですが、車両や携帯武器などの物資なら北海道でも融通が利くでしょう。それに軍事の面での協力も…。』

「そうだな。日本解放を目指す組織なら日本人を中心として開放するべきだろう。部外者の他国に積極的に借りを作る必要はないと思う。」

 

大高とゼロは武器供与や軍事協力についてはしていたが最後のゼロの言葉に大高は眉を動かす。

 

『ゼロもご存知でしたか。隣近所に逃げ込んだ者達のことを…』

「無論だ。わたしは部外者には早々にお引き取り願おうと思っているのだが、大高はどう思う。」

『我々としても部外者にとやかく言われ、要らぬおせっかいを焼かれるのは不愉快極まりませんな。しかしながら、国家と言う枠組みが邪魔をして玄関口まで行くのは苦労するのですよ。』

「では、玄関先で無粋な訪問者を追い返すのは私が受け持とうかと思うが?」

『それはありがたい。今のブリタニアの総督は剣を振るうのがお好きなようで老骨にはちと堪えますのでな。さすがにお転婆姫を相手にしながらおせっかい者を相手にするのは少々骨折りです。』

「さすがは、日本を7年間守り通した巨星と揶揄されるだけある。コーネリアをお転婆扱いとは!」

『ははは、少々おふざけが過ぎましたかな。』

「いやいや、たまにはこういった冗談を言うのも悪くない。ラクシャータを譲ってくれた上に道中を保障してくれたことに関しても感謝している。」

『キョウトの要請を受けましたので…。物のついでです。』

「ほぉ…ついでですか?私としては閣下の本題が気になるところですが…残念ながら時間の様だ。それと、もしかしたら白兜の件に朗報を届けられるかもしれませんよ。では失礼する。」

『えぇ、こちらも失礼します。』

 

通信を着るとルルーシュは近くのソファーに座っていたC.C.に話しかけられる。

 

「どうしたルルーシュ。そんな難しい顔をして?」

「ちょっとな…。日本にもこれほどの大人物がいたのだなと思ってな。もしかするとシュナイゼル以上の指し手かもしれないなと思っただけだ。」

 

そんなルルーシュを面白く思ったのかC.C.はからかうように言う。

 

「珍しく弱気だな?そんなことでは私の共犯者は勤まらんぞ?」

「もちろんだ。解っているさ。(大高、ラクシャータの件を否定しなかった。あのルートは東南アジアの国々の協力がなければ無理だ。今ですら四大勢力のひとつロシアを巻き込んでいる。大高の政治力は日本国内…世界屈指…。もはや、別格の存在か。)」

 

ルルーシュは大高との協力体制を築いた。双方ともに互いの能力の高さを理解し利害の一致を見た。不一致点があることも…。

 

 

北海道函館首相官邸

 

ゼロとの会談を済ませた大高は自身の横に控える秘書二人以外の赤坂秀樹官房長官と矢口蘭堂副官房長官に視線をやる。

 

「どうでした?ゼロは?」

 

大高に促され赤坂は自分の意見を口にする。

 

「現状は利害の一致を見ております。我々と黒の騎士団は積極的に協力してブリタニアに当たるのが得策かと思います。」

 

赤坂に続いて矢口が口を開く。

 

「現状はその通りです。ですが、問題は解放した後ではないでしょうか?現在の黒の騎士団はいくつものレジスタンスや有志を集め日に日に強大化しております。解放後の黒の騎士団は無視できない規模となるでしょう。そうなるとその後の日本の軍権を誰が握るかという問題が噴出することが予想されます。少なくても日本解放後の統一戦力の統帥権の一部を要求することは間違いないでしょう。」

 

今度は赤坂が語りだす。

 

「ですので黒の騎士団と国軍は完全に切り離す必要があります。」

 

そこまで聞いて大高は二人の言葉を遮る。

 

「なるほど…、それに関しては私も腹案があります。」

 

「腹案ですか?」

「まだ、準備中ですので詳細は控えさせてもらいますが…。外務省や皇室ルートを通じて腹案の構想をくみ上げております。」

 

大高の眼光は鋭く、自分の策に強い確信を抱いていた。

 

 

 

 

 

ブリタニア帝国アーカーシャの剣

 

「思考エレベーターの構築は予定通りだな。あぁ…わかっておる。」

シャルルに耳打ちする部下。

「なに?シュナイゼルがナチスのラインハルト・ハインドリッツと接触した?…自信があるなら挑んでくるがよい。しかし、ヒトラーの奴め。案外と足元がぐらついてるな…。それとも…余と同じか。」

 

皇歴2017年9月4日 式根島近海 潜水艦

 

「ユーフェミアが本国からの貴族を出迎えに、あの島へ向かっている。騎士である枢木スザクもともにいるはずだ。戦略拠点ではないため敵戦力は限られている。これはチャンスだ」…。作戦の目的はランスロット及び枢木スザクの捕獲。戦場で勝って、堂々と捕虜にする。」

 

ゼロの宣言と共に式根島へと黒の騎士団は向かうことに…。

 

 

 

式根島港湾区画

 

ユーフェミア達はブリタニア皇族を出迎えるためにユーフェミア達は式根島を訪れていた。

 

「到着時間は予定通りです。司令部に控えの間を用意させておりますが…如何でしょうか。」

「船はここに寄港すると聞きましたし、ここで待つことにします。」

 

ユーフェミアはそっと笑顔を浮かべて現地士官の勧めを断り、その場で待つことを選んだ。

 

「わかりました。ではイスをお持ちしますのでお待ちください。…敵襲だと!?司令部が何者かの攻撃を受けているようです!!」

 

基地のある方から黒煙が上がり、無線で現地下士官が司令部と連絡を取っている。その様子を見たセシルはこの場からの退避を勧める。

 

「ここは租界に引き返しましょう。護衛部隊の用意はできますか?」

 

だが、現地士官はジャミングが掛けられており、それは難しいと伝える。

 

「ご安心ください。ユーフェミア様のことは自分が守ります。」

「いえ、あなたは司令部へ救援に行ってください。」

 

ユーフェミアとスザクの会話を聞いていた現地士官はそれに難色を示す。

 

「彼は名誉ブリタニア人ですぞ。それに敵は黒の騎士団の可能性が高いです。ランスロットごと裏切ったら…」

 

それを聞いたユーフェミアの表情に影が差す。自分の騎士であるスザクを悪く言われることが嫌なようであった。それを察したロイドが現地士官に苦言を呈す。

 

「わかってます?それって皇族批判ですよ?」

「え、いや、そんなつもりは…毛頭…。」

 

ロイドの言葉に現地士官は口を閉ざす。

 

「枢木スザク、ここで貴方の力を示すのです。そうすればいずれ雑音も消えるでしょう。」

 

 

 

式根島基地管制塔

 

「敵襲!敵襲!」

「て、テロリスト!?どうしてここに…!?防衛部隊を展開するんだ!」

 

司令官の命令で防衛部隊、戦闘ヘリや戦闘車両になけなしのサザーランドとグラスゴーが展開するが辺境の防衛部隊と歴戦の黒の騎士団では戦力に違いが大きすぎる。次々と殲滅される防衛部隊はまさに瞬殺を絵に描いたほどに圧倒的であったが、スザクのランスロットの加勢により何とか立て直すことが出来た。

 

「司令!通信です。」

「こんな時に誰が?」

 

司令官は受話器を受け取り応対する。

 

「な、シュナイゼル殿下!!…はい、特派のおかげで立て直しがはかれました。…え!?は…わかりました。イエス・ユア・ハイネス!」

 

 

式根島基地近郊

 

ルルーシュの綿密な策と藤堂の優れた指揮、そして他ならぬゼロ自身を囮にしてスザクのランスロットはゲティフォンディスターバーを設置している地点へ誘導していく。

ランスロットはルルーシュの無頼にメーザーバイブレーションソード(MVS)を向ける。

 

「ゼロ!これで!」

 

一方のルルーシュもランスロットを罠にかけスザクを手中に収められると思っており余裕を持って言った。

「これで…おまえを。」

 

そして、少し離れたところでラクシャータもゲティフォンディスターバーの起動スイッチを押す。

「捕まえたぁ。」

 

ゲティフォンディスターバーは要求された効力を発揮し、効果範囲内のKMFの機能を停止させる。

 

「出てきてくれないか。第一駆動系以外は動くはずだ。捕虜の扱いについては国際法に乗っ取る。…話し合いに応じなければ、君は四方から銃撃を受ける。」

 

 

式根島港湾区画 嚮導駆逐艦

 

「スザクに出るように伝えてください!それよりどうしてランスロットは動かないんですか?」

 

ユーフェミアは自分の騎士の危機に対してロイドとセシルに対応を求める。

 

「ナイトメアの駆動系に使われているサクラダイト。そこに何らかの干渉が…」

 

「ゲティフォンディスターバー、部分的にジャミングが機能している。(理論だけだと思っていたけど、迂闊だった。ラクシャータ、やはり君なのか?)」

 

 

 

式根島基地近郊

 

スザクとルルーシュは機体から降りて二言三言言葉を交わす。

しかし、ルールを頑なに守ろうとする者とそのルールを破壊する者の間で話が纏まるはずもなかった。

そしてスザクは基地司令の命令に従って黒の騎士団足止めのためにルルーシュの背後を取る。

 

「枢木お前は…」

「君のやり方には賛同できない。」

 

 

式根島港湾区画

 

「ミサイル攻撃ですって!?」

 

「枢木少佐が足止めをしています。今ならゼロを倒せるのです。」

 

「誰がその様な作戦を!枢木スザクはわたくしの騎士ですよ!」

 

「この命令は準1級命令です。命令の撤回は総督以上か3名以上の将官の同意によってのみ行われます。」

 

「だからそんな指示を出したのは誰です!」

 

命令を伝えに来た現地士官とユーフェミアの間で言い合いになる。

その後ろで現地士官が言った上位者が誰かを気が付いたロイドが目を伏せる。

 

「わたくしにラインを繋ぎなさい!」

 

「準1級命令です。ユーフェミア副総督。」

 

現地士官はユーフェミアに冷たく言い放った。すると彼女は現地士官達を振り払いポートマンに乗り込んでそのまま飛び出してしまった。

 

「基地に伝えなさい!わたくしが巻き込まれる可能性があると!それでも発射命令が出せますか!」

 

 

 

 

式根島基地近郊

 

「このままでは貴様も巻き込まれてしまうぞ!本当にそれでいいのか!」

「……軍人は命令に従わなくっちゃいけないんだ!」

「ふん!人に従っている方が楽だからな!」

 

ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア、枢木スザク。

 

藤堂の命令で月下や無頼が飛来するミサイルの迎撃を開始する。

 

「スザク!ゼロを離せ!私は生徒会のカレン・シュタットフェルトだ!こっちを見ろ!」

 

カレン・シュタットフェルト。

 

(スザク、まだ死んでは成りません!)

 

ユーフェミア・リ・ブリタニア。

 

「あれはお兄様のアヴァロン。それにあの周りを飛んでいるのはナチスドイツ軍…」

 

黒く塗装されたナチスドイツ軍武装親衛隊のダインやゲバイがアヴァロンを守る様に編隊を組んで飛来する。そしてアヴァロンの下方部が開き容赦なくブレイズルミナスが降り注いだ。

 

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