コードギアス 皇国の再興   作:俺だよ俺

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第3?話 パナマ運河破壊作戦

皇歴2017年9月20日19:00 パナマ近海 須佐之男号

 

日本側から繰り上げ要請により、作戦は1時間ほど繰り上げられた。

太平洋マルベロ島沖合流ポイントからすでに移動しており、紺碧艦隊とミスリル戦隊は移動を開始した。

 

「進路そのまま。警戒を厳に…。」

 

 

ブリタニアの工業力の中心は五大湖周辺に集中している。そこで生産されたKMFを中心とする兵器や軍事物資、艦船などはパナマ運河を通り太平洋へ輸送される。

無論、鉄道や車両を使った輸送手段もあったが大量輸送となると船舶の比ではない。もしパナマ運河が潰されることとなれば、ブリタニアの太平洋戦略が根本的に見直されることになる。

 

この超潜伊10001須佐之男号には、最新鋭のメーサー攻撃機F-6電征が2機搭載されており、KMF搭載能力もある。電征は攻撃機の名を冠しているが戦闘機としての能力も高い。僚艦の伊600潜にも電征が2機搭載されている。また、伊500潜には各3機の艦載機の艦上垂直離着陸機F-4昇星を搭載し、伊700潜には昇星戦闘機を改造した艦上垂直偵察機偵察機RF-4E星電と多用途垂直離着陸型戦闘機F-5闇鷹が1機づつ搭載されている。また、この闇鷹は日露共同開発機でありロシア呼称Yak-201と呼ばれる機体と同一の物であり、ミスリル戦隊にも運用されている。

つまり、紺碧艦隊は小規模ではあるが明らかに航空機動艦隊の能力を有しているのである。さらに、KMF搭載能力を持った潜水艦トゥア・ハー・デ・ダナンやタイフーン潜水艦の改良艦を保有するミスリル戦隊を加えたことで、この任務艦隊は航空機動揚陸艦隊と言っていい能力を持ったのである。

 

「本艦隊は、日本武尊を除くすべての大和型戦艦の開発計画を中止もしくは変更して建造されたのだ。なので、我々はそれに見合った…いや、それの何倍もの仕事をしなければならないと俺は思っている。これより、作戦を開始する!」

 

19:05出撃、かくして乾坤一擲のいよいよそのスタートを切ったのである。

 

 

皇歴2017年9月20日19:00 パナマ運河付近 トゥア・ハー・デ・ダナン

ミスリル戦隊はパナマ運河を視認できる距離にいた。

 

「戦隊長、時間です。」

副長のマデューカス中佐の言葉を聞いてテッサは指示を出す。

 

「作戦開始、KMFを射出、パナマ運河港湾部を奇襲してください。」

 

ミスリルの陸戦部隊はサベージの水陸両用機に乗り込み、KMF発射管に搭載される。

そして、注水が完了し次々と射出される。

水陸機のサベージはHEATハンマーの代わりにトライデントを装備してる。

このサベージはまず、2つのグループに分かれる。水上に顔を出し水陸両用銃で上陸を援護する部隊とポートマンを排除しつつ、地上の警備部隊のKMFに第一撃を与える部隊だ。

 

ポートマンを両用銃で仕留め、堤防沿いに配置されているサザーランドやグラスゴーをトライデントで一突きし、トライデントが届かないところにいる防衛部隊に対しては両用銃で制圧する。港湾外苑部はあっという間に制圧され、支援グループも上陸する。その支援グループは防水処理を施されたカバーからバズーカを取り出し、駆逐艦などの艦船を攻撃し無力化していく。

その頃になってようやっとブリタニア側の防衛部隊が組織的な防戦を始める。

 

 

皇歴2017年9月20日19:05 パナマ近海 須佐之男号

 

「作戦の第一段階は上々、パナマ港湾部にて陽動作戦が進行中。攻撃隊!発艦準備に掛かれ!!浮上!!」

浮上した各潜水艦の搭載ハッチが開き入江艦長の号令で攻撃機達が飛び立つ。

前原はハッチから顔を出し出撃していく攻撃機を見送った。

 

「成功を祈る。」

 

紺碧艦隊は作戦成功時の邂逅点へと向けて潜航し海中へと消えた。

 

 

皇歴2017年9月20日19:05 パナマ運河

 

大竹飛行長率いる攻撃隊はパナマ港湾部のミスリル戦隊の上空を通過し、パナマ運河を目指し東進していた。

パナマ運河、南北両ブリタニア大陸がつながる地表にある巨大運河で、総延長65km。パナマ市からミラフーロレス閘門、ミラペドロ閘門がありガトゥーン湖に至る。そして湖の向こう大西洋側にガトゥーン閘門がある。

攻撃隊はガトゥーン閘門に目を付けた。

この作戦はパナマ運河破壊作戦としては、太平洋側の2閘門の方が距離が近く有利であったが、破壊目標として規模が大きく修理に時間がかかるガトゥーン閘門の方が効果大であると決定されたのである。

攻撃隊は山間部を超低空で飛行し侵入していった。

山間部を超えると、星電はここで列を離れた。攻撃隊の成功を祈りつつ帰路に着いた。

攻撃隊の視界にガトゥーン閘門が姿を現す。

 

「飛行長!あれです!」

「全機!爆撃用意!!」

 

観測員の一人が予定にない超低空で飛行する航空機を発見し双眼鏡で確認する。

 

「ライジングサン!?イレブンか!!」

 

攻撃隊は液体サクラダイトのタンクや貯蔵庫が爆撃される。

イレブンの残党軍が遠く離れた大西洋まで現れるなど、考えもしていなかった。

 

「迎撃機が上がってくるのも時間の問題だな。落差の大きい湖からやるぞ!!」

「「「了解!!」」」

 

停泊中の一部の艦船から、対空機関砲を一部の水兵たちが撃ち始める。

 

「もう、遅い!!いけぇえええ!!!」

 

大竹飛行長は水雷爆弾を機体から切り離す。

水雷は航跡を描いてガトゥーン閘門にぶち当たる。

ガトゥーン閘門はミシミシと音をたて、一気に閘門が倒れる。

せき止められていた海水が一気に流れだし、艦船を押し流し、次の閘門も同様に破壊していく。

 

「すざまじいな。よし!引き上げるぞ!!」

「敵機です!!」

「一当てするぞ!続け!!」

 

大竹のF-6電征を先頭に僚機が続く。

電征のメーサービームの横薙ぎによって敵機が数機落とされる。

機制を制した攻撃機体は容易に迎撃機の一隊を制し悠々と撤退していった。

パナマ運河の破壊成功が伝わると、パナマ港湾施設で陽動工作を行っていたミスリル戦隊も霧のように撤退していった。

 

 

皇歴2017年9月20日20:35 邂逅点 須佐之男号

 

邂逅点では入江艦長が艦載機の搭載作業を急かしていた。

 

「収容急げ!!」

「早くしてくれ!」

 

大竹飛行長の電征を中心に、攻撃隊の機体が着水していた。

 

「敵機接近!!」

 

先任士官が大声で、前原に知らせる。

 

「対空迎撃、時間を稼げ!」

 

伊号潜水艦の対空機関砲が迎撃を始めるが、迎撃機の数が増えてくる。

 

「まずいな。」

 

火力としては乏しい対空砲では迎撃は間に合わない。

前原の額に冷汗が伝う。

そこに、ミスリルの水陸両用機が海中より顔を出し両用銃で対空迎撃に参加する。

 

「ミスリル戦隊か!支援感謝する!!」

 

前原はミスリル戦隊の機体に敬礼をしてからハッチの中に戻った。

対空火砲が増えたことで敵機を跳ね除けることに成功。紺碧艦隊は艦載機を収容して潜航し帰路に就いた。

 

 

 

皇歴2017年9月20日同時刻 航空航路上 アヴァロン級浮遊航空艦

 

帝国宰相シュナイゼル・エル・ブリタニアは欧州へ向かうために空の人となっていた。

すでに、エリア11での一連の事態に対処している中で新たなる急報が知らされる。

 

「シュナイゼル殿下!!北海道軍がハワイ諸島を襲撃!ハワイ各島が陥落したとのことです!太平洋艦隊は壊滅的な被害を受けたとのことです!」

「なっ!?」

 

ハワイ陥落の方を聞いて、言葉を失うシュナイゼルであったが、悲報は続く。

 

「しゅ、シュナイゼル殿下!!ぱ、パナマ運河が破壊されました!!」

「や、やられた。これでは太平洋の戦力が無力化された上に増援が送れないではないか!ゼロに注目を集めて、北海道軍から目が離れた結果か。」

 

シュナイゼルは目を押さえながら思考する。

エリア11をコゥは守り切れるのか?ユフィの外交的問題はどう対処する?本国の混乱はどう抑える?そもそも、エリア11の騒動はどの程度他エリアに飛び火するか?

 

「シュナイゼル殿下、本国からです。」

 

副官が本国からの通信が来たことを伝える。

 

『シュナイゼル、ようやっと連絡が付いたか。』

 

通信の向こうには姉である第1皇女ギネヴィア・ド・ブリタニアが映っていた。

なぜ、姉がとは思ったが軍事政治ともに決断力に難がある兄オデュッセウスよりはマシかと思い直し、ギネヴィアを引っ張て来た貴族諸侯たちの判断を内心称賛した。

少なくてもあの兄よりは姉の方が、能力はある。軍事こそ未知数だが宮廷政治を中心に政治力は自身も評価している。

 

 

シュナイゼルはギネヴィアと情報のすり合わせをする。

本国の方は、パナマとハワイの件で太平洋戦略が大きく練り直されるであろうこと。エリア11の今後の扱いなどが取りざたされている様だ。

そして、通信にギネヴィアがいる時点で父上であるシャルルは例の場所から出てきていないのだろう。

 

「姉さん、とにかく今は国内の動揺を抑えなくてはならないよ。」

『それは兄上に任せる。兄上は国民受けが良いからな。』

「問題は太平洋側のエリアだ。エリア11の戦況は最悪だ。コゥだけでは支えられない。」

『であれば、ダッチハーバーの戦力を抑止にあてればよいではないか?』

「それはダメだよ。姉さん、あそこを動かすとロシアへの抑えが足りなくなる。」

『では、ナチス第三帝国に派兵を要請するか。もともと、援軍の計画はあったのだ。それに個人的にラインハルト長官と伝手がある。頼んでみるか?』

「援軍自体は可能だろうけど。彼らを主戦力にするのは外交的にも問題だ。下手をすればエリア11がドイツ領になりかねない。そもそも、ナチスドイツの援軍計画はエリア11の駐屯軍の補完を目的としたものだ。補完軍なら、まだしも主戦力とした援軍は断られるだろう。それにこういった時の交渉で個人の伝手を使うのは後々問題になるからおすすめしないよ。」

 

シュナイゼルに案を次々と潰されたギネヴィアは苛立たし気に尋ねる。

 

『では、どうすればいいと言うのだ。』

「太平洋地域は一度見捨てるしかないと思う。第7艦隊のモルガンにはインド洋への退避を伝えている。太平洋艦隊中核がやられて、ハワイが抑えられた時点で早期の立て直しは難しい。モルガンがいても太平洋地域の抑えにはならない。ブリタニア海軍とイレブンの海軍の戦力比が覆ってしまった。ある程度の戦力を残して守りとし、本国で戦力を編成するのがいいと思う。」

『随分と消極的な。』

「姉さん、恐らくですが。」

 

双方の副官が報告を上げ、ギネヴィアが報告書に目を通す。

 

『……!?』

「エリア10が決起したでしょう。」

 

 

シュナイゼルは画面を複数画面に切り替える。

 

『そうだ!独立だ。我々の国は、いま、ブリタニアにひどい搾取をされている。この国の豊かな資源は全て、ブリタニアに持っていかれ、インドネシアの住民たちは、教育の機会も金も自由に商売する機会もあたえられず、奴隷のようにこき使われている。今、日本では日本人たちが自由を勝ち取る一大蜂起が起こっている!!彼らは勝つだろう!!ではインドネシア人はインドネシアのために立ちあがらなくて、誰が独立を勝ち取るのだ!!インドネシアの独立を勝ち取ることは、インドネシア人の義務ではないのか!!民衆よ!!武器を取れ!!戦うのだ!!今こそ、暴虐な支配者から自由を勝ち取るのだ!!』

 

『フィリピン共和国の国民よ!!続け!!今こそ決起の時だ!!我らフィリピン国民に、かつてあった独立と自由を!!今再びこの手に!!共和国の栄光の時代を再び!!暗黒の支配を打倒し自由の光を!!希望ある未来を掴むのだ!!!』

 

画面ではインドネシアとフィリピンの抵抗勢力の首魁スカルノとホセ・ドテルレルが演説を行い全民衆に決起を促す演説が流れていた。

 

 

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