コードギアス 皇国の再興   作:俺だよ俺

37 / 65
第33話 ブラックリベリオン前編

皇歴2017年9月20日12:47 富士山麓 行政特区日本樹立式典会場近郊

 

「さようなら、ユフィ。たぶん、初恋だった。」

 

ユーフェミアはルルーシュに撃たれ、ユーフェミアはスザクによって奪還され、アヴァロンの医療施設に運び込まれた。

 

富士山麓の式典会場とその周囲は黒の騎士団によって制圧された。

 

「よくも俺たちをだまし討ちにしたな!」

 

そこでは、日本人によるブリタニアへの報復行動が見られた。

 

 

 

式典会場の放送室ではディートハルトが報道と言う情報戦を指揮していた。

 

「よかったじゃない?式典会場にムービーや機材が残ってて。」

「あぁ。」

 

ラクシャータの言葉にディートハルトはあいまいに答えた。

 

「メディアの使い方は大高の方が一枚上手でしたが…。」

 

 

 

 

 

『わかりました。あなた方の身柄は保証しましょう。次回からは担当の役人が応対します。』

 

赤坂は極めて事務的に桐原の保護を受け入れはした。

だが、ユーフェミアに一度でも靡いた彼らの心証は北海道政権にとって非常に悪いものだった。その証拠が、キョウトとの交渉に大高が顔を出さず官房長官の赤坂が応対した事からもわかる。ゆえに桐原は黒の騎士団の方に接触したのだが…。

 

「ゼロ、これからのことだが、こうなった以上わしらの下で…」

「逆だ!こうなった以上キョウトの方々は私の指揮下に入っていただく。反論は許さない!その様子だと、大高に袖にされたのだろう?私に従わねぬ以外に他に生き残る道はない。」

 

キョウトは黒の騎士団の下に納まることとなる。

ゼロは群衆の前に立ち宣言する。

 

「日本人よ。ブリタニアに虐げられた全ての民よ!!私は待っていた。ブリタニアの不正を陰から正しつつ、彼らが自ら顧みる時が来るのを。私たちの期待は裏切られた。虐殺と言う蛮行で!…ユーフェミアこそブリタニアの偽善の象徴!!国家と言う体裁で繕った人殺しだ!!」

 

 

 

 

皇歴2017年9月20日13:51 富士山麓上空 アヴァロン

 

「スザク、行政特区はうまくいった?」

「行政特区は大成功だ。」

 

その頃、スザクはユフィとの最期の時間を過ごしていた

 

「みんなとても喜んでいたよ。」

「よかっ…た。スザク…あなたに会えて…」

 

一つの恋人が分かたれる。死と言う永遠の形で…

 

 

皇歴2017年9月20日14:00 富士山麓 行政特区日本樹立式典会場

 

「私は強者が弱者を虐げない国を作りたい!!その名は合衆国日本!!」

 

ルルーシュは独立国建国を宣言したが、これに大高はわずかに眉をひそめたが不快感を示すことはなかった。大高ゼロの同盟関係は崩れることはなかった。これは偶然でもあった。ゼロの宣言した合衆国日本宣言は、日本が平和だった頃、大高が志した合衆国制導入と、重なったためであった。どちらが主導権を握るかと言う問題はあったが、表面上の政治思想の一致は同盟関係の延命につながったのであった。

 

 

ルルーシュは接収した式典会場の一室で休息をとる。

 

「トウキョウ疎開に攻め込むつもりか?」

 

C.C.に問われたルルーシュは落ち着いた口調で答える。

 

「今が最大の好機だ。北海道政権に先を越されるわけにはいかない。彼らは黒の騎士団の味方であるがライバルでもある。」

 

ルルーシュは仮面を外したが、すぐに顔をそむける。暴走したギアスを恐れて。

 

「大丈夫だ。私にギアスは効かない。」

「そうだったな。ギアスの制御ができない今…みんなとはもうお別れか。」

 

携帯の着信が鳴り響く。妹ナナリーの呼び出しだった。

 

『お兄様?ユフィー姉さまとお話がしたくって…』

「!?」

 

 

 

 

皇歴2017年9月20日14:36 トウキョウ疎開 ブリタニア政庁

 

ブリタニア政庁では次々と悲報が舞い込んでくる。

 

『黒の騎士団が一般民衆を巻き込みトウキョウ疎開へ進軍中!!』

『北関東防衛線が破られた!!黒の騎士団に2時間遅れで北海道軍がトウキョウ疎開になだれ込んできます!!』

『トウキョウ疎開へは黒の騎士団・北海道軍合計で10万を超えます!!』

 

ユーフェミア死去によるショックでコーネリアは茫然自失となっており、この場をギルフォードが抑えていた。

 

「だめだ!殿下の許可なく軍を動かすわけにはいかない!」

「ですが、コーネリア総督はユーフェミア様の部屋に御籠りに…」

「ダールトン将軍もいない状況では…」

「オアフ島がやられたらしいです。太平洋艦隊からの増援は遅れるとのことです。」

 

 

 

皇歴2017年9月20日同16:12 茨城県某所 

 

北関東防衛ラインを突破した北海道政権軍は皇神楽耶女皇親征もあって士気は異常に高かった。

 

改造された拠点車両内では中央のシートに神楽耶が座りその左右に各師団長が控えていた。

 

「陛下…ゼロとの通信がつながりました。回線を開かせます。」

「…開きなさい。」

 

乃木の言葉に神楽耶は短く応じる。

 

『初めまして、皇軍の皆さん。そして、女皇陛下。』

「えぇ、こちらこそ。ゼロ様。」

「陛下、様付けは…」

 

乃木の言葉を制してゼロとの話を続ける。

 

「ゼロ、皇軍もトウキョウ疎開へ向かっています。ですが、そちらの方が少々早くついてしまいます。攻撃のタイミングを合わせるために進軍速度を落としなさい。」

『それは無理です。女皇陛下…、こちらは正規軍とは違う民兵と暴徒の寄せ集め。そのような繊細なことは出来ません。無理に速度を落としてしまえば勢いを殺してしまうことになる。』

 

「そうなのですか?」

神楽耶は乃木に事実の確認をする。

「その通りでございます。古来より我々の様な常備軍とは違い、民兵農兵と言った兵の士気の維持は難しいというのは事実です。また、訓練期間が短い。あるいは無い兵士は陣形変更はもちろん細かい命令を行き渡らせるのは難しいでしょう。あれだけの規模に膨れ上がっているのなら尚更です。」

乃木の助言を受けて、神楽耶は納得してゼロの反論を認めることとした。

 

『では、トウキョウ攻撃は西部が黒の騎士団、北部が皇軍陸軍、東京湾方面は皇軍海軍でよいか?』

「陛下、妥当なところかと考えます。」

乃木の耳打ちで神楽耶は決断を下す。

「わかりました。ゼロの意見を受け入れましょう。」

 

 

皇歴2017年9月20日17:37 トウキョウ疎開 ブリタニア政庁 

 

日も沈み暗くなった頃。日本各地では日本人たちの決起暴動が発生し、ブリタニアの統治によるコントロールは崩壊していた。

そして、それをコントロールすべきブリタニア政庁の高官たちも自身に迫る。

敵の存在で

 

「チバエリアに北海道軍が侵入!!サイタマエリアにも解放戦線との混成集団の侵入が確認されています。黒の騎士団も旧東名高速のルートにてアツギラインを突破したとのことです!」

「ここは、アツギを放棄して…」

「北海道軍の航空戦力がトウキョウ疎開の防空隊と交戦中!!」

 

士官たちの対応も後手に回り、トウキョウ疎開に迫る脅威を排除できずにいた。

上位者不在の中でギルフォードも頭を抱えていた。そんな時、遂に待ち望んでいた存在の声が政庁司令部に響き渡った。

 

「うろたえるな!!グラストンナイツを待機させた!!それとドイツの援軍の先遣隊MA部隊の指揮権を預かって来た。全軍トウキョウ疎開外苑に陣を敷け!!それぞれの敵の第一波を防げば、この猛攻も収まる!!」

 

 

皇歴2017年9月20日18:22 旧神奈川県厚木市 黒の騎士団G-1ベース

 

「コーネリアさえ潰せば勝ちだ!全軍、作戦に従い待機せよ!前線は藤堂。ここはディートハルト、お前に任せる。」

 

「わかりました。」

 

ルルーシュはディートハルトに後方の指揮権を委譲し、自らも前線に出るためにガウェインの元へと向かった。

 

「進軍を急がせられるか?」

「不可能ではありませんが…。」

「問題ない範囲で構わん。急がせろ、最低でもコーネリアとの一番槍は黒の騎士団でなくてはならん。」

 

 

皇歴2017年9月20日19:06 北海道函館 函館要塞地下司令施設

 

高野・桂・厳田ら3軍司令官が入り作戦の指揮をしていた。

 

「黒の騎士団が先陣を切るのは、承諾済みだ。陸軍は統一レジスタンスと足並みをそろえてトウキョウ疎開へ攻め込めばいい。そうすれば、占領軍のコーネリアの背後を突ける。第五師団と霞師団は西日本のブリタニア軍への抑えとせよ。」

 

陸軍参謀総長桂へ報告が上がる。

 

「ロシア軍ハバロフスク集団は約4時間後に若狭に上陸するとのことです。」

「そうか。」

 

 

「南関東にて制空戦が開始されました。」

「海軍の護衛航空機団の一部を千葉の制空権確保に回せ。」

「了解しました!」

 

厳田空軍長官の方でも、各所での空戦の推移が伝えられる。

 

「連合艦隊、ブリタニア太平洋艦隊と交戦を開始したとのことです!」

「わかった。白銀艦隊の方は?」

「現在、相模灘にて敵艦隊が集結中。そこでの艦隊戦となるかと…」

「そうか。」

 

高野は軍刀を杖にモニターをにらみ続けていた。

 

 

皇歴2017年9月20日同時刻 北海道函館 首相官邸

 

「大高首相、まもなく黒の騎士団が首都奪還に動きます。我が軍の到着は翌2:00頃を予定しております。」

 

陸軍大臣永田の言葉を聞いて、大高は「うむ。」と短く答えた。

赤坂官房長官が大高に耳打ちする。

 

「南洋の方の支度が整ったとのことです。許可の方を出しても構いませんか?」

「お願いします。打てる手は打っておかなくてはなりません。この戦い、日本だけでは済まないでしょう。」

 

 

皇歴2017年9月20日22:38 トウキョウ疎開 CODE-Rブリタニア・ドイツ秘匿共同研究施設

 

「早くしろ!本国に実験適合生体を!!研究成果資料を運び出せ!電子媒体も紙媒体も両方だ!」

 

バトレーは大慌てで指揮している。一方でドイツ側の責任者であるマリアはその様子を達観した様に眺めていた。

 

「ヴィクリート中佐!?貴国も運び出しを急いだほうがいいのではないのかね!?」

 

そんなマリアに対して、バトレーは苛立たし気に尋ねる。そんなバトレーに対して大した反応もせず。マリアは実験適合生体の大型カプセルを指さす。

 

「出力が!?内圧が上昇中!!」

 

研究員の報告はほぼ悲鳴の様だった。

カプセルのガラスにひびが入り、次の瞬間割れて中にいた実験適合生体が外へと出てきてしまう。

 

 

「おはようございました。」

 

実験生体がこちらの方を向き直り挨拶をしてきた。言語能力に問題があるようだった。

 

「こ、こんなときに…」

「あらあら…」

 

 

皇歴2017年9月20日23:45 トウキョウ疎開外苑部カナガワエリア境界

 

『皇軍の到着時刻は2時間後。降伏勧告をするなら時間を合わせていただきたいのですが?』

 

この時、ルルーシュは大高・神楽耶などを交えた通信会談を開いていた。

 

「爆発寸前の民兵を抑えるのはこれが限界だ。黒の騎士団として、彼らがある程度統制が取れた状態で戦いたい。無秩序な暴徒のような状態では勝てるものも勝てない。その辺りは陸軍の人間であった大高氏なら解るはずだ。それに降伏勧告は国際法上の建前だ。長時間も待つつもりはない。」

 

『この戦い、日本だけで終わるものではありませんぞ。間違いなく飛び火するでしょう。万全を期すべきです。』

 

「それは、解っている。だからこその対応だ。コーネリアはすでにトウキョウ疎開外苑に防衛線を築きつつある。2時間も時間をくれてやっては、堅牢な防御陣が完成してしまう。奴のことだ、我々全員が一斉に攻撃してきても大丈夫なような陣形を作っているだろう。」

 

『完成する前に叩くということですか?』

「そのとおりです!女皇陛下。」

 

自分の策を一部読んだ神楽耶に、ルルーシュは賛辞を贈り再び大高の方に視線を戻す。

 

『では空軍部隊を先行させますので、そこは協調いただきたい。』

「了解した。これでよいか?」

『えぇ、かまいませんわ。』『よいでしょう。それで行きましょう。』

「よろしくたのむ。」

 

向こうも通信を切ったので、ルルーシュは通信を切り降伏勧告を行う。

 

「聞くがよい。ブリタニアよ、我が名はゼロ。力ある者に対する反逆者である!0時までに降伏して我が軍門に下れ。」

 

降伏勧告を告げたルルーシュにC.C.が話しかける。

 

「本当にいいんだな。このままではエリア11では済まない。この世界全体が、お前の命の戦いに染まる。」

「解っている。だが、俺は…」

 

ルルーシュがC.C.に決意を込めた返答をしようとしたとき、携帯から着信が入る。

その相手は、死んだはずのユーフェミアであった。

ルルーシュが電話に出ると、その相手はスザクであった。

 

 

『ルルーシュ。皆に空を見ないでほしいと伝えてくれないかい?ルルーシュ、君は本気で殺したい相手がいるかい?』

 

「あぁ、いる。」

 

『そんな風に考えてはいけないと思っていた。ルールに従って戦わなくては、それはただの人殺しだって思ってた。でも、僕は今憎しみに支配されている。人を殺すために戦おうとしている。皆がいるトウキョウの空の上で…』

 

「憎めばいい。ユフィのためだろ?俺はもう、とっくに決めたよ。引き返すつもりはない。」

『ナナリーのため?』

「切るぞ。」

『ありがとう、ルルーシュ。』

「気にするなよ。俺たち友達だろう。」

『7年前から…』

「じゃあな。」

『それじゃあ、あとで。』

 

ルルーシュはスザクの問いには答えず電話を切った。

時間は0:00となっていた。

 

 

それと同時であった。ブロック区画化していた高速道路部分や要塞構造物が自壊し崩落していく。

 

「スザク、俺の手はとっくに汚れているのだよ。それでも向かっているのなら構わない。歓迎してやるさ。俺たちは友達だからな…。くくくくく、ははっははははは!!」

(俺はあの日から、あらゆる破壊と創造を…。そのために心が邪魔となるのなら…消してしまえばいい。…もう、進むしかない。…だから)

 

 

皇歴2017年9月21日0:00 北海道函館 首相官邸

 

トウキョウ疎開外苑部の要塞構造物が崩落していく映像が流れる。

そこにいた閣僚たちは驚き目を丸くする者、ゼロに賛辞を贈る者など様々であった。

 

(ゼロ…そういう手を使いましたか…。覇道を行くと言うのか。)

 

「大高首相。さきほど、海軍軍令部よりハワイ諸島の攻略が完了したと報告がありました。また、前原提督からパナマ運河破壊作戦の成功の報告が上がりました。」

 

「そうですか。では、作戦は次の段階へ進めてください。」

 

(孟子は王道こそを理想とし、覇道を賎しいものとした。これを尊王賎覇と言う。だが、王道で世界が収まらないと言うのなら覇道を歩むしかないと言うのか…。)

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。