コードギアス 皇国の再興 作:俺だよ俺
皇歴2017年9月21日 ヴェネツィア宮殿総統官邸
ヴェネツィア宮殿はイタリアファシスト政権において、首相官邸として利用されていた。
そこで、イタリア総統ベナート・ムッソリーニはナチス第三帝国総統ハインリッヒ・フォン・ヒトラーの要請で通信会談を開いていた。
『ムッソリーニ君、我が帝国は対ロシアにおけるウラル戦線、インド侵攻の準備。そして、未だに小賢しくも抵抗を続けているフランス・ベルギーの相手もある。それに貴国の要請を受けてアフリカにも派兵した。』
「はい、その節は感謝しております。おかげでアフリカ戦線は巻き返せました。」
『うむ、大変結構。ところでムッソリーニ君、君に頼みがあるのだ。』
「いったい何でしょうか?」
『派兵だよ。東洋派兵だ。貴国のインド洋艦隊は手隙のはずだ。今、ブリタニアの太平洋戦略は大きく狂わされている。太平洋を黄色いサルどもに好きにされては気に入らん。』
「では、日本へ出兵するのでしょうか?」
『できるならそうしたいが、あのあたりの抵抗は相当なものだろう。だから、オーストラリアに侵攻する。』
「あの広大なオーストラリアを攻め落とす?」
『オーストラリアは旧英連邦だ。大英帝国の子孫たるブリタニアが属する枢軸に迎合する素地はある。軽く艦隊を率いて脅してやれば。すぐに終わるだろう。ムッソリーニ君、悪い話ではあるまい。それで十分に日本や中華連邦への抑えになるだろう。』
「確かに悪い話ではないです。オーストラリアはサクラダイトこそ産出が少ないとはいえ、それ以外の資源は豊富。損はない…か。」
ベナート・ムッソリーニはハインリッヒ・フォン・ヒトラーの甘言に乗り、東洋出兵を決めた。
皇歴2017年9月21日 ナチスドイツ総統官邸
ヒトラーは、ムッソリーニが東洋出兵を決断したことを確信し、その場にいる連絡将校と秘書のヨッヘンバッハに指示を出す。
「日本派遣予定だった兵力を、ムッソリーニの東洋派遣軍に付けてやれ、それとブリタニアのシュナイゼル宰相につなぐのだ。それと、その次にスペインのフランコにもだ。ブリタニアにとっては災難だが、余にとっては悪い話ではない。シュナイゼルを通してシャルルから譲歩を引き出せる。欧州の問題も一気に解決出来るだろう。」
「はい、総統の思うが儘でしょう。」
ヒトラーは赤ワインのコルク栓を抜いて、グラスに注ぐ。
「おっと、ヨッヘンバッハ。地下のワイン蔵からワインを持って来てくれ、最高級の奴だ。マリアが重要な客人を連れて、総統官邸に来るはずだ。くれぐれも粗相のないように…。」
「はい。仰せのままに…」
ヒトラーはワイングラスを片手に世界地図を見る。
「もうすぐ、もうすぐだ。まもなく、欧州は我が第三帝国の物となるのだ。」
ヒトラーはこの時、枢軸内のパワーバランスが自分に傾いたことを機敏に察知していた。
そして、日本のブリタニア統治時代の終了も嗅ぎ取っていたのであった。
皇歴2017年9月21日1:47 トウキョウ疎開ブリタニア政庁屋上
神聖ブリタニア帝国第2皇女コーネリアは、敗北しその姿をゼロの前に晒した。
大怪我と表現しても、可笑しくない程度の怪我をして血を流していた。
そしてゼロも、コーネリアに対して仮面の下を見せていた。
「そうか、ゼロは貴様だったのか。ブリタニア皇族への恨み、ダールトンの推測は当たっていたか。…な、ナナリーのためにか?」
「そうです。私は今の世界を破壊し、新しい時代を作る。」
「そんなことのために、そんな世迷言のために殺したと言うのか。クロヴィスを、ユフィまで!」
「あなたこそ、私の母、閃光のマリアンヌに憧れていたではないですか。」
「どうやら、これ以上の会話に意味はないようだ。」
コーネリアは起き上がろうと体を動かす。
「そうですね。ならば…!ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアが問いに答えろ。」
そして、ルルーシュは……ギアスを発動させる。
「私の母上を殺したのは姉上ですか?」
「違う。」
「では誰が?」
「わからない。」
自分の予想では当時警護担当だった重要な情報を握るであろうコーネリアは、マリアンヌの件を何も知らなかった。
「あの時の警護担当は姉上でしたよね。なぜ警護隊を引き上げたのです。」
「頼まれたからだ。」
「マリアンヌ様に…。」
「母さんが!?では、母さんは、あの日襲撃があることを知っていたのか?ありえない、なら俺たちを逃がしているはず。」
「知らないのか。」
ルルーシュは感情を高ぶらせたが、すぐに表面上、冷静さを取り戻す。
「何があった!?あの日!?誰なんだ!?母さんを殺した奴は!?……では、あの日の真実を知る人間は誰だ!調べていたんだろう!あの日のことを!」
ルルーシュに問われたコーネリアはゆっくりと答え始める。
「皇帝陛下に命じられて、シュナイゼル兄さんが運び出した。」
「遺体って母さんの?じゃあ、あの棺の中。」
ルルーシュが思考していると、C.C.が焦った様子でルルーシュにスピーカーで呼びかける。
「おい!戻ってこい!」
「解っている!そろそろ政庁の守備隊が…。」
「違う!お前の妹が攫われた!」
「冗談をきいている暇はない。今は、コーネリアを人質として…」
冗談にしても、不愉快と切って捨てようとしたルルーシュだったが、C.C.の様子がいつにもまして本気であった。C.C.はV.V.の存在を感じ取っていたのだ。
「違う!私にはわかる!お前が生きる目的なのだろう!神根島に向かっている!!」
そこに瓦礫の山を突き破り出て来て現れる。
「オールハイル・ブリターニア!!…おや、あなた様は?ゼロ!?何たる僥倖!宿命!数奇!」
ジェレミアに対してルルーシュは「オレンジ」と呼んでしまう。それは彼にとって精神の不覚に刻まれた言葉であった。
「お、オレンジ…。お願いです!!死んでいただけますか。ゼロ!帝国臣民の敵を排除する!!オールハイル・ブリタニア!!」
ジークフリートに付随するグロムリンの有線メーザービームがガウェインに襲い掛かった。
ジークフリートとそれに付随するグロムリン。つまり、ジークフリート・グロムリンの追撃をかわしながらルルーシュは、司令部に連絡を取る。
そこで、ルルーシュは扇が撃たれたことを知る。そして、ナナリーはじめ学園メンバーも姿を消したことを知る。
「南、司令部能力は北海道政権の軍が到着し次第委譲していい。以上だ。」
「ゼロォ!ゼロよぉ!!」
その間も、ルルーシュとC.C.のガウェインはジークフリート・グロムリンの攻撃をかわしつつ応戦した。ついにはビルの下敷きにもしたのだが…。
皇歴2017年9月21日2:01 トウキョウ疎開学園地区アシュフォード学園敷地
アシュフォード学園では、捕らえたランスロットからスザクを引きずり出そうとバーナーで焼き切ろうとしたが、装甲に阻まれた。
そんな時に、捕らえられた生徒会メンバーが姿を見せると、スザクは自ら操縦席から出る。
ひと悶着を起こして、玉城はスザクたちを射殺しようとした。
『こんばんは~。』
アヴァロンが学園の上に現れた。
そして、サザーランドに乗ったセシルからエナジーの交換を受けるスザクのランスロット。
即席で破損部位を応急修理していく。
『セシル君!急いで!北海道軍の本隊がすぐそこまで来てる!』
「解っています!スザク君!あなたはゼロを!」
接近する北海道政権軍がここまで到着するまでをリミットに、アヴァロンはここに残ることに。
「ロイドさん、セシルさん。ここのみんなをお願いします。」
『解ってるよ。ここには婚約者もいるからね。』
「ここの生徒たちの避難誘導は任せて。」
ロイド達が、アヴァロンに生徒たちを避難させる。
黒の騎士団は一時撤退していたために、抵抗はほとんどなかった。
ランスロットに皇族の専用通信がつながる。
『枢木か。』
「コーネリア殿下?」
皇歴2017年9月21日2:11 トウキョウ疎開ブリタニア政庁外苑
『第二師団第三機甲歩兵連隊、攻撃に加わる。』
『第三師団第一砲戦車大隊、砲撃を開始する。』
北海道政権軍の前衛集団がブリタニア政庁攻略に加わり始める。
「北海道政権軍の前衛が到着したようだな。これなら、陥落も時間の問題か。」
『藤堂、以降の作戦は全てお前に任せる。扇の代行はディートハルトに任せろ。私は他にやることがある。』
「この段階で!?他があるのか?ま、まぁ、わかった。」
『以降の通信はシャットダウンする。』
「了解だ。」
ルルーシュの独断行動で、若干の混乱が起こったが大勢は変わることはない。
『こちら、七番隊増援を乞う!』
「わかった、皇軍の部隊を送る。」
皇歴2017年9月21日2:17 トウキョウ疎開ブリタニア政庁
「戦況は、こちらに不利だ。私のことは、ギルフォードにもグラストンナイツにも言うな。だが、お前にだけは…伝えておかねば。神根島、そこにゼロが…。それ以外は、ダメだ。思い出せない。」
コーネリアを介抱するスザクにコーネリアは告げる。
コーネリアの様子に、ゼロがギアスを使ったことを理解する。
「お前はユフィの騎士なのだろう。なれば、ユフィの汚名を濯げ。貴公に略式ではあるがブリタニアの騎士候位を授ける。お前はこれで名実ともに騎士だ。行け枢木スザクよ。」
「イエス・ユアハイネス。」
皇歴2017年9月21日2:17 トウキョウ疎開 陸上ホバー戦艦蓬莱山
「え?ゼロがいなくなったのですか?」
「指揮権を委譲して、別行動に入ったとのことです。」
乃木はディートハルトから伝えられたことを、神楽耶に伝える。
「陛下、黒の騎士団の司令は不在。副指令も負傷し指揮が取れない。ここは黒の騎士団の指揮権をこちらに移しましょう。」
乃木は黒の騎士団を指揮下に入れることを提案し、第二師団長の山本奉文中将、第三師団長の坂東源一郎少将、第四師団長高田文雄中将もこれに賛意を示す。
国軍と民兵集団の力関係を考えれば、当然であった。
「ゼロ様は…どこに…?」
「陛下、今は指揮権の掌握が先です。ゼロのことは後でよいでしょう。」
「え、えぇ…。」
ゼロに対してある種のファン心理なのか。ゼロの事を気にしている神楽耶に乃木はそのことに苦言を呈しつつ、指揮権掌握の許可を取った。
2:30皇国軍本隊がトウキョウ疎開へ、日本皇国首都解放軍旗艦陸上戦艦蓬莱山の近衛師団長乃木希祐大将より、黒の騎士団に対して指揮権移譲の要求が行われる。ディートハルト及び扇の間で話し合いが持たれ、皇軍への指揮権移譲が行われる。その間、ブリタニア占領統治軍と皇軍で開城交渉が行われたが決裂。
3:00乃木希祐大将指揮の下、政庁攻略が再開。
皇歴2017年9月21日3:12 旧東京湾浦賀水道
「第一、第二海堡のブリタニア軍砲台陳地の無力化を図る。」
「了解しました。噴式弾の一斉射で無力化します。艦隊各艦へ伝達!今より30秒後に第一海堡へ一斉射、その30秒後に第二海堡へ一斉射を行います。」
「許可します。」
白銀艦隊司令長官桃園宮那子の許可を得た艦長兼艦隊参謀長の知名もえかが、タブレットを操作して各艦へ伝達し僚艦の複唱を確認した。
白銀艦隊より対地ミサイルが発射される。
「カウント開始、9・8・7・6・5・4・3・2・1・弾着………反撃ありません。」
もえかの報告を聞いた那子は、新たに指示を出す。
「新型の水中KMFと哨戒機を出して、周辺海域の安全を確保。」
「了解。周辺の安全を確保します。」
ヘリ搭載機能を持った護衛艦から哨戒ヘリが飛び立つ。
そして、揚陸艦から水中使用機水雷電がハープーンガンを装備し出撃していく。
この水雷電は、名称から察することが出来るだろうが、KMF雷電の水密性を高めた機体でナチスドイツのズワイやブリタニアのポートマンに対抗するために、急遽雷電をベースに製作した水陸両用機。背部と両肩にハイドロジェットユニットを装備し、水中での移動能力を高めている。武装も水中戦を想定して装備されておりにハープーンガン及びミサイルランチャーガン。無論、KMFなのでスラッシュハーケンも固定装備されている。
実は、この機体以外にも水中戦闘を想定した兵器は存在し、こちらは海龍Ⅱ型水中戦闘艇と呼ばれ、インド洋海戦のころから使用されていたが、装備が魚雷しかなく装弾数は4本と少なく一撃離脱以外の有効な戦法が編み出されず、ズワイはおろかポートマンにも劣るとされ水雷電に水中戦の主役の座を早々に譲り渡すこととなった。それでも、KMFは陸戦重視の傾向が強く海龍Ⅱは戦場の第一線を退くには至らなかった。
水雷電は、そんな海龍Ⅱを伴って周辺水域の制圧へと向かって行った。さらにその後ろに、上陸用舟艇とスキッパーに乗った陸戦隊が続く。
第一・第二海堡は数十分と経たずに完全に沈黙し制圧され、白銀艦隊は東京湾へと侵入する。
「ん?あれは?」
白銀艦隊についてくる小型船舶を見て、那子はもえかに尋ねる。
よく見ると、無理やり取り付けたであろう機銃が付いている。
「あれは、レジスタンスの水上艇です。先ほどの制圧戦で合流しました。」
「そう、代表者にはお礼の文章を送っておいて。」
「はい。」
レジスタンスの水上艇から日本国旗を振る人の姿が見える。
「歓迎を受けているのね。」
「それはそうでしょう。東京湾に7年ぶりに入港する日本海軍の艦ですから。」
「そうね。さて、東京湾内に布陣。これより、湾岸の友軍に対して援護射撃を行う。」
3:30浦賀水道のブリタニア軍海上堡塁制圧、東京湾内に侵入。白銀艦隊による各ブリタニア軍陣地に対する制圧射撃が始まる。
3:40政庁に対する皇軍航空隊による空爆が開始される。
3:45北海道政権軍・統一レジスタンス連合・黒の騎士団による総攻撃開始。
4:00ブリタニア政庁が降伏。
グラストンナイツよりクラウディオを除く4人が戦死。
アンドレアス・ダールトン、戦死。
ギルバート・G・P・ギルフォード、政庁を脱出。ブリタニア占領統治軍の残存を率い西日本へと後退を開始。
コーネリア・リ・ブリタニア失踪、消息不明。
黒の騎士団団長ゼロとの連絡が途絶。
6:00一部守備部隊を残し、北海道政権軍・統一レジスタンス連合・黒の騎士団、西進を開始。若狭湾にロシア軍ハバロフスク集団上陸、北海道政権軍と合流。
皇歴2017年9月21日の夕方には沖縄等島嶼地域他一部地域を除く日本国土の大半を回復。
日本皇国北海道政権内閣総理大臣大高弥三郎。首相専用機天神にて旧首都東京へ降り立ち日本解放宣言が行われた。
『日本国民の皆様、日本皇国首相としてこの日が来ることを切に願っておりました。皇国解放はたった今、成し遂げられました!現在一部地域がブリタニア占領下のままですが、あと少しの辛抱です!我々はこの戦いに勝利するでしょう!!!』
まだ、島嶼地域などの一部地域にブリタニア軍は残っている。また、ブリタニアは太平洋地域の再征服を諦めてはいないだろう。
そして、ブリタニアの衰退と入れ替わるようにナチス第三帝国の台頭が始まっていた。