コードギアス 皇国の再興   作:俺だよ俺

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第40話 枢軸連合軍、東洋へ

皇歴2017年10月2日、フィリピン共和国のルソン島・ビサヤ諸島・ミンダナオ島などを中心に、ピースマークとグルカ兵団の空挺部隊が降下を開始。独立派の救援として参戦する事となる。

 

「上陸!急げ!」

 

同日、潜鯨三型補給用大型輸送潜水艦、弟橘比売、布多遅比売、美夜受比売、倭比売及び潜揚大伊900型3隻からなる輸送潜水艦隊によって、九鬼海兵旅団がインドネシア共和国カリマンタン島及びセレベス島に上陸。

 

なお、九鬼海兵旅団の編成は以下の通りである。

司令部大隊、第一両用機兵大隊、第二両用機兵大隊、第一戦車大隊、第一砲兵連隊、第二砲兵連隊、第一海兵連隊、第二海兵連隊、第三海兵連隊、第一戦闘工兵大隊、第一軽装甲偵察大隊。

 

九鬼海兵旅団は2日昼、セレベス島パリクパパン及びケンダリーに上陸しこれを占領、翌日には森林地帯に潜伏する独立派の民兵たちと合流し、ミナハサ半島最北端の都市メナドとセレベス島最大の都市マッカサルを解放した。

 

カリマンタン島北部のサクラダイト採掘基地があるタラカン島では、ブリタニア軍沿岸砲陣地が上陸した九鬼旅団へ対して激しく抵抗した。

 

「反撃!反撃しろ!」「て、敵が多すぎる!?」

 

九鬼旅団の水雷電と震電、ブリタニア軍のサザーランドやグラスゴーが激しい銃撃戦白兵戦の応酬を繰り広げ、歩兵部隊もその足元で攻防を繰り広げていた。

 

この九鬼旅団は、ブラックリベリオン発生時海軍軍令部総長高野五十六の密命を受けて、インドネシア独立派への援軍として派遣された大規模な先遣隊でもあった。

このカリマンタン島とセレベス島に九鬼旅団が上陸したことで、独立派の劣勢を押し返した。

 

フィリピン・インドネシア独立戦争と呼ばれるこの戦いは新たな局面へと向かっていた。

 

 

 

皇歴2017年10月3日 関東州東京都市ヶ谷 大本営

 

「海軍艦艇は着々と佐世保へ集結中であります。近日中には琉球諸島奪還作戦の発動が行われるものと思います。また、琉球諸島奪還作戦完遂後に発動されるフィリピン・インドネシア解放作戦に関してですが、すでに九鬼海兵旅団を先遣隊に送っていますが、念のための保険としてもう一手、打っておきたいのです。」

 

高野五十六は大本営での会議において、こう発言した。

本土回復後、関東州旧首都東京において今上天皇皇神楽耶を議長とした仮説大本営を設置。その半月後には正式に大本営最高指導会議と名を改め、その参加者の従来の大本営会議の今上陛下、陸軍大臣、海軍大臣、3軍のナンバー2までの6人とに加え、文官方面から内閣総理大臣を中心とした閣僚及び副大臣・大臣秘書官らにも列席が許されている。ただし、副大臣は大臣の代理出席時のみ発言権があり、大臣秘書官らは発言権そのものがなくバックで情報処理を行うことが目的である。また、当然と言えば当然だが大本営から招聘を受けた有識者も発言権を有している。追記にあたるが、大高弥三郎首相は大本営仮設時から列席し発言権もあったが、これは大高が陸軍参謀総長及び陸軍大臣の経験者であったこと、現3軍高官と懇意にあるために例外的に許されていた背景がある。

 

高野の目配せで高野付きの海軍副官が資料を配布する。

それを各人が目を通してから、大高が発言する。

 

「なるほど、横須賀で別動隊を編成ですか。良い案だと思います・・・。」

 

計画書には伊豆・小笠原諸島奪還戦隊帰還後。横須賀鎮守府で待機している増強戦隊と合流し、白銀艦隊別働隊としてマリアナ諸島・ヤップ島・パラオ諸島を通りセレベス海・モルッカ海峡を回遊し、ミンダナオ島・カリマンタン島・セレベス島・モルッカ諸島の独立派の支援を実施する旨が記載されていた。

 

「はい、私と空軍の厳田さん、陸軍の桂さんの共同で立案させていただきました。また、パラオの独立派から支援要請が出ていたこともあり、外務省さんにも賛成いただけるものかと・・・。」

 

高野の発言に、外務大臣の木戸が返答する。

 

「えぇ・・・。パラオからも独立支援の要請が来ているのは確かです。ならば、ミクロネシア諸島の解放もお願いしたい。」

 

木戸の、外務省の要請に対して高野は申し訳ないと言った表情で返答する。

 

「木戸外相、申し訳ありませんが、それは時期尚早と言うものです。以前より日本寄りで行動的な独立派の多いパラオなら急造の艦隊でも開放が可能でしょう。しかし、トラック諸島を中心にミクロネシア諸島は世界最大級の環礁に囲まれた、天然の要塞。別働艦隊だけで落とすのは難しいでしょう。」

 

「・・・なるほど。外務省にこれ以上の異見はありません。」

 

木戸が着席して、高野は続ける。

 

「ミクロネシアやメラネシア、ポリネシアの解放はフィリピン・インドネシアの解放が完遂され、ハワイの旭日艦隊や第一航空機動艦隊が動けるようになってからと考えております。」

 

高野の質疑応答が終わり、陸軍参謀総長桂虎五郎が立ち上がり発言する。

 

「現在、フィリピン・インドネシアにおける戦闘の推移を報告します。フィリピンにおいてピースマーク及びネパール王国のグルカ傭兵軍の参戦によって、フィリピンの主要地域はブリタニアからの解放に向かっております。また、カリマンタン島においては現地独立派に加えブルネイ亡命王国府軍が上陸し戦闘を開始、南沙諸島を制圧したベトナム軍も一部を秘密裏に義勇軍として派遣している模様です。スマトラ島でも、全体を通して独立派優位になっております。これはフィリピン・インドネシアの戦いに参戦したシンガポールとマレーシアの海軍及びスマトラ対岸のマレーシア陸軍の砲兵隊による沿岸砲撃によって、ブリタニア軍基地が破壊され、ブリタニア軍が開戦序盤で混乱状態に陥ったことが原因と思われます。また、同地のブリタニア軍はバレンバンに防衛ラインを複数構築し、態勢の立て直しを図っております。これに対し、メダンのスカルノは虎の子のKMFからなる機兵中隊を投入したとのことです。また、ジャワ島のブリタニア軍統治府はバンドン要塞に司令部を移し統制を取り戻しつつあります。なお、ティモール島のポルトガル軍はブリタニア軍と共闘するようです。場合によってはモルッカ海峡あたりで我が軍の別働艦隊とポルトガル艦隊が接敵する可能性があります。」

 

桂の報告を聞いた大高は状況確認と言った感じで3軍長官に問い直す。

 

「フィリピン・インドネシアの解放は皇軍の琉球解放が、いかに速やかに行われるかにかかっていると言うことですな。」

 

3軍長官は頷いて肯定の意を示す。

 

「赤坂官房長官、周辺諸国はどのような動きを見せていますか?」

「まず、ロシア帝国ですがバグラチオン作戦の方ですが、皆さんもご存知のようにチュトコまで押し返しております。ですが、冬季に入るとベーリング海峡は地続きとなりブリタニア軍も大軍を動員して攻勢に出ると思われ予断を許さない状況です。また、その関係で今月中には我が国に派遣されていたハバロフスク集団は撤退するとのことです。中華連邦は、相変わらず統制が取れていない状況ですね。主流の大宦官派はブリタニア迎合の動きを見せていますが、当代清皇帝の側近で新進気鋭の武官である黎星刻氏が率いる天子派、台湾軍区行政長官であり先代皇帝の丞相であった馬駒辺氏の先帝派が、ブリタニア強硬論を唱えております。中華連邦加盟国も中東地域を見捨てた本国に対して不信感が高まっており、独自軍備の増強を進めております。また、一部加盟国は御存じのように、先の南洋地域の独立戦争に参戦または義勇軍を送っており、すでに連邦の統制力は及んでいないと言って間違いないでしょう。さらに、インド軍区ではナチス第三帝国の侵攻に備えてインド軍区の兵力に動員がかかっています。ただし、連邦本国系の動きは非常に鈍いものとなっています。」

 

赤坂は一拍置いてから再開する。

赤坂は世界情勢を報告するため自然、長文となる。

 

「つぎに、欧州情勢ですが・・・、これはもうどうにもならないのではないかと・・・。欧州でまともに枢軸と戦っているのはイギリスとフランスとベルギーだけです。スペインとナチス第三帝国に挟まれている時点で、これはもうどうしようもないでしょう。EU軍はフランス軍主体の反抗作戦を計画しているようですが、成功するかと言われるとかなり難しい・・・。いえ、不可能と思われます。その後のEUはイギリスへ撤退するか、アフリカ戦線で抵抗を続けるかになるでしょう。また、アフリカでの戦況ですがEU軍と現地勢力の共闘体制が出来ておりません。現地勢力の彼らにとってはEUもブリタニア軍と同じ支配者ですので難しいと言えばその通りです。また、サウジアラビア王国を中心とした抵抗軍ですが枢軸に押されており、戦況は圧倒的に不利です。また、イエメン王国が枢軸入りしたことで挟み撃ちされることとなり、状況はさらに悪化しています。また、ブリタニアは南米侵攻を開始。これに同調し枢軸入りしたブラジル連邦とアルゼンチン共和国はブリタニアの露払いとして周辺諸国に侵攻を開始。ブリタニア軍もエリア01メキシコに兵力を集結中とのことです。」

 

そして、赤坂は資料の頁をめくり報告書を読み上げる。

そして、周囲の事務官や武官たちにスクリーンに映像を映すように指示を出す。

 

「オーストラリアの状況ですが、こちらをご覧ください。我が国の諜報機関が入手したものです。」

 

部屋が暗くなる

スクリーンに映像が流れ始める。

 

映像には枢軸連合艦隊がオーストラリアのバース要塞を攻略しようとしている様子が映っている。オーストラリアは長年スイス同様に永世中立国であった。永世中立が謳われている国が中立を保つにはそれなりの条件がある。ただ、戦時における無防備都市宣言や弱小国の中立宣言などは、無条件降伏と同義である。

しかし、このオーストラリアは列強国の手を跳ね除けるだけの実力を持っていた。

オーストラリアは資源輸出国に数えられる、サクラダイト以外の資源は豊富で財力もある。

軍備も国家予算の多くを振り分けられており強国に分類される。

 

このバース要塞などもいい例である。多くのトーチカ群で守られたオーストラリアの要塞群の一つである。そして、オーストラリア各軍事要塞に設置されている要塞砲こそ、オーストラリアの中立を守る象徴、ローエングリン陽電子砲台である。

これらの要塞には連装荷電粒子収束火線砲が要塞副砲として配備されいる。また、沿岸砲としてもリニアカノン砲や対空バルカン砲、対空防護ミサイル陣地がハリネズミのように各所に配置され鉄壁の防御を誇る。

そんな、要塞の主砲ローエングリン陽電子砲台の砲塔にエネルギーが収束していく。

陽電子砲台から放たれる陽電子ビームに艦隊が薙ぎ払われる。それが通常のセオリーである。

すると、ナチス第三帝国の航空母艦から大型のMAらしき機体群が発艦する。

モスグリーン色の人型ではない平たい正方形近い形状の機体が艦隊の前に横一列に整列する。そして、その機体の表面に光学シールドが発生し、陽電子ビームを真正面から受ける。機体は爆散し背後の艦隊も海の藻屑に消える。そのはずだったが、機体は陽電子ビームを耐えきる。

 

チャージに時間がかかる陽電子砲は沈黙、副砲の収束荷電粒子砲も防がれる。

そして、そのまま枢軸軍の上陸を許し撃破されるオーストラリア軍、そこで映像が終わる。

 

「以上が諜報部よりもたらされたものです。先ほど陽電子砲を防いだ兵器ですが、専門家の見解によりますと、陽電子リフレクターではないかとのことでした。ここからは、黒木特佐にお願いします。」

 

進行役が赤坂官房長官から黒木特佐に代わり、枢軸軍兵器の解説が始まる。

そこへ、空軍長官の厳田が質問する。

 

「それは、ブリタニアの空中戦艦についているものとは違うのか?」

「専門的な部分では違うのですが、攻撃を防ぐシールドと言う考えではほぼ同一の物と考えて問題ありません。技術体系的には我が国で開発中の光波防御盾と同様の物です。」

 

厳田と黒木の質疑を聞いて陸軍参謀総長桂が顎に手を当て、複雑な表情を浮かべる。

 

「光波防御技術においては、枢軸に先を越されたようだな。この盾を破るには白兵武器に頼るしかないのか?」

 

桂の質問に、黒木はスクリーン映像を切り替えてから解説する。

サブスクリーンには蜘蛛型のMAがシールドを発生させてオーストラリア軍を撃破する姿が流れている。

 

「いえ、コーティング弾を使えば、ブリタニア軍のブレイズルミナス以外は貫通可能です。また、実弾兵器も戦艦主砲レベルの物なら貫通する可能性があります。また、これらの兵器は量産機ではないようで数は多くありません。時期に量産される可能性はありますが、しばらくは時間がありますので、こちらもそれまでに対策を考えることでしょう。時期に報告することとなりますが、それはまた次回で・・・。今後の問題はフィリピン・インドネシアの独立戦争と後々オーストラリアを支配した枢軸軍による北上への対処でしょう。」

 

その後も、喧々諤々唯々諾々の多種多様な議論が交わされ。

大凡の結論を出して大本営最高指導会議は閉会した。

 

 

 

皇歴2017年10月3日 関東州東京都千代田区 中央合同仮庁舎

 

市ヶ谷区の大本営から、千代田区の中央合同仮庁舎へ向かう黒塗りの公用車の車列。

大高の乗る内閣総理大臣専用車を中心に各大臣の公用車と軍と警察の警護車両、先導にKMF震電が2機、中央に4機、最後尾に2機だ。

この大集団の車列は7年前の侵略と、先日の奪還戦の傷跡が残る東京の街並みを通り抜ける。

復興が始まっている。官民の建機車両が公道を忙しく走り回り、各所で瓦礫の撤去が始まっている。

 

多くの軍関係者は、大本営の3軍指揮所に残ったが高野は大高の専用車に同乗し合同庁舎へ向かっていた。

 

「閣下、やっと戻ってこれましたな。7年前のあの日・・・。我々はいつかまた、この地に再び足を付けることを誓って北海道へ逃れました。7年・・・長い、本当に長い7年間でした。」

「ですが、ブリタニアの残した傷は深い。この東京だけでも、傷の深さを伺い知れます。かつて8棟あった中央合同庁舎はすべて廃墟か瓦礫の山となり、急遽仮設された仮庁舎にかつての8棟の機能を無理やり詰め込んで、何とか運営しております。」

 

高野の言葉を聞いた大高の目には、東京の惨状が映っていた。

 

「東京は、かつてのような栄華を取り戻すのは難しいでしょうな。」

 

大高の言葉を聞いた高野は同じく車窓を眺めながら返答する。

かつての高層ビル街の成れの果て、ゲットーと呼ばれた地域はブリタニア統治時代に再建されることなく、7年前の状態がそのまま残されていた。

 

「首都の件ですか?」

 

道民や東北民は軍官民の統一軍事拠点化している北海道、要塞化された首都函館の力強さに圧倒され、今後も函館を首都にと考えるものが多い。一方でブリタニア占領地に残った国民は、侵略以前の印象に従い東京を首都にと考えている節があった。

 

「国民の中には首都を東京に戻すようにと言う声もありますが・・・。今後の枢軸との戦いを考えるのなら、首都は函館のままでやっていくべきでしょう。」

 

なお、政府内の主流派は函館派であった。

 

「函館は官邸機能はもちろん各省庁の機能も移転済み。軍も同様ですし、北海道事体がある種の軍事拠点、函館要塞と陸奥港湾要塞の連携で鉄壁です。皇居も移転済み、実質、首都のですからな。」

 

7年の言う時の流れは旧首都東京を荒廃させた一方で、新首都函館を発展させていったのだ。函館首都の詳細は別の機会で語ることにする。

 

「桜坂君ら、東京帰還派には戦後政策として再遷都のことは話しますが、枢軸戦に注力しなくてはいけません。復興はしますが遷都はまだです。」

 

「今は南洋諸国に味方を作り、枢軸と連携して戦うことを目指さねばならんと・・・。」

 

大高の政治構想において、最低限度のものは別として、占領地の多くに支配を望むものではなかった。高野も同様で現地民の反感を買ってまで、その土地を支配する必要があるのかと言うことだ。

 

「その通りです。我が国一国だけで枢軸と言う大勢力には勝てません。荒唐無稽な話と思われるかもしれませんが、今次大戦は歴史上最大規模の世界大戦の様相を見せています。そして、世界の流れが大きく変わっていこうとしているようにも思えるのです。」

 

大高の言葉に、高野は思考してから答える。

 

「追い詰められたからという訳もありましたが、オランダのように支配者と言う立場を降りて、新たな時代へ進もうとする時期が来ているとお考えなのでしょうか?」

 

大高らの仲介もあったが、オランダが完全に支配者層から降りたことは、二人にとっても意外であった。

 

「はい、あれは間違いなく英断でした。被支配者層の決起は何もブリタニアだけではありません。枢軸はもちろんEUや中華連邦も抱えています。多くの被支配者層を抱えるこれらの国は、今回の決起で同様のことが起きるやもしれません。力による支配は終わりを迎えるでしょう。オランダのように自ら身を引いて友好交易国としての立場は、戦後世界の旧支配者の良いモデルケースとなるでしょう。ブリタニアやナチスドイツの脅威は軍事力にありと思われますが、KMFの実用化に成功した今、それは大きな脅威ではないのです。真に恐れるべきは、かの国の経済力・・・国力にあるのです。ブリタニアなどはあの一国で国家は完結しているのです。あの大陸の資源と穀倉地帯で他国との貿易なしでも問題なく国家運営ができる。我が国等はサクラダイトを担保に食料自給率の低さを輸入で補うなど、何かしらの貿易関係を必要とするのです。何事も自国一国ではできない。ですが、彼らはそれができる。欧州を制覇したナチスも同様に自国で完結できるのです。対する我らは同盟国と強調し補い合って初めて奴らと戦えるのです。」

 

「なれば、日本が周辺諸国を吸収し完結国家となれば・・・。そう考える者も・・・。」

 

高野の言葉に大高は、強い口調で語る。

 

「短絡的にはそういった考えもあるでしょう。ですが、違う民族を力で押さえつけるのは、住民が反発し今のブリタニアにつながる。ゆえに我々は別の道を模索するべきなのです。高野さん、我が国がアジア太平洋圏をまとめる経済圏の骨組みを組むまでは、枢軸の北上を何とか抑えていただきたい。」

 

「わかりました。海軍は勿論の事、大高閣下のお考えは厳田さんや桂さんも理解するところでしょう。軍は閣下の事業をお手伝いします。」

 

「よろしく頼みます。」

 

大高が高野に頭を下げたお願いし、再び頭を上げると車列が停車する。仮合同庁舎に到着し警衛らが左右を守る様に整列し、メディアを遮る。大高をはじめとした閣僚らは、メディアに2・3発言してから庁舎へ入っていく。

 

高野は海軍省の仮庁舎区画へ向かうため、ここで別れ。それと入れ替わる様に赤坂官房長官、矢口・片桐・平岡の3人の官房副長官と二人の筆頭公設秘書、納屋碧と三浦藍佳が続き、以下の内閣官房の秘書官・政策統括官らが追従し、さらにそれらを守る形で大勢の護衛がそれに従う。

大高は歩きながら、胸元の蝶ネクタイを締めなおす。その作業をしながら、大高は第一秘書の納屋に予定を尋ねる。

 

「納屋君、この後の予定は?」

 

大高の問いに、納屋は頭の中の予定表を引き出し即座に応える。

 

「黒の騎士団副司令官扇要氏他幹部陣との会談です。」

「そうでしたか。急ぎましょう・・・。」

 

大高のその一言で、集団の歩く速さがわずかに上がり、革靴の音が庁舎の廊下に響いた。

 

 

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